パブリックドメインの絵画を使いたい!無料ダウンロードできるサイト7選と商用利用の可否も調査

パブリックドメインの絵画を使いたい!無料ダウンロードできるサイト7選と商用利用の可否も調査

パブリックドメインとは?

パブリックドメインとは「写真・絵画・小説などの作品の著作権がなくなった、あるいは放棄された状態」のことです。つまり、勝手に使ってはいけなかった作品が、著作権にとらわれることなく誰でも自由に使える状態になったもののことをいいます。 パブリックドメインも、もともとは著作権により保護されていて、第三者が勝手に使用することは法律で禁止されていたものです。しかし著作権によって作品を保護できる期間は決まっています。原則では、著作者の没後70年までです。著作物の種類によっては、公表後や創作後から70年後の場合もあります。そのため、はるか昔に創作・公表された絵画の大半は、すでにパブリックドメインとなっているものが多いです。また、作者本人の意思で著作権を放棄した作品の場合、作者の没後70年経たずとも、パブリックドメインとして誰でも自由に使用できます。

使いたい絵画がパブリックドメインか調べる必要はある?

結論から言うと、使いたい絵画がパブリックドメインかどうかは調べた方が安全だと言えます。一般的に、歴史が深くて古い絵画は、作者の没後から70年以上経っているものがほとんどです。そのため、パブリックドメインとして商用利用するのは問題ないでしょう。しかし、「没後70年」は日本で定められた著作権保護期間であって、海外の国々でも同じ定めとは限りません。実際のところ、現在のメキシコでは著作権保護期間が「100年」です。とはいえ、私たちが自力で、「使いたい絵画がパブリックドメインなのか」を綿密に調べつくすには限界があります。そこで、簡単に調べる方法として以下の方法をおすすめします。

  • 画像の掲載サイトの利用規約やヘルプページを読んで調べる
  • 画像掲載サイトで見つけた作品のページに飛んで、ライセンス情報を探す

もし使いたい絵画がパブリックドメインなのか曖昧な場合は、あえて使わないという安全策も視野に入れておくと良いでしょう。

パブリックドメインの絵画がダウンロードできるサイト7選

パブリックドメインの絵画がダウウンロードできるサイトを、掲載画像が多い順に7つまとめました。

  • バイオダイバーシティ遺産図書館
  • 大英図書館
  • ニューヨーク公共図書館
  • メトロポリタン美術館
  • ナショナル・ギャラリー・オブ・アート
  • ParisMusées
  • ニュージーランド国立博物館

パブリックドメインの絵画が安全にダウンロードできるサイトは、美術館のサイトがほとんどです。ここでは、今から紹介するサイトからダウンロードした絵画が「商用利用可能か」についても併せて紹介します。

バイオダイバーシティ遺産図書館

バイオダイバーシティ遺産図書館は、イギリスとアメリカにある14か所の図書館・博物館・研究機関が共同で作り上げた、デジタル上の博物館です。掲載作品数は200万件以上あります。取り扱っている絵画・イラストは、動物・植物など自然関係のものが多いです。ダウンロードは無料で、商用利用もできます。

≫バイオダイバーシティ遺産図書館のサイトはこちら

大英図書館

大英図書館は、イギリスにある世界最大級の図書館です。集まっている資料の総数は1億5,000万件以上あります。絵画やイラストだけでなく、地図やタイポグラフィなど、様々な種類の作品が取り揃えられています。パブリックドメインとしてサイトに掲載されている作品数は100万件以上です。掲載されている作品は全て、誰でも自由に使用可能で、商用利用もできます

≫大英図書館のサイトはこちら

ニューヨーク公共図書館

アメリカの観光名所として多くの人に親しまれているニューヨーク公共図書館は、ネット上で作品を閲覧できるように特設サイトを構えています。掲載サイトは「New York Digital collection」というサイトで、書物・写真・絵画・原稿・地図・楽譜など、様々な作品が閲覧可能です。また、日本の歴史的芸術である「浮世絵」も多数取り揃えられています。掲載作品数はおよそ88万件以上です。数々の歴史的作品を無料でダウンロード可能で、商用利用もできます

