「この作業だけでも頼めますか」「セットなら、ここまで含まれますか」。サービスを増やした後、こんな問い合わせが続くことがあります。単独メニューとセットの紹介が別々に増え、同じ作業が違う名前で載っていると、利用者は依頼方法を判断しにくくなります。
先にそろえたいのは、作業ごとの単独依頼の可否、セットに含める範囲、追加で確認する条件です。この三つを確認してから、一覧と詳細ページの説明に反映します。セットを目立たせるだけでは、必要な作業が決まっている人の入口を隠してしまうこともあります。
この記事では、自社で複数のサービスを扱う事業責任者・Web担当者に向けて、単独とセットを同じサイトで案内する方法を紹介します。提供条件を決めるのは事業側、確認済みの条件を選びやすく掲載するのが制作側の役割です。
セットの名前より、依頼できる範囲を先に示す
「おまかせプラン」「まとめてサポート」といった名前だけでは、どこからどこまでを頼めるのか分かりません。利用者は、自分が必要としている作業が含まれるか、不要な作業を外せるか、足りない部分を追加できるかを確かめたいはずです。セット名のすぐ下に、対象となる場面と含む作業を短く添えます。
例えば展示会出展支援なら、「出展準備をまとめて支援」だけで終わらず、企画、展示パネル制作、搬入設営のうち、どれを含む案内なのかを明示します。会期中の説明員や終了後の撤去まで含めるかは、会社ごとの提供条件で異なります。制作担当が一般的なイメージで補わず、現行の提案書と受付担当の説明を照合する必要があります。
同じサイトに単独とセットの入口を置く例として、ダスキンのハウスクリーニング一覧には、清掃箇所別の案内とセットプランの案内があります。ここから参考にできるのは、頼みたい場所が決まっている人と、まとめて依頼したい人の両方に入口を用意する考え方です。掲載形式だけをまねるのではなく、自社への相談で実際に使われる呼び方に合わせます。
セットを勧めたい事情があっても、単独依頼を受けているなら、その入口を探せる状態にします。反対に、単独では提供していない作業を、独立したサービスカードとして並べると誤解を招きます。その場合は「このプランと同時に依頼できる追加作業」と、関係が分かる名前で案内します。
単独で頼めるかと、セットに含むかを別々に確認する
整理表では「対応できる」という一つの欄にまとめず、単独依頼とセット内の扱いを分けます。作業自体には対応していても、別の作業と一緒でなければ受けられない場合があるからです。また、単独で受けられることと、セット料金に含まれることも同じではありません。
次の表は、架空の展示会出展支援会社が、掲載前に社内で確認するための設計例です。実在する会社の提供条件や、みやあじよの販売メニューを示すものではありません。自社の資料で確定した内容に置き換えて使います。
| 作業項目 | 単独依頼の扱い | セットでの扱い | 追加・変更時の案内 |
|---|---|---|---|
| 出展企画の整理 | 単独相談を受ける | 基本の検討範囲に含む | 企画確定後の大幅な変更は再確認 |
| 展示パネルの制作 | 原稿がある場合に受ける | 確定した点数を含む | 点数追加、原稿作成は別途相談 |
| 搬入・設営 | 単独では受けない | 指定した会場・日時の範囲で含む | 別会場や時間変更は対応可否を確認 |
| 会期中の説明員 | 単独・セットとも個別相談 | 標準の範囲には含めない | 人数・日程を確認して回答 |
| 終了後の撤去 | 条件を確認して受ける | 掲載プランには含めない | 希望する場合は依頼時に申告 |
この表を作るときは、空欄を「含まれない」と読み替えないことも大切です。担当者によって回答が違う項目は未確認として残し、事業責任者に戻します。未確認のまま公開用の丸印を付けると、サイト上では確定した約束に見えてしまいます。
公開する表は、社内確認表の全文をそのまま載せる必要はありません。比較に必要な作業名と条件を残し、社内担当者名や見積作成の管理欄は外します。一方で、「同時依頼のみ」「この点数まで」「事前確認が必要」といった選択を左右する条件は、表の外へ追いやらないようにします。
