新サービスの担当者二人が無記名の見本と白紙の工程資料を確認する場面

NOTES

実績が少ないLPで何を見せる?既存経験・提供工程・成果物を根拠にする方法

新サービスの実績が少ないLPで何を根拠にするか。既存経験・提供工程・成果物の主張と資料、適用範囲、載せられない表現を対応表で整理します。

チップス

新しいサービスのランディングページを作りたいが、そのサービスで公開できる成果事例がない。担当者が既存事業で培った経験はあるのに、「導入実績多数」「売上が伸びる」と書ける資料はない。数字を外すと今度は「丁寧に対応します」「伴走します」だけになり、依頼する内容が見えなくなる。実績が少ないLPでは、言える事実と、まだ言えない成果を分けて構成を決める必要があります。

この記事は自社サービスのLPを発注・改善する担当者に向けた掲載設計です。既存事業の経験、現在の提供工程、渡せる成果物を、主張・直接裏付ける資料・適用範囲・載せられない表現・代わりに見せる材料の対応表にします。架空の新サービスを使う設計例であり、実績や顧客の声、改善率を補って作るものではありません。提供内容と掲載許可は事業責任者が確認し、制作担当は確認できた範囲をページと広告の言葉へ変換します。

実績がない理由と、すでにある材料を分ける

みやあじよのランディングページ制作ページは、「誰のための提案か」「何が変わるか」「なぜ信じられるか」「次に何をするか」を一つの流れで示し、根拠・事例選定、フォーム、広告との整合まで制作範囲として挙げています。事例が足りないときも、四つの問いのうち「なぜ信じられるか」を空白にしてよいわけではありません。ただし答えを架空の成功談で埋めることもできません。

まず、実績が「ない」のか「公開できない」のかを分けます。新サービスの提供件数がまだない、試行したが結果を測っていない、既存顧客に提供したが公開許可がない、社内の検証はあるが顧客での結果ではない。この四つは、LPで言えることが違います。「非公開の有名企業に採用」とにおわせることも、未測定の体感を成果数字へ変えることも避けます。確認中の情報には担当者と必要な資料を記録し、公開原稿からは外します。

一方で、既存事業から引き継げる材料はあります。担当者の経歴、扱ってきた業務の範囲、いま提供できる作業、相談から納品までの工程、実際に渡す資料の型などです。ただし「経験がある」と「新サービスで成果が出た」は別の主張です。経験を載せるときは、いつ、誰が、どの仕事で積んだものかを示し、新サービスの顧客成果として読ませない見出しにします。

主張の強さを、元資料と同じ範囲に戻す

消費者庁の表示規制の概要は、商品・サービスを実際より著しく優良または有利と受け取らせる表示を禁じ、効果や性能の主張には裏付けとなる資料が問題になることを説明しています。具体的な法令の適用は対象や表示内容によって異なるため、ここで個別の適法性を判定しません。LP制作の実務では、強い言葉を置く前に、その主張を直接支える資料と条件を確認することが出発点です。

広告を使うなら、Google広告の不実表示に関するポリシーも確認します。広告とリンク先の内容が食い違う表示、実際には提供できないサービスや過度な成果の主張は問題になります。この指針を、全ての広告媒体の規則として一般化せず、自社が利用する媒体と広告内容に合わせて確認します。「無料相談」と広告に書いたのに、LPの申込み先では有料の試験提供だけを案内するような不一致を防ぐための点検です。

主張を一段弱くすれば、根拠のない表現でも使えるわけではありません。「絶対に成果が出る」を「成果が期待できます」に直しただけで、何を提供するのかが見えないままなら判断材料になりません。出せない結果の代わりに、依頼前に確認できる工程、担当者、提供物、対象外の範囲を示します。顧客が得る結果を約束することと、会社が行う作業を具体的に示すことを分けます。

五つの欄で、載せる文と載せない文を決める

次の表と図は、架空の事業者が新しい業務支援サービスのLPを作る設計例です。実在の会社や顧客の成績を示しません。主張の横に、資料が直接証明できる範囲を置きます。ない資料は「確認中」と書いて埋めず、代わりに現在確認できるものへ訴求を組み替えます。

