ホームページ制作会社を選ぶときは、見積金額や実績の見た目に加え、「今回の仕事を、誰が、どこまで担当するか」を確かめます。同じ条件を各社へ伝え、提案や説明で確認できたことを並べると、自社に合う依頼先を判断しやすくなります。
特に、原稿をまとめる人がいない、公開後は社内で更新したい、といった事情は選定に関わります。この記事では、候補探しから7つの確認点、費用の比較、社内で選定理由を残すところまでを整理します。会社の規模や紹介順位だけで選ばず、自社で必要な仕事を任せられるかを見ていきましょう。
候補を探す前に、今回欠かせない条件を短くまとめる
最初に、サイトで解決したいことと、社内で担当できる仕事を書き出します。例えば「営業資料だけでは対応できる仕事が伝わらない」「導入事例を自分たちで追加したい」という内容です。必要な機能、原稿や写真の準備、公開時期の希望も、分かる範囲で添えます。
すべてを決め切る必要はありません。「必須」「できれば実現したい」「相談して決めたい」「今回は頼まない」に分ければ十分です。予算や日程が未定なら、そのことも同じように各社へ伝えます。提案を受けた後に気に入った会社へ条件を合わせるより、先に自社の希望をそろえたほうが比較できます。
公開日を動かせない、決済機能が必須、といった条件は先に対応可否を聞きます。満たせないと分かった条件を、デザインの好みなどの点数で埋め合わせないためです。ただし、回答がまだないことと、対応できないことは違います。確認してから、条件を見直せるかも含めて判断しましょう。
候補は実績・紹介・検索から、比較できる数へ絞る
似た目的の制作実績、取引先からの紹介、必要な機能や地域を含めた検索、今の保守会社などが候補探しの入口になります。紹介先でも、検索上位の会社でも、今回の担当と範囲は確認が必要です。所在地だけで対応力を決めず、訪問やオンラインなど、必要な相談方法が合うかを聞きます。
候補数に決まりはありませんが、例えば公開情報で5社前後を見て、詳しく話す相手を2〜3社へ絞る方法があります。自社が同じ質問をし、回答を読み返せる数が目安です。特殊な機能や厳しい公開日がある場合は、先に対応できる会社を広く確認します。
制作会社を比べる7つの確認点
ここでいう「証拠」は、立派な提案書だけを指しません。質問への回答、担当範囲が分かる実績、操作の見本、作業や契約条件の説明も判断材料です。次の7つを、自社の仕事に当てはめて確かめます。
| 確認する軸 | 資料や説明で確かめたいこと |
|---|---|
| 1 事業理解 | 見る相手とサイトの目的を理解し、優先する内容を説明できるか |
| 2 範囲・前提 | 制作側と自社が担当する仕事、含まれない仕事が分かるか |
| 3 実績・方法 | 過去のサイトで担当した仕事と、今回に生かせる経験を説明できるか |
| 4 体制・進行 | 実際の担当、連絡窓口、確認日程、不在時の対応が分かるか |
| 5 品質・検証 | 表示や操作をどこまで確認し、何をもって完成とするか |
| 6 安全・権利 | 管理権限、個人情報、協力会社、写真や原稿の利用条件を説明できるか |
| 7 運用・引渡し | 公開後の担当と費用、受け取るデータ、契約終了時の引継ぎが分かるか |

1.事業理解:誰に何を伝えるサイトかが合っているか
提案を受けたら、制作会社が今回の目的をどう理解したか聞きます。業種名や「問い合わせを増やす」という言葉だけで終わらず、訪れる人が何を知り、どのページで判断できるようにするかまで説明されているかを見ます。
例えば、対応範囲が伝わらないことに困っているなら、サービス名を増やすだけでなく、相談できる仕事や事例をどう整理するかが検討点です。今回の提案で確かめた事実と、まだ予想していることを分けてもらうと、追加で必要な確認も分かります。
2.範囲・前提:社内に残る仕事まで分かるか
見積や提案資料で、ページ、原稿、写真、デザイン、更新機能、フォーム、公開作業の範囲を確認します。「制作一式」という表記でも、関連資料で含む仕事と担当が分かれば比較できます。表記だけで候補から外す必要はありません。
