コーポレートサイトの予算を考えるとき、ページ数や会社の規模だけでは、必要な費用は決まりません。誰に何を確かめてもらうか、そのための文章・写真・機能をどこまで作るかで、仕事の内容が変わります。まずは会社案内、営業支援、採用など、今回優先する役割を決めてみてください。
この記事では、公式の公開料金を条件とともに見て、自社が費用をかけたい情報と作業を分けます。初期制作と公開後の費用、社内で担当する仕事まで一枚にまとめると、なぜその予算が必要かを社内にも説明しやすくなります。
企業サイトの料金例は、ページ数と含まれる仕事を見る
公開料金の例として、2026年10月26日に確認したウェブクラフトの案内を見てみます。以下は一社の掲載例であり、業界の平均や、みやあじよの料金ではありません。すべて税別の開始額で、必要な内容によって変わります。[1]
| 掲載プラン | 料金・税別 | ページと作業の条件 |
|---|---|---|
| 小規模ホームページ制作 | 25万円から | 5ページ前後の会社案内・店舗紹介。用意されたひな形を調整し、設計から公開まで |
| コーポレートサイト制作 | 40万円から | 10ページ前後。構成設計、原稿整理、デザイン、ページ制作、WordPress、フォーム、公開 |
掲載条件では、撮影・原稿作成、デザインの作り方、多言語や予約などの機能、公開希望までの期間によって費用が変わります。「原稿整理」と、取材から文章を書き起こす仕事が同じ範囲かも、依頼内容に合わせて確認します。ページ数で金額を割り、どんなページも同じ単価で追加できるとは考えません。
自社で見積もりを取るときも、何を支給し、何を作ってもらうかをそろえます。同じ企業サイトでも、情報が整理済みの会社と、複数の事業を聞き取りからまとめる会社では、制作前の仕事が異なります。公開料金は、その条件を確認する入口として使ってください。
費用をかける情報は、訪れる人から決める
コーポレートサイトは、会社の事業や考え方、実績、採用、連絡先などを伝える企業の公式サイトです。初めて知る見込み客と、求人を見て訪れる人では、確かめたい内容が違います。先に優先する相手を決めると、今回必要な情報と、後から増やす情報を分けやすくなります。
| 主な相手と役割 | 判断に必要な情報の例 | 予算に入れたい仕事 |
|---|---|---|
| 紹介を受けた取引先へ会社を説明する | 会社情報、事業、対応範囲、相談窓口 | 既存資料の整理、情報の確認、ページと連絡先の整備 |
| 新しい見込み客に事業を理解してもらう | できる仕事、選ぶ理由、実績、相談から依頼まで | 事業ごとの取材・原稿、写真、読む順番の設計 |
| 求職者に働く姿を伝える | 仕事内容、働く場所、人、募集条件、応募先 | 現場や社員の取材・撮影、掲載確認、募集情報の更新 |
| 複数拠点・海外等へ情報を届ける | 拠点、対象事業、言語別の説明と窓口 | 情報管理、翻訳、言語別確認、更新の担当づくり |
この表は、会社の大きさで必要な制作費を決めるものではありません。少人数の会社でも技術の説明や取材が必要な場合があり、規模が大きくても今回の対象を限定する場合があります。必要な情報と仕事を選び、その範囲の予算を確認します。
まずは「初めての取引先が、依頼できる仕事と相談方法を理解できるようにする」のように、目的を一文にしてみてください。目的が採用なら、社員紹介だけでなく仕事内容や条件が分かるかを見ます。見栄えの好みと、相手の判断に必要な内容を分けると、優先順位を相談しやすくなります。
同じページ数でも変わる、制作の五つの範囲
予算の差を読むときは、ページを作る仕事だけでなく、その前後も見ます。特に次の五つは、社内の準備状況と、依頼したい範囲を一緒に確かめてください。
| 範囲 | 費用が変わる条件 | 社内で確認するもの |
|---|---|---|
| 構成と説明 | 決まった内容を載せるか、事業の説明や順番から考えるか | 営業資料、顧客の質問、掲載したい事業 |
