整骨院のホームページを作り直す際、以前のパンフレットや他院の紹介文を参考にした表現が、そのまま原稿へ残ることがあります。院長が一度見た資料でも、制作中に見出しを短くしたり、画像へ言葉を移したりすると、最初に確認した文章とは意味が変わる場合があります。
公開前に必要なのは、原稿全体へ一つの確認印を付けることだけではありません。何を主張している文か、対応する資料は何か、誰がどこまで確認したか、修正後の画面に反映されたかを追える状態にします。この記事では、整骨院・接骨院の経営者やWeb担当者に向けて、そのための原稿確認表と制作時の照合方法を紹介します。治療効果の判定や広告表現の適法性を保証するものではありません。
施術紹介の原稿を、確認する主張ごとに分ける
最初に、施術紹介ページから確認が必要な文を抜き出します。一段落の中にも、院で行う説明、施術の内容、対象となる相談、期待する変化、費用など、異なる主張が入っています。「この段落は院長確認済み」とまとめる前に、何について回答をもらう必要があるかを分けましょう。
たとえば、「初回に内容を説明し、短期間で変化を実感できます」という原稿案があったとします。これは確認対象を分けるための架空例で、掲載を勧める文ではありません。前半の実際の説明手順と、後半の期間・変化に関する主張では、必要な確認が違います。前半を受付担当が確かめても、後半まで確認したことにはなりません。
抜き出した文には、ページ名、見出し、原稿の版、行や項目の番号を付けます。同じ文章がトップページの短い紹介にも使われるなら、その掲載場所も記録します。文を直したときに、どこを直せばよいかが分かるようにするためです。番号は院内と制作会社で共有する管理用で、利用者に見せる必要はありません。
口頭取材で聞いたことも、発言者と確認する内容を分けて記録します。「先生がそう話した」という記録は、取材の出所を示しますが、そのまま掲載内容の根拠確認が完了したという意味にはしません。公開用の文へ起こした段階で、対象と条件を含めて担当者へ戻します。
資料のURLだけでなく、対応する箇所を残す
資料欄には、ファイル名やURLに加え、どのページ・項目を確認するかを書きます。長い説明書のリンクだけでは、担当者ごとに見た場所が変わってしまいます。資料の発行元、版や更新日、確認した日付も残すと、後で別の資料へ差し替わったときに追い直せます。
厚生労働省の柔道整復師等に関するページには、あはき・柔整広告ガイドライン、関連規程、資料の案内がまとめられています。また、広告に関する相談は施術所等の所在地を管轄する自治体の窓口へ連絡するよう案内されています。制作時には、確認先を探す入口として使い、個別の文について必要な確認を担当者へ依頼します。資料の一覧を見ただけで、その原稿の確認を終えたことにはしません。参考:厚生労働省「柔道整復師等の広告規制について」
原稿を支える資料があっても、その資料が何を対象にしているかを確かめる欄を設けます。特定の機器についての説明なのか、特定の条件下での記録なのか、院での実際の対応なのかを分けます。制作担当が資料の一文を広げて、すべての施術や来院者へ当てはまる説明に変えないようにします。
古い制作会社から受け取った原稿や、過去に公開していたページしか見つからない場合もあります。それらは以前の掲載内容を知る資料として保存し、根拠が確認できた資料とは区別します。「前から載っていた」という理由で今回の確認欄を埋めず、誰へ何を確認するかを残してください。
主張・資料・確認者・修正結果を一つの表にする
次の表は、施術紹介の原稿確認を依頼するための設計例です。実在の院の審査結果や、特定の言い方を許可する一覧ではありません。確認対象を分け、専門担当の回答と制作側の修正を対応させるために使います。
| 確認する主張・表示 | 資料欄へ残すこと | 内容の確認を依頼する相手 | 修正結果として記録すること |
|---|---|---|---|
| 院で行う説明や流れ | 現行の案内資料と該当箇所 | 施術担当者・受付責任者 | 実際の順番に直した文と掲載先 |
| 施術内容や対象範囲 | 説明資料の対象・条件・該当箇所 | 施術内容を確認できる担当者 | 採用する範囲と残る確認事項 |
| 効果・期間等に関する主張 | 主張に対応する資料と不足点 | 内容・広告表現の専門確認担当 | 掲載を見送る箇所または再確認する修正文 |
| 写真や図に添えた説明 | 素材の出所と示している内容 | 内容確認担当・素材管理担当 | 説明文、差替え、確認した表示範囲 |
| 見出し・一覧の短い紹介 | 確認した本文と短縮後の原稿 | 内容確認担当と制作担当 | 意味を照合した版と画面の記録 |
表を運用する際は、各行に番号と状態を加えます。「資料待ち」「専門確認中」「修正後の再確認待ち」「確認した範囲を反映済み」など、次の行動が分かる言葉にします。単に「確認済み」と書く場合も、資料を見たのか、文を採用したのか、画面へ反映したのかを補足してください。
回答には、確認者の名前だけでなく、確認日と対象の版を残します。院長が本文を確認した後に別の担当者が見出しを書き換えたなら、その見出しは改めて照合する対象です。確認者を増やすことより、誰の回答がどの文に対するものかを見失わないことが重要です。
資料そのものを公開するかどうかは、確認表への記録とは別に決めます。内部確認に使う資料へ利用者情報などが含まれる場合は、共有する範囲と閲覧担当を院側で確認します。制作のために必要な箇所を受け取り、公開ページへ資料全体を貼り付ける運用にしないようにします。
