パブリックドメイン画像おすすめサイト7選|安全に商用利用するための注意点も細かく解説

パブリックドメイン画像おすすめサイト7選|安全に商用利用するための注意点も細かく解説

パブリックドメインとは?

写真・絵画・小説などの作品の著作権がなくなった、あるいは放棄された状態のことです。つまり、勝手に使ってはいけなかった作品が、著作権にとらわれることなく誰でも自由に使える状態になったもののことをいいます。 パブリックドメインも、もともとは著作権により保護されていて、第三者が勝手に使用することは法律で禁止されていたものです。しかし著作権によって作品を保護できる期間は決まっています。基本的には、作品の著作者の没後70年までです。また、作者本人が著作権を放棄した作品については、作者の死後70年経たずとも、パブリックドメインとして誰でも自由に使用可能です。

そもそも著作権とは?

そもそも著作権とは、法律によって「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の2つに大別されます。

種類特徴・ルール
著作者人格権著作者の承諾無しに作品を公表してはいけない。
著作者の承諾無しに作品の名前や内容を変えてはいけない。
著作者の名前を公表はするのかは著作者本人が決める。
財産権が第三者に譲られた場合も、人格権は譲られない。
パブリックドメインとなった作品でも、人格権はなくならない。
著作権(財産権)「著作権が存在する作品を著作者以外が利用する場合には著作者の許可が必要」という権利のことを言う。
複製・展示・貸与など、作品の利用方法ごとに著作権が発生する。
利用したい作品が著作権によって保護されている場合には、著作者の許可が必要。

ここで注意が必要なのが、個体として存在していない作品も著作権で保護されているということです。例えば、ダンスの振り付けや音楽などがあります。形あるものではないけれど作者が存在する作品は、作った本人の思想や感情を表現したものであるため、著作権が与えられているのです。作者が存在する作品には、全て著作権が存在すると覚えておきましょう。

パブリックドメインは商用利用ができる?

結論、パブリックドメインとなった作品は商用利用ができます。「パブリックドメイン=著作権がない状態」のため、営利目的で自由に使おうが、法律違反にはならないからです。世界の有名な絵画「モナ・リザ」に例えてみましょう。モナ・リザの作者「レオナルドダヴィンチ」は1519年に亡くなっており、原作の著作権保護期間はすでに切れています。そのため、モナ・リザの絵画をプリントしたTシャツを販売して利益を得たとしても、著作権法違反にはならないと考えられます。しかし、パブリックドメインか否かの判断は実はとてもややこしく、何点か注意が必要です。以下で説明していきます。

パブリックドメインを商用利用する際の注意点5つ

パブリックドメインの作品を商用利用する際には主に以下の5つについて注意しましょう。

  • 「フリー素材」と「パブリックドメイン」は違う
  • 二次的著作物の利用に注意
  • 著作者の人格権はなくならない
  • 著作権が切れて間もないパブリックドメイン利用は要注意
  • クレジット記載の必要性は念のため確認しておく

順番に解説します。

「フリー素材」と「パブリックドメイン」は違う

パブリックドメインとよく似たものに「フリー素材」というものがあります。どちらも、素材を自由に使用できることに変わりはありません。しかし、フリー素材はパブリックドメインのように「著作権の保護期間が切れている作品」とは言い切れないのが事実です。そのため、フリー素材をパブリックドメインだと間違えて勝手に商用利用をすると、著作権法違反に問われる恐れがあります。非営利目的で使う分には問題ありませんが、営利目的で使う際には、使いたい作品が「商用利用可能か」を素材の掲載サイトの中で十分に確認しましょう

二次的著作物の利用に注意

「二次的著作物」とは、パブリックドメインとなった作品を利用して新たに作り出された作品のことを言います。パブリックドメインである作品の原物そのものは商用利用が可能ですが、二次的著作物には新たに作者が存在するため、商用利用が難しいです。先程の「モナ・リザ」で例えて説明します。モナ・リザの原画自体はパブリックドメインのため、商用利用ができます。しかし、モナ・リザの原画を撮影した写真を利用する場合には、写真の撮影者が持つ著作権が絡んでくるということです。二次的著作物として世に出た作品には新たに著作権の保護期間が加わるため、利用には注意しましょう。