| 原稿と写真 | 素材支給、資料の編集、取材・撮影をどこまで頼むか | 使える文章、写真の原本、公開してよい範囲 |
| デザインとページ | ひな形の調整、独自の見せ方、異なるページの種類 | 必要なページと、共通にできる部分 |
| 機能と更新 | フォーム、実績・お知らせ等の登録、多言語や外部連携 | 誰が何をどれくらい更新するか |
| 移行・確認・引き継ぎ | 既存データ、表示・動作、管理情報、操作説明 | 現行URL、管理窓口、確認者、必要な納品物 |
製品の説明が多い場合、同じひな形へ情報を登録する仕事と、製品ごとに見せ方から考える仕事は異なります。実績も、一覧と詳細を作るだけか、掲載する原稿や写真まで整えるかで変わります。ページ数と、異なるデザイン・機能を作る種類の数を分けて聞いてください。
社内でお知らせや実績を更新するなら、管理画面から文章や画像を登録する仕組みを考えます。この仕組みをCMSと呼び、WordPressはその一つです。「更新できる」という説明だけで済ませず、実際に変えたい情報を示し、担当者が使える操作と説明が含まれるか確認します。
既存サイトを作り直す場合は、残すページやURL、フォーム、写真、管理情報を先に確認します。内容の整理やデータの移行も仕事になるため、新規制作のページ数だけを当てはめません。検索から読まれるページをどう引き継ぐか、公開前後に何を確認するかも、見積もりの対象として相談します。
事業ごとの説明がまとまっていない場合の考え方
説明用に、事業の資料が各部署に分かれ、サイトには簡単な会社案内だけがある状況を考えます。新しい取引の相談につなげたいなら、各事業で何を頼めるか、どの仕事を得意とするか、相談時に何を伝えればよいかを整理する仕事が必要です。ページの見た目を新しくするだけでは、この情報はそろいません。
社内で営業資料とよくある質問を集め、各部署が内容を確かめられるなら、制作側には原稿の整理と構成を頼む案が考えられます。情報を集める時間も取れないなら、聞き取りから頼む案として見積もってもらいます。どちらの案でも、実際の対応範囲や公開してよい実績を確かめる担当は、企業側で決めます。
この二つを比べるときは、同じページ数かだけでなく、取材・文章整理・内容確認の分担を並べます。完成原稿を渡す前提の見積もりを選ぶなら、誰がいつまでに原稿を作れるかまで考えてください。作業を社内へ移した分も含めて判断することで、外注費と実際の準備を結び付けられます。
社内の時間と外注費を、同じ場所に書く
原稿や写真を支給できれば、依頼する仕事を絞れる場合があります。ただし、社内で担当する時間がなければ、資料がそろわず公開が遅れることもあります。外注費を抑える案は、社内の担当と用意できる時期を合わせて考えます。
写真は、社屋だけでなく、説明したい仕事や製品、働く様子に合うものがあるかを見ます。撮影を依頼するなら、場所、対象、使う媒体、社内の調整役を先に確認します。既存の写真を渡す場合も、内容・使用条件・原本を確かめ、撮影を頼む仕事と、社内で素材を準備する仕事を分けてください。
原稿作成や撮影を外注しても、会社の事実や公開の可否を確認する役割は残ります。社内では、決める人、資料を集める人、内容を確かめる人、連絡をまとめる人を決めます。兼任しても構いません。構成、原稿、デザイン、公開前のどの段階で誰が見るかを共有すると、後からの大きなやり直しを減らしやすくなります。
制作会社か個人かという区分だけで、価格や体制を決めつけないことも大切です。今回、誰が構成・取材・制作・確認を担当し、不在時はどう引き継ぐかを聞きます。見積もりの項目と、社内で必要になる仕事を並べて比較してください。
予算を調整するなら、今回と次段階を分ける
予算を超えたときは、金額を一律に下げてもらう前に、今回の目的に必要な情報と、後から足せる内容を分けます。事業の説明、実際の窓口、必要な募集条件などを残したうえで、ページの分け方やデザイン、素材の作り方を相談します。
最初は主な事業と実績を整理し、情報がそろった事業から追加する方法もあります。ただし、将来増やしたい情報が分かっているなら、先に伝えてください。後から実績を登録するのか、別言語を増やすのかでは、今用意する仕組みの考え方も変わります。