未確認の文を見た目だけ整えて公開しない
根拠や掲載範囲が未確認の文は、デザイン調整が済んでも公開用の原稿から分けて管理します。短い注記を足したり、語尾を弱めたりすれば確認が不要になる、と制作担当だけで判断しないでください。どの文をどう変えるかの案は作れても、変更後の意味を含めた確認が残ります。
大阪府泉佐野保健所は、2026年6月19日更新の注意喚起で、施術所開設者に適切な情報提供へ努めることを求め、厚生労働省のガイドラインを案内しています。このような現行の案内を確認先に含め、院の所在地と掲載内容に応じて担当者が確認を進めます。この注意喚起だけから、特定の院や個別原稿の違法性を判断するものではありません。参考:大阪府「施術所広告の適正化について」
確認が終わらない箇所は、原稿確認表に理由と次の確認先を残します。資料が不足している、対象条件が分からない、修正文への回答を待っている、といった違いが分かれば、制作側も必要な作業を判断できます。公開日が決まっていても、未確認の部分を仮の承認として扱わない進め方を院と決めます。
管理画面へ入力済みの原稿も、公開する版と確認待ちの版を区別します。確認用ページへのアクセス範囲、公開予約の有無、一覧へ自動で出る設定などを制作担当へ確認してください。本文を下書きにしたつもりでも、別の紹介欄へ手作業で写した文が残る場合があります。どこに何が表示されるかを確認表の掲載先と照合します。
掲載を見送る判断が出たときは、本文だけでなく同じ主張のある箇所も探します。ページ上部の画像、一覧カード、よくある質問、予約前の案内など、同じ言葉が別の場所へコピーされている場合があります。見送った理由と削除・変更する掲載先を結び付け、古い文が残らないようにします。
短い見出しや画像内の文字にも確認結果を反映する
本文では条件付きで説明していても、見出しだけ読むと無条件の効果を示すように見えることがあります。見出しを短くする際は、削った条件を一覧にし、本文と意味が変わらないかを確認担当へ見てもらいます。ページの下に説明があることだけで、上部の表現が確認されたと扱わないようにします。
写真と説明文の組み合わせも確認対象です。院内の雰囲気を示す写真なのか、実際の説明場面なのか、図による説明なのかを区別します。素材があるからといって、隣の文章にある効果を証明する写真として扱えるとは限りません。制作側は素材の出所と使用目的を整理し、内容の判断を担当者へ返します。
画像へ文字を入れる場合は、元の原稿と画像の両方を確認表へ結び付けます。本文の修正だけで画像内の古い文が直るわけではありません。画像名や使用場所を記録し、差し替えた版がパソコンとスマートフォンの両方に表示されるかを確認します。小さな画面で補足だけが読めなくなる構成にも注意します。
検索用のページタイトルや説明文、共有時に使う紹介文も、自社で設定する原稿として確認対象に含めます。長い本文を要約する際に、条件や対象が抜けないようにします。検索サービス側で実際の表示が変更される可能性と、自社が登録する文章の確認は分けて記録してください。
院の確認と制作側の表示確認を分担する
院の内容確認担当には、施術の説明、主張と資料の対応、残す条件、掲載を見送る範囲を確認してもらいます。制作担当は、回答された版を使い、見出しや画像、関連ページまで修正が届いたかを確かめます。表示の検査が通ったことと、専門内容を確認したことを一つの記録にまとめないようにします。
確認用の画面では、一つの管理番号を選び、本文、短い紹介、画像内の文を順に照合します。たとえば本文を変更した後、トップページの紹介だけが古いままなら、未完了として記録します。直した担当者、再確認する相手、修正後の画面を同じ行へ残せば、再度の確認も同じ場所から始められます。
専門担当へ再確認を依頼する際は、完成ページを丸ごと送るだけでなく、変更前と変更後、変更理由、該当箇所を示します。何が変わったか分からないまま再度の承認を求めると、確認した範囲も曖昧になります。画面のURLや画像を添える場合も、どの版を見てもらうかを明示します。
複数の担当者から回答が来て内容が異なる場合は、制作担当が都合のよい回答を選んで原稿を確定しないようにします。異なる箇所と回答の前提を並べ、院側の取りまとめ担当へ戻します。確認者が交代したときも、名前を書き換えるだけでなく、未回答の項目と前回の確認範囲を引き継ぎます。
更新時に前の確認をそのまま引き継がない
施術内容、担当者、費用、使用素材が変わったときは、関連する原稿確認表を開き直します。以前に確認した説明を別の施術ページへコピーする場合も、対象が同じかを確認します。過去の回答は履歴として残し、新しいページを確認した回答と混同しないようにします。
運用を始めるために、大きな管理システムを最初から用意する必要はありません。まず一つの施術紹介で、主張、資料の該当箇所、確認者、修正結果、表示場所を対応させます。誰が更新を受け付け、未確認の原稿をどこに保管し、どの回答をもって公開作業へ渡すかを決めます。
制作会社への依頼は、「専門的に見える文章にする」だけで終わらせず、原稿確認表の作成、担当者への確認依頼、修正差分、画面との照合まで具体化してください。資料の確認と専門担当の回答が追える形を作り、確認した版を公開用の画面へ反映する。その工程を院と制作側で共有することが、施術紹介を見直す出発点になります。
施術紹介の原稿や確認工程を見直す際は、整骨院・接骨院向けホームページ制作をご確認ください。院の資料と専門担当の確認をもとに、原稿整理、写真・図、関連ページへの反映を含めて制作・改善を相談できます。