著作者の人格権はなくならない

冒頭でも触れたように、パブリックドメインとなった作品には「著作者人格権」が存在します。著作者人格権とは、「著作者の気持ちに反するような表現・加工・改変をしてはならない」というものです。著作者人格権が侵害された場合、原作者の孫の代までが訴える権利を持つと言われています。例えば、モナ・リザの著者・レオナルドダヴィンチの孫が現在も生存していたとします。この場合、レオナルドダヴィンチの没後から70年経っていれば、モナ・リザの原画を商用利用することは可能です。しかし、パブリックドメインとしてダウンロードしたモナ・リザ原画にいたずらな落書きをして公表した場合は、人格権の侵害として訴えられる可能性もあるということです。
モナ・リザに関して言えば、孫の代もすでに亡くなっていると考えられるため、改変された作品が世に多く流出しています。しかし、パブリックドメインとしての歴が浅い作品には著作者人格権が存在することがほとんどのため、利用方法には注意しましょう。

著作権が切れて間もないパブリックドメイン利用は要注意

著作権が切れて間もないパブリックドメインの作品には、著作権の相続を請け負った人物がいる場合があります。そのため、その作品をパブリックドメインだと思って商用利用したり、改変して公表したりすると、著作権保護に違反してしまう可能性も否めません。著作権が切れて間もないパブリックドメインを使う際には、「本当に商用利用して大丈夫なのかしっかり確認する」ことが大切です。また、パブリックドメインかどうか判断が難しい作品の場合は、あえて使わないことも安全策となるでしょう。

クレジット記載の必要性は念のため確認しておく

自由に商用利用ができるパブリックドメインでも、クレジット記載が必要かどうかは念のため確認しましょう。確認方法は、使いたいパブリックドメインの作品が掲載されているサイトのトップページ・ヘルプページ・利用規約などから確認できることがほとんどです。

パブリックドメインの商用利用が可能なおすすめ画像サイト7選

ここでは、パブリックドメインとして商用利用可能な作品を掲載している画像サイト7つを紹介します。

  • photoAC
  • O-DAN(オーダン)
  • パブリックドメインR
  • パブリックドメインQ
  • GIRLY DROP
  • Loose Drawing
  • ちょうどいいイラスト

順番に見ていきましょう。

photoAC

photoACは、総会員数が800万人以上の人気フリー画像サイトです。人物写真・花などの植物の写真・イメージ写真など、掲載されている画像がかなり種類豊富にあります。そのため、ほしい画像が見つかりやすいです。なお、無料会員がサイト内で画像を検索できる回数は1日4回までと決まっています。有料会員は無制限で検索可能です。ヘルプページにはphotoAC掲載画像の利用方法として、許可されているものから禁止されているものまで細かく説明してくれています。また、同じ運営サイト内にはイラストやシルエットの素材サイトもあります。

≫photoACのサイトはこちら

O-DAN(オーダン)

O-DANは、複数の画像掲載サイトを一括して検索できる海外の画像サイトです。検索回数に上限はありません。英語で検索する必要はなく、日本語の検索に対応しています。掲載している画像は、比較的オシャレで芸術的なものが多い印象です。デザイン性にこだわりたい方や、シックな仕上がりにしたい方におすすめのパブリックドメイン画像サイトです。

≫O-DAN(オーダン)のサイトはこちら

パブリックドメインR

パブリックドメインRは、白黒写真を中心に取り扱う画像掲載サイトです。2000年代以前にモノクロフィルムのカメラで撮影された写真が多く、人物・建物・風景などが古風な印象で映し出されています。写真だけではなく、浮世絵や版画などもダウンロード可能です。それぞれの画像ページに飛ぶと、「著作者の没年」や「パブリックドメインか否か」などのライセンス説明の表記があります。そのため、本当に商用利用して良いのか心配な方でも安心してダウンロードできるでしょう。

≫パブリックドメインRのサイトはこちら

パブリックドメインQ

パブリックドメインQは、パブリックドメインRと同じ運営の、写真・イラスト・絵画素材サイトです。パブリックドメインRとは反対に、カラフルな画像を多く取り扱っています。画像それぞれのページ飛ぶと3択クイズがあるのが特徴です。クイズに正解すると画像をダウンロードできるという、遊び心をくすぐられる画像掲載サイトです。

