相続相談の入口を法人顧問と分けて整える、会計事務所で面談を準備する編集イメージ

NOTES

税理士事務所のサイトで相続相談と法人顧問の入口を分ける方法

税理士事務所のサイトで、相続相談が法人向けフォームへ入る問題を見直す方法。用件別の入口、初回準備の案内票、入力項目、完了画面と返信文を整理し、必要な改修範囲を決めます。

チップス

相続の相談をしたい家族が、税理士事務所のサイトで「お問い合わせ」を押す。ところが会社名、売上規模、決算月が必須になっていて、何を書けばよいか分からない。相続業務を扱っていても、受付の画面が法人顧問向けのままでは、相談できることが最後まで伝わりません。

見直す単位は、トップページのボタンだけではありません。用件を選ぶ入口、相続の説明、初回に伝える情報、送信後の案内をひと続きで確認します。相続と法人顧問で必要な説明を分け、事務所紹介や所在地など共通の情報はまとめる。この分担を決めれば、サイトを二つ作らなくても改善を始められます。

この記事は税理士・会計事務所の経営者とWeb担当者へ、掲載内容と改修範囲の決め方を示すものです。以下の案内票や文面は架空の事務所を想定した設計例です。実際の取扱業務、初回相談の条件、税務に関する説明は、事務所の税理士が確認した内容に置き換えます。

「個人・法人」より、相談したい用件を入口にする

最初の選択肢を「個人のお客様」「法人のお客様」だけにすると、個人事業の顧問を探す人と家族の相続を相談する人が、同じ個人向けページへ進みます。会社の経営者でも、家族の相続について連絡することがあります。相談者の属性と今回の用件は、必ずしも一致しません。

そこで、トップページや業務一覧では「事業の顧問・決算の相談」と「相続についての相談」のように、頼みたい仕事が分かる言葉を使います。各入口の下に「法人・個人事業の経理や申告について」「相続が起きた後の相談や、将来に向けた準備について」と短い説明を添える案です。扱っていない相談まで例示しないよう、表現は受付範囲と合わせます。

目立ち方も確認します。パソコンでは二つの入口が並んでいても、スマートフォンでは法人顧問の長い説明が先に続き、相続の入口が記事末に埋もれることがあります。業務一覧の上部で両方の用件を見つけられるか、固定表示の問い合わせボタンからも選び直せるかを実際の画面でたどってください。

すべてのページに選択画面を挟む必要はありません。相続の説明ページから進む人には、相続の受付が選ばれた状態を用意できます。一方、事務所概要や共通の問い合わせページから来た人には用件を選べる入口を残します。ボタンの文言も「相続の初回相談について連絡する」など、進んだ先と一致させます。

相続ページでは、今の状況と初回の準備を結ぶ

相続業務の説明が専門用語の一覧だけだと、相談者は自分の状況をどこに当てはめればよいか迷います。事務所側では、相続発生後の相談と、将来の準備についての相談を分け、それぞれ何を初回に確認するかを整理します。これは税務上の結論をサイトで出すためではなく、相談の入口を説明するための区分です。

ページの上から、受け付ける相談、初回の連絡方法、分かる範囲で伝えてほしいこと、費用と日時の決まり方を配置します。「資料が全部そろってからでなければ連絡できない」と読める表現は、実際の受付方針と一致するか確認してください。資料不足の段階でも受け付けるなら、その条件を相談ボタンの近くへ書きます。

次の案内票は、公開する文面を作る前に事務所内で埋めるための例です。「初回に伝えること」は必須入力と同じ意味ではありません。事務所が最初の返信に必要とする情報を決めたうえで、任意項目や後日の確認へ分けます。

相談の場面 ページで伝えること 初回に確認する情報の例 後で案内するもの
相続が起きた後に相談したい 受け付ける業務と連絡方法 相談したいこと、分かる範囲の時期、返信先 面談前に必要な資料と受渡し方法
将来に向けて準備したい 対応する相談の範囲 誰についての相談か、気になっていること 相談内容に応じた準備事項
どの相談に当たるか分からない 用件を文章で伝えられる入口 短い相談概要、返信先 担当者が確認して次の窓口を案内
すでに事務所へ依頼している 新規受付と既存依頼者の連絡先の違い 事務所が決めた連絡方法で確認 個別案件に必要な連絡・資料

初回の準備と、正式に依頼した後の提出資料は別の見出しにします。申告に必要な書類をそのまま問い合わせの必須添付へ移すと、予約の連絡と申告の準備が混ざります。国税庁の相続税案内にも、申告要否の参考情報、申告方法、様式など別の入口があります。制度を説明する場合は公式資料を参照し、事務所の相談受付とは目的を分けて掲載します。国税庁「相続税」

用件から事業と相続の説明・初回受付へ進み、迷う人の相談入口も残すサイト構成例
架空のサイト構成例。入口だけでなく、その先の説明と初回受付を対応させます。

フォームを二つにするか、選択で項目を変えるか

入口を分けることと、フォームを別々に作ることは同じではありません。まず現行フォームで、会社名、役職、決算月、売上規模などの項目が誰に必要なのかを一つずつ見直します。相続相談では不要な項目を隠しても、内部では必須のままで送信できない場合があるため、表示と入力の条件を一緒に変更します。

相続専用フォームを作る方法は、案内や確認画面、自動返信を用件に合わせやすい点が利点です。一方で、共通の住所や連絡先を修正するときは、両方へ反映する管理が必要になります。担当窓口や返信内容が大きく異なるなら、分ける理由が明確です。