一覧と詳細で、同じ作業へたどり着けるようにする

一覧ページでは「必要な作業から探す」と「まとめて依頼する」を区別すると、入口の意味が伝わります。単独サービスのカードには主な成果物や対象を、セットのカードには組み合わせる内容と向く場面を載せます。すべての条件をカードに詰め込まず、選ぶ前に知っておきたい違いを優先します。
詳細ページでは、セットの構成作業から、その作業の詳しい説明へ進めるようにします。例えば「展示パネル制作を含みます」という文に、原稿の準備や納品形式を確認するリンクを添えます。ただし、単独サービスの説明へ移った際に、単独価格や単独依頼時の条件がセットにもそのまま適用されるように見せないことが必要です。
作業内容が共通でも、依頼条件が異なる場合があります。セットページには「制作内容の詳細は共通ですが、対象点数と修正範囲はこのプランの条件をご確認ください」といった案内を置き、どちらの条件を読むべきか示します。内容の説明を共有しながら、依頼方法ごとの差を見失わない構成にします。
単独ページからも、その作業を含むセットへ戻れるリンクを置けます。「まとめて依頼する場合の構成を見る」など、移動先で分かることを文言にします。セットを読まなければ単独の相談へ進めない経路にする必要はありません。必要な範囲が決まっている人は、そのページから相談できるようにします。
ページを増やすかは、説明量と条件の違いで判断します。短い案内で違いを示せるなら、一つのページ内に単独・セットの区分と比較表を置く方法もあります。成果物や対象者、確認事項が大きく違う場合は詳細を分け、一覧で比較できる情報だけをそろえます。
固定の内容と、選べる内容を混ぜて書かない
「四つをまとめたセット」と「候補から四つを選べるセット」は、利用者にとって違う商品です。点数や作業数が同じでも、自由に入れ替えられるとは限りません。固定項目と選択項目がある場合は、文章でも見た目でも区別します。
カジタクの公式案内では、大掃除サービスのセット構成に、キッチン、レンジフード、浴室と、トイレまたは洗面所を掲載しています。このように「または」と示せば、並んでいるすべてが含まれるのか、一つを選ぶのかを区別できます。ここでは構成の書き分けを参考にし、掲載価格や時間を自社サービスの基準にはしません。
自社のセットが固定型なら、含む作業を列挙し、変更を受けるかも説明します。一部を外しても料金が変わらない方針なら、その条件を事業側に確認して記載します。変更時に再見積もりする方針なら、最初から「不要な項目がある場合は、希望範囲を確認してお見積もりします」と案内します。
選択型なら、何を何点選ぶのか、同じ項目を複数選べるか、組み合わせに制限があるかをそろえます。「自由に選べます」と書いた後で細かな除外条件を末尾だけに置くと、最初の説明と実際の選び方がずれます。候補の一覧に、選べる数と例外を近づけて掲載します。
追加作業については、追加料金で必ず受けられるものと、条件を聞いてから可否を答えるものを分けます。「オプション」という言葉だけで両方を表さず、「同時依頼で追加可能」「日程・内容を確認して回答」と補足すると、相談時の期待を合わせやすくなります。
相談入口へ、選んだ内容と未確定の点を渡す
セット詳細を読んだ人が問い合わせ画面へ進んだとき、何を見ていたのか分からなくなると、最初から説明し直すことになります。ページにある相談ボタンの近くへ、プラン名と確認したい内容を示します。フォームに希望プランを引き継ぐ仕組みがあるなら、利用者がその選択を確認・変更できるようにします。
入力項目は、希望する依頼方法と、追加・変更の希望を区別します。単独、掲載セット、組み合わせ未定といった選択肢があれば、まだ判断できない人も相談を始められます。選択肢にない要望を受ける方針なら、短い補足欄を置きます。受けていない仕事まで自由に頼めるような説明にはしません。