削る前に確かめたいのは、スマートフォンで読めるか、問い合わせが動くか、管理情報や操作方法を引き継げるかといった、公開して使うための仕事です。ページを減らしても必要になる確認があります。何を残し、何を後から行うかを、金額とともに書面で確認します。
見積もりが「一式」でも、対象ページ、原稿・写真の担当、修正の考え方、納品物、公開後の対応が分かれば比較できます。承認後にページや方針を変える場合は、追加費用と日程をいつ案内してもらい、誰の了承後に着手するかを決めておきます。未定の項目を隠すより、何が決まれば費用が確定するかを聞いてください。
公開後の費用と、見る数字も予算に含める
初期の制作費と、公開後に続く費用は分けます。サイトを置くサーバーや、住所にあたるドメイン等の利用料、システムを保守する作業、情報を更新する作業、改善やページ追加の仕事を並べてください。月額に何が含まれ、どこから追加かも確認します。
比較する期間を社内でそろえ、制作費、初期設定や移行、月額・年額、予定する追加作業を合わせて見ます。税区分、支払時点、最低利用期間、終了や別の管理先へ移す条件も確認します。初期の支払いが小さいことだけで、総額や使い続けやすさを判断しないようにします。
ドメインやサーバー等の契約名義と管理窓口、原稿・写真・編集できるデータを受け取れる範囲も確認します。公開されたページだけでなく、操作説明や管理情報がどこまで引き継がれるかで、次の更新を頼むときの準備が変わります。素材の利用条件や、契約終了時に必要な支払い・作業は、契約内容に沿って確かめてください。
KPIは、目標への進み具合を見る指標です。問い合わせが目的なら、件数に加えて対応できる相談が届いたか、採用なら募集に合う応募だったかも見ます。フォームへの到達や閲覧が、そのまま受注や採用を意味するわけではありません。何を記録し、誰が改善を判断するかを相談し、必要な計測や報告が見積もりに含まれるかを確かめます。
予算の相談は、目的と担当を一枚にまとめる
社内で予算を説明するには、価格帯だけでなく、何のために、どの仕事へ費用をかけるかを残します。次のメモは、制作会社へ相談する際にも使えます。分からない欄は未定として構いません。
今回の役割:誰に何を理解してもらい、どの行動につなげたいか
必要な内容:事業、実績、採用など、今回載せる範囲
社内にあるもの:会社案内、原稿、写真、既存サイトの情報
依頼したい仕事:整理、取材・撮影、デザイン、機能、移行、確認
社内の担当:素材収集、事実確認、連絡、最終判断
予算と時期:今回の目安、継続費、希望時期。未定は未定と記載
次段階:今回は含めず、将来追加したい内容
何を載せるかから整理したい場合は、はじめてのコーポレートサイト~制作前に知っておきたいこと~もあわせてご覧ください。ここで決めた役割と、社内の資料や確認体制をつなげて、見積もりの前提を相談できます。
会社の状況に合う予算と進め方をご相談ください
企業サイトの費用は、会社の規模より、伝える相手、必要な情報、原稿・写真・機能・移行・確認の範囲で考えます。今回の目的に必要な仕事を選び、社内と外部の分担、公開後の費用までそろえると、予算の理由を説明しやすくなります。
実際に、自社に合う予算の置き方やページ構成、原稿や写真の準備まで含めて考えたいときは、コーポレートサイト制作の流れと支援内容も参考になります。目的に合わせて必要な範囲を整理しながら進めることで、費用のかけ方にも無理が出にくくなります。
「どこまで依頼すればよいか分からない」「素材や予算がまだ決まっていない」という場合も、ウェブ制作のご相談から現在の状況をお聞かせください。会社のこと、今ある資料、伝えたい相手から、必要な工程と進め方を一緒に整理いたします。
参考資料・出典
[1]ウェブクラフト「料金と対応範囲」。2026年10月26日確認。小規模ホームページと企業サイトの税別開始額、対象ページ・作業条件を参照。掲載例は市場平均ではなく、実際の費用・適用条件は提供元へ確認してください。


