架空の部品メーカーの担当者が金属板と説明用の図を机上で確認する編集イメージ

NOTES

東大阪市の技術ページで図面・公差・測定を伝える|機密を守る情報公開

東大阪市の精密加工・部品メーカー向けに、図面と測定記録を公開用に整える手順を解説。公差の指示と測定値の区別、意味を損なわない省略、PDFの確認、機密を守る個別共有まで、一つの資料で考えます。

チップス

加工の説明に測定記録を添えたいのに、取引先の名前や図面番号が入っていて掲載できない。名前だけ隠せばよいのか判断がつかず、結局「高精度に対応します」という一文だけが残る。製造業の技術ページでは、こうした迷いが起こりがちです。

東大阪市の精密加工・部品メーカーが技術情報を公開するときは、元の資料から何を消すかだけでなく、何を残せば説明の意味が通るかを一緒に考えます。この記事では、一つの図面と測定記録から公開版を作る場面に絞り、公差の説明、記録の扱い、掲載承認、個別の情報共有までを整理します。

一つの資料で、公開したい説明を決める

最初に「この資料を載せて、読者のどんな疑問に答えるか」を一文にします。たとえば、加工した部分をどこで測るのか、寸法の指示をどう読み取るのか、といった疑問です。資料を丸ごと載せることを出発点にすると、不要な情報まで公開候補に入り、確認が難しくなります。

ここでは、長方形の金属板について、寸法の指示と測る箇所を説明する架空例を使います。実際の受注図面や測定実績ではありません。説明用に作った形状と、実案件の記録を紹介する場合は、掲載の目的も必要な根拠も異なります。架空図でできるのは読み方の説明であり、その会社の加工能力の証明ではありません。

東大阪市立産業技術支援センターは、技術相談や試験研究機器の利用を案内し、品質の向上や製品トラブルへの対応を支援しています。自社の測定方法に不明点があるとき、地域の相談先を調べる手掛かりになります。ただし、支援機関が存在することと、自社の掲載数値に根拠があることは別に確認します。東大阪市立産業技術支援センター

Web担当者は、技術担当者へ「測定器は何ですか」だけでなく、「今回の説明で読者に理解してほしい箇所はどこですか」と聞きます。板の厚さを説明したいなら、穴位置や取引先の使用装置まで同じ資料に残す必要があるかを検討できます。説明の範囲を絞ることが、読みやすさと機密確認の両方につながります。

公差の指示と測定値を、別の欄で見せる

公開版には、要求される寸法と、測って得た値を混ぜずに示します。説明用の寸法指示が「10.00 ±0.05 mm」であれば、その指示が示す上下の限界は9.95 mmと10.05 mmです。これは読み方を説明する仮の数値で、特定の加工品について保証する値ではありません。

この指示の隣に実際の測定値を置く場合は、どの試料の、どの箇所を、どの条件で測ったのかが必要になります。一点の値を見せて、形状や材料が変わっても同じ結果になると受け取られないようにします。測定記録の一部を紹介するのか、受注時の対応範囲を説明するのかを、見出しでも区別しましょう。

公開図で測る箇所をAと呼ぶなら、表の行も「箇所A」でそろえます。単位を表の外へ一度だけ書く場合は、画像の切り出しやスマートフォン表示で離れない配置にします。数字が目立つほど、その数字が何を意味するかを近くで説明する必要があります。小さな注記へ条件を押し込むと、本文を読まない人には保証値のように見えてしまいます。

公開版の欄残す情報掲載前に確かめること
図の箇所Aどの面・位置の説明か分かる対応元の説明と違う箇所になっていないか
寸法の指示指示値、許容する上下の差、単位測定結果として表示していないか
測定記録対象試料、箇所、値、必要な測定条件一部の記録を全製品の実績に広げていないか
説明の範囲架空の読み方例か、許諾済みの実例か図と本文のどちらにも区分が伝わるか

