ホームページ制作会社を変更する前に確認したい管理権限と引き継ぎ資料のアイキャッチ

NOTES

ホームページ制作会社を変更する前に確認したい管理権限と引き継ぎ資料

ホームページ制作会社を変更するときは、契約終了日より前に、ドメイン、サーバー、CMS、メール、アクセス解析、…

チップス

ホームページ制作会社を変更するときは、契約終了日より前に、ドメイン、サーバー、CMS、メール、アクセス解析、タグ管理の六領域について、契約名義・管理者・ログイン方法・更新期限を一覧にします。あわせて、設定資料とバックアップ、変更手順を受け取り、切替後はサイト表示、フォーム送信、メール送受信、計測を実際に読み戻します。これが、停止やデータ消失を避けるための基本的な順序です。

この記事は、契約終了や担当者変更を控えているものの、「何を自社で管理できているのか分からない」「現行会社へ何を依頼すればよいか整理できない」という経営者、総務・広報・Web担当者に向けたものです。

公開中のサイトが問題なく見えていても、契約名義や管理者権限まで自社にそろっているとは限りません。解約の連絡を先に進めるのではなく、六領域の管理表を作り、空欄を埋めるところから始めます。

結論|契約終了日より前に六領域の管理表を作る

制作会社の変更準備では、ログインIDを集めるだけでは足りません。誰の名義で契約され、誰が管理者を追加でき、いつ更新され、どの資料が残っているかまで、一つの表で対応させます。

制作会社変更前の管理権限と引き継ぎ確認表
管理対象確認する名義・権限受け取る資料切替後の確認
ドメイン登録者、管理事業者、管理者、更新期限契約情報、DNS設定、移管手順、認証コードの要否名前解決、期限、登録情報
サーバー契約名義、管理者、支払者、更新期限構成情報、サイトとデータベースのバックアップ、復元手順サイト表示、管理画面、常時SSL
CMS自社の管理者権限、日常更新用権限ユーザー一覧、更新手順、テーマ・プラグイン情報ログイン、記事更新、権限範囲
メール契約名義、管理者、利用アカウントアドレス一覧、転送設定、接続・DNS設定外部との送受信、フォーム通知
アクセス解析・Search Consoleアカウント・プロパティの管理者、所有者ID一覧、ユーザー一覧、計測設定管理画面への接続、テストアクセス
タグ管理アカウント・コンテナ管理者、公開権限コンテナID、タグ・トリガー一覧、変更手順公開版、主要ページ・送信の計測

この表は、制作会社ごとの優劣を比べるためではなく、不足している権限と資料を見つけるために使います。期限のないサービスは「該当なし」と記入し、空欄がある領域は、現行会社への依頼、新会社での確認、自社での契約変更のどれに当たるかを決めてください。

パスワードを一式受け取ることだけを目標にすると、退職者の個人アドレスや複数社で使い回す共有アカウントが残りやすくなります。可能なサービスでは、自社が管理するメールアドレスで管理者アカウントを作り、制作会社には業務に必要な範囲の権限を個別に付与する形へ整えます。

先に契約名義と管理者を確認する理由

ドメイン、サーバー、CMS、メール、アクセス解析、タグ管理を並べ、各領域に名義・管理者・期限を結ぶ図を整理した図
六つの管理領域と確認項目の関係を理解するために、ドメイン、サーバー、CMS、メール、アクセス解析、タグ管理を並べ、各領域に名義・管理者・期限を結ぶ図を整理しています。

サイトを閲覧できること、管理画面へ入れること、契約を変更できることは、それぞれ別の状態です。WordPressで記事を更新できてもユーザーを追加できない場合があり、アクセス解析を見られても管理者を変更できない場合があります。

確認する対象は、次の三つの層に分けると混乱しにくくなります。

  • 契約・所有の層:誰の名義で申し込み、誰が料金を支払い、更新や解約を決められるか
  • 管理の層:誰がユーザー追加、設定変更、移管申請、公開操作を行えるか
  • 運用の層:誰が記事更新、フォーム確認、レポート閲覧などの日常作業を行うか

