使う人数と機能から料金を比べられるページへという見出しと、SaaS会社で資料を確認する男性

NOTES

SaaSの料金比較ページ|利用人数・契約期間・追加機能を同じ条件で見せる

SaaSの料金ページで、利用人数・契約期間・必要な機能を同じ条件にそろえて比較する設計。5行の条件対応表を使い、課金対象、追加機能、従量未定の表示と見積相談への引継ぎを整理します。

チップス

料金ページを見た企業から、「この月額なら、部署の全員で使えますね」と問い合わせが来る。実際は一人あたりの単価で、必要な連携機能は別プランだった。SaaSの料金を掲載していても、利用人数や機能の条件が離れた場所にあると、営業が初めから説明し直すことになります。

見直しの中心は、価格の文字を大きくすることだけではありません。誰が何人で使い、どの機能が必要で、どの期間の契約を考えているかを、各プランに共通する条件として示します。この記事では、SaaSを提供する会社の経営者・Web担当者に向けて、自社の料金比較ページと見積相談をつなぐ設計を紹介します。

プランの単価を並べる前に、比較する条件をそろえる

三つのプランを横に並べても、一方は年契約時の月額換算、もう一方は月契約の料金では、数字だけを比べられません。人数も、一人の単価なのか、一定人数を含む基本料金なのかで意味が変わります。ページの冒頭で、現在どの条件を表示しているかを読めるようにします。

確認するのは、課金の単位、利用規模、契約期間、必要な機能、利用量で変わる部分です。すべてを入力式にする必要はありません。条件が少ない製品なら、比較表の上に「月契約・一人あたり」のような共通前提を置き、各プランの例外だけを近くに補う方法もあります。

kintoneの料金ページは、ユーザーあたりの料金と最小ユーザー数を別の行で示し、機能やオプションも分けています。単価が分かることと、その人数で契約できることは別の情報だと読み取れます。自社の最低人数を他社に合わせるのではなく、比較に必要な条件を価格のそばへ置く例として参照します。kintoneの料金ページ

制作前には、料金資料と営業が使っている見積の条件を一緒に確認します。ページで使う「ユーザー」「アカウント」「従業員」「拠点」が、社内資料で同じ意味になっているかを確かめてください。単位の定義が決まらないまま見た目だけを整えると、計算できても、何を計算したのかが伝わらない画面になります。

利用する人数と、料金計算に使う人数を区別する

「利用人数」の入力欄には、何を数えるかを添えます。登録するアカウント数なのか、特定の役割を持つ人なのか、管理対象として登録する人数なのかは製品によって違います。会社全体の従業員数を入れればよいと、読み手に推測させないようにします。

閲覧だけの人、社外の招待者、管理者がいる場合も、自社の課金条件を確かめます。無料の役割があるなら、その条件を案内しますが、他社にある制度を自社にもあるように説明しません。役割ごとに人数を聞く必要がある場合は、同じ人を二つの欄で数えていないかも確認します。

最小契約人数がある製品では、入力した人数と料金計算に使う人数が異なることがあります。その場合、結果の数字だけを変えるのではなく、「入力した人数」「契約の下限に基づく計算対象」をそれぞれ表示します。入力ミスで増えたのか、契約条件が反映されたのかを区別できるためです。

人数未定の人にも入口を残します。未定をゼロとして計算するのではなく、人数が決まると何が分かるかを案内し、機能比較だけを先に読める形にします。人数を回答できないことを理由に、料金ページ全体が見られなくなる設計は、自社の営業方針と照らして検討します。

五つの条件を、入力と比較結果へ対応させる

次は、架空の業務クラウドS社が比較画面を検討する例です。想定利用者は12人、年契約を検討し、連携機能が必要ですが、毎月の処理件数は未定とします。これは説明用の条件であり、実在製品のプラン、価格、契約条件ではありません。金額を置く前に、何を表示へ反映するかを決めます。

