小売店に自社ブランドの商品を扱ってもらうためのホームページでは、その店のお客様に合う理由、商品の組み合わせ、店頭で説明するための情報をそろえます。取引条件に加えて、仕入れた後にどう販売するかを考えられる紹介にすることが大切です。
阪南市の繊維製品の自社ブランドに向けて、卸向けの商品紹介ページを作るときの考え方を説明します。今ある商品資料と営業で話している内容から、小売店が取扱いを検討し、資料や見本、商談の相談へ進めるページを考えます。
商品を使う人と、仕入れて販売する店では判断が違う

一般のお客様は、自分の暮らしに合うか、どんな色やサイズがあるか、どこで買えるかを考えます。小売店は、その商品の良さに加えて、自店のお客様が選ぶ理由、今ある品揃えとの関係、継続して扱うときのやり取りを知りたいと考えます。
消費者向けの商品ページは、卸向けの説明にも使える土台です。ただし、そのまま読んでもらうだけでは、小売店が仕入れを検討する材料が足りない場合があります。商品を詳しく見るページと、店で扱うための情報をまとめたページを行き来できる構成にします。
阪南市は、紡績などの繊維産業を伝統的な地場産業として紹介しています。阪南市観光協会の繊維製品の案内も、糸づくりから製品へつながるものづくりを取り上げています。こうした背景を持つ商品を自社ブランドとして販売するなら、作る技術の説明に加え、店のお客様へどんな品として届けるかを伝えることが、卸向けの紹介になります。
たとえばタオルを扱うブランドなら、「綿のタオルを作っている」という紹介から一歩進みます。ふだん使う品を選ぶ店なのか、贈りものを提案する店なのか。同じ商品を、どのような売場で紹介する想定かまで説明すると、小売店が自店との相性を考えられます。
店の客層に合う理由と、品揃えの考え方を示す
「幅広いお店で扱えます」だけでは、店の担当者は自分の売場を思い浮かべにくくなります。どんな使い方を求めるお客様に、どの商品群を紹介したいかを具体的にします。商品群とは、用途や大きさ、種類などでひとまとまりに紹介する商品のことです。
たとえば、同じ綿のタオルを紹介する場合も、店が想定するお客様によって、先に伝える情報を変えられます。次は、日常使いと贈りものという二つの売場を考える説明例です。
| 想定する売場 | お客様が選ぶ場面 | 先に見せる商品と情報 |
|---|---|---|
| 日々の生活用品を扱う店 | 持ち歩き用や、家で使う品を選ぶ | 用途に合う大きさ、色の組み合わせ、日常の使い方 |
| 贈りものを提案する店 | 相手の暮らしを思い浮かべて選ぶ | 商品を組み合わせる案、作り手の紹介、用意できる包装の情報 |
ここで変えるのは、商品そのものの事実ではなく、紹介の順序です。大きさや素材が同じでも、使う場面から説明するのか、組み合わせや作り手の背景から説明するのかで、店の担当者が考えやすい売場は変わります。包装などの商品に付随する案内は、実際に用意できるものに合わせます。
商品を一覧にするときも、すべての品番を同じ重さで並べるより、定番として紹介したいもの、用途の違うもの、組み合わせて提案するものを見分けられるようにします。小売店は、まず何を扱うかを検討し、その後に細かな種類や条件を確かめられます。
一つの商品に色違いが多い場合は、色の見本を眺められる写真と、商品名・種類が対応する資料を用意します。売場で並べたときの印象を知る写真と、発注する種類を照合する情報には、それぞれ役割があります。雰囲気を伝える写真だけで、細かな商品選びまで済ませようとしないことが大切です。
品揃えの相談を受けているブランドなら、店の客層や売場に合わせて何を相談できるかを紹介できます。たとえば、初めて扱う商品群を相談するのか、既に扱っている商品の追加を相談するのか。自社の営業が実際に行っている提案を言葉にすると、卸向けページの独自の内容になります。
素材や作り方を、店頭で伝えやすい情報へ変える
ブランドのこだわりは、小売店の担当者が自分の言葉でお客様へ紹介できる形にすると役立ちます。素材名や工程名を詳しく並べるだけでなく、何を大切にして作っているか、その説明をどの商品と結び付けるかを考えます。
泉州のものづくりを紹介する参考として、堺市のサカエ織布有限会社の公式案内があります。同社は糸づくり・染め・織り・縫製への考え方を説明し、提携工場が担う仕事も紹介しています。作り手の思いと、商品ができるまでの関係を伝える公開例として読むことができます。
自社の商品でも、製造の背景を紹介する長い文章と、店頭で短く話すための説明を用意する方法があります。たとえば、素材や使い方を詳しく知る商品資料に加え、代表的な特徴と使う場面が分かる短い紹介文を添えます。詳しい話を聞きたいお客様には、資料やブランド紹介へ進めます。
「こだわりのタオル」という一言を、商品資料で確認した大きさや素材、想定する使い方と結び付けることもできます。「持ち歩き用に選ぶ綿のハンドタオル」のように、どんな場面で使う品かが読めると、店頭で紹介する出発点になります。商品の特徴は、その商品について確認できる言葉で補います。
写真も使う目的に合わせて考えます。色や質感を見る写真、手に取った大きさを知る写真、複数の商品を並べる写真では、小売店が確認できることが違います。店頭で使える写真を提供しているなら、どんな資料に含まれるか、利用方法をどう相談するかも案内します。
短い紹介文には、商品名や種類を添えます。ハンドタオルの使い方を説明する文と、大きさの違うタオルの紹介がそれぞれの商品に対応していれば、店のスタッフも手元の品に合う説明を選べます。詳しい素材や取り扱いを知りたいときに、該当する商品資料へ戻れる関係も作ります。
