「中学生なら、どのコースになりますか」。サイトにコースをすべて載せているのに、電話で最初から説明し直している。そんなときは、コースの数より、比べる項目がそろっているかを見直します。「スタンダード」「総合」「個別」といった名前だけでは、対象学年、学ぶ目的、授業の受け方の違いが伝わりません。
比較ページでは、学年と目的から候補を探し、授業形態と頻度を同じ基準で読めるようにします。そのうえで、通える校舎や受講条件、まだ選べない場合の相談先へつなぎます。本稿は学習塾・予備校の経営者とWeb担当者が、自塾の掲載項目と改修範囲を決めるための記事です。どの指導が生徒に合うかを制作側が判断するものではありません。
コース名の前に対象学年と目的をそろえる
まず、現在の募集案内から、コースごとの対象学年と学習目的を取り出します。コース名が広く知られているとは限らないため、名前のすぐ近くに「中学1・2年生」「学校の授業の理解と定期テスト対策」のような説明を置きます。実際に対象としている範囲は、教務担当者の確認を受けて記載します。
学年は、候補を探す入口として使えます。ステップのコース一覧では、小学生・中学生・高校生の入口と、学年別の対象コース一覧が設けられています。また、主な開講講座は塾生対象であり、各種単科講座はスクールによって異なる旨も案内されています。学年の入口と受講条件を分けて伝える公開例です。ステップのコース一覧
自塾のページでは、学年だけで一つのコースへ決まるように見せないことも大切です。同じ中学2年生でも、学校の復習をしたい場合と、受験に向けた授業を探している場合があります。一つのコースが複数の目的を扱うなら、それを重複した別コースとして増やすより、同じコースの対応範囲として示します。
逆に、目的の似たコースが複数ある場合は、違いを一文で説明します。扱う教科が異なるのか、集団授業に個別の時間を組み合わせるのか、開講校舎が違うのか。単に「より充実」「徹底サポート」と並べるのでは、保護者も生徒も比較できません。説明できる違いがない場合は、サイトの見せ方だけでなく、募集資料の区分を塾側へ確認します。
年度をまたぐ時期には、「現在の学年」と「新年度の対象学年」を混ぜないようにします。新中学1年生向けの案内であれば、いつからの授業を指すかを対象表記の近くに添えます。申込欄が現在の学年を聞く場合も、比較ページの表記と読み違えない説明が必要です。年度の異なる案内を一つの表へ入れるなら、対象期間が分かる見出しを付けます。
授業形態と回数を同じ単位で比較する
「個別指導」という名称だけで、講師と生徒が常に一対一だと伝わるとは限りません。自塾が使う名称に加えて、指導人数、解説と演習の進め方、対面かオンラインかなど、受講する形を具体化します。比較表にすべてを詰め込まず、形態の要点を表へ、詳しい授業の説明をコース詳細へ置きます。
櫻學舎のコース案内には、複数個別指導、集団と個別の併用、マンツーマンの区分があります。複数個別指導では講師と生徒の人数を説明し、別の見出しで回数設定を案内しています。さらに学年別の案内と、コースを選べない場合の相談も設けています。ここでは、形態・頻度・相談を別々の項目として示す構成を参考にします。櫻學舎のコース案内
頻度を比べる際は、「週2回」と「週2コマ」を同じ意味で扱わないようにします。一日に二つの授業を受ける場合、通塾日は一日でも授業は二コマになります。通う日数を伝えたいのか、受ける授業数を伝えたいのかを決め、必要なら両方を記載します。コマという言葉を使う場合は、一コマの時間や対象教科の扱いを詳細へつなぎます。
回数が固定ではないコースは、無理に同じ数字で埋める必要はありません。「教科と受講計画により相談」「選択した授業の組み合わせで決定」のように、何を確認して決めるかを書けます。ただし、この表現で通常の受講条件まで隠さないようにします。週に受けられる回数の上限や開講曜日があるなら、塾が確認した条件を併記します。