三つの層がすべて現行会社だけに寄っている場合、契約終了後に自社から変更できない項目が残ります。一方、運用担当者にすべての管理権限を渡すと、誤操作や退職時の整理が難しくなります。自社には契約と管理の権限を残し、制作会社や社内担当者には役割に応じた権限を付ける形が扱いやすいでしょう。

管理表には「管理者:制作会社」とだけ書かず、サービス名、契約名義、管理者のメールアドレス、二段階認証や復旧方法の管理者、更新日を分けて記録します。ログインできたかどうかも、実際の管理画面で確認しておきます。

ドメインとサーバーの引き継ぎ

ドメインはホームページの住所に当たる契約、サーバーはサイトのファイルやデータを置く環境です。同じ会社からまとめて提供されていることもありますが、契約と変更手続きは分けて確認します。

ドメインで確認する項目

ドメイン名、登録者名義、管理している事業者、管理画面へ入るアカウント、更新期限、自動更新と支払方法を確認します。DNSは、ドメインをホームページやメールの接続先へ向ける設定です。誰がDNSを変更できるか、現在の設定値をどこから出せるかも記録します。

すべてのJPドメイン名と、JPRSを管理レジストラとする対象ドメインでは、管理指定事業者の変更に認証コードが使われ、ロックが設定されている場合は事前の解除が求められます。手続きに数日程度かかる場合もあるため、契約終了日の直前ではなく、対象ドメインと申請方法を契約先へ確認したうえで進めます。出典 JPRS

ドメインの管理事業者を変えることと、DNSの接続先を変えることは同じ作業ではありません。どちらを先に行うか、現行サイトを表示したまま進めるか、問題が起きたときにどの設定へ戻すかを、新旧の制作会社で共有します。

サーバーで確認する項目

サーバーでは、契約名義、管理画面、更新期限、料金の支払者に加え、サイトファイルとデータベースを取り出せるかを確認します。メールも同じサーバーで運用している場合は、ホームページだけを移しても作業は完了しません。

バックアップは「ある」と聞くだけではなく、取得日、対象範囲、ファイル形式、保管場所、復元する担当まで決めます。新会社は受け取ったデータを確認し、移行先で利用できる構成か、追加で必要な情報がないかを切替前に判断します。

現在のサーバー契約を止めるのは、新しい環境で表示と送受信を確認し、戻す必要がないと判断した後です。解約日が先に確定している場合は、その日から逆算してバックアップ取得、検証、DNS変更の期限を置きます。

CMSと更新用アカウントの引き継ぎ

CMSは、専門的なコードを書かずにページや記事を更新するための管理システムです。WordPressでは、管理者、編集者、投稿者などの役割ごとに実行できる操作が異なります。管理者権限と、記事を更新できるだけの権限は同じではありません。出典 WordPress.org

自社で確保したいのは、ユーザーの追加・削除や主要設定の確認ができる管理者アカウントです。広報担当者の日常更新には、担当業務に合う権限を別に用意します。制作会社と自社で一つのIDを共有すると、誰が変更したか追いにくく、契約終了時にパスワード変更の影響範囲も広がります。

引き継ぎ前には、管理画面のユーザー一覧を開き、次の状態を確認します。

  • 自社が管理するメールアドレスの管理者が存在する
  • 新会社用のアカウントを個別に追加できる
  • 退職者や利用していない外部担当者のアカウントが残っていない
  • 現行会社のアカウントを削除しても、更新や保守を続けられる
  • 管理者メール、パスワード再設定先、二段階認証の復旧先を自社で把握している

現行会社のアカウントを削除するのは、新会社と自社のログイン確認が終わった後にします。切替作業中に質問や修正が生じる可能性があるため、契約終了日とアカウント停止日を同日にするかどうかも事前に話し合ってください。