≫ニューヨーク公共図書館のサイトはこちら

メトロポリタン美術館

メトロポリタン美術館は、総コレクション数300万点以上の美術品が集められている、世界最大級のアメリカの美術館です。ネットサイトに公開されている作品はおよそ40万6,000件以上あります。絵画などの作品ページに飛ぶと、画像の下に「Public Domain」との表記があるものがパブリックドメインとして利用可能です。作品の数々は商用利用も許可されており、日本文化に関係する作品も多く取り扱っています。

≫メトロポリタン美術館のサイトはこちら

ParisMusées

ParisMuséesは、フランス・パリ市内の14か所の美術館にある作品を無料ダウンロードできるサイトです。掲載されている作品数は36万件以上あり、ほとんどが商用利用も許可されています。なお、パブリックドメインとして利用する際には、クレジット記載することが勧められています

≫ParisMuséesのサイトはこちら

ニュージーランド国立博物館

ニュージーランド国立博物館は、ニュージーランドの文化や芸術の中心地である首都「ウェリントン」にある博物館です。規模は南半球最大とも言われています。ニュージーランド国立博物館がサイト上に無料公開している作品数は6万件以上です。公開作品のうちおよそ半数は、クレジット記載で個人利用のみ可能ですが、その他の作品はパブリックドメインとして誰でも自由に使えます。なお、「商用利用が可能か」や「ダウンロードが無料か」については各作品のページで確認が必要です。

≫ニュージーランド国立博物館のサイトはこちら

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート

アメリカ・ワシントンD.C.にあるナショナル・ギャラリー・オブ・アートは、観光地としても人気の国立美術館です。世界的な名作の数々が取り揃えられており、サイトで無料公開している作品はおよそ5万件に上ります。個人利用としてはもちろん、商用としても無料ダウンロード可能です。19世紀のアーティストである「ゴッホ」や「モネ」の作品も多く取り扱っています。

≫ナショナル・ギャラリー・オブ・アートのサイトはこちら

商用可能な絵画のダウンロードには美術館サイトがおすすめ

これまでで紹介したように、パブリックドメインの絵画を商用利用したい場合は、美術館の公式サイトからダウンロードするのがおすすめです。他のパブリックドメイン素材サイトに比べて、掲載されている絵画のライセンス情報がより正確のため、安心してダウンロードできるでしょう。しかし、それぞれの芸術家の作品は1つのサイトに全て集約されている訳ではありません。そのため、1つのサイトだけで目当ての作品を見つけるのが難しい場合もあります。美術館のサイトではどうしても目当ての絵画が見当たらない場合は、パブリックドメイン素材サイトで探してみても良いでしょう。その際は、掲載されているパブリックドメイン作品が「どんな利用方法なら許可されているのか」をしっかり確認した方が安全です。
なお、様々な美術館では、世界の名作絵画をデジタルアーカイブとして保存する動きが進んでいます。流れ的に、今後もさらにデジタルアーカイブ化される絵画が増えていくでしょう。今は目当ての絵画がなくても今後追加されてくると見つかるかもしれません。気になる人はチェックしておいてください。

有名な絵画や昔のイラスト1万点をダウンロードできる「Artvee」もおすすめ

「Artvee」は世界中の有名絵画を1万点以上集めて掲載している素材サイトです。取り扱っている画像は無料ダウンロード可能で、商用利用もできます。ダウンロードした絵画やイラストを利用する際は、クレジット表記が必要なく自由に使えるのも魅力です。なお、検索する言語は英語で入力する必要があります。また、掲載されている絵画・イラストは、有名なものからマイナーなものまで幅広いです。そのため、探していた画像のイメージにまさにピッタリな作品にも出会えるかもしれません。

≫Artveeのサイトはこちら

パブリックドメインの絵画を使用する際の注意点

パブリックドメインの絵画を利用する際は、主に以下の3つを注意しましょう。

  • 著作者の人格権を傷つけてはならない
  • ダウンロードが有料か無料か確認する
  • 営利目的の場合は商用利用が可能なのか要確認

順番に説明します。

著作者の人格権を傷つけてはならない

パブリックドメインの絵画を使用する際、内容を勝手に変えると「著作者人格権」を傷つける可能性があります。著作者人格権とは、「作品に対する著者の意に沿わない表現・改変などをしてはいけない」というような決まりです。例として、有名な絵画「モナ・リザ」を、原画の顔の色とは違う色に変えて公表した場合で説明します。原画とは違う色に変えることは、作者のレオナルドダヴィンチがモナ・リザを描いたときの意に反する表現となるため、著作者人格権を侵害する恐れがあります。パブリックドメインとなった絵画も、もともとは著作権によって保護されていたものです。作者の没後70年が経って著作権が放棄された場合でも、「著作者人格権」は著者の孫の代までが訴える権利を持つとも言われています(しかし諸説はある)。
モナ・リザに関して言えば、作者の孫の代も生存していないと考えられるため、人格権を訴える権利を持つ人は恐らくいないはずです。結論、パブリックドメインの絵画を使用する際は、著作者の人格権にも気をつけましょう。

