ホームページの利用しやすさに取り組んでいることを載せたい。でも、確認が終わっていないページもあり、「対応済み」と書いてよいのか迷う。方針では、対象・目標・確認したこと・残る課題・困った時の連絡先を分けて伝えましょう。これから目指すことを、確認済みの結果へ置き換えないことが出発点です。
アクセシビリティは、障害の有無などによらず情報や機能を利用できるようにするための考え方です。方針を読む人には、いま使える範囲や、困った場合の相談先が必要です。社内の決意だけで終わらせず、利用する人が次の行動を選べる案内にします。
方針の掲載と、適合の確認結果を分ける
W3C WAIは、アクセシビリティに関する方針文を利用者のための案内とし、技術的な評価や適合の宣言そのものとは区別しています。取り組む姿勢、適用する基準、問題があった時の連絡先のほか、分かっている制約や確認した環境などを、利用者に分かる言葉で伝える考え方です。
「使いやすくすることを目指す」と「この範囲をこの方法で確認した」は、別々の情報です。基準を掲げる場合は、採用する基準の名称や内容を依頼先と確かめ、実際の調査結果と対応させます。方針ページを作ったことだけを理由に、サイト全体を確認したと書かないようにします。
対象ページと、確認した範囲を揃える
例えば、大阪市の部品販売会社が、会社案内と問い合わせのページについて方針を準備するとします。担当者は、キーボードで問い合わせの入力欄へ移動できることを確認しました。一方、会社案内から配るPDF資料は、まだ確認していません。この一つの確認を「問い合わせはすべて利用可能」「資料を含めて対応済み」と広げることはできません。
まずページのURLと、PDFや外部の仕組みなど対象へ含めたいものを整理します。そのうえで、いつ、どの画面や環境で、何を確認したかを記録します。対象に含める予定の範囲と、実際に確認できた範囲を並べると、残る仕事が分かります。
| 整理する内容 | 今ある事実の例 | 掲載前に確認すること |
|---|---|---|
| 対象 | 会社案内と問い合わせ、配布するPDFを対象に考えている | 対象のURLと資料。含める範囲の社内確認 |
| 目標 | 説明を読み、問い合わせを進められるよう改善したい | 採用する基準と、調査・改善の範囲 |
| 確認したこと | 入力欄へキーボードで移動する操作を確認した | 実施日、環境、確認箇所、残した記録 |
| 残る課題 | PDFの利用しやすさは未確認 | 調べる担当と次の対応。分かった制約の伝え方 |
| 連絡先 | 利用者の連絡を受ける窓口を総務へ相談中 | 実際に受けられる方法、担当と社内の対応先 |

未確認と、分かっている使いにくさを区別する
まだ調べていないことと、調べて問題が分かったことも分けます。PDFが未確認なら、その状態を残します。確認後に一部の説明が読み取りにくいと分かったなら、どの資料で何が困るか、代わりに内容を相談できる方法があるかを検討します。「一部未対応」とだけ書くより、利用者が判断しやすくなります。
今後の対応は、実際に決めた範囲を記します。担当も日程も未定なのに、全資料をすぐ直すと約束する必要はありません。確認状況が変わった際に方針文と記録を更新する人を決め、ページを直した結果も別に確かめます。
困った時に使える連絡先を案内する
先ほどの会社で問い合わせ画面の利用について連絡を受けるなら、その画面だけに連絡方法を置く形でよいかを考えます。会社が対応できる電話や別の連絡手段も含め、利用者が方法を選べるかを確認します。電話やメールを載せれば問題がすべて解決する、という意味ではありません。
連絡では、困ったページ、操作、使っていた機器など、分かる範囲を伝えてもらえる案内にします。社内では誰が受け、内容や改善の相談を誰につなぐかも決めます。方針へのリンクは、ページ下部など、利用者が見つけられる場所と分かりやすい名称を検討します。
今の確認記録から、方針文と改善を相談する
依頼時には、対象にしたいURLと資料、確認できたこと、まだ分からないことを伝えます。方針文を整える仕事と、画面や資料を調べて改善する仕事を分けると、どこから頼みたいかを説明できます。記録がなくても、現状を確かめるところから相談できます。
会社案内と問い合わせについて、利用しやすさへの取組みをサイトに載せたいです。確認した操作は一部で、PDFなど未確認の資料もあります。対象と目標、確認済みの範囲、残る課題を整理し、利用者への連絡先を含む方針文と、必要な調査・改善を相談したいです。
みやあじよでは、事業のお話を伺い、ホームページの内容・構成・デザインを整理するところから制作・改修をご相談いただけます。大阪市で、利用しやすさの方針とホームページ改修を相談するから、今のURLや気になっている画面をお聞かせください。調査・文章・改修それぞれの対応範囲と費用は、現在の状態に合わせて確認します。
参考文献
- W3C WAI「Developing an Accessibility Statement」(利用者向けの方針文に含める内容、分かりやすい表現、技術的な評価や適合宣言との違いを確認)


