依頼を考えている制作会社の実績に、自社と同じ業種が見当たらない。画面の雰囲気は好みでも、「うちの商売を分かってもらえるだろうか」と迷うことがあります。
そんなときは、業種名だけで候補から外す前に、その実績で誰のどんな疑問を整理し、制作会社がどこまで担当したかを確かめてみてください。そのうえで、自社の最近の商談を一つ伝え、何を聞き足して、どんな説明に組み立てるかを質問します。
同業種の経験は、仕事の説明を進める手がかりになります。ただ、実績の業種が同じでも、原稿は発注側がすべて用意した仕事と、取材から一緒に考えた仕事では、今回頼める範囲が違います。この記事では、異なる業種の実績から事業の理解を確かめ、自社の相談に置き換える方法を紹介します。
実績の画面と、担当した仕事を一組で見る
最初に気になった実績を一つ選び、「このページは、どんな人に何を分かってもらうために作ったのですか」と聞いてみましょう。見た目の好みから一歩進んで、説明の狙いを確かめるための質問です。
たとえば製造業のページに、対応する素材や加工の範囲、相談時に必要な図面が並んでいたとします。「技術を詳しく紹介しました」という返答だけでは、掲載した理由までは分かりません。「初めての取引先が、図面を送ってよい相手か判断できるようにした」と分かれば、画面に載せた情報と、読み手の仕事がつながります。
続けて、制作会社がその情報をどう集めたかを聞きます。発注側から完成原稿を受け取ったのか、営業担当への取材で整理したのか、専門的な部分は誰に確かめたのか。写真撮影や画面の制作だけを担当した場合も、それ自体で評価を下げる必要はありません。自社で原稿を用意できるなら、その分担が合うこともあるからです。
一方、自社だけでは仕事の説明をまとめにくいなら、取材や原稿作成の進め方まで確認したいところです。完成したページが分かりやすいことと、その説明を制作会社が組み立てたことは、分けて確かめます。
守秘義務などで実績の詳しい資料を見せられない場合は、話せる範囲での担当業務や確認の手順を聞きましょう。公開できない資料の提示を求めなくても、誰に何を確認して原稿を固めるかは相談できます。
卸売会社なら、異業種のどこを自社と比べるか
ここからは、卸売会社が依頼先を検討する場合を例に考えます。扱う商品に近い実績はなく、製造業と設備保守の実績が候補にあるとします。これは比較の方法を説明するための例です。
製造業と卸売業では、仕事の中身は違います。それでも、問い合わせる前に「この条件で相談できるか」を知りたい読み手がいる点は重ねて見られます。設備保守のページなら、対応する設備や地域、相談時に伝えることを、初めての人が読み取れるかが参考になります。

| 実績で見るところ | 自社に置き換えると | 制作会社への質問 |
|---|---|---|
| 製造業の対応素材・加工範囲 | 取扱商品・販売単位・取引の条件 | 載せる条件は、誰にどのように確かめましたか。 |
| 設備保守の対応設備・訪問できる範囲 | 届けられる地域・配送条件 | 条件によって対応が変わる場合、どう説明しましたか。 |
| 相談時に添える図面や設備の情報 | 問い合わせ時に伝えてほしい商品・数量 | 最初に聞くことと、後から確認することをどう分けましたか。 |
ここで見たいのは、異業種の項目をそのまま借りられるかではありません。制作会社が、読み手の判断に必要な情報を見つけ、取引の実情と照らして説明したかです。たとえば数量で条件が変わる商売なら、一つの条件を大きく書くだけでよいか、個別に相談してもらう説明が要るかを一緒に考えることになります。
実績に問い合わせ窓口があっても、その形を自社へ直ちに採用する必要はありません。見積もりに必要な情報や、返答する担当者の仕事が違うためです。画面の形より先に、何を受け取れば返答できるかを確認する姿勢があるかを見てください。
最近の商談を一件伝え、聞き返してもらう
実績の説明だけで判断しにくいときは、自社で説明し直すことが多い商談を一件、短く伝えてみます。会社案内を作り直してから相談する必要はありません。手元のメモや、口頭で話せる範囲からで大丈夫です。
初めてのお客様から「この商品を少量で買えますか」と聞かれます。商品によって販売単位が違うので、品番と数量を伺ってからお答えしています。このやり取りを、ホームページで分かりやすくしたいです。
この例を渡したら、「ページ案を作ってください」と頼む前に、次のように聞いてみます。
- いまの説明で分かったことと、まだ分からないことは何ですか。
- 原稿を作る前に、社内の誰に何を聞きたいですか。
- 問い合わせる前に伝えることと、受け付けてから確かめることを、どう分けて考えますか。
「少量注文のページを作りましょう」という提案だけでは、販売単位の違いが理解されたかは分かりません。「少量の基準は商品ごとに違いますか」「品番が分からないお客様もいますか」「数量以外に、見積もりに必要な情報はありますか」と聞き返されれば、どの条件を確かめようとしているかが見えます。
ただし、質問が多ければ理解が深いとも限りません。「販売単位を誤って伝えないため」「品番が不明な人にも相談してもらうため」のように、聞く理由と、原稿や問い合わせの作り方がつながるかまで確かめます。すぐに答えを出せない専門的な話について、確認先や調べる順序を説明できることも、判断の材料になります。
説明を聞くときは、「この理解で合っていますか」と自社の仕事を短く言い直してもらうと、認識の違いに気づきやすくなります。卸売会社なのに、全商品を一個から販売する店だと受け取られていたなら、画面を作る前に直したい点です。その違いを伝えた後、説明や確認事項がどう変わるかも見ておきましょう。
依頼前の相談では、理解の進め方と担当範囲が分かるところまでを目安にします。詳しい調査、取材、完成原稿や画面案の作成が必要なら、その仕事をどの段階で、どの範囲まで頼むかを確認してください。無料で完成案を出してもらうことを、候補に残す条件にする必要はありません。
返答を比べ、次に頼む仕事を決める
候補の制作会社から話を聞いた後は、実績の件数を並べるだけでなく、自社の一件の仕事についての返答をメモします。「販売単位は営業担当に確認する」「初回の相談で必要な情報を整理する」「未確定の条件を原稿で断定しない」といった、具体的な進め方が残れば、発注する仕事を考えやすくなります。
逆に、見た目の提案はあっても、自社の取引条件や原稿の確認方法が曖昧なら、その部分をもう一度尋ねましょう。取材や文章の整理を頼むのか、自社が用意した内容を読みやすい画面にする仕事を頼むのかで、必要な分担が変わります。業種に詳しい担当者がいる場合も、その人が今回の打合せや制作にどう関わるかを確かめておくと安心です。
事業内容に制度や安全に関わる説明が含まれる場合は、制作会社の業種経験だけで判断せず、自社の責任者や必要な専門家に誰が確認するかも決めます。「業界を知っているはず」で確認を省かず、原稿を固める手順まで相談してください。
みやあじよでは、事業や現場のお話を伺い、ホームページで伝える内容や見せ方を整理するところから制作・改修をご相談いただけます。自社の仕事をどう説明すればよいか迷っている方は、大阪のホームページ制作・改修を相談するからお聞かせください。
現在のサイトがあれば、そのURLと、最近の商談で説明し直したことが手がかりになります。資料や予算、公開時期がまだ決まっていなくても構いません。何を伝えたいかが曖昧な段階から、一緒に整理していきます。


