会社の担当者と制作会社が引き継ぎ資料を確認する架空の編集イメージ

NOTES

制作会社を乗り換える手順|契約終了・引き継ぎ・切替の確認事項

ホームページの制作会社を乗り換える際の契約終了、データと利用権、三者間の引き継ぎ手順を解説。サーバー移転との違い、切替前後の動作確認、旧契約を終了する条件を具体的に整理します。

チップス

ホームページの制作会社を乗り換えるときは、旧契約の終了条件を確認し、新しい会社が必要な資料と権限を受け取り、運用できることを確かめてから引き継ぎを完了する、という順番で進めます。解約の通知期限もあるため、最初に契約と日程を照らし合わせることが大切です。

制作会社が変わっても、サーバーやドメインをすべて移す必要があるとは限りません。現在のサイトを保ちながら更新の担当だけを変える方法もあります。この記事では、変更する範囲、契約で確認する項目、引き継ぎと切替の完了条件を整理します。

会社の担当者と制作会社が引き継ぎ資料を確認する架空の編集イメージ

制作会社の変更と、サイトの移転を分ける

まず、新しい会社に何を任せるかを決めます。「返信が遅い」という困りごとなら、更新依頼の窓口と対応範囲を変えることで解決できるかもしれません。一方、現在のサーバーを旧会社が一括契約していて、契約終了後は使えない場合には、移転の準備も必要です。

次の四つは別の作業として確認してください。

  • 制作・運用の依頼先変更:修正、更新、保守などを行う会社が変わる。
  • サーバー移転:サイトのファイルやデータベースを置く環境が変わる。メールも同じ契約に含まれるか確認する。
  • ドメイン管理先の変更:現在のドメイン名を維持して、更新や管理の窓口を変える。
  • URLの変更:ドメイン名やページのアドレスを変える。検索とリンクへの対応も必要になる。

たとえば「自社契約のサーバーとURLはそのまま、新会社に更新作業を任せる」なら、移転を伴わない引き継ぎを検討できます。サービス側の制約や新会社の対応条件を確認してから決めましょう。

JPドメインには管理指定事業者を変更するための手続きがあります。ただし、手順はドメインの種類や契約先によって異なります。JPRSの指定事業者変更の案内を参照し、現在の管理先と変更先へ必要な手続きを確認してください。

解約を通知する前に、旧契約の六項目を確認する

契約書、見積書、利用規約、更新の案内を集め、終了に関わる条件を確認します。制作費、保守費、サーバー代が一つの請求書に載っていても、契約の終了日が同じとは限りません。

確認項目確かめること残す記録
通知期限と更新解約の申出期限、自動更新、通知方法通知先・期限・受付の回答
終了日と停止範囲保守、サイト、メール、ドメイン管理のどれが終了するかサービスごとの終了日
受け取るデータサイトデータ、画像、制作元データ、設定資料の納品範囲納品物と受渡方法の一覧
利用と改修の条件新会社による利用・修正、素材や有料機能の契約条件契約条項と追加確認の回答
清算と追加費用残金、解約・引き継ぎ作業、移転、契約の重複期間項目別の見積もり・請求条件
引き継ぎへの協力質問できる期間、窓口、対応する作業の範囲担当者と対応期限

不明な項目は、旧会社に「何を、いつまでに、どの方法で受け取れるか」と具体的に聞きます。通知期限が近い場合は、引き継ぎの見通しと解約日を同時に相談してください。動作確認が済むまで、契約を一方的に延長できるとは考えず、必要な期間と費用を合意しておきます。

新会社の見積もりも、通常の運用費と初期の調査・引き継ぎ費を分けて確認します。現在の環境を確認していない段階の見積もりでは、何が追加費用の条件になるかまで聞くと判断しやすくなります。

データの納品と、使う権利を別々に確かめる

「ホームページの制作費を払ったので、すべてのデータを自由に使える」と判断せず、実際の契約で確認しましょう。納品されるファイルの範囲と、画像・文章・デザインを使ったり改修したりできる範囲は別の確認事項です。

文化庁の著作権契約の説明では、著作物の利用を許可する契約と、著作権を譲渡する契約が区別されています。新しい会社へ修正を依頼する場合も、現在の契約でその利用が認められるかを確認します。

受け取るものは、次の三つに分けると整理できます。

  • サイトを動かすデータ:公開中のファイル、CMSのデータベース、画像、必要な設定情報。
  • 今後の修正に使う元データ:ロゴやデザインの編集ファイルなど。必要性と納品対象かどうかを確認する。
  • 別の契約がある素材・機能:購入写真、フォント、有料テーマやプラグインなど。新会社で継続利用できるか、再契約が必要かを確認する。

「全部を渡してください」だけでは、両社が考える納品物が食い違うことがあります。新会社に必要なデータを挙げてもらい、その一覧をもとに旧会社と確認してください。権利や契約の解釈で意見が分かれる部分は、対象と条項を絞って確認を進めます。