ダウンロードが有料か無料かを確認する

パブリックドメインの絵画をダウンロードする際には、ダウンロード自体が有料か無料かについてよく確認しましょう。サイトによってダウンロードできる条件は様々です。パブリックドメインの絵画を掲載している美術館サイトは、大半が無料ダウンロードできます。しかし、中には初回ダウンロード時に料金がかかり、ダウンロード後は自由に使用できる「ロイヤリティフリー」の絵画サイトもあります。使いたい絵画を探す前に、サイトの利用規約やヘルプページなどで確認してみてください。また、海外のサイトは英語表記ばかりのため、「規約を読んでもわからない」という方も多いでしょう。その場合は、「〇〇(美術館名)絵画 ダウンロード」のフレーズで検索をかけて、絵画の掲載サイトに関する紹介記事を見るのもおすすめです。

営利目的の場合は商用利用が可能なのか要確認

営利目的の場合は商用利用が可能なのか要確認 パブリックドメインの絵画を営利目的で使う場合は、商用での利用が許可されている必要があります。サイトから絵画をダウンロードする際によく確認しましょう。確認方法は、パブリックドメインか否かを見る時と同様です。

  • 画像の掲載サイトの利用規約やヘルプページを読んで調べる
  • 画像掲載サイトで見つけた作品のページに飛んで、ライセンス情報を探す

サイトによっては、商用利用したい場合に専用フォームから承認申請が必要な場合もあります。

あの有名な著者の絵画にもパブリックドメインがある!

世界中の多くの人が知る有名な著者の絵画も、パブリックドメインとして流通しているものがあります。ここでは、例として以下の3人についてまとめました。

  • フィンセント・ファン・ゴッホ
  • 歌川広重
  • 葛飾北斎

順番に紹介します。

フィンセント・ファン・ゴッホ

オランダ人画家として数々の名作を残したフィンセント・ファン・ゴッホは、著名作を知る人も多いでしょう。代表的な作品として、「ひまわり」や「星月夜」、自身を描いた「自画像」などがあります。どれも1880〜1890年代に描かれたものです。ゴッホは1890年に生涯を終えています。彼は実は、生前に売れた作品はわずか1つだけだったそうです。しかし、没後130年以上経った今、ゴッホの作品は世界中の人が知る名作となっています。そして彼の名作の数々は、今ではパブリックドメインとして多くの美術館サイトや画像素材サイトに掲載されています。気になる方はぜひ探してみてください。

歌川広重

江戸時代に浮世絵師として活躍した歌川広重は、数々の名作を残しています。よく知られているものでは、「東海道五十三次」があります。歌川広重の作品は、有名なオランダ人画家・ゴッホも絶賛したと言われるほど、繊細で魅力的なものが多数です。そんな歌川広重の名作もパブリックドメインとして利用できるものが多くあります。画像素材サイトだけでなく、海外の美術館サイトにも掲載されていることがあるため、ぜひチェックしてみてください。

葛飾北斎

葛飾北斎は、若い頃から輝かしい才能を放ち、数々の名作を生み出してきた、江戸時代の天才浮世絵師です。代表作として「富嶽三十六景」を知る人は多いでしょう。また、大胆な色使いや躍動感あふれる画風のものもあれば、シンプルかつ繊細な筆使いの画風のものなど、多様な雰囲気の浮世絵があります。気になる方はぜひ探してみてください。

まとめ

世界中には、パブリックドメインとなって誰でもダウンロードできるようになった絵画がたくさんあります。そのうちの大半は、無料でダウンロードでき、商用利用が可能な絵画も多いです。パブリックドメインの絵画を探すなら美術館サイトを活用すると良いでしょう。ダウンロードする際や何かの用途に使う際には、それぞれの絵画のライセンス情報もよく確認することをおすすめします。

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