授業回数と自習室の利用回数も区別します。自習席を使えることを、講師が指導する授業を毎日受けられることと同じように書くと、実際の案内と食い違います。面談や質問対応が含まれる場合も、どの場面の支援かを短く示します。各コースの説明が同じ単位になっているかは、時間割と照らし合わせると確認しやすくなります。
同じ学年の候補を一つの表で見せる
次の表は、架空の塾を想定した掲載設計例です。A・B・Cは説明用の名称であり、実際の提供コースや推奨する受講回数を示すものではありません。自塾では募集資料と時間割を確認し、対象・目的・形態・頻度を同じ順序でそろえてください。
| コース例 | 対象学年と目的 | 授業形態 | 頻度の示し方 |
|---|---|---|---|
| A 学校学習サポート | 中1・中2/学校の授業の理解、定期テストへの準備 | 個別指導。講師と生徒の人数は詳細で明記 | 週2コマの設定例。通塾日数と一コマの時間を別に示す |
| B 受験準備 | 中2・中3/高校受験に向けた学習 | 集団授業。教科ごとの授業構成を詳細で説明 | 教科別の時間割を掲載。週の授業数と通塾日を確認できるようにする |
| C 教科別個別 | 中1〜中3/選択した教科の学習 | マンツーマン。受講教科を相談 | 教科と計画により決定。相談前に分かる開講条件を示す |
この例では、中学2年生が複数の候補を持ちます。対象学年が一致しただけでは一つに絞れないため、目的や授業の受け方を続けて比較します。「受験準備なら必ずB」と断定するのではなく、ページで分かる違いを示し、学習状況に関する判断は塾の相談へつなぎます。
比較表では、項目が空欄になる理由も分けます。対象外なのか、個別に相談して決めるのか、資料が未確認なのかは別です。確認が済んでいない項目を、見栄えのために丸印や「対応可」で埋めないようにします。未確認のまま公開する項目は残さず、担当者への確認事項として制作資料に戻します。
コース数が多い場合は、すべてを一枚の大きな表にする前に、学年のまとまりごとに分けられるかを考えます。小学生の補習と高校生の受験講座を同じ列で比較させるより、同じ学年で迷う候補が近くにあるほうが、違いを追いやすくなります。共通コースは複数の入口から案内しても、詳細の説明先をそろえて更新箇所を増やしすぎないようにします。
スマートフォンでは、右の列を見たときに何のコースか分からなくならない構成を選びます。横に動かす表なら操作の案内を添え、コース名を追えるようにします。カードへ組み替える場合も、対象・目的・形態・頻度の順序を統一してください。コースごとに異なる宣伝文だけを並べると、縦に読み進めても比較ができません。
校舎・年度・募集条件を比較表から確かめられるようにする
全校舎共通のコース一覧と、通いたい校舎の募集内容は一致しないことがあります。一覧にはコースがあるのに、詳細を読んでも開講校舎が見つからないと、対象かどうかを確かめられません。比較表の近くから、開講校舎と現在の募集案内へ進めるようにします。全校舎で受講できると誤解させる表記を避けます。
複数の校舎を運営する場合は、先に校舎を選ぶ構成と、コースを見てから開講校舎を確かめる構成があります。どちらを使うかは、コースの共通性と問い合わせの入り方で決めます。少数の校舎なら一覧に開講先を書くだけで足りる場合もあります。必要な情報が少ない段階から、複雑な絞り込み機能を前提にする必要はありません。
対象学年と募集状況も別の情報です。「中学3年生対象」は、その学年の新規受講を現在受け付けていることまで意味しません。途中入塾の扱いや募集停止など、現時点の条件は該当するコースの近くに置きます。空席を掲載する場合は、誰がいつ更新するかを決めてから運用します。更新できない残席数を固定表示するより、確認先を明確にする方法があります。
通常授業と季節講習を同じ一覧へ入れる場合は、受講期間と通常コースとの関係を区別します。在籍生だけが受けられる講座を、初めての人も単独で申し込めるように見せないことです。講習の申込期限が終わった後も、通常コースの説明と混ざったまま残らないように、掲載終了や切り替えの担当を決めます。
