「書類をPDFにしてください」と依頼されたとき、何を納品するかは、その一言だけでは決まりません。紙面を画面で読みたいのか、本文の言葉を入力して見つけたいのか、日付や資料名でファイルを探したいのか。同じ紙を電子化する相談でも、必要な仕事は異なります。
スキャン・文書電子化を受託する会社のサイトでは、画像として残す仕事、検索に使う文字を付ける仕事、ファイルを整理する仕事を分けて説明しましょう。この記事では、架空の「資料A」を使う場面から、サービスの見せ方、原本とデータの行先、二つの相談文を具体化します。電子化の技術設定や、原本を廃棄できるかを決める記事ではありません。
PDFで届くことと、言葉で探せることを分ける
紙面を画像として収めたPDFは、文字が見えていても、その文字を検索に使えるとは限りません。人が画面を読めることと、探したい言葉を入力して該当箇所を見つけられることを、別の使い方として案内します。「PDF納品」の横に、どこまで作るかを添える必要があります。
例えば資料Aが、会議で配った説明資料だとします。紙面の図や配置を見返したい人、本文にある「更新予定」という言葉から該当箇所を探したい人、会議の日付からファイルを開きたい人では、確かめる情報が違います。依頼者に最初から処理名を選ばせず、使いたい場面を示します。

大阪市中央区に受付事務所を置くBPO文書電シカの公開案内でも、スキャン、文字を認識するOCR処理、PDFのファイル名変更を別の仕事として示しています。地域の電子化サービスを探す人へも、対応地域だけでなく、どの使い方まで相談できるかが分かる説明が必要です。
一方で、検索できるデータを受け取ることと、自社の保管場所全体から文書を探せる仕組みを導入することは同じではありません。納品するファイルの説明と、受け取った後の管理・検索環境に関する相談も、どこまで受けるかを分けて載せます。
画像として残す仕事を、紙面の見た目へ結ぶ
画像として残す案内では、何の見た目を読み返したいかを示します。文字だけでなく、図、表、押印のある位置、紙面の並びなどを、画像で確認する目的が考えられます。営業ページには、自社が実際に受けられる書類の状態と、納品時にどの範囲を確認するかを添えます。
資料Aを一つのファイルにまとめるのか、資料のまとまりごとに分けるのかも、使う場面に関わります。紙を一枚ずつ画像にする仕事の説明と、ファイルをどの単位でまとめるかを別に確認します。冊数や箱数だけで依頼範囲が決まるとせず、資料の区切りを担当者へ伝えられる案内にします。
解像度や色、ファイル形式を、すべての書類に共通する一つの正解として載せる必要はありません。自社の対応仕様を示したうえで、依頼者が何を読みたいか、どのように使うかを確認します。見本を置くなら、その見本の条件を説明し、実際の納品条件と同じかを営業担当が確かめます。
公開用の見本には、実在する顧客名や契約内容を残さないようにします。説明用に作った資料なら、その旨を明記します。実際の依頼者の原本や納品データを、用途の説明のためだけに公開画像へ転用しないことも、制作時に確認する範囲です。
文字を認識する仕事と、結果を確認する仕事を分ける
OCRは、画像の中の文字を認識し、検索などに使える文字情報へ変える処理です。初めて依頼する人には、略語だけをメニューへ並べず、「本文の言葉を探すための文字情報を付ける」と補います。文字が画像に写ることと、文字として認識されることの違いが伝わる説明です。
リスモン・マッスル・データグループのスキャニング案内は、スキャンに加えて、データ入力やOCRによる文字情報の付与を説明しています。また、読み取り精度は文書の状態で異なると案内しています。参考にするのは、画像化と文字情報を分け、必要な確認へつないでいる点です。
自社のページにも、文字認識の処理を行うことと、読み取った結果をどこまで点検・修正するかを分けて記します。「OCR対応」だけでは、すべての文字を人が照合する仕事を含むかは分かりません。読み間違いや文字の抜けが起こり得る前提で、受ける確認範囲を担当者に聞いて載せます。
対応する文字や原稿の状態も、現在の受託条件に合わせます。他社の一般的な紹介文から、手書きも読める、薄い文字も完全に復元できる、と説明を補わないようにします。対象が分からない書類は、公開フォームへいきなり実物を添付してもらうのではなく、どの方法で相談するかを案内します。
さらに、検索できる文字を付けることと、表の数値を集計できる形に整えることも別です。資料Aの表を表計算で使いたい希望があるなら、その作成をどこまで頼むかを確認します。OCRを付けたPDFの納品だけで、編集・集計用のデータも完成すると約束しないようにします。
ファイルの名前と、本文の言葉では探す対象が違う
