会社概要には大阪の住所があり、トップページには「全国対応」と書いている。それでも府外の企業から「こちらから相談してもよいですか」と聞かれる。一方で、オンラインで相談を受けるつもりが、現地への訪問まで含むと受け取られる。全国へ営業する企業のサイトでは、所在地と仕事を受ける範囲を別々に説明することが大切です。
大阪本社であることを隠す必要はありません。会社概要で拠点を示し、サービスページで何をどの方法で提供するかを説明し、条件を確認する営業窓口へつなぎます。この記事では、経営者や広報・Web担当者に向けて、その情報配置を架空のA社で具体化します。全国展開の経営戦略や地域別SEOではなく、取引を検討する相手が読める企業サイトの設計が対象です。
本社の場所と、相談できる仕事を別に答える
住所を見て分かるのは、会社や拠点がどこにあるかです。そこから、どの地域へ訪問するか、どこへ商品を届けるか、遠隔でどの業務を行えるかまでは分かりません。「大阪の会社です」という説明だけに全国向けの営業案内を担わせないようにします。
セルカムの会社概要は大阪本社などの所在地を掲載し、FAQでは製品提案への訪問について全国のエリア担当を案内しています。また、3Dプリンタのサンプルを見る質問には大阪本社の実機を案内しています。拠点の所在地、訪問で相談できること、来社して確かめることが別の情報として示される公開例です。セルカムの会社概要・セルカムのよくあるご質問
この例から参考にしたいのは、読者の用件に合わせて説明を分ける構成です。同社の全サービスがどの地域でも同じ条件で利用できると解釈したり、その提供体制を自社にもあるように書いたりはしません。自社の条件は、営業やサービス責任者が確認した資料で整理します。
トップページでは、主な仕事の説明に続けて、府外の企業が相談する方法を短く添えます。「大阪を拠点に、業務整理のご相談をオンラインで受け付けています」のような文なら、拠点と相談方法を一緒に伝えられます。ただし、全国を対象にしていると書くには、その受付範囲を社内で確認しておく必要があります。
「全国対応」を、サービス・方法・段階へ分ける
営業担当へ確認するときは、「全国対応でよいですか」という一問で終えず、何の仕事について、どの方法で、どの段階まで対応するかを尋ねます。初回相談は遠隔で受けられても、現地の作業や導入後の支援は別の条件という場合があるためです。
アリウープのFAQでは、対応可能なエリアの回答で、全国からの問い合わせ、発注前の検討段階、発注後を分けて説明しています。訪問方法や遠方での費用についても、段階と結び付けています。参考になるのは、広い受付範囲の一文だけで終わらず、仕事を進める条件を続ける構成です。アリウープのよくあるご質問
自社の説明でも、オンライン相談を受けることと、すべての作業をオンラインで完結できることを区別します。現地確認が必要か、成果物の受け渡しはどうするか、導入後にどの方法で相談するかを、対象サービスごとに確認してください。制作担当が一般的な進め方を補って、自社の約束に変えないことが大切です。
ここからは、大阪に本社を置く架空のA社を例にします。A社は業務整理の相談を国内全国からオンラインで受け付け、現地確認を含む支援は実施場所などを聞いて回答する設定です。実在企業の営業範囲や実績ではありません。
| 読み手が知りたいこと | A社で確認する内容 | 主に載せる場所 | 次に進める案内 |
|---|---|---|---|
| 会社はどこにあるか | 大阪本社の正式な所在地と拠点の役割 | 会社概要・アクセス | サービス内容を確認する |
| 府外から相談できるか | 業務整理の相談は国内全国からオンライン受付 | 対象サービスの冒頭 | 相談内容と希望方法を伝える |
| 現地へ来てもらえるか | 実施場所・日程・作業内容・交通費等を個別確認 | 同じサービスの対応条件欄 | 営業窓口へ条件を渡す |
| 依頼後はどこへ連絡するか | 導入後の窓口と提供方法をサービス別に確認 | 利用後の案内・問い合わせ | 対象サービスの窓口へ進む |
この表は、Web担当が情報を集めるための掲載票です。「個別確認」とした行を、全国訪問可能と書き換える材料にはしません。相談できる範囲と実施できる条件を営業側に確認し、公開してよい説明へ直してから画面へ反映します。
費用に関わる条件も、対象の作業と近い場所に置きます。交通費の確認が必要なのは現地確認なのか、初回相談にも関係するのかを区別してください。「別途費用が必要な場合があります」だけでは対象が分からないため、何を確認して見積もるかを添えます。まだ金額が決まらない段階でも、無料や一律料金を推測して掲載する必要はありません。
会社概要・サービス・対応条件に役割を持たせる
会社概要には、所在地、事業内容、拠点の役割など、会社の輪郭を置きます。サービスの全国対応を説明するために住所を目立たなくするより、住所を確認した人が業務内容へ進めるリンクを用意する方が自然です。アクセス案内を読んだ人全員が来社を希望しているとは限りません。
サービスページの冒頭では、何を相談できるかと、どの方法で受け付けるかを示します。A社なら、業務整理の相談をオンラインで受けることを、仕事の説明と近い位置に置きます。会社全体の「全国対応」という表示から、別のサービスにも同じ条件が当てはまるように見せない構成です。
詳しい条件は、そのサービスの中にまとめます。相談段階、現地確認、導入後などで条件が違うなら、小見出しを分けます。ページが短ければ同じページ内で十分です。別の対応地域ページを作る場合も、サービス名と条件を引き継ぎ、読者がトップへ戻って探し直さなくてよいようにします。

