学会やシンポジウムのホームページは、開催案内を出すだけでなく、参加者が発表を探し、資料を読めるかも制作時に考えます。発表ごとの動画やPDFを見つけられることと、事務局が準備・更新を続けられることを、一緒に整理するためです。
次年度も使う予定があるなら、今年の内容を残す範囲と、来年の案内を作る方法も先に検討します。当社のオンラインシンポジウム制作事例をもとに、発表資料の見せ方と、年度をまたぐ運用で決めたいことをご紹介します。
発表を読むためのレイアウトを考えた制作事例
大阪府泉南郡熊取町にある京都大学複合原子力科学研究所様から、オンラインシンポジウムのサイト制作をご相談いただきました。獣医学BNCT推進プロジェクト様の制作事例として、ご紹介している案件です。
制作では、参加者が読み慣れている参考文献のページ形式をもとに、文字を中心とした、読みやすくすっきりしたレイアウトにしました。研究発表を読む場所として、装飾を増やすことより、内容を確かめやすいことを重視しています。
口頭発表、ポスター発表、Zoomによるオンラインシンポジウムなど、発表形式に応じた機能を実装しました。動画やPDFを掲載し、参加者がコメントを残せる仕組みも設けています。また、身元を示して利用者登録する仕組みをご希望いただいた案件です。
さらに、一度の開催だけでなく、次年度以降にも活用できるよう、テンプレートを設計しました。テンプレートとは、情報を入れ替えて使うページの型です。発表を見る方と、掲載する事務局の両方から、構成と機能を考えた制作です。
開催案内から、各発表の資料までたどれるようにする
開催日や趣旨を知りたい人と、発表内容を読みたい人では、探す情報が違います。トップページで開催概要を紹介し、その先に発表一覧、各発表のページを置くなど、読む目的に合わせて情報を並べます。
発表一覧では、発表名、発表者、分野や枠など、探す手掛かりになる項目を選びます。すべての資料を一ページに並べると、数が増えたときに目的の発表を探しにくくなるためです。実際に必要な項目は、発表の種類と、参加者の探し方に合わせて決めます。

口頭発表のページを考える例
架空の研究会で、発表の動画と補足資料を見てもらう場合を考えます。発表名と発表者、内容の説明の下に動画を置き、関連するPDFを同じ発表の資料として案内します。「資料はこちら」だけでなく、動画の補足なのか、発表全体の資料なのかも分かる言葉にします。
ポスター発表のページを考える例
同じ架空の研究会で、ポスターをPDFで読む場合は、発表名から資料へ進めるようにし、拡大して読めるか、端末上で資料を開けるかを確かめます。口頭発表と同じ並びに無理にそろえず、読む内容に合うページを考えます。
どちらの場合も、掲載する資料が変わったとき、発表一覧と各ページの案内が食い違わないかを確認します。一覧に発表があっても資料がまだ用意できていない場合は、その状態が分かる表示を決めておきます。
四つの目的ごとに、掲載内容と確認する人を決める
開催までの作業を考えるには、ページの数だけでなく、誰が内容を用意し、何を確かめるかを対応させます。次は、制作会社と主催者で話すための構成例です。すべての研究会に同じ機能が必要という意味ではありません。
| 目的 | 用意する情報 | 主催者が決めること |
|---|---|---|
| 開催を知ってもらう | 趣旨、日程、開催方法、参加の案内。 | 公開してよい内容と、変更時に確認する人。 |
| 発表資料を読む | 発表一覧、発表ごとの説明、動画・PDF。 | 必要な項目、資料の提出・確認方法、閲覧できる範囲。 |
| 参加者が利用する | 登録や利用の案内、参加者向けの情報。 | 誰が、いつからいつまで、何を利用できるか。 |
| 次年度へ引き継ぐ | 再利用するページの型、過去の開催記録。 | 残す内容、入れ替える内容、翌年の更新担当。 |
資料を提出する発表者と、掲載前に確認する事務局が別であれば、その受け渡しも決めます。制作会社がページを作ることと、発表内容や掲載できる範囲を主催者が確認することは、別の役割です。
すべての資料がそろうまでページを作れないとは限りません。先に発表ページの項目や並びを決め、必要な資料をあとから入れられるかを相談します。提出後に差し替える場合も、誰の確認を受けて公開するかが分かるようにします。
公開する案内と、登録した参加者が使う情報を分ける
開催趣旨は広く読んでもらいたい一方、発表資料やコメントは、登録した参加者に使ってもらいたい場合があります。どのページを誰が見られるかは、構成を考える段階で整理します。
たとえば、開催案内と発表名は一般に公開し、各発表の資料は登録後に閲覧する、といった設計が考えられます。これは構成の例で、すべての学会に同じ公開範囲を勧めるものではありません。主催者が決めた範囲に合わせて、必要な登録方法と画面を検討します。
登録していない人が資料へ進もうとしたときは、単に開けない画面にするだけでなく、誰が利用でき、どこから手続きするかを案内します。開催が終わったあとも閲覧を続けるなら、その期間と、終了時の表示も決めます。
制作時には、想定した利用者の条件で、見られるページと見られないページを確かめます。ページだけでなく、資料ファイルへ直接進んだ場合も、決めた公開範囲に合うかを確認する必要があります。必要な仕組みは、現在のサイト環境と資料の種類に合わせて相談します。
今年の記録を残すことと、来年の案内を作ることを分ける
ページの型を次年度に使う場合も、今年の案内をそのまま書き換えるだけでよいとは限りません。過去の発表を残す予定なら、今年の開催情報と資料を、今年の記録として見つけられるようにする必要があります。
再利用するのは、発表名や資料を入れる場所、見出しや一覧の並びなど、ページの型です。開催日、登壇者、提出する資料、閲覧できる人と期間は、新しい年度の内容として確かめます。過去の閲覧設定を、そのまま来年へ引き継ぐとは決めつけません。

年度を切り替えたあとに、トップページは来年の案内なのに、資料へのリンクは今年のまま、といった食い違いがないかを見ます。過去の情報を誰にいつまで見せるかは、主催者が確認・決定した内容を反映します。
翌年の担当者が、何を直すか分かる状態にする
継続して使うサイトでは、最初に制作したときの担当者が、毎年すべてを更新するとは限りません。開催概要を変える場所、発表を追加する場所、資料を差し替える場所が分かるように、実際の作業に合わせた管理方法を考えます。
引き継ぎには、普段の更新で触る箇所と、制作会社へ相談する変更を分けておく方法があります。新しい年度のページを作る、発表形式を増やす、閲覧できる範囲を変える、といった作業が、それぞれどこまで事務局で行えるかを確かめます。
制作前には、開催時期、発表の種類、掲載したい資料、次年度も使う予定を伝えると、必要な範囲を相談しやすくなります。未定の項目は、決めるための材料から一緒に考えられます。
資料の見せ方と、続けられる更新方法を相談する
みやあじよでは、開催案内だけでなく、発表資料を読むための構成や、次年度の更新を含むサイト制作をご相談いただけます。開催日だけ決まっていて、資料の見せ方や管理方法が未定でも、お話を伺います。
熊取町の研究機関・事務局で、学会やシンポジウムのサイトを検討している方は、熊取町でホームページ制作を相談するをご覧ください。過去の制作事例と同じ機能を一律に当てはめず、今回の発表内容と運営方法から考えます。


