歯科医院の診療内容ページを直そうとすると、「この説明は以前、院長に確認したはず」「写真は患者さんから許可を得ている」「料金は受付が更新した」といった情報が別々の人の記憶に残っていることがあります。確認済みの原稿に写真を後から足し、短い見出しを制作側が作った時点で、何を誰が了承したか分からなくなります。公開前の確認を個人の記憶から、資料・掲載箇所・歯科医師の判断を結び付けた台帳へ移すことが、Web担当者にできる改善です。
この記事は歯科医院の院長、歯科医師、受付、Web担当者が、診療内容ページの原稿確認を分担するための編集例です。治療の方法、効果、費用、保険の適用、患者写真の掲載可否、個々の広告表現の適法性を制作会社が決めるものではありません。架空の医院の確認票を使い、未確認の文を画面へ流さない方法を考えます。院内の診療方針と現行の医療広告資料を歯科医師、必要な確認先と照合して適用してください。
ページ全体の「承認済み」だけでは足りない
みやあじよの歯科医院向けページは、診療の説明、費用、通院、写真・表現の更新を院内資料と歯科医師の確認から制作する方針を示しています。症例を紹介するときも本人の同意だけで掲載可否を決めず、医療広告の現行資料と医院の確認を経るとしています。本稿では、その方針を一つの診療内容ページの確認台帳と改訂手順へ落とし込みます。初診当日の説明をどう並べるかは初診案内の公開記事に、治療中と定期管理のページ導線は通院案内の公開記事に任せます。
最初に対象の一ページを決め、現在の公開URL、最終更新日、院内の診療資料、料金表、使っている写真、予約案内を並べます。「歯科医院の全ページ」という単位では、担当者も期限も曖昧になります。たとえば診療名の説明ページ一件を対象にし、本文、画像、図、ページタイトル、一覧カード、予約ボタン、料金表へのリンクのうち、どこが同じ説明を使っているかを確かめます。複数の場所へ転載されている短文は、元原稿と別の表示として記録します。
台帳の一行は「文」だけではなく、何を根拠にしたか、どこへ出るか、どの版を誰が確認したかまで含めます。歯科医師が原稿ファイルに丸を付けても、制作担当が図の文字を短縮したり、写真のトリミングを変えたりすれば別の表示になります。院長の口頭確認を後から推測するより、確認した版と差分を残す方が安全です。小さな医院でも大きな管理システムは必要ありません。一つのページについて、現行版と修正案を識別できる表から始められます。
資料・説明項目・歯科医師確認の台帳
次の表は架空の医院が一つの診療内容ページを見直すときの編集票です。内容欄に治療の医学的説明や具体的な価格を作って埋めず、確認する対象を表しています。判断が終わっていない行は「確認待ち」のまま残し、公開用の原稿へ紛れ込ませません。院内の実資料の管理方法に応じて列は増減できますが、どの版に対する回答かが消えない形にします。
| 台帳の対象 | 根拠資料と確認点 | 院内で確定する人 | 制作側が照合する表示 |
|---|---|---|---|
| 診療の対象と説明 | 現行の院内説明資料、実施する診療の範囲 | 担当歯科医師 | 本文・見出し・一覧の短文 |
| 自由診療の説明 | 内容、標準的な費用、期間・回数、主なリスク等の資料 | 担当歯科医師と料金管理者 | 本文・料金表・注記・リンク |
| 症例写真の候補 | 元写真、撮影・使用の記録、説明に使う範囲 | 医院の責任者と担当歯科医師 | 写真、切り抜き、説明文、共有画像 |
| 予約への案内 | 実際の予約対象・受付方法・変更先 | 受付責任者と歯科医師 | ボタン文・移動先・完了案内 |
| 公開する版 | 原稿版、画像版、確認日、未解決事項 | 医院が決める最終確認者 | プレビューと公開後の同一性 |

自由診療の行を作る理由は、項目名だけを埋めれば十分という意味ではありません。厚生労働省の2026年版「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」は、自由診療の内容、期間・回数、標準的な費用、主なリスク・副作用等について、情報が不十分な事例を示しています。掲載する項目と説明の十分さはページの内容と全体の見え方に関わります。制作担当は欄を用意し、院内で確認された説明を一緒に読める画面へ置きます。該当する広告規制の判断を台帳のチェックマーク一つで代行しません。
台帳へ「確認者」の名前を入れるときは、確認する権限と内容を分けます。歯科医師は診療上の事実と医学的説明を、料金管理者は現行の費用資料を、受付は案内先と運用を、制作側は画面への反映と版の一致を確かめます。小規模な医院で同じ人が複数の役割を担っても構いません。ただし制作会社が専門内容を補って「医院確認済み」にすることはできません。確認者が不在の行はそのまま止め、公開対象から外すか、医院に判断を戻します。
症例写真は同意、説明、表示を別々に確認する
症例写真は「患者さんの同意があるから使える」で終わりません。医院が、その写真をどのページ、どの期間、どの説明とともに扱うかを確認し、本人に関する記録と院内の管理に沿って判断する必要があります。制作担当は元写真、選んだ範囲、加工の有無、キャプション、画像の代替テキスト、一覧や共有画像への転用を台帳に紐付けます。患者を特定し得る写り込みやメタ情報も、医院の判断を受けて扱います。ここで架空の症例や治療結果を作って見本にしません。