LPで考える主張 直接裏付ける資料 適用範囲 載せられない表現 代わりに見せる材料
担当者は関連業務を経験 経歴と担当業務の確認済み記録 既存事業で担った仕事 新サービスの導入実績が豊富 担当する人と経験の対象
初回に課題と対象を整理 現行の提供手順と担当者の確認 今提供する工程 全社の課題を必ず解決 相談から提案までの流れ
整理した資料を渡す 実際の成果物の型と提供条件 契約で含める範囲 どの案件にも同じ結果が出る 個人情報を含まない見本
新サービスの効果 測定済みの顧客データなし まだ評価できない 改善率・導入社数・顧客の声 検証する指標と時期の説明

「経験」は、経歴が事実でも役割を広げると別の主張になります。既存事業で原稿整理を担当した人を、新サービスの開発責任者として紹介しないことです。「成果物」は見本を作れる一方、見本が実際に顧客へ納品された証拠にはなりません。サンプルと明記し、実際の納品形式や変更可能な範囲が確認済みかを記載します。効果の行は空白を架空の数字で埋めず、公開後に何を測るかだけを説明します。

表は一度作って終わりではありません。提供条件が変われば、説明文と見本、広告文、申込画面を同時に確認します。根拠資料の確認日と原稿の更新担当を残しておくと、過去の条件を新しいサービスの約束として残しにくくなります。

新サービスのLPで確認済みの経験、現行の工程と成果物、未確認の効果を分け、掲載可能な根拠から原稿を作る図
確認済みの材料だけをLPへ載せ、未測定の成果は数字に置き換えません。

資料の持ち主と掲載許可も表に足す

社内の工程表や納品物に実在顧客の内容が含まれる場合、内容が正しくてもそのまま見本へ使えるとは限りません。みやあじよのBtoB事例ページの記事は顧客許諾、匿名化、成果条件など、既に案件がある場合の事例化を扱っています。本稿はその前段階です。公開できる事例がまだないときに、誰の許諾が必要かを曖昧にして「実績」の欄を埋めません。資料の持ち主、確認者、掲載可否を内部の対応表へ加えます。

工程は「丁寧に対応」の中身まで示す

成果事例が少ないLPで、提供工程は比較材料になります。ただし「ヒアリング→提案→納品」の三語だけでは、何を聞き、何を決めるのかが分かりません。例えば架空の業務支援サービスなら、初回に対象業務と困りごとを確認し、次に範囲と進め方を提案し、決めた範囲の資料を作る、という説明にします。各段階で誰が参加し、何を受け取るかを責任者に確かめます。実際に行っていない分析や伴走を図に足しません。

「標準で行うこと」と「相談後に決めること」も分けます。現行の提供条件で毎回含む打合せや資料を先に示し、追加の調査、撮影、外部ツールの設定などは個別見積ならその旨を近くに置きます。料金表がない場合でも、何が費用や期間を変えるかを担当者に聞いて掲載できます。LPからの申込みが相談なのか、試験利用の受付なのか、契約の申込みなのかも明確にします。

新サービスを試験提供しているなら、その事実を説明します。対象人数、期間、提供範囲、通常提供との違いは、事業責任者が確認した条件だけを載せます。「先行利用」「モニター」という語だけで、無料や将来の継続を連想させないようにします。試験中に得た反応を、一般提供の成果として紹介しないことも大切です。提供条件が変わったときに更新する担当と日付を決めておきます。

成果物の見本は、納品物との違いを示す

工程の説明に加えて、実際に受け取るものが分かる見本を置けます。架空データで作った一枚の記入例、目次、画面のモックアップなどです。見本には「説明用サンプル」「実際の納品範囲は相談後に決定」といった関係を明示します。見本に顧客名、実際の売上、架空の成功コメントを入れません。空欄だらけで中身が伝わらないなら、項目の役割を説明する短い注釈を添えます。