一つのフォームで用件を選んでもらう方法は、共通部分をまとめられます。ただし、選択を変えたときの項目表示、エラー、確認画面、通知先まで動作を確かめなければなりません。既存システムでその切替が難しい場合は、無理に複雑な条件を足すより、相続用の短い受付を別に設ける案を比較します。

どちらの方法でも、用件が未選択のまま法人相談に決まる初期値は避けます。「選んでください」を残すか、相続ページから来たときだけ相続が選ばれたことを画面に明示します。選択を間違えた人が、入力内容をすべて失わずに修正できるかも確認対象です。

項目名は入力欄の外に残し、「相談したいこと」「返信用メールアドレス」など目的を示します。入力例だけが欄内にあり、文字を入れると消える状態にはしません。W3Cはフォーム部品に目的を示すラベルを付け、入力部品と関連付ける方法を案内しています。実装を依頼する際は、見た目の文言だけでなく、この対応も確認項目に含めます。W3C「Labeling Controls」

最初の連絡で必要のない詳しい財産一覧や本人確認書類は、気軽に添付させる設計にしない方針を検討します。資料が必要な時点と受渡し方法を事務所が決め、担当者から案内する流れに分けます。フォームに添付機能があるという理由だけで、税務資料の受取り窓口として使うことは決めません。

「送信できた」と「面談が決まった」を混ぜない

相続専用の入力欄を作っても、完了画面が「顧問契約のお問い合わせありがとうございます」のままでは、相談者に別の不安を残します。受付分類は、入力画面から確認画面、完了画面、自動返信、事務所への通知まで引き継ぎます。制作の依頼書には、これらを一つの改修範囲として記載してください。

日時を担当者が調整する運用なら、送信ボタンを「面談を確定する」とは書きません。「初回相談について送信する」などの表現にし、完了画面では連絡を受け付けたことと、次に誰からどの方法で連絡するかを伝えます。希望日時を入力できても、予約確定ではない場合は入力前から説明します。

返信までの日数や時間帯は、実際に守れる運用を事務所が確認して記載します。制作側が一律に「当日返信」と補うと、休業日や繁忙時の対応と食い違います。返信が見当たらないときの確認方法、別の連絡手段、受付時間も同じ方針に合わせます。急ぎの用件への案内は事務所が受け付けられる範囲を確認し、専門判断が済む期限を約束する表現にはしません。

事務所側の通知にも「相続の新規相談」などの用件を残します。分類を使って担当者を決める場合は、その担当者が不在のときに誰が確認するかまで決めておきます。メール件名には必要以上に相談内容を入れず、詳細の扱いは事務所の運用へ合わせます。画面の改善と受信後の対応がつながって初めて、入口を分けた意味が生まれます。

担当者がノートパソコンの受付画面を確認する編集イメージ
受付画面と、担当者が受け取る案内を一緒に確認します。

共通で持つ情報と、相続だけの説明を切り分ける

入口ごとに全内容を複製すると、担当者や受付時間が変わったときに古い情報が残りやすくなります。事務所名、所在地、代表連絡先、担当者紹介などは共通の情報を参照し、相続ページには取扱範囲、初回準備、相談費用の条件、相続の受付方法を置く案を基本にします。

費用は法人顧問の月額表へ一律に誘導せず、相続相談に関する説明の位置を決めます。初回相談料と正式依頼後の報酬が別なら、その違いを事務所に確認して記載します。無料という語を使う場合も、対象、時間、回数など実際の条件を近くに添えます。金額や条件が未確定の部分を、制作担当が一般的な相場で埋めないことが大切です。

経営者の家族の相続など、複数業務にまたがる相談を二択で切り捨てないようにします。「用件を選びにくい方へ」と短い案内を置き、概要から担当を確認できる入口を用意する案です。また、相続税以外の手続きを説明する場合は、事務所が対応する仕事と他の専門家の役割を分けます。連携の有無や範囲が未確認なら、「すべてまとめて対応」とは掲載しません。

改修の受入確認は、四つの場面で行う

制作後は、相続ページが追加されたことだけで検収を終えず、相談者の場面に沿って操作します。まず、スマートフォンでトップから相続の入口を探します。次に、相続ページへ直接来て、初回準備を読み、会社名を入れずに受付を進められるか確かめます。さらに、用件が分からない状態から連絡先へ進む場面と、既存依頼者が新規フォームへ迷い込む場面を確認します。

テストには架空の入力を使い、実際の財産や家族情報を入れません。送信試験をする場合は事務所と日時、送信先、テストであることの表示を決めます。入力画面の表示だけでなく、必須項目のエラー、確認画面の分類、担当者への通知、相談者への返信文を照合します。文字を拡大したとき、キーボードで移動したときにも、選択肢と説明が分かるか確認してください。

公開後に見る記録も、単純な問い合わせ総数だけにしません。相続相談なのに法人の項目で困った連絡が残っていないか、用件の再確認が必要だった理由は何か、完了画面と実際の返信に食い違いがないかを振り返ります。個別の相談内容をアクセス解析へ送らず、必要な分類だけを扱う設計を検討します。増減だけから改修の効果を断定せず、入口を分ける目的に照らして直す箇所を決めます。

最初に作るのは大きなサイト構成図ではなく、相談の場面、公開する案内、初回の入力、返信の担当を並べた一枚の案内票で十分です。事務所が業務と受付条件を確定し、制作担当がページ、フォーム、返信画面へ反映する。この分担を決めてから、既存サイトで直す範囲を具体化しましょう。

相続と法人顧問の案内を自社サイトへ反映する際は、現在の業務ページ、入力項目、返信文をご用意ください。税理士・会計事務所向けホームページ制作では、用件別の入口や相談原稿、初回準備の案内、受付への導線について支援内容を確認できます。