測定器の表示桁数も、そのまま加工の保証範囲にはできません。産総研の計量標準の解説は、測定結果に関わる不確かさや、校正のつながりを説明しています。公差の指示、実測値、測定の不確かさは役割が異なるため、Web担当者だけで一つの「精度」という数字へまとめないようにします。産総研・計量標準とは

この記事の仮の寸法例にも、実測値や合否結果は加えていません。自社の公開版を作る際も、記録がなければ欄を埋めるための数値を作らず、「測定箇所の説明例」として成立させます。実績を掲載する段階で、技術担当者が確認した記録と掲載条件をそろえましょう。

名前を消した後に、説明が成立するかを見直す

取引先名や図面番号を消しても、製品の外形、特徴的な穴の配置、写真の背景などから案件が分かる場合があります。図面を描き直しただけで公開できるとも限りません。元の形状や情報を使う権限を確認し、公開できないものは掲載候補から外します。

公開用に独自の説明図を用意するなら、機密の形状をなぞらず、伝えたい仕組みに必要な範囲で新しく設計します。今回の金属板の例なら、顧客の部品形状を再現する必要はありません。単純な長方形と測定箇所だけでも、寸法指示と表の対応は説明できます。その際、説明図が実際の納入品ではないことを明記します。

一方、実際の測定記録を紹介したいのに、材料や測定箇所を伏せると数値の意味が変わる場合は、数値だけ残す判断を避けます。条件を公開できなければ、その記録による性能の説明も外すか、公開できる別の資料を選びます。機密を守るための省略が、読み手に誤った期待を持たせないかを確認する段階です。

原本は保管場所に残し、公開版は別のファイルとして作ります。元の測定値を見栄えのよい数値へ直したり、都合のよい結果だけを抜き出して通常の結果のように見せたりしません。部分掲載なら、その対象と範囲が分かる説明を添えます。技術担当者が確認するのは元資料だけでなく、編集後の図、表、見出しの組み合わせです。

公開版の短い説明文を、一度書いてみる

金属板の架空例なら、図のそばに「寸法の読み方を説明するための図です。箇所Aの指示を10.00 ±0.05 mmとした場合、上下の限界は9.95 mmと10.05 mmです。実際の製品の測定結果や、当社の対応可能範囲を示すものではありません」と添える構成が考えられます。説明用であることを末尾の出典欄だけに置かず、図を見る場所で伝える書き方です。

この文章で目的を果たせるなら、顧客の図面や測定値を持ち出さずにページを作れます。反対に、読者へ実際の加工結果を伝えたいなら、この説明だけでは足りません。許諾を得た試料の情報と記録を用意し、何を測った結果かを示す別の掲載案を作ります。似た見た目の図でも、読み方の案内と実績紹介を行き来しないようにします。

公開版の画像を資料としてダウンロードできる設計では、画像の中にも「寸法の読み方の例」などの区分を残すと、本文から離れても目的が伝わります。長い条件をすべて画像へ詰め込む必要はありません。画像単体で説明しきれないなら、必要な条件をまとめた確認済みの資料を用意するか、ダウンロード用の画像として配布しない選択もあります。

公開する説明、初回相談の概要、範囲を確認した個別共有を分け、共有権限がない情報は渡さないことを示す図

図は情報を扱う場面の区分です。契約を結んでも、共有する権限がない情報は渡しません。

PDFは、黒い見た目だけで公開可と判断しない

公開版をPDFにする場合は、名前の上へ黒い四角を重ねただけで完了としないようにします。見えなくなっていても、元の文字や画像がファイル内に残ることがあります。公開前の処理では、該当する内容の削除と、非表示の情報の確認を分けて考えます。

Adobeの公式案内では、PDFの墨消しと、メタデータや埋め込みコンテンツなどの非表示情報を削除する処理が説明されています。利用するソフトの機能を確認し、処理を適用して保存した最終ファイルを検査します。画面の上に覆いを置くことと、内容を取り除くことを同じ扱いにしない点が大切です。Adobe・PDFの墨消しと非表示情報の削除