サンプルの質も確認します。画像一枚の資料ならスマートフォンで小さく、判断に必要な項目が読めないことがあります。見本の見出しと含まれる項目を本文で説明し、詳細を拡大できる表示を用意します。ダウンロードを求めるなら、メールアドレスを集める理由と、資料を送る条件をフォームの近くに示します。初回の説明で足りるなら、個人情報の入力なしで読めるページにする選択もあります。

成果物の形は案件で変わるかもしれません。その場合、見本を「この形式で必ず納品」と書かず、何を決めてから形式が変わるかを説明します。たとえば対象の業務、使う資料、関係者の人数など、実際に仕様へ影響する項目だけを挙げます。確認前の条件を、もっともらしい数値やテンプレートで埋めないことが、実績の少ないLPでは特に重要です。

新サービスのLP制作で白紙の見本資料と無記名の工程カードを並べて確認する場面

読む順番は、強い約束より判断の材料を先にする

ファーストビューでは、誰のどの課題に、何を提供するかを短く示します。続けて、対象になる状況、提供工程と成果物、担当体制、料金や相談条件、よくある不安、次の行動を置きます。「成果が保証される」と読める見出しを先に置き、下部に小さく条件を隠す構成は避けます。根拠がある主張には、そのすぐ近くに範囲と出典を添えます。事例がないからといって、同じ抽象的な強みを何度も繰り返さないようにします。

広告から来る人にも同じ説明を見せます。広告に「一週間で改善」と書き、LPでは「初回相談後に内容を決める」と言うなら、入口で期待したことと提供内容が食い違います。広告文、LPの冒頭、申込みボタン、送信後の確認文を一列に並べ、同じサービスと同じ条件を指しているかを点検します。広告を使わないLPなら、検索結果のタイトルや紹介文と本文の関係を確認します。

CTAは「まず相談」「試験提供を申し込む」「資料を見る」で意味が違います。現在受け付けている行動だけを表示し、フォームの項目もその目的に合わせます。相談なら、対象と困っていること、連絡先など次の連絡に必要な情報を中心にします。具体的な成果値を入力させて即座に効果予測を返す機能は、根拠と運用を確認できないまま追加しません。送信後には何を受け付け、いつ誰が次に連絡するかを実際の体制で示します。

公開前に、主張と資料を一つずつ突き合わせる

最終確認では、LPの見出し、本文、画像内の文字、表、広告文、フォームの前後にある強い表現を抜き出します。それぞれに対応する資料があるか、資料が同じサービスと時期を示すか、掲載許可があるかを確認します。既存事業の数字や他社の資料を、新サービスの成果に見せていないかを別の担当者にも読んでもらいます。判断が付かない文は保留し、言える工程や提供物の説明へ差し替えます。

スマートフォンでは見本の文字、適用範囲の注記、CTAの条件を確認します。大きな見出しだけが目に入り、近くにあるはずの条件が画面の下に離れていないかを読みます。画像や動画を止めても、提供内容と条件が本文で分かるようにします。リンク切れの資料や期限切れの試験条件も確認します。公開後に事例が得られたら、許諾と測定条件を確かめたうえで、対応表と原稿を更新します。

最初に作るものは、派手な成功談ではなく、主張と資料の一対一の一覧です。そこから言える経験、現在の工程、見せられる成果物をLPの順番へ並べます。効果を測れるようになったら後から根拠を加え、未確認の段階では無理に埋めません。発注担当者は、この一覧を制作会社へ渡せば、撮影や原稿づくりで何が不足しているかも相談しやすくなります。

言えることと、確認が必要なことからLPを組み立てる

掲載したい見出しを三つ選び、それぞれを直接裏付ける資料と適用範囲を並べてみましょう。みやあじよは確認済みの経験・工程・成果物を基に、原稿、見本、スマートフォン表示、フォームまで一つのLPとして設計します。ランディングページ制作の支援範囲を見る

参考にした公開情報

2026年9月23日確認。対応表と図は架空サービスのLP設計例です。実際の経験、提供条件、成果、許諾、広告表示は各事業者の担当者と必要な専門担当者が確認します。