料金の詳細を別ページに置く場合は、比較しているコース・学年・回数に対応する説明へつなぎます。すべてのリンクが料金ページの先頭へ戻るだけでは、条件を探し直すことになります。金額を比較表に載せるなら、どの受講条件の料金かを確認してください。個々の費用の内訳は料金ページで扱い、このページでは候補と条件の対応を崩さないことを優先します。
選び切れない人を相談へつなぐ
比較できるページを作っても、全員がコースを決めてから問い合わせるわけではありません。学年と気になる目的は分かっていても、授業形態の判断に迷うことがあります。「コース未定で相談する」という入口を用意すれば、一覧を読んだ後の疑問を受付へ渡せます。比較ページの役割は、自己判断だけで受講を確定させることではありません。
コース詳細から問い合わせる場合は、閲覧していたコース名をフォームへ引き継ぐ方法があります。その際も、名前が入力されているだけで正式な受講申込になったと見せないようにします。相談、資料請求、体験申込のうち、何を送る画面なのかを見出しとボタンで明示します。自動返信でも同じ名称を使い、受付後に確認する内容を案内します。
入力欄は、比較ページで見た言葉にそろえます。ページでは「学校学習サポート」、フォームでは社内略称だけという状態では、同じコースかを確認できません。学年・校舎・気になるコースのほかに、未定の選択肢を設けるかを受付担当と決めます。受講相談の入口で、判断に不要な成績や学校の詳細まで一律に必須入力へしないようにします。
絞り込みを設ける場合は、候補がなくなった画面も確認してください。「該当なし」だけで終わると、条件を選び直せることが伝わりません。選択中の学年・目的を表示し、一部の条件を外す操作と相談先を案内します。ただし、提供していないコースが相談すれば必ず受けられるような書き方は避け、塾が案内できる範囲を確かめます。
募集資料と画面を照らし合わせて改修範囲を決める
制作会社へ依頼する前に、最新の募集案内、時間割、開講校舎、料金の条件をそろえます。次に各コースについて、対象学年・目的・授業形態・頻度の四項目を同じ様式で書き出します。資料ごとに違いがあった場合は、制作担当が新しそうな表現を選ぶのではなく、塾の責任者が掲載内容を確定します。
その整理をもとに、原稿の修正で足りる箇所と、画面を変える箇所を分けます。対象学年の追記だけで伝わるなら既存ページを直せます。複数コースを行き来しないと違いが分からないなら比較表を設けます。開講校舎を毎回探し直すなら、校舎との対応やリンク先の変更が必要です。機能の数を増やすことより、説明が途切れる箇所をなくすことを依頼内容にします。
確認版では、同じ学年で目的が異なる二つの場面と、コース未定の場面を使って読み進めます。対象を見つけ、形態と頻度の違いを読み、開講校舎を確かめ、相談へ進めるかを確認します。スマートフォンでも同じ情報が残るか、表の端や折り畳みの中に重要な条件が隠れていないかを見ます。ページ上の名称と受付資料の名称も照合します。
公開後は、「対象学年を聞き直された」「回数の意味が伝わらなかった」など、比較時に残った質問を受付で記録します。問い合わせ数の増減だけでページの効果を決めず、どの説明が必要だったかを次の修正へ使います。まずは同じ学年で迷いやすい二つのコースを並べ、四項目と開講条件を同じ順序で読めるか確かめることから始めてください。
コースの違いが伝わるページをつくる
みやあじよでは、募集案内と時間割をもとに、コースの比較項目、各コースの説明、校舎や相談先への導線を整理します。掲載内容の見直しは、学習塾・予備校のホームページ制作をご覧ください。現在のページと、面談や電話で補足している内容からご相談いただけます。
参考・出典
- ステップ:コース一覧 — 学年別の入口、対象コース一覧、講座の対象と校舎差の表示を参照。
- 櫻學舎:コース案内 — 指導形態・頻度・学年別案内と、未決定者向け相談の掲載構成を参照。
確認日:2026年9月17日。各社の公開案内は表示構成の参考です。指導効果や特定の生徒への適性を検証したものではありません。架空の比較表を自塾へ適用する際は、対象・形態・頻度・年度・開講校舎を塾の責任者が確認してください。