紹介状を持っている人が、一般向けの予約ボタンを押してしまう。紹介元の担当者は申込書を見つけたものの、送った後に誰から返答が来るか分からない。医療・福祉サイトでは、窓口の名前が正しくても、連絡する人と用件が合っていなければ、必要な手続きへ進みにくくなります。
茨木市の医療・介護・福祉事業者が案内を整える際は、本人・家族による利用相談と、他機関からの紹介・連携を分け、その先で合流する基本情報をそろえましょう。この記事では、紹介の申込み、返答、本人への案内、休診や担当変更の更新までを扱います。症状から緊急度を判定する方法や、個人に合う診療・支援の判断は対象にしません。
茨木市の公式案内から、予約する人の違いを見る
茨木市の第4期産業振興アクションプランは、冊子6ページで、2021年の市内従業者数のうち医療・福祉が16.1%を占めると示しています。地域の仕事を支える分野の一つですが、この数字は現在の受入人数や予約枠を表すものではありません。サイトの対象や受付条件は、各事業者の現行資料で確かめます。茨木市・第4期産業振興アクションプラン(PDF)
地域の公開例では、大阪府済生会茨木病院の外来受診ページに、患者さん自身の予約に関する説明とは別に、医療機関を通じて紹介予約を取った人の受付案内があります。紹介状を持っていても予約がない場合は、別の手続きが示されています。「紹介状あり」と「紹介予約済み」は同じ状態ではないことが、ページの構成から分かります。大阪府済生会茨木病院・外来受診
彩都友紘会病院の地域医療連携室の案内では、紹介元による電話連絡、診療申込書の送付、予約確認書の返送が順に説明されています。同じページには本人や家族の相談案内もあります。組織内では同じ部署でも、連絡する人によって説明すべき手順が変わる例です。彩都友紘会病院・地域医療連携室
これらは各病院の公開方法を確認するための事例であり、自院や自事業所へ同じ予約条件を採用する根拠ではありません。制作時は「誰が申し込むか」「何を受け付けるか」「誰へ返すか」を担当部署へ聞き、実際の手順に合う案内を作ります。
入口の見出しは、立場と用件を一緒に書く
トップページに「患者さまへ」「医療関係者へ」と二つのボタンを置くだけでは、紹介状を受け取った本人がどちらを選ぶか迷う場合があります。見出しの下へ、「ご自身・ご家族の利用相談」「医療・福祉機関からの紹介や連携」のように、その入口でできることを添えます。
本人向けには、初めての相談、すでに決まった予定の確認、変更や取消といった用件を示します。紹介元向けには、受入条件の照会、紹介の申込み、送付済み資料の確認などを並べます。介護支援専門員や相談支援の担当者も読むなら、「医師の方へ」だけで専門職向けの入口を代表させず、実際に受ける連携先の範囲を確認してください。
一人が複数の立場を持つこともあります。医療職が家族のために相談する場合は、職業で自動的に紹介元向けへ送る必要はありません。読む人が今回の用件で選べる構成にし、誤ったページへ入ったときも、冒頭からもう一方の案内へ戻れるようにします。
通常利用と紹介連携のどちらにも、時間外・緊急時の公式案内を探せる入口を用意します。ただし、三つを順に通る申込工程として描かないでください。緊急時の情報を、通常予約を最後まで読まないと見つからない位置へ置くことも避けます。

図はサイト内の情報の行き先を示す構成例です。三つの入口は申込順序ではなく、症状や緊急度、受診・利用の可否を判定するものでもありません。
紹介の案内は、申込みから本人への連絡までつなぐ
紹介元向けページでは、申込書をダウンロードできることより、何をどの順番で行うかが重要です。まず、受入条件を問い合わせる段階と、具体的に日程を申し込む段階を区別します。対象サービスや診療内容によって必要な確認が違うなら、すべてを同じ申込書へ集める前に、担当窓口への確認方法を示します。
ここでは、本人・家族の利用相談と、地域の機関からの紹介を受け付ける架空の相談窓口を例にします。紹介元が概要を連絡し、担当者が必要な資料を案内する。その後、受入れや面談の条件を確認して紹介元へ返答する、という仮の運用です。実在する病院や福祉事業所の手順ではありません。
この例のページには、「相談を受け付けたこと」と「受入れや日程が決まったこと」を分けて書きます。書類を受信しても内容を確認中なら、受付通知を予約確定の通知として扱いません。返答までの目安を載せる場合は、担当者が実行できる範囲を確認し、休日や追加確認が必要な場合の扱いも合わせます。