Analytics・Search Console・タグ管理の引き継ぎ

アクセス解析や検索状況のデータは、サイトのファイルを移しただけでは引き継いだことになりません。各サービスのアカウント、対象サイトを表すプロパティやコンテナ、ユーザー権限を分けて確認します。

Google Analytics

Google Analyticsでは、ユーザーをアカウント単位またはプロパティ単位で追加でき、追加・変更には対象階層の管理者権限が必要です。自社のGoogleアカウントがどの階層で、どの権限を持っているかを管理画面で確認します。出典 Google Support

制作会社の変更だけを理由に新しいプロパティを作る前に、既存プロパティへ自社と新会社のユーザーを追加できるかを確認してください。既存の計測先を使う場合は、アカウント名、プロパティ名、プロパティID、データストリームや計測IDを管理表へ記録します。

Search Console

Search Consoleでは、対象プロパティの所有者とユーザー、付与された権限を確認します。自社のアカウントを所有者として残し、誰が別のユーザーを追加・削除できる状態かを確認しておくと、制作会社の交代後も検索状況を継続して確認できます。出典 Google Support

所有権の確認方法がDNSやサイト上のファイル・タグに関係している場合、サーバーやDNSの変更後も確認状態が保たれているかを読み戻します。現行会社のユーザーを外す前に、自社と新会社のアカウントで対象プロパティを開けることを確かめます。

タグ管理

タグ管理ツールでは、アカウントとコンテナの管理者、編集権限、公開操作ができる人を分けて記録します。コンテナID、公開中の版、主要なタグとトリガー、フォーム送信や電話タップなど何を計測しているかが分かる資料を受け取ります。

編集できても公開できない権限では、修正後の設定をサイトへ反映できません。新会社がテストと公開まで担当するなら、その作業に合う権限を付与し、公開後に不要な権限を見直します。

素材・仕様書・バックアップとして受け取るもの

受け取る資料は、画面の見た目を再現するためだけのものではありません。障害対応、更新、フォーム改修、計測確認を新会社が続けられる範囲までそろえる必要があります。

現行会社へ依頼する候補は、次のように分けられます。

  • 素材:ロゴ、写真、図版、動画、文章の元データと、Web掲載用に加工したデータ
  • サイト情報:ページ一覧、メニュー構成、フォーム項目、送信先、転送設定、リダイレクトの一覧
  • 技術情報:使用中のCMS、テーマ、プラグイン、独自改修、外部サービス、各種IDの一覧
  • 運用情報:更新手順、公開前の確認方法、定期作業、障害時の連絡先
  • バックアップ:サイトファイル、データベース、必要に応じた設定データと復元手順

すべての元データやライセンスが当然に引き渡されるとは限りません。制作契約、見積書、利用規約を確認し、納品対象、利用できる範囲、第三者素材や有料テーマ・プラグインの契約者、更新費用を整理します。

引き継げないライセンスがある場合は、自社で契約し直すのか、新会社が別の方法へ置き換えるのかを決めます。資料名だけでなく、「受領済み」「再契約が必要」「代替を検討」のように状態を付けると、切替日に未解決事項が残りにくくなります。

切替日を決める前の役割分担

現状確認、資料受領、権限追加、切替、読み戻しを左から右へ並べる引き継ぎフローを整理した図
現行会社、自社、新会社が担当する確認と切替の順番を理解するために、現状確認、資料受領、権限追加、切替、読み戻しを左から右へ並べる引き継ぎフローを整理しています。

切替日は、現行会社の契約最終日だけで決めるものではありません。自社、現行会社、新会社が行う作業を並べ、確認が終わる順番に合わせて決めます。

  1. 現状確認:自社が六領域の管理表を作り、現行会社へ契約名義、権限、期限、構成の確認を依頼する
  2. 資料受領:現行会社が契約範囲に沿って設定資料、素材、バックアップを渡し、自社が受領状況を記録する
  3. 権限追加:自社または現行会社が新会社の個別アカウントを追加し、新会社が実際にログインして作業可能か確かめる
  4. 切替:新会社が事前に合意した手順で移行や設定変更を行い、自社がフォームの受信先や確認担当を用意する
  5. 読み戻し:自社と新会社が表示、送信、メール、計測を確認し、問題がなければ現行会社の権限と旧契約を整理する