ファイル名は、資料を開く前に候補を見つける手掛かりです。本文の文字検索は、資料内の語を探すためのものです。資料名や日付を名前に付けても、本文のすべての語がファイル名に入るわけではありません。この二つを同じ「検索対応」とまとめず、具体的な探し方で説明します。
| 依頼者がしたいこと | 案内する仕事 | 相談で確かめること |
|---|---|---|
| 紙面の図や配置を見返す | 紙面を画像として保存する | 残す範囲、資料の区切り、見本の条件 |
| 「更新予定」の語を探す | 本文の検索に使う文字情報を付ける | 文字認識と確認・修正の範囲、使う環境 |
| 日付と資料名から開く | 決めたルールでファイル名を付ける | 名前の確認元、同名資料や日付不明の扱い |
資料Aの表紙に日付がないなら、制作側が適当な日付を補うことはできません。依頼者の一覧を使うのか、表紙名を使うのか、確認できない物をどのように示すのかを決めます。ファイル名のルールは、名前の形だけでなく、その情報を何から確かめるかと一緒に案内します。
同じ名前の資料が複数ある場合も、区別に使う項目を確認します。一つの資料が複数ファイルへ分かれる場合は、続きが分かる呼び名と、何を一まとまりとするかをそろえます。元資料と納品データを担当者が対応づけられることを、見本と説明で伝えます。
本文の検索を見せる場合は、一つのファイル内を探すのか、複数ファイルをまたいで探すのかも説明します。納品後に使う閲覧ソフトや保管環境によって確かめる内容があるため、どの環境で試すかを依頼者と相談します。特定の見本で語が見つかったことを、全書類・全環境で見つかる保証に広げません。
原本の行先を、データ納品と混同しない
電子化サービスでは、預かった紙と、作成したデータの二つを扱います。データの納品方法が決まっても、原本をいつ、どのようなまとまりで返すかは別の確認です。紙が返る案内を、PDFの受取り説明の中へ埋めず、依頼前に見つかる場所へ置きます。

一部を返却し、別の一部について処分を相談する運用があるなら、どの資料が対象かを担当者が照合できる案内が必要です。ただし、スキャンしたという理由だけで、依頼者が原本を手放してよいとは判断しません。原本の保存や処分について必要な確認を済ませたうえで、受託会社へ依頼する範囲を決めます。
原本の受渡しでは、窓口、対象となる資料、受ける作業、返却等の希望をどこで確かめるかを載せます。データ側には、納品形式、まとめ方、受渡し方法、依頼者が受け取って確かめることを示します。両方が「納品」で一括されて、紙が返るかどうか分からない状態を避けます。
情報管理の説明も、自社が実際に行っている内容と確認先に合わせます。「絶対に漏洩しない」「永久に残る」といった約束へ置き換えません。具体的な管理の相談が必要な場合は、最初の問い合わせで何を受け、その後どの担当者と確認するかが分かる入口を用意します。
使いたい場面から、見積もりの相談へつなぐ
最初の相談で、依頼者が文字認識やファイルの仕様をすべて選べる必要はありません。書類の種類や量に加え、後で何をして使いたいかを受けます。サービスページの説明と、営業が最初に聞く内容をそろえるための掲載文例を、二つに分けて示します。
紙面を見返す依頼の掲載文例
紙の書類を画面で見返したい方は、書類の種類と、おおよその量、資料をどの単位でまとめたいかをお知らせください。原本の状態と利用目的を伺い、画像として残す範囲、納品形式、原本の扱いを確認してご案内します。
文字や名前から探す依頼の掲載文例
本文の言葉や、資料名・日付から書類を探したい方は、探したい情報と、受取り後の使い方をお知らせください。文字情報の付与、認識結果の確認、ファイル名の整理を分けて相談できます。必要な作業と、納品後に確かめる範囲を打ち合わせます。
これらは各作業を実際に受ける会社向けの文例です。自社が行わない点検や整理を加えず、見本で示す内容、見積もりで確かめる内容とそろえます。機密情報を含む原本やデータの送付方法は、担当者が案内する方法へつなぎます。
公開前は、紙面を見返したい人と、本文の語を探したい人の二通りで読みます。何が届き、何を確認し、原本はどう扱うのかがつながるでしょうか。実際の書類を送らずに、サービスページ、見本、相談の入口、最初の返信文を営業担当と読み合わせます。
「PDF化」の一言を、使い道が分かる案内へ
まず一種類の書類で、画像として見る、本文の語を探す、ファイル名で探すという希望を並べ、自社がどこまで作るかを確認してください。現在の納品データと営業時の説明を比べると、サービス名だけでは伝わらなかった違いを整理できます。
みやあじよでは、事業者が確認した受託範囲をもとに、納品物の見本、作業別の説明、原本の扱い、相談への案内をつなぐサイト制作をご相談いただけます。電子化サービスの説明を見直したい方は、大阪市のホームページ制作をご覧ください。