| 連携の場面 | 紹介元へ説明すること | 本人・家族へつなぐ情報 |
|---|---|---|
| 受入条件の照会 | 相談できる対象と連絡先 | まだ利用が決まった段階ではないこと |
| 資料の受渡し | 必要な資料、指定の送付方法、送付先 | 本人側で準備するものがあるか |
| 条件・日程の返答 | 返答先、確認事項、確定した範囲 | 日時、場所、当日の案内 |
| 変更・取消 | 紹介後に連絡する窓口 | 誰から変更内容が伝わるか |
見落としやすいのは、予約や面談の結果を本人へ伝える担当です。紹介元に返答すれば、本人にも自動で伝わるとは限りません。架空例で紹介元が本人へ案内を渡すなら、渡す資料と、説明が必要な項目をそろえます。受入先から本人へ連絡する運用なら、連絡方法の確認もその手順に含めます。
結果の伝達は、日時だけでは足りないことがあります。訪問する建物や受付、持参する資料、変更時の連絡先を一緒に案内できる形にします。紹介元が古い案内用紙を保管している場合もあるため、書式に版や適用日を付け、最新版を確認するページへ戻れるようにしておきましょう。
本人向けと紹介元向けで、対象や場所の説明を食い違わせない
入口を分けても、サービスの対象、提供場所、担当部署などの事実まで別々に作る必要はありません。両方が参照するサービス案内を決め、本人向けには分かりやすい説明、紹介元向けには必要な補足を添えます。同じ条件を二つの原稿へ手作業で写し続けると、変更時に片方だけ古くなります。
医療・福祉の複数事業を持つ場合も、法人名だけで受入範囲を説明しないようにします。診療の相談なのか、生活に関する支援の相談なのか、どの事業所が担当するのかを明記します。医療機関との連携があることを、自施設で診療や処置を提供する意味に広げてはいけません。
紹介元へ見せる専門用語も、本人が受け取る資料では説明が必要な場合があります。例えば「地域連携室」という部署名を残しつつ、「ほかの医療・福祉機関からの紹介を受け付ける窓口」と役割を添えます。部署名を単に「相談窓口」へ置き換えると、院内で案内する名称と照合できなくなるため、正式名称と説明を組み合わせます。
連絡先と訪問先も別々に確認します。紹介申込書の送付先が事務室でも、本人が当日行くのは別の受付かもしれません。資料に住所が一つあるという理由で、そこを来所先として案内しないでください。電話、資料送付、来所のそれぞれに用途を付けると、同じ部署名でも行動を選びやすくなります。
連携に必要な情報と、公開ページの情報を分ける
紹介の手順を詳しく説明することと、患者さんや利用者の資料を公開することは別です。Web制作に使うのは、空欄の様式や個人を含まない案内原稿など、公開用として確認された素材に限ります。記入済み申込書を見本に加工する場合は、名前だけを消して済ませず、元資料を制作素材へ渡す必要があるかから見直します。
公開ページには、資料の名称、用途、どの時点で必要か、指定の受渡し方法を載せます。誰に何を共有するか、同意や確認をどのように扱うかは、事業者の管理責任者と連携担当が実際の手順に沿って決めます。紹介元から来た資料だから無条件に別の機関へ渡せる、とは説明しません。
連携先専用の資料保管場所を用意する場合も、検索に出ないURLを作っただけで、閲覧者を限定できたとは考えないようにします。誰が本文と添付ファイルへアクセスできるかを確認し、公開ページと個別資料の受渡し経路を分けます。ここで扱うのは掲載設計であり、個別情報の共有可否をWeb担当だけで判断するものではありません。
本人向けの一般フォームへ、紹介状や病歴などの詳しい資料を最初から一括添付させないことも大切です。案内の行き先を知りたいだけの人から、必要のない情報まで集める構成になっていないかを見ます。追加資料が必要な場合は、担当者が用途と送付方法を説明できる運用に合わせてください。
緊急時の公式案内を、通常フォームと取り違えさせない
通常の相談フォームは、送信できる時間と職員が確認する時間が異なる場合があります。終日開けることを、緊急の連絡へ常時対応できる意味に見せないようにします。受付責任者が確認した用途を入力前に説明し、ページを下まで読まないと重要な制限が分からない配置は避けます。
茨木市の公式ページは、救急安心センターおおさかの相談案内と、緊急時の119番通報を示しています。同ページは、救急安心センターが健康相談や介護相談、治療方針などの相談に対応する窓口ではないことも説明しています。外部窓口を紹介する際は、この対象の違いも確認し、あらゆる相談を一つの番号へ集めないようにします。茨木市・救急安心センターおおさか等の公式案内