販売を考える材料から、資料・見本・商談へつなぐ

資料請求の入口は、何が分かる資料なのかと一緒に置きます。「カタログをご希望の方へ」だけでなく、商品群を見られるのか、種類や規格を確かめられるのか、取引の概要を知るものなのかが読めると、店の担当者が相談する目的を考えられます。
見本を案内している場合も、何を確かめるためのものかを伝えます。繊維製品なら、写真で見る色や質感と、実際に触れて確かめる情報には違いがあります。見本の用意や貸出・販売などの扱いは、自社の営業に合わせて、案内できる範囲をページに載せます。
商談の相談へつなぐなら、店の種類、想定するお客様、扱いたい商品群など、話を始める手掛かりを伝えます。完成した発注内容を最初から求めるのではなく、取扱いを検討する段階で何を話せるかを示します。相談を受ける担当者も、小売店がどのような売場を考えているかをつかみやすくなります。
たとえば、品揃えの相談を受け、商品資料や見本を案内しているブランドなら、次のように紹介できます。
暮らしの道具を扱うお店へ、日々使う綿のタオルをご紹介しています。ご希望の売場やお客様の使い方を伺い、定番の商品や色の組み合わせをご相談いただけます。商品資料や見本については、お問い合わせ時にご案内します。
この文例は、商品を売りたいという思いに加え、どんな店から、何について相談を受けるかを伝えています。自社が提供できる資料や提案の内容に合わせれば、卸向けの問い合わせ先を、商品紹介の続きとして読めるようにできます。
公開する取引概要と、商談で確かめる条件を考える
小売店が取扱いを検討するときには、商品の魅力と取引の進め方の両方が必要です。ホームページには最初の判断に必要な概要を示し、商品や店によって確認する条件は、詳しい資料や個別のやり取りへつなぎます。
ページでは、どんな取引相談を受けているかを伝える
扱ってほしい商品群、相談を受ける小売店の形態、取引開始までの流れ、資料や見本の案内方法などが候補になります。実店舗を中心にしているのか、ネットショップを含めて相談するのかも、自社の方針に合わせて読めるようにします。
取扱開始までに確認する内容があれば、営業で案内している順序を簡潔に示します。商品について知る、店の内容を伺う、条件を相談するという流れが分かると、店の担当者が自分の検討段階を当てはめられます。
商品や店ごとに変わる条件は、確認する場面を示す
卸価格、発注のまとまり、納品時期、支払いなどは、自社で公開する方針と、個別に確認する内容をそろえます。すべての金額を一般公開する方法だけでなく、相談を受けた後に資料を案内する方法も考えられます。
ただ「詳細はお問い合わせください」とまとめるより、問い合わせると何を相談できるかを伝えます。たとえば「取扱いを希望する商品群とお店の内容を伺い、発注や納品に関する条件をご案内する」と説明すれば、次のやり取りが見えます。ページと営業資料で、同じ条件を説明していることも大切です。
取扱開始後に、どの案内を受けられるかも見せる
小売店は、最初に仕入れる商品だけでなく、その後に同じブランドを扱い続けることも考えます。追加注文の窓口、新商品の情報、商品説明の更新など、実際に行っている取扱店向けの案内を紹介します。
たとえば、追加注文は営業窓口へ連絡するのか、既存の注文方法を使うのかが分かると、店の担当者は仕入れた後の仕事を想像できます。未取引の店が詳しい操作を読む必要はありませんが、継続して扱うための連絡先があることは、検討する材料になります。
商品が変わったときの情報も、小売店の売場と関係します。新しい色や種類を紹介する資料、販売を終える商品の案内、店頭の説明に使う情報の更新など、どのように取扱店へ知らせているかを、自社の運営に合わせて伝えます。
販売用の写真や説明資料を渡しているなら、その案内先も取引後の流れへつなぎます。商品を紹介するページと、取扱店が使う資料の情報が対応していると、継続して同じ内容を伝えやすくなります。ホームページの説明と、営業が実際に担う支援をそろえておきます。
一つの店へ紹介するつもりで、ページを組み立てる
見直しは、取扱いを相談してほしい一つの店を思い浮かべるところから始められます。その店のお客様、今の品揃え、自社の商品を紹介する場面を考え、現在の商品資料と営業の説明を並べます。
- どんなお客様の、どんな使い方に合う商品かを伝える。
- 代表的な商品群と、組み合わせる考え方を見せる。
- 素材や作り方を、店頭で説明しやすい情報へつなぐ。
- 取引の概要と、取扱開始後の案内を紹介する。
- 資料・見本・商談で何を相談できるかを示す。
この順で読むと、小売店は商品を知り、自店の売場へ当てはめ、詳しい相談へ進めます。一般向けの商品ページを作り直すだけで足りるのか、卸向けの説明ページを加えるのかも、今ある情報を見て判断できます。
公開前には、営業と商品の担当者が、店から聞かれることに答えられる内容かを一緒に読みます。商品群の紹介が足りないのか、写真の目的が分からないのか、取引後の案内が見つからないのか。抜けている説明を具体的にすると、制作する文章や写真、ページの範囲を決めやすくなります。
ブランドの魅力を、小売店が検討できる紹介へ
商品への思いは伝えられても、小売店に扱ってもらうための説明が難しい。そんなときは、今あるブランド資料とホームページから、客層・品揃え・販売を支える情報を見直せます。
みやあじよでは、事業や商品の内容を伺い、伝わる言葉、写真や図、ページの順番を考えます。卸向けの一ページを加えるのか、ブランドサイト全体を整理するのかも、現状に合わせてご相談いただけます。