確認では、消したはずの文字が検索や選択で取り出せないか、文書のプロパティ、コメント、添付物に不要な情報がないかを見ます。ただし、検索で見つからなければすべて安全という判定にはできません。図形や画像にも公開不可の情報がないか、使ったソフトの処理範囲と併せて確認します。

元の顧客図面をいったんホームページのメディアへ入れ、後から公開版へ差し替える運用も避けましょう。公開に使う保管場所へ渡すのは、確認を終えたファイルです。ファイル名も、社内でしか使わない案件名を引き継がず、公開内容から分かる名前へ整えます。担当者が取り違えないよう、承認待ちと掲載用の置き場所を分けておくと扱いやすくなります。

公開版から先の相談は、情報を渡す順番を示す

情報を控えた技術ページでも、読者の次の行動は具体的に案内できます。金属板の説明例の下には、「詳しい図面を送る前に、加工の概要と相談したい点をお知らせください」と置き、最初の問い合わせに機密資料を求めない入口を作ります。

初回の概要だけでは回答できない場合、担当者が必要な資料と受け渡し方法を個別に案内します。Webページに「詳細はNDA後」とだけ書くよりも、相談の概要を受ける、確認に必要な情報を整理する、共有できる範囲を双方で確認する、という順番が見える方が連絡しやすくなります。返信までの時間などは、実際に守れる運用がある場合に限って示します。

J-Net21の秘密保持契約の解説では、秘密として扱う情報や目的、開示する範囲などの確認が挙げられています。契約を結んだことを理由に、手元の全記録を一律に渡す運用にはしません。自社の情報であっても共有条件を確認し、顧客や他社の情報を含む資料は、その情報を渡せる権限も別に確かめます。J-Net21・秘密保持契約の解説

担当者向けには、公開版、初回相談で扱える概要、範囲を確認して個別に共有する資料を分けて管理します。どの区分にも入れられない情報は、共有しないまま残します。契約書の作成や解釈が必要な場合は、その判断を担う担当者へつなぎ、Webページの説明だけで解決したことにしません。

架空の製造業の担当者が公開用の説明資料を机上で読み合わせる編集イメージ

写真は架空の編集イメージです。実在の企業の図面、測定記録、担当者を示すものではありません。

承認は、公開するファイルと説明文を一組で行う

最後は、技術の意味を確認する担当者と、情報を出せるか判断する担当者が、同じ完成版を見ます。前者は箇所・単位・条件・説明範囲を、後者は許諾・掲載先・掲載期間・含まれる情報を確認します。一人が両方を担う場合でも、確認する観点を分けておくと見落としを減らせます。

「この図は承認済み」とだけ記録しても、後から表の見出しを変えると意味が変わることがあります。承認した図と表、本文の説明、ファイル名をひとまとまりにして保管し、変更が生じた箇所は再確認します。実例を説明用の架空例へ差し替えたときには、「加工実績」という見出しや画像の説明文も残っていないかを点検します。

掲載後は、元の条件や許諾が変わったときに連絡を受ける担当者を決めます。取り下げが必要なら、記事のリンクを外すだけでなく、配信中の添付ファイルや画像も確認します。自社で管理する公開先の対応を記録し、外部に保存された複製まで消せたと断定しないようにします。

最初から大量の図面を整理する必要はありません。一つの説明テーマを選び、公開可能な材料で図と表を作り、必要な条件を残し、最終ファイルを承認するところまで試します。その手順がそろえば、次の資料でも「何を消すか」と「何を伝えるか」を一緒に判断できるようになります。

東大阪市の技術情報を伝えるホームページ制作の相談

参考・出典

  • 東大阪市立産業技術支援センターの公式案内
  • 産業技術総合研究所 計量標準総合センター「計量標準とは」
  • Adobe Acrobat「PDFの墨消しと非表示情報の削除」
  • 中小企業基盤整備機構 J-Net21「秘密保持契約というのはどういうものか教えてください。」

確認日:2026年9月6日。本文中の金属板、寸法指示、公開版の作業手順は説明用の架空例・編集提案です。