自社・旧会社・新会社で引き継ぎの完了条件を決める

自社は、契約と変更範囲の決定、日程の承認、フォームやメールの業務上の確認を担当します。旧会社には資料の提供と現在の設定の説明を、新会社には受領内容の確認と引き継ぎ後の作業・動作検証を依頼します。実際の役割は各契約の範囲に合わせて決めてください。

制作会社の乗り換えを、終了条件の合意・資料の受領・運用の検証・旧契約の終了に分けた図

資料を渡す日と、引き継ぎが完了する日を分けて予定表に記載します。受領後にログインできない、必要なファイルが足りない、と分かった場合に質問できる時間を確保するためです。

作業の窓口も一つにまとめます。移転や設定変更をする期間は、旧会社と新会社が同時に同じ箇所を更新しないよう、担当と更新を控える時間を決めます。急な修正が必要になった場合は、誰が行い、どちらへ変更内容を渡すかも決めておきましょう。

共有資料には、対象、受渡日、保管場所、確認者、未解決事項を記録します。パスワードそのものは一般の進行表へ載せず、双方が合意した安全な受渡方法で扱います。新会社には担当者ごとのアカウントを用意し、必要な作業に合う権限を付与します。

切替前に、新会社が作業できることを確認する

管理画面を閲覧できただけでは、更新や設定の変更ができるとは限りません。新会社が担当する作業に必要な権限と手順を確認します。本番へ不要な変更を加えるのではなく、確認環境や合意した最小の作業で検証してください。

GA4は既存のアカウントやプロパティに利用者を追加できます。GTMにも閲覧・編集・承認・公開など異なる権限があります。会社変更だけを理由に計測先を作り直さず、既存のIDと設定を確認して引き継ぎます。詳細はGA4のユーザー管理とGTMの権限管理を参照してください。

サーバー移転や大きな設定変更を伴う場合は、戻せる状態も用意します。WordPressではファイルとデータベースの両方が関係するため、バックアップの取得日時、保存先、復元担当を確認し、隔離した環境で復元できるかを確かめます。WordPress公式の移行ガイドも、URLを維持する移行と変更する移行を分けて説明しています。

切替の日時、実行者、確認者、問題が出たときの中止・復旧の条件を共有してください。新旧の契約が重なる期間や、復旧のために旧環境を残す期間は、費用と利用可能な条件を含めて両社に確認します。

切替後は、表示・受付・メール・計測を確認する

切替を伴わない場合でも、次の項目から新会社の担当範囲に関係するものを確認します。実施日時と結果を残すと、後から不具合が出たときに判断しやすくなります。

確認対象完了と判断するための確認
ページと画像主なURLをPCとスマートフォンで開き、本文・画像・リンクが表示される
更新作業必要な権限があり、合意した方法で作業と確認を進められる
問い合わせ合意したテスト送信を行い、送信完了と担当者の受信を確認する
メールサーバー等を変更した場合は、利用中の送受信・転送を確認する
計測既存の計測先へ必要な記録が届き、同じタグによる重複がないか確認する
復旧と連絡バックアップを利用でき、問題発生時の窓口と判断者が決まっている

フォームの完了画面が出ても、担当者が受信できなければ受付の確認は終わりません。メールが同じサーバー契約に含まれる場合は、サイトだけが表示できても移転完了と判断しないようにします。

URLを変える場合は、旧URLから対応する新URLへの転送、内部リンク、canonical、検索エンジンへの公開状態も別に確認します。GoogleのURL変更を伴う移転ガイドを参考に、検索面の対応と観察を計画してください。制作会社の変更だけで検索順位が上がるとは限りません。

社内担当者と新しい依頼先がPCと引き継ぎ資料を使って確認項目を照合する架空の編集イメージ

旧契約を終了し、新しい運用の窓口を残す

最後に、合意した終了日と引き継ぎ条件を照合します。未解決の項目がある場合は、担当と期限を決め、必要な延長や追加作業を相談してください。

終了前には、納品物の不足がないこと、新会社が担当する運用を引き受けられること、継続するドメイン・サーバー・メール等の契約を把握していることを確認します。最後の請求や、旧会社のアカウント権限を変更する日時も整理しましょう。必要な作業が残るアカウントを先に無効化しないようにします。

旧会社と連絡が取れない場合は、手元の契約書、請求履歴、自社名義のアカウントから状況を確認します。権限や利用条件が確認できないデータを、そのまま移せるとは判断しません。取得できる範囲と追加の調査・再制作が必要な部分を新会社に分けてもらい、費用と影響を確認して進めてください。

引き継ぎ後の更新依頼、承認、確認、記録の分担は、Webサイトのガバナンスと運用ルールでも整理しています。依頼先が変わった後も、自社に窓口と判断者が残る形を決めておくと、次の担当者へ引き継ぎやすくなります。

まずは、旧契約の通知期限、契約終了後も使えるサービス、次の会社へ任せたい作業の三つを書き出してください。運用を含めた引き継ぎを検討するときは、ホームページ保守・運用の対応範囲を確認できます。契約や管理情報が分からない項目は、その項目をまとめて株式会社みやあじよへ相談すると、確認が必要な範囲を整理しやすくなります。