原稿を支給する案なら、資料を渡せばよいのか、掲載できる文章まで社内で仕上げるのかを聞きます。変更や追加の希望が出たときは、費用と予定への影響を、着手前にどう説明・合意するかも確認してください。
3.実績・方法:完成画面だけでなく担当した仕事を聞く
実績は、同業種かどうかに加え、似た目的や制約があったかを見ます。原稿が少ない会社の情報をどうまとめたか、担当者が社内更新を続けられるよう何を用意したか、といった説明が今回の判断に役立ちます。
その会社が構成・文章・デザイン・開発のどこを担当したか、今回も同じ担当者や体制なのかを聞きます。実績の件数だけで決めず、守秘義務で出せない情報は無理に求めません。説明できる範囲や、確認用の別の資料があるかを相談しましょう。過去の成果は、測った期間や他の施策も確認し、今回の成果保証とは分けます。
4.体制・進行:契約後の担当と、自社の確認負担が分かるか
営業窓口だけでなく、制作をまとめる人、原稿・デザイン・開発の担当、担当者が不在のときの連絡先を確認します。外部の協力会社が参加すること自体を欠点にせず、依頼や質問を誰が受け、どこで確認するかを見ます。
制作側の予定に加え、自社で素材を渡す時期と、原稿・画面を確認する時期も聞きます。兼任担当なら、どの段階でどのくらい確認が必要かを相談してください。自社も、意見をまとめる窓口と、内容・最終判断をする人を決めると進め方を比べやすくなります。
5.品質・検証:「対応します」の中身を確認する
スマートフォン対応なら、対象ページと端末、表示だけでなく入力・送信をどこまで確かめるかを聞きます。文字を大きくした場合や、マウスを使わない操作など、利用する人に必要な条件も相談しましょう。こうした利用のしやすさはアクセシビリティと呼ばれ、デジタル庁が導入ガイドを公開しています。
表示の速さも、一度の点数だけで比べず、対象ページと測定条件、問題があった場合の対応を聞きます。GoogleのCore Web Vitalsは、読み込み・操作への反応・画面の安定性を見る指標です。用語を覚えるより、公開前のテストと公開後の利用状況をどう分けて確認するかを説明してもらいます。
SEOは検索で見つけてもらうための取り組みです。Googleは、依頼先へ過去の仕事、期待する結果や期間、測り方を質問するよう案内しています。順位保証や「Google公認のツール」を選定理由にせず、行う作業と根拠を確認します。Googleは第三者のSEOツールを評価・公認しておらず、ツールは内部の順位データにアクセスできないと説明しています。
6.安全・権利:情報の扱いと、使える素材を確認する
問い合わせや採用応募を扱うなら、個人情報を誰が、どの環境で扱うかを聞きます。協力会社へ任せる範囲、保存場所、問題が起きたときの連絡、契約終了時の返却・削除も確認事項です。秘密保持契約の有無だけで判断せず、自社が把握できる説明と記録があるかを見ます。
比較のために、最初からサイトやサーバーの管理者権限を渡す必要はありません。追加調査が必要な場合は、目的・対象・担当・期限を決め、必要な権限だけを検討します。GoogleもSEOの調査段階では、Search Consoleという検索状況の確認サービスへの権限を、読み取りだけにするよう案内しています。
写真、文章、デザインや制作データは、公開後の修正や別媒体でも使えるかを確認します。すべての権利が無条件で渡るとは限らないため、受け取るものと利用できる範囲をそろえて比べましょう。IPAのモデル契約資料も、発注側と制作側の役割を確認する参考になります。
7.運用・引渡し:公開後と、契約が終わるときまで聞く
お知らせの更新、ソフトの保守、表示やフォームの不具合を、誰に頼めるか確認します。連絡方法、対応する時間、料金に含む範囲、追加費用の条件を聞けば、自社で持つ仕事も見えます。バックアップの担当と、問題が起きた場合に戻す対応まで含むかも分けて聞きます。
納品時に受け取るデータと操作の説明、ドメイン・サーバー・管理画面の契約や管理の名義も確認します。将来、担当者や制作会社が変わる場合に、何をどう引き継げるか、費用がかかるかまで聞いておくと、公開後の予算を比べられます。