フッターや共通の会社紹介には、詳細条件をすべて複製しないようにします。例えば「オンラインの業務整理相談は全国から受付」と要点を示し、対象サービスの説明へつなげます。短い要約を使う場合でも、現地作業まで無条件に含むような見出しになっていないかを確認します。
全国向けの説明と大阪本社の紹介は、どちらかを消して調整するものではありません。会社を確かめたい人には所在地と体制を、仕事を相談したい人には内容と条件を示します。同じ情報を全ページへ盛り込むより、各ページで答える用件を決め、行き来できる関係を作ります。
拠点の地図と、提供範囲の図を混同しない
地図を使う前に、その図で何を示すかを決めます。会社概要の地図は、本社や営業所など実在する拠点の位置を示すものです。全国から相談を受ける会社でも、各地に拠点があるとは限りません。営業したい都市へ印を置き、拠点一覧に見える図を作らないようにします。
提供範囲を色分けする場合は、何のサービスをどの方法で提供する図かを明示します。オンライン相談の対象を塗った図なのに、近くの写真が現地作業ばかりだと、すべての地域へ訪問する印象につながります。見出し、凡例、写真、注記まで同じ条件を示しているかを見ます。
全国を対象にするオンライン相談なら、地図より短い文章で説明できる場合もあります。A社の例では、国内全国からオンラインで相談できることと、現地確認は別途条件を聞くことを並べれば、各都道府県を同じ色で塗る必要はありません。図の見栄えを理由に、意味のない地域別ページを増やさないことも大切です。
拠点の写真を掲載するときは、その場所で行う仕事と撮影時点を確認します。本社の会議室を、全国の現場で支援する体制の証拠として使うものではありません。社外の会場や協力先を紹介する場合も、自社の常設拠点と区別できる名称と説明にします。
相手の本社住所と、仕事を行う場所を分けて聞く
問い合わせフォームの「所在地」が一つだけだと、連絡する企業の本社なのか、支援を行う事業所なのかが分かりません。東京本社の担当者が福岡の事業所について相談するような場面では、会社の住所だけで訪問条件を判断できないためです。
A社の営業窓口では、相談するサービス、希望する方法、現地確認が関係する場合の実施場所を確認します。オンライン相談だけなら不要な現地情報まで一律に求めず、営業が最初に判断するために必要な項目を選びます。詳しい住所を後から確認する運用なら、初回はどこまで入力するかも案内します。
「まだ実施場所が決まっていない」「オンラインで進められるか相談したい」という状態も、想定する相談に含まれるなら受け止められるようにします。不明な欄を埋めるために仮の住所を入力させると、受付側がその場所を確定条件として扱うおそれがあります。分からない項目をどう伝えるかまで決めます。
窓口が複数ある場合は、地理的に近い拠点へ自動的に振り分ければよいとは限りません。サービス別の担当がいるのか、本社でまとめて受けるのか、既存の取引先は別の連絡先を使うのかを確認します。読者が選んだサービスと希望方法が、受付担当にも伝わる構成にしてください。

送信後の案内も、問い合わせを受け付けた段階に合わせます。現地へ行けるか未確認なのに、訪問予定が確定したような完了画面にしません。営業が何を確認し、どの方法で返答するかを、実際の受付運用に沿って示します。
過去の取引実績と、今の提供条件を分けて更新する
全国各地の事例があることは、過去にどのような仕事をしたかを知る材料です。ただし、ある県の事例が一件あるだけで、現在も同じ方法・費用・時期で受けられるとは限りません。事例には実施した範囲を示し、今の相談条件は対象サービスの説明へつなぎます。
反対に、府外の事例をまだ掲載していなくても、社内で確認した受付範囲まで大阪だけに狭める必要はありません。公開できる実績と、現在提供しているサービスは別の情報として集めます。未公開の顧客名や取引資料を、全国対応を証明するために無断で載せることは避けます。
更新を担当する人も分けて確認します。本社の移転なら会社概要とアクセス、訪問条件の変更ならサービスの条件欄、窓口の変更なら連絡案内が主な更新対象です。変更内容と、その要約を載せたトップページやフッターを対応表に残すと、詳細だけ直して共通の文言が古いまま残る状態を点検できます。
公開前には、会社情報を確認する担当と、提供条件を確認する営業・サービス担当がそれぞれの箇所を見ます。住所が正しくなったことを理由に、全国対応の表現も確認済みとは扱いません。制作会社には、確認された文言と、確認待ちの条件を区別して渡します。
府外から相談する担当者の順番で読み直す
最後は、初めてサイトへ来た府外の担当者として確認します。サービスページへ直接入っても、何の仕事をどの方法で頼めるかが分かるか。会社概要へ進むと実在する拠点を確認できるか。現地での支援が必要な場合に、条件と窓口まで続けて読めるかを追います。
スマートフォンでは、画面上部の「全国対応」だけが大きく、方法や条件が離れていないかを見ます。表を横へ動かす場合も、どのサービスの条件を読んでいるか分かる形にします。フォームや電話への案内へ進む前に、読者が確認したい条件へ戻れることも点検してください。
大阪本社から全国へ伝える企業サイトでは、住所を消すよりも情報の役割を整理することが先です。会社の拠点、提供する仕事、進める方法、個別に確認する条件を対応させ、営業が受け取れる相談へつなげましょう。
参照した公開情報
2026年9月20日に確認。参照したのは所在地と提供方法、段階別条件の説明構成です。各社の営業条件をみやあじよや他社の条件にはしていません。A社の表と図は架空の設計例で、営業効果は未測定です。


