ホームページの文章作成を丸ごと依頼するなら、どのページの、どの工程を任せるかと、社内で内容を確かめる人を先にそろえることから始めます。完成した原稿がなくても相談できますが、書く作業を外へ任せることと、会社として何を公開してよいか判断することは分けて考えます。
この記事では、会社サイトの原稿を書く時間がない経営者・広報・兼任Web担当者に向けて、依頼範囲、渡す資料、見積もり、原稿の確認から公開までを整理します。架空の4ページを使った依頼表と、そのまま自社の条件へ置き換えられる相談文も紹介します。

「丸ごと」に含めたい作業を、工程ごとに分ける
「文章を全部お願いします」だけでは、今ある文を整える仕事なのか、何を載せるかから考える仕事なのかが伝わりません。構成、取材、執筆、写真、サイトへの反映を、必要なものごとに確認します。例えば、書く内容と資料がそろっていれば、原稿だけを依頼し、社内のWeb担当者が掲載する形も選べます。
| 工程 | 依頼する作業の例 | 社内で確かめること |
|---|---|---|
| 内容と構成 | 読者・ページの役割、見出し、掲載順を整理 | サイトの目的、優先するサービス |
| 材料集め | 資料確認、ヒアリング、必要に応じた取材 | 話せる担当者、資料の最新版と公開範囲 |
| 原稿作成 | 見出し・本文・案内文を執筆し、修正 | 価格、仕様、対応範囲、実績の根拠 |
| 掲載と確認 | 原稿を画面へ反映し、表示・リンクを確認 | 公開担当、承認した版、更新する窓口 |
取材・撮影が必要でも、すべてのページで同じ作業をするとは限りません。会社概要は確定した資料から作り、サービス説明は担当者への聞き取りで補う、といった分担を相談します。原稿のみの納品と、公開までの対応は、担当する仕事の違いです。どちらが自社の体制に合うかで選びます。
写真や図も別に決めます。支給素材の選定、撮影、説明図の作成を文章の料金へ当然含まれるものとせず、必要な掲載箇所と作業を示してください。原稿の修正だけを依頼する場合は、レイアウトを変えずに収まる範囲か、構成の変更も相談できるかを確認します。
書けなくても、事実と未確定の情報は渡せる
依頼前に、文章を完成させる必要はありません。現行サイト、会社案内、営業資料、料金の考え方、対応できる仕事の範囲などを、使える形で集めます。資料には、いつの情報か、どこが変わったか、内容を確認できる人を添えます。古い資料は参考用と分かるようにし、現在の約束としてそのまま載せません。
例えば「短納期に対応」と書きたいなら、対象となる商品、支給データの条件、社内で受付可否を判断する方法を確かめます。一件だけ急ぎに対応した話を、すべての依頼へ共通する保証に広げないようにします。納期や価格が未定なら、未定の理由と確認担当を残し、執筆者が推測で数字を埋める進め方は避けます。
事実を確かめる資料と、そのまま公開する素材も分けます。社内の見積書は説明の確認に使えても、顧客名や金額を含む実物を掲載する必要があるとは限りません。共有してよい範囲と扱いを相談し、公開用に使える資料だけを選びます。初回の一般的な相談へ、機密資料を丸ごと送る必要はありません。
強みを言葉にできない場合は、「丁寧」「高品質」といった評価だけでなく、実際の仕事の場面を聞いてもらいます。詳しい質問の作り方は、会社の対応を具体的な原稿にする取材項目で扱っています。本稿では、誰への聞き取りが必要かと、何を資料で渡せるかを依頼前に分けることが目的です。
ページ別の依頼表を作ると、抜けている材料が分かる
次は、店舗向けの販促物を制作する架空の会社が、4ページの原稿を依頼する例です。実在する会社のサービス・制作実績ではありません。ページ数や構成を標準として示すものでもないので、自社に必要な行へ置き換えてください。
| 対象ページ | 読者が知りたいこと・依頼する文章 | 渡す材料と確認担当 |
|---|---|---|
| トップ | 何を頼める会社か。短い事業紹介と各ページへの案内 | 事業一覧/企画担当 |
| サービス | どの販促物を、どの条件で頼めるか。対応範囲・対象外の説明 | 商品資料、受付条件/営業担当 |
| ご依頼の流れ | 何を用意し、どこで内容を確認するか。受付から校了まで | 進行表、入稿案内/業務担当 |
| 会社案内 | どんな事業と体制の会社か。確認済みの会社情報 | 会社案内、沿革/管理担当 |