共通の利用条件から、連携対象外のプランAと追加契約・従量未算出のプランBを区別する比較図
架空S社の料金比較画面の設計例です。実在製品の料金・機能・契約条件を示すものではありません。
共通の条件 入力・選択の例 比較結果に残す情報 確認する資料
利用規模 12人で利用予定 課金対象と計算に使う人数 役割別の課金条件・最小人数
契約期間 年契約を検討 対象期間、換算額と支払時期 契約期間・請求方法の説明
必須機能 連携機能が必要 標準・追加契約・対象外の別 プラン別の機能対応表
利用量 処理件数は未定 算出できる部分と未算出部分 含まれる量・追加単位
導入時の支援 個別の支援を相談 利用料に含む範囲と別見積 支援メニュー・見積条件

この条件で、プランAは連携機能に非対応、プランBは追加契約で対応する設計例を考えます。Aの数字が小さくても、選択した要件を満たす候補として同列には扱いません。「選択した連携機能は対象外」と結果に残し、Bには追加契約が必要と表示します。機能の希望を変えずに、安い数字だけを推薦しない構成です。

一方、処理件数が未定なら、Bの全費用が確定したようには見せられません。計算できる基本部分と、件数によって変わる部分を分けます。「条件の一部が未定」という状態を保ちながら比較できれば、相談者は何を確かめてから見積を依頼すればよいか分かります。

この表は、自社の料金を決めるための価格表ではありません。製品責任者が確認した制度を、入力欄、比較結果、営業への連絡項目へ割り当てるための確認票です。実際に公開する際は、不要な条件を削り、自社の計算に必要な条件を追加します。

機能の丸印と、追加料金の有無を同じ意味にしない

機能一覧の丸印は、「利用できる」という意味でも、「そのプランの基本料金に含む」という意味でも使われます。どちらかが分からない表では、必要な機能を選んだ後に別料金を知ることになります。凡例を決め、標準で含む、追加契約で使える、対象外という状態を区別します。

SmartHRの料金ページでは、プランごとの機能と有料オプションを分けて紹介し、従業員数や課題に応じた見積へ案内しています。初期導入やサポートの無料案内にも、個別の導入・運用支援では別途費用が発生する旨の注記があります。自社の料金ページでも、見出しの印象と個別条件が食い違わないかを確かめる参考になります。SmartHRの料金プラン

追加機能の料金単位も確認します。基本プランが人数単位でも、追加機能は会社単位、利用件数単位、容量単位という構成があり得ます。基本料金と同じ人数を自動的に掛けるのではなく、それぞれの制度に沿った内訳にします。基本に含まれるものを重ねて加算しないことも点検します。

関連サービスとの契約が別に必要な場合は、自社へ支払う費用と外部サービスの費用を分けます。外部の価格を確認できないなら、合計へ仮の数字を入れません。どの契約が必要で、どこで確認するかを示し、画面で提示している金額の範囲を明確にします。

契約期間、月額換算、実際の支払いを分けて見せる

年契約の金額を月あたりに換算すると、他のプランと規模感を比較しやすくなる場合があります。ただし、月額換算した数字が、そのまま毎月の請求額になるとは限りません。換算表示を使うなら、対象期間と実際の支払方法を同じカードの中から読めるようにします。

契約期間と支払周期も別の項目です。年契約を月ごとに支払う制度も、年単位でまとめて支払う制度もあり得るため、制作側で結び付けません。自社の契約資料に沿って、期間を変更すると何が変わるのかを整理します。途中変更や更新の詳しい説明は、該当する契約案内へつなぎます。

月契約と年契約を切り替える画面では、どちらが選ばれているかを明示します。切替後も、人数や必要な機能が維持されるかを確かめます。制度上その組合せが存在しない場合は、勝手に別条件へ変えて結果を出すのではなく、利用できない理由と選び直す項目を示します。

税の扱い、通貨、初回だけの費用も、金額を読む場所から確認できるようにします。記事の例で制度を判断するのではなく、公開対象と契約経路に合う表示を社内の確認担当へ戻します。比較画面だけで契約の全条件を説明し切ろうとせず、判断に影響する要点と詳細資料の役割を分けます。