厚労省の同解説書は、あたかも効果があるように見せるために加工・修正した術前術後の写真を虚偽広告の事例として示しています。またビフォーアフター写真について、通常必要な治療内容や費用、主なリスク・副作用等の詳細情報を、それぞれの写真の分かりやすい位置で扱う例を解説しています。必要な説明を小さな注記や離れたリンク先へ逃がす問題も示しています。したがって写真だけを先に選び、後から短い注意書きを足す進め方は避け、写真と説明を一組の原稿として歯科医師へ渡します。掲載できるかどうかは具体的な写真と画面で医院と必要な確認先が判断します。
「術前」「術後」の文字を画像の中に直接焼き込む場合、その文字も確認対象です。本文の説明を変更しても画像内の文字は自動では変わりません。スマートフォン向けの切り抜きで、写真の一部や説明が見えなくなる場合もあります。元画像、掲載画像、モバイル表示を別々にプレビューし、表示している範囲と説明の関係を確認します。背景が見えなくなったことで写真の意味が変わる、左右を入れ替えて時系列を誤解させるなどの編集は、制作上の見た目の判断だけで進めません。

写真を使わない診療内容ページも成立します。医院の説明資料から、対象、相談の流れ、費用の確認先、予約方法を歯科医師が確認できるなら、症例写真の有無をページ完成の条件にしない判断があります。掲載を見送った写真を「あとで使うかもしれない」だけで制作側へ共有し続ける運用も見直します。候補写真の保管場所、閲覧できる人、差し戻しと削除を医院が決め、制作側は必要な範囲だけ受け取ります。架空のイメージ写真を治療前後の実例に見せかけることはしません。
短い見出しと料金の更新も、原稿の版に戻す
本文を歯科医師が確認したあと、デザインに合わせて制作担当が「負担が少ない」「すぐ終わる」などの短い言い切りへ替えると、確認した内容から離れます。見出し、カード、メニュー、検索向けのタイトル・説明文も、読者が最初に見る広告表現です。長い本文だけ承認を受けて短文は例外としないよう、台帳には掲載箇所ごとの完成文を置きます。文を短くした場合は同じ歯科医師に意味を確認し、確認前の文がプレビューや共有画像へ入らないようにします。
料金を変更する場面では、料金表だけでなく、診療内容本文、カードの価格表示、よくある質問、予約前の案内、古い記事への影響を調べます。金額や含まれるもの、別途必要なもの、適用する時点は医院の料金資料に戻して確定します。制作側は同じ金額の文字列だけを機械的に置き換えるのではなく、条件や説明が変わるかを質問にします。保険診療と自由診療の区分や負担額について、資料がない箇所を推測で埋めません。
修正依頼を受けたら「変更理由」「対象の版」「影響する表示」を残し、必要な行だけ再確認します。誤字のように医学的意味が変わらない修正と、治療対象や注意点の変更を同じ扱いにしないためです。ただし一文字でも意味を変える場合があるので、最終的な確認の範囲は医院の責任者が決めます。公開後に古い説明が残ったとき、どの資料と判断に戻ればよいか分かることが台帳の価値です。
プレビューを「確認済みの版」と照合する
原稿ファイルでの確認が終わっても、公開前の実画面では写真の大きさ、注記の位置、見出しの強調、料金表へのリンク、予約ボタンが変わります。歯科医師へは原稿の全文だけでなく、完成に近いプレビューを、確認が必要な箇所の一覧とともに見せます。PC幅だけではなくスマートフォンで、写真と説明が離れないか、表が読めるか、注記がボタンの後ろへ隠れないか確認します。制作側は指摘された箇所を直し、承認を受けた版からさらに変更した部分を記録します。
公開後も更新を終えたとは限りません。修正した診療ページから旧料金表へリンクしていないか、一覧カードに旧い文言が残らないかを確認します。検索結果や外部の共有表示は反映まで時間がかかることがあるため、自社サイトで直した内容と外部で観察できる表示を分けて記録します。院内で診療内容や担当が変わったとき、台帳のどの行を起点に改訂依頼を出すかも決めます。受付の連絡だけで歯科医師の確認が必要な説明を差し替えないようにします。
確認依頼のメールや共有表では、単に「ご確認ください」と送らず、歯科医師に見てほしい箇所を指します。「本文の診療範囲」「写真と説明の対応」「自由診療の費用・期間・リスク」「見出しの短縮表現」など、判断が必要な問いと対象版を添えます。返事が複数人から来て食い違う場合は、制作側が多数決で文を選ばず、医院の最終確認者へ戻します。誰の回答をどの版へ反映したかが残れば、別の担当者が更新するときも判断の経緯を追えます。
最初の一件では、資料を完璧に集めようとするより、一つの診療内容ページで「根拠が見つからない文」「歯科医師の確認がない写真」「旧料金へのリンク」を洗い出すことから始めます。未確認のまま残ったものを公開する必要はありません。医院が判断する内容と制作側が実装・照合する範囲を台帳で分ければ、次回の更新でも担当者の記憶に頼りにくくなります。この架空例に患者症例、承認実績、改善数値はありません。
診療説明の原稿と確認者を一ページから整理する
いま公開している診療内容ページを一つ選び、本文・写真・費用・予約案内の根拠資料と最終確認者を並べてみてください。院内で確認する原稿、画面への反映、改訂の手順を整える場合は、みやあじよの歯科医院向けホームページ制作をご覧ください。
参考にした公開情報と確認範囲
- みやあじよ:歯科医院向けホームページ制作
- 厚生労働省:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版(令和8年3月)
- みやあじよ:歯科医院の初診案内ページ
- みやあじよ:歯科医院サイトの通院案内
2026年9月24日確認。表と図の医院・原稿・写真台帳は架空です。実際の症例、患者同意、治療内容、費用、診療記録、広告表現の適法性を示すものではありません。掲載前には医院の歯科医師と責任者が具体的な原稿・写真・画面を確認し、必要な専門確認を行ってください。