実際のサイトで必要な緊急時の案内は、医療・支援の責任者が自施設の対応と公式情報を照合して決めます。通常フォームの返信を待つように誘導せず、緊急時は119番という公的案内へ明確につなげます。症状を選ぶだけで「通常予約でよい」と判定する図や、赤・黄・緑で緊急度を決める独自の表示は作りません。
自施設の窓口と市などの外部窓口は、提供元と目的が分かる見出しにします。通常利用の案内からも紹介元向けからも見つけられ、リンク先へ移動すると同じ名称を確認できることが必要です。電話番号を載せる場合は公式の用途・対応時間と合わせて確認し、表示番号と発信先を照合します。
休診・担当変更は、紹介済みの人への案内まで更新する
休診のお知らせをトップページへ一件載せても、紹介元が保存した申込書や、本人へ渡った案内は変わりません。更新時は、新しく相談する人と、すでに紹介や予約が進んでいる人を分けて考えます。どの段階の人に影響があるかが、更新対象を決める手掛かりです。
架空の相談窓口で、来月から紹介受付の担当部署だけを変更する場合を考えます。変更日、対象用件、新しい連絡先、以前の窓口に届いた連絡の扱いを確認します。予定が決まっている人の来所先まで変わるのかは別の確認事項です。担当部署の変更だけを、事業所の移転や利用日の変更に見せないようにします。
Web担当は紹介元向けページ、様式の記載、送信後の案内、本人向けの変更窓口を照合します。連携担当は、進行中の案件で誰へ変更を伝えるかを確認します。すでに渡した資料はWebの差替えだけでは直らないため、必要な個別連絡を通常の連携手順へ戻します。

写真は架空の編集イメージです。実在する医療機関、事業所、職員、患者、利用者や連携実績を示していません。
適用日前に新しい案内を掲示するなら、現行と変更後の期間が読めるようにします。変更後は、旧様式へのリンクや以前の連絡先が残っていないかを確認します。過去のお知らせを記録として残す場合も、現在の案内へ戻れる導線を付け、検索から古いページへ来た人を取り残さないようにしましょう。
読む人が変わっても、必要な手順をたどれるか確かめる
デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックは、内容が分かる見出しやリンク、意味の通る読み上げ順、キーボード操作などを説明しています。本人向けと紹介元向けの入口も、色や配置だけに頼らず、リンクの言葉から行き先が分かるようにします。デジタル庁・ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
公開前には、紹介予約が済んでいる本人、初めて条件を照会する機関の担当者、担当変更を確認する紹介元という三つの場面で読みます。本人が申込書を送るよう誤解しないか、紹介元が確定前の日時を本人へ伝える構成になっていないか、変更後の窓口までたどれるかを確認してください。
スマートフォンで文字を大きくしても用件と連絡先の対応が切れず、キーボードでリンクへ順に進めることも見ます。様式をPDFで配布する場合は、押す前に資料名と形式が分かるようにし、手順の重要部分は本文にも残します。図を読めなくても、文章だけで同じ入口を選べる状態に整えましょう。
連携を伝えるサイトは、提携先の名前を増やすだけでは完成しません。申込みを受ける人、返答する人、本人へ伝える人が、それぞれ同じ案内を確認できることが大切です。まず一つのサービスで紹介前から変更時までをたどり、説明が途切れる場所を担当者と直していきましょう。
参考・出典
- 茨木市・第4期産業振興アクションプラン(PDF):冊子6ページ、2021年の市内従業者構成。
- 大阪府済生会茨木病院・外来受診:紹介予約の有無による案内の違いを確認。個別の受診条件は同院の最新案内を参照。
- 彩都友紘会病院・地域医療連携室:紹介元への申込み・返答と本人・家族の相談案内を確認。
- 茨木市・救急安心センターおおさか等の公式案内:通常の利用相談と緊急時の案内先を区別するための公式情報。
- デジタル庁・ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック:2025年10月16日掲載PDFの冊子27〜29、32、50ページを参照。
資料確認日:2026年9月7日。相談窓口の運用と変更例は説明用の架空設定です。診療・支援の対象、予約・紹介の手順、資料共有、緊急時の案内は各事業者の担当部署と最新の公式情報で確認してください。