切替前の更新担当も決めておきます。現行サイトと移行先の両方で記事を更新すると差分が生じるため、どの時点から更新を止めるか、緊急のお知らせが出た場合に誰が反映するかを共有します。

新会社がバックアップを開けない、管理者権限が足りない、メールの構成が不明といった状態では、切替日を確定させないほうが安全です。少なくとも、問題が起きたときに旧環境へ戻す条件と担当者を決めてから実施します。

切替後に表示・フォーム・メール・計測を確認する

切替作業の完了は、管理画面で設定を保存した時点では判断できません。訪問者が見る画面、問い合わせを受ける担当者、計測結果を見る担当者の側から、変更結果を読み戻します。

確認は、次の順に行うと原因を切り分けやすくなります。

  • 表示:トップページだけでなく、主要な下層ページ、画像、リンク、スマートフォン表示、常時SSLを確認する
  • 管理:CMSへ自社と新会社のアカウントで入り、記事の下書き保存や画像アップロードができるか確かめる
  • フォーム:テスト内容だと分かる情報で送信し、完了画面、自動返信、社内通知、添付機能を実際に確認する
  • メール:外部アドレスとの送受信、転送、フォーム通知が届き、エラーが返らないかを見る
  • 計測:対象ページへテストアクセスし、アクセス解析やタグ管理の確認画面でページ表示と主要な操作が記録されるかを見る
  • 権限:Analytics、Search Console、タグ管理を自社アカウントで開き、対象のプロパティやコンテナが残っているか確かめる

不具合が見つかったときは、「表示されない」のようなまとめ方ではなく、確認日時、ページURL、端末、操作内容、届かなかったメールアドレス、期待した結果を記録します。誰がどの設定を確認するかを決めやすくなり、旧環境へ戻す判断にも使えます。

一度の確認で終わらせず、切替直後と通常の運用が始まった後の二段階で見てください。問い合わせ通知や計測は、実際の運用担当者が普段使う画面でも確かめます。

まとめ|不明な項目を残したまま解約しない

制作会社の変更で先に行うのは、解約手続きではなく、六領域の名義、管理者、期限、資料、切替後の確認方法を見える形にすることです。次のチェックリストを管理表の見直しに使ってください。

  • ドメインの登録者、管理事業者、更新期限、DNS設定、移管手順が分かる
  • サーバーの契約名義、管理者、更新期限、バックアップ、復元担当が分かる
  • CMSに自社管理者があり、新会社と更新担当者へ個別の権限を付けられる
  • メールの契約、アドレス一覧、設定資料があり、切替後の送受信確認方法が決まっている
  • AnalyticsとSearch Consoleの自社管理者・所有者、対象ID、ユーザー一覧を確認した
  • タグ管理の管理者、公開権限、コンテナ情報が分かり、切替後の計測確認項目が決まっている

チェックできない項目には印を付け、現行会社へ依頼すること、自社で変更すること、新会社に確認してもらうことへ分けます。不明な契約名義や管理者を残したまま解約せず、資料受領とログイン確認が終わってから切替日を確定してください。

「ドメイン名の管理指定事業者の変更」|発行主体:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)|参照日:2026年7月31日|出典 JPRS

「Roles and Capabilities」|発行主体:WordPress.org|日付:2018年12月1日初版、2024年9月20日最終更新|出典 WordPress.org

「Analyticsユーザーとユーザーグループの追加、編集、削除」|発行主体:Google|参照日:2026年7月31日|出典 Google Support

「所有者、ユーザー、権限を管理する」|発行主体:Google|参照日:2026年7月31日|出典 Google Support