例えば設計例の会社なら、「パネル制作のみを希望」「セットを基本に撤去も相談」「必要な作業を相談して決めたい」を区別して受け取れます。ただし、こうした希望が送信されても、セット適用や追加作業の可否は、必要な条件を確認してから決めます。確認画面と自動返信では、受け取った希望と、担当者がこれから確認する内容を分けます。
フォームを改修できない場合も、相談ボタンの前に「希望するサービス名と、追加・変更したい作業をお知らせください」と添える方法があります。専用の自動見積もり機能を作る前に、現行の受付で何を判別できればよいかを決めると、必要な改修範囲を絞れます。
条件変更は、関連する掲載場所をまとめて見直す

単独サービスの内容を変えたとき、その作業を含むセットの紹介が以前のまま残ることがあります。ページの文章だけでなく、一覧カード、比較表、画像内の説明、ダウンロード資料、フォームの選択肢まで確認対象にします。特に画像の中に固定した点数や範囲は、本文を更新しても自動では変わりません。
管理用には、作業名ごとに関連するページと資料を記録します。パネル制作の納品範囲を変えるなら、単独ページと、その制作を含む各セットを一覧にできます。事業責任者が変更内容を確定し、Web担当が掲載場所を確認するよう、事実の確認と表示の更新を分けて担当を決めます。
公開時期がそろわないと、新旧の案内が同時に見える期間が生まれます。新しい条件の適用日と、既に相談中の案件への案内方法を事業側で確認した上で、サイトの更新日程を合わせます。既存の契約条件をWeb担当の判断で変更するのではなく、ページがどの依頼に適用される説明なのかを明らかにする作業です。
運用開始後は、問い合わせ総数だけでなく、繰り返される誤解を記録すると修正箇所を探せます。「セットに含むと思っていた」「単独不可だと思った」「選択項目を全部頼めると思った」などを、個人情報を含めずに分類します。問い合わせの変化をサイトだけの成果と断定せず、提供条件や営業時の説明が変わった影響も確認します。
三つの依頼場面で、案内のつながりを確かめる
公開前には、単独で一つだけ頼みたい人、掲載されたセットを頼みたい人、セットの一部を変えたい人の三つの場面で読み直します。それぞれが一覧から必要な説明へ進み、含まれる範囲を確認して相談できるかを確かめます。説明の順番を知っている担当者だけでなく、案内文を初めて読む人に確認してもらうと、前提の抜けを見つけやすくなります。
スマートフォンでは、比較表の作業名と条件を対応させて読めるかが確認点です。横にスクロールする表なら、その案内を添え、重要な例外を表の中に残します。丸印や色だけで状態を区別せず、「含む」「追加相談」「単独不可」などの言葉を使います。図に要約する場合も、本文と異なる条件に省略しないようにします。
自社でまず用意する資料は、現行のサービス一覧、セットごとの構成、単独依頼の可否、変更時の扱いです。内容が確定していれば、一覧の区分と比較表の追加から着手できます。複数ページで条件が食い違う、入口と受付がつながらない場合は、ページ同士の関係まで含めて改修を検討します。
単独とセットを同じサイトに置くときは、どちらか一方へ誘導する前に、読者が希望する範囲を判別できる案内を作ります。作業の共通部分は分かりやすくつなぎ、依頼条件の違いはその場で示す。この二つをそろえることが、今回の見直しの出発点です。
サービス一覧とセット案内を、自社の提供条件に合わせて見直す
単独メニューとセットの説明が増え、どのページから直すか迷う場合は、現行の一覧と提案資料をもとに整理できます。みやあじよの事業・サービス案内の整理では、一覧・詳細・相談先をつなぐ制作の支援範囲をご案内しています。
参考にした情報
- ダスキン:ハウスクリーニング — 場所別とセットプランの入口の掲載例。
- カジタク:公式サービス案内 — セット構成に固定項目と選択項目を示す掲載例。
確認日:2026年9月16日。本文の表は架空の設計例です。実際の提供範囲・受付条件は各事業者の現行資料で確認してください。