回答は資料や小さな確認で確かめ、未確認を残す
各社へ同じ質問を渡し、口頭の回答は必要に応じて見積・提案資料・議事録へ残します。「できる」という回答と、今回の依頼範囲に含むことは分けて確認しましょう。分からないことに即答するより、何を調べ、誰が返答するかを示せる相手かも見ます。
複数社を比較していること、依頼したい提案の範囲、選ぶ時期も伝えます。途中で依頼条件を変える場合は、各社へ同じように共有してください。完成度の高い資料かどうかだけでなく、自社が決めたいことへの回答になっているかを読みます。
提案の考え方を知りたいときは、公開中の一ページを使い、気付いた点と追加で確かめたいことを説明してもらう方法があります。社内更新が条件なら、入力操作の見本を見せてもらう方法もあります。無料で完成デザインや全ページの調査を求めず、相談で確認できる範囲と、有料になる調査・設計を先に聞いてください。
他社の提案や機密情報を、そのまま別会社へ渡すことも避けます。実績の担当範囲や更新操作をどう質問するかは、制作会社を比較する質問と確認資料で具体例を紹介しています。
費用は同じ範囲と期間で比べ、選定理由を残す
原稿、写真、移行、機能、テスト、公開後の支援が片方だけに含まれるなら、総額をそのまま比べても同じ仕事の比較にはなりません。制作時の支払いと、その後の保守・利用料・更新依頼を分け、自社で持つ仕事も合わせて見ます。例えば公開後12か月を比較期間にする場合も、各社で同じ期間にそろえます。
最安値でも、必要な条件と担当、完成時の確認、引渡しが合うなら価格は判断材料です。高いことを品質、安いことを不安の証明にしません。詳しい内訳は、Web制作見積の比較項目でそろえられます。
最後は、各社について次の内容を同じ書き方で残します。点数を使う場合も、重要な条件の確認を先に済ませ、点数の横に理由を添えます。例えば原稿支援が不可欠ならその比重を上げるなど、自社の事情に合わせます。未確認の項目を低い点数に置き換えて終わらせないようにしましょう。
| 選定記録に残すこと | 書き方の例 |
|---|---|
| 欠かせない条件 | 原稿の整理を任せたい。公開後は事例を社内で追加したい |
| 確認できたこと | 原稿支援の対象と担当を、提案資料で確認した |
| 未確認・懸念 | 自社担当者が行う更新操作は、まだ確認していない |
| 次の確認 | 契約前に操作の見本と、今回含む入力項目を確認する |
| 選ぶ理由と条件 | 原稿支援の範囲が合う。更新範囲も確認できれば依頼する |
表は説明用の架空例で、実在の会社の評価ではありません。条件が満たせると分かった理由と、次に聞くことを分けておくと、社内で意見が割れた場合も確認し直せます。次点や見送りの理由も残し、印象だけで決めた状態にしないことが大切です。

選定会議では、比較表を読み上げるより、欠かせない条件と未確認の違いを扱います。社内で誰が何を確かめ、いつまでに決めるかを残してください。第一候補が決まったら、提案時の回答を契約や依頼内容へ引き継ぎます。追加・修正、完成の確認、権利、保守、契約終了時の扱いが、合意した条件と一致しているかも確かめましょう。
選定後に社内でそろえる目的・素材・確認事項は、ホームページ制作を依頼する前の準備で整理できます。
自社で必要な制作範囲を、整理するところからご相談ください
株式会社みやあじよでは、事業やサービスの伝え方、原稿・写真の準備、公開後の更新まで、ご希望に合わせて制作内容を検討します。自社で担当できることと、制作を任せたいことが決まっていない段階でも、コーポレートサイト制作のご案内をご覧いただけます。
今のサイトURLや困っていること、使えそうな資料など、分かる範囲からお聞かせください。予算や原稿を完成させてからでなくても、お問い合わせからご相談いただけます。
参考資料
公式資料の案内と該当部分を2026年10月26日に確認しました。契約資料やガイドをそのまま全案件へ当てはめず、今回必要な作業と条件に合わせて確認してください。