この例のサービスページで「企画から印刷まで」と説明するなら、デザインデータを支給された場合の対応や、別途相談になる作業も確認します。ご依頼の流れには、制作会社の都合だけでなく、顧客が校正を返す段階を載せます。読む人が自分の準備を判断できる内容になっているかが、原稿を確認する観点です。
対象ページが多いときは、全ページの一覧と、今回先に作る範囲を分けます。会社案内が既に確定しているなら、そこを最初から書き直す必要があるかも検討します。ページの追加や、承認後に提供内容を変える相談が出た場合は、当初の修正と区別し、作業・費用・日程への影響を確認します。
見積もりは、同じ材料と成果物の条件で比べる
費用を尋ねるときは、ページ数だけでなく、資料から執筆できる範囲と、新しく取材・調査が必要な範囲を伝えます。トップの短い見出しと、複数サービスの説明を同じ「1ページ」で比べると、必要な作業が見えなくなります。文字数の条件がある場合も、どの見出しや説明まで含むのか確認してください。
見積書では、次の条件をそろえます。
- 対象ページと成果物:構成案、本文、見出し、案内文など
- 資料確認・取材:対象者、方法、回数、日程調整の担当
- 修正:含む回数と内容、コメントの提出期限、承認後の変更
- 納品と反映:編集できる原稿ファイル、掲載作業、画面の確認
- 素材と公開後の対応:撮影・図、更新、追加原稿の扱い
取材や修正を無制限にすることが必ず有利とは限りません。何をどこまで確認し、追加になったときにどう相談するかが読める条件を選びます。納品後に社内で編集したり、パンフレットにも使ったりしたい場合は、その利用と元データの扱いを依頼先へ確認し、合意した内容を残します。
期間も執筆日数だけで見ません。資料を渡す日、担当者が話せる日、社内確認に必要な日、画面へ反映する日を合わせます。全社の承認が必要なら、初稿が届いてから確認者を探す形にせず、誰がどの内容を見るかを先に共有します。実際の費用と納期は、自社の条件を渡した見積もりで判断します。
構成・事実・画面を、段階を分けて確認する
確認は、構成案の段階でページの役割と抜けている説明を見て、初稿で事実と条件を確かめ、最後に表現をそろえる順で進めると整理できます。全員が同時に好きな言い回しへ直すのではなく、営業は受付条件、現場は実施範囲など、内容を確かめられる人へ依頼します。窓口は意見を集め、矛盾した指示は執筆者へ渡す前に相談します。
Googleは、読者に役立つ信頼できる内容を重視し、優先する文字数を設定していないと説明しています。長文やキーワードの多さを納品の合格条件にせず、読者が依頼の判断に使う事実があるかを見ます。文章の変更だけで順位や問い合わせが上がると保証するものでもありません。
原稿が確定したら、承認したファイルの版と日付を記録します。サイトへ反映する担当へその版を渡し、公開前の画面でも説明を読みます。原稿では近くにあった条件が、デザインで離れていたり、短い見出しから抜けたりしていないかを確かめます。原稿の承認と、公開画面の確認を別の工程にします。
W3C WAIの文章作成の助言も参考になります。見出しだけで内容が分かるか、リンクの文言から行き先が分かるか、専門語を知らない人にも読めるかを点検します。スマートフォンでは、行の折り返し、表、写真の説明、相談へのリンクも見てください。文章を短くしただけで、サイト全体の使いやすさが確認できたことにはなりません。

公開後は、承認版の内容が実際に出ているか、リンクが意図したページへ進むかを確認します。古い価格や廃止したサービスが残っていれば、読みやすさの調整より先に修正します。検索流入や相談の変化を見る際は、変更したページと日付を記録し、広告や季節など他の変化も合わせて考えます。数値の増減だけを文章の効果と決めつけません。
初回相談は、分かることと相談したいことを分けて書く
依頼書を完成させてから相談する必要はありません。次の文は架空の相談例です。対象ページも、材料の有無も、自社の状態へ置き換えられます。
「会社サイトの文章作成をお願いしたいです。対象はトップ、サービス、ご依頼の流れ、会社案内の4ページです。現行サイトと会社案内はあり、サービスの受付条件は営業が確認できます。読み手は店舗の販促担当者で、依頼できる内容と必要な準備が分かるサイトにしたいです。構成と原稿をお願いし、サイトへの反映は社内で行う予定です。取材の要否、修正の進め方、費用と納期を相談したいです。」
反映担当がいないなら、その部分も相談事項へ入れます。資料がほとんどない場合も、誰なら現在の仕事を説明できるかを伝えてください。「何も準備しなくてよい」と「完成した原稿は不要」は意味が違います。書く仕事を任せながら、会社が公開する事実を確かめる時間は確保します。
みやあじよでは、現在のサイトや社内体制を確認し、文章整理・取材・ページ構成を含む進め方をご提案します。文章から企業サイトの見せ方まで相談したい方は、コーポレートサイト制作の対応内容をご確認ください。
参考資料
2026年10月2日に公開情報を確認。ページ別の表・図と相談文は説明用の架空例です。実在企業への取材・成果測定・専門家監修は行っていません。