≫パブリックドメインQのサイトはこちら

GIRLY DROP

GIRLY DROPは、名前の通りガーリーでかわいらしくオシャレな画像が多く掲載されているサイトです。Webデザイナーや写真家として活動している2人の女性が運営しており、写真の撮影や加工なども全て女性2人で行っています。他のパブリックドメイン画像サイトとは違い、アニメーション付きの「動く画像」も取り扱っているのも魅力です。色鮮やかな画像が多く、サイト全体的にも女の子らしい印象があります。かわいくオシャレで華やかな画像を無料ダウンロードしたい方におすすめです。

≫GIRLY DROPのサイトはこちら

Loose Drawing

Loose Drawingは、シンプルでどんな場面にもマッチする汎用性の高いイラストがダウンロードできるサイトです。1つのイラストに使っている色はほとんどが3色以内で構成されています。イラストそれぞれのメインカラーを「赤色・緑色・水色・黄色・黒色・白色」にカスタムできるのが魅力です。また、具体的なイラストも発注できるため、デザインに困っている方や独自のホームページを作成したい方にもおすすめです。なお、商用利用は可能ですが、著作権はイラストの作者にあります

≫Loose Drawingのサイトはこちら

ちょうどいいイラスト

ちょうどいいイラストは、名前の通り、どの場面でもちょうどよくフィットするイラストがダウンロードできるサイトです。シンプルなタッチで描かれたイラストが取り揃っており、派手過ぎず地味過ぎない色使いが魅力です。なお、商用利用は可能ですが、著作権はイラストの作者にあります

≫ちょうどいいイラストのサイトはこちら

【あわせて知りたい】パブリックドメインと区別すべき作品の種類3つ

パブリックドメインの他にも、「自由に利用可能」とされる作品の種類はいくつかあります。その中でも以下の3つのことはおさえておきましょう。

  • クリエイティブ・コモンズ
  • CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)
  • ロイヤリティフリー

パブリックドメインと区別するうえで注意が必要なことについても紹介します。

クリエイティブ・コモンズ

表示・改変・商用・継承の4つの条件をそれぞれ組み合わせて、6種類のライセンスを作ったものがクリエイティブ・コモンズです。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」より引用

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのどれか1種類を著作物に付けることで、「この作品はこのルールを守れば自由に使用可能です」と提示できます。そのため、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付いている作品は、著作権が放棄されたパブリックドメインよりも、商用利用のハードルが高いと言えるでしょう。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付いた著作物を利用したいときは、著作物がどの種類のライセンスが付いていてどんなルールがあるのか十分な確認が必要です。

CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)

著作者が自らの作品に対し、「著作権に関するどんな権利も所有しない」としたものがCC0です。つまり、著作権の保護期間に関わらず、著作権を放棄して「私の作品をパブリックドメインにします」と意思表示できる手段とも言えます。CC0となった作品で許可されることは主に以下の3つです。

  • 商用利用が可能
  • クレジット記載が不要
  • 加工・改変が可能

CC0は、主に美術館や図書館で公開されている作品に多いです。それぞれの作品がCC0のライセンスを所有しているのかどうかは、掲載されている美術館サイトから確認できます。CC0の画像を利用する方は画像掲載サイトの中から確認してみてください。

ロイヤリティフリー

ロイヤリティフリーは、著作権で保護される作品の「利用権を購入」してダウンロードすれば、何度でも無料で使える状態のことを言います。ロイヤリティフリー作品の初回ダウンロード時は、ほとんどの場合が有料です。つまり、「最初にお金を払うことで、パブリックドメインとして利用可能になる作品」とも言えます。パブリックドメインだと思って最初から勝手に使ってしまわないように注意しましょう。

まとめ

パブリックドメインの作品は、著作権にとらわれず商用利用も可能で便利なものです。しかし、定義が曖昧だったり、似たような意味の言葉も多いため、商用利用時はいくつか注意が必要になります。のちのトラブルを防ぐために、商用利用可能だとしても、実際にダウンロードする際には利用規約をしっかり読んでおきましょう。特にイラスト作家が運営しているサイトの利用規約には「商用利用可能ですが著作権は放棄していません」と書かれていることがほとんどです。それぞれのサイトでの決まりをしっかり読んで理解したうえで、パブリックドメインの作品を利用することをおすすめします。

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