従量部分が未定なら、未算出のまま伝える

処理件数や保存容量などで料金が変わる場合、基本料金に含まれる量、追加の単位、計算対象の期間を示します。「追加一件」の一件が、処理した回数なのか、成功した件数なのかも製品の定義に従います。一般的な従量課金という言葉だけでは、自社の数え方は伝わりません。

利用量を入力する欄には、分からない状態を用意します。未入力をゼロと扱うと、利用しないことが決まっている人と、まだ見通しが立っていない人が同じ結果になります。S社の例なら、処理件数未定を選んだときは「従量部分は未算出」と表示し、計算できる範囲だけを示します。

概算結果には、含めた項目と含めていない項目を並べます。基本利用料、選択した追加機能、未算出の従量、個別支援などを区別し、部分的な合計を支払総額と名付けないようにします。正式な見積で確認する項目が残る場合は、その項目から相談へ進めるようにします。

入力した件数を超えた月の扱いや、未使用分の繰越についても、確認済みの制度だけを案内します。初めの比較画面に細則を詰め込む必要はありませんが、金額の読み方を変える条件を省かないことが大切です。算出できない条件まで無理に自動化するより、個別確認へつなぐ境目を決めます。

SaaS会社の机上に置いた二冊の閉じた資料とノートPC。実際の料金資料や顧客画面ではない

比較した条件を、そのまま見積相談へ渡す

料金ページで人数と機能を選んだ後、問い合わせ画面で最初から入力し直す構成では、条件が変わったり、伝え忘れたりする可能性があります。見積相談へ進む際は、選択したプラン、人数、期間、追加機能、未定の項目をまとめて確認できる形を検討します。

自動で引き継げない場合も、条件の要約を表示してコピーできるようにするなど、相談者が説明を再現できる方法はあります。内部だけで使う機能番号を並べず、ページで選んだ名称を使います。自由記述だけに頼らず、何を相談したいかを追加で書ける欄と、既に選んだ条件を分けます。

結果を保存・共有する機能がある場合は、作成した日と料金条件の基準が分かるようにします。古い条件の結果を開いた際に、現在の料金へ勝手に置き換えるのか、作成時の内容を示すのかは、自社の運用に合わせて決めます。少なくとも、どの時点の試算か分からない状態を残さないようにします。

相談を受け付けたことは、契約が成立したこととは別です。自動返信では、受け取った条件と今後の確認の流れを案内します。概算だけを根拠に利用開始日や確定料金を約束しないよう、ページ、相談画面、営業への通知で同じ位置付けを保ちます。

条件を変えて、比較結果と注記を読み合わせる

公開前の確認では、最初の表示だけを見て終わらせません。人数を変える、契約期間を切り替える、必要な機能を追加する、利用量を未定に戻すなど、料金に影響する操作を一つずつ試します。結果だけでなく、単位、期間、含む範囲の説明も一緒に変わるかを確かめます。

スマートフォンでは、プラン名と条件を離れた位置まで探さず読めるかを点検します。横にスクロールする比較表なら、項目名を保ちながら各プランの値を読める構成にします。選択した条件を上部に固定する場合も、画面を大きく覆って結果が見えなくならないかを確認します。

料金改定では、単価だけでなく、最小人数、含まれる機能、追加単位、契約期間の組合せを照合します。表示を直しても計算条件が古いままなら、画面と見積が一致しません。制作会社には、変更する制度と、その影響を受ける入力欄・結果・相談への引継ぎをまとめて伝えます。

改修後は、営業がどの条件を説明し直したかを残すと、次の見直し箇所が具体的になります。単価を総額と受け取った、必要な機能が含まれると思った、年契約の換算額を毎月の請求額と読んだ、といった違いを分けます。問い合わせ件数だけで効果を決めず、自社のプランをどの条件で比較できたかを確認していきましょう。

参照資料:サイボウズ「kintone料金」、SmartHR「料金プラン」。2026年9月21日確認。公開案内の文章を参照しました。実料金の試算、契約、利用登録、問い合わせ送信は行っていません。