庭木を一度剪定してほしい人と、一年を通して手入れを任せたい人。さらに、庭の配置からつくり直したい人が、同じ「お庭のご相談」へ進んでくる。造園会社のホームページでは、扱う仕事を幅広く掲載していても、受付で何を希望しているか聞き直す場面があります。
入口を三つに増やすだけでは、この行き違いは解消できません。押した先が同じ説明で、フォームにも選択内容が残らなければ、相談者は最初から希望を書き直すことになります。
見直したいのは、単発の手入れ、継続的な管理、庭の新設・改修という目的が、案内から受付までつながっているかです。自社の受注範囲を確かめたうえで、ページの言葉、入力項目、届く相談内容を一続きで設計します。
相談目的が途中で消える場所を見つける
最初に、現在のホームページで三つの相談を試してみます。「今回だけ枝を整えてほしい」「今後の手入れをまとめて相談したい」「庭をつくり直したい」と考えて、それぞれどの説明を読み、どのボタンを押すかをたどってください。
見た目が異なる入口でも、到着先が施工写真だけのページなら、手入れを頼みたい人には自分の相談を受けてもらえるか分かりません。反対に、庭づくりを考える人へ本数や木の高さだけを尋ねると、配置や使い方の希望を伝える場所がなくなります。
受付担当には、最近届いた相談の中で、最初に聞き直したことを確かめてもらいます。個人情報を原稿へ写す必要はありません。「今回限りか継続希望か不明」「工事の相談なのに剪定用の項目だけ埋まっていた」など、不足した情報と画面上の原因を対応させます。
事業者が決めるのは、受けられる仕事と初回確認に必要な情報です。制作担当は、それがページのどこで伝わり、選択として残るかを設計します。受付の分類をサイトの見た目だけで決めず、実際の担当者が区別できる言葉に合わせることが出発点です。
作業の名前と、依頼の続け方を分ける
「剪定」と「年間管理」は、同じ軸の言葉ではありません。剪定は作業内容、年間管理は継続的な依頼のまとまりを指します。年間管理に何が含まれるかは、会社や契約内容によって確認が必要です。
たとえば、ダスキンの樹木の年間お手入れサービスには、剪定を別途見積もる案内があります。一方、スペースガーデニングの植栽年間管理では、プランごとに季節別の作業を示し、オプションも分けて掲載しています。ここで参考にするのは説明の区切り方です。他社の回数や料金、作業時期を自社の条件として使うものではありません。
自社では、単発で受ける作業、継続管理で扱う対象、工事として相談する内容を先に確定します。同じ剪定を両方で受けるなら、片方から消す必要はありません。「今回の手入れを頼みたい」「継続して管理を相談したい」と、依頼の目的で選べるようにします。
植木の販売や配達まで扱う会社は、それらを無理に三分類へ押し込みません。樹種や販売・施工の対応範囲を広く整理する考え方は、植木・造園業のホームページで伝える情報でも扱っています。本稿では、その中の手入れ・継続管理・庭づくりの受付経路を具体化します。
三つの入口と、到着ページの説明をそろえる
ここでは、単発の手入れ、年間管理、庭の新設・改修を受ける架空の造園会社を例にします。次の表は画面を設計するための例であり、どの会社にも同じサービスを用意することを勧めるものではありません。
| 入口に使う言葉 | 到着先で先に伝えること | 初回に確認する内容 | 受付に残す区分 |
|---|---|---|---|
| 今回の手入れを頼みたい | 単発で受ける作業と対象範囲 | 困っている場所・希望する作業 | 単発の手入れ |
| 継続して庭を管理してほしい | 管理の対象・含む作業・別相談 | 管理したい庭と現在の困りごと | 継続管理の新規相談 |
| 庭をつくる・つくり直す | 新設と改修の対応範囲 | 新設か改修か・変えたい使い方 | 庭づくりの相談 |
カードやボタンの見出しと、押した先のページ見出しは対応させます。「継続して庭を管理してほしい」から進んだのに、突然「外構プラン」と表示されると、選択が合っているか確かめにくくなります。正式なサービス名が別にある場合も、相談目的が分かる言葉を近くに添えてください。
到着先では、長い施工実績の前に、受ける内容と相談の進め方を置きます。年間管理なら、対象となる庭、含む作業、別途相談する作業、計画を確認する流れなど、自社が説明できる範囲を示します。契約条件が決まっていない段階で、訪問日や作業内容を確約する書き方は避けます。
写真も入口に合わせます。単発の手入れページが大規模な完成庭の写真だけだと、小さな依頼を受けるか伝わりません。実際の掲載許可と対応範囲を確認した事例を選び、何を頼まれた例なのか説明を添えます。写真の豪華さで受付区分を表す必要はありません。
各ページの相談ボタンには、「この内容で相談する」だけでなく、どの相談へ進むのか分かる名称を付けます。同じフォームを共用する場合でも、選んだ目的を持ち越せれば、入口を分けた意味が残ります。
三つの説明に共通する対応地域がある場合も、すべて同じ条件かを確認します。工事は受けられても、継続訪問は対象外となる地域があるなら、年間管理の案内で分かるようにします。地域の説明を一つのページへ集約する場合は、どのサービスの条件を見ているかが分かるリンク名にし、相談直前に探し直させない構成を考えます。
選んだ内容を、入力と受信まで引き継ぐ
相談フォームの最初には、現在選んでいる区分を表示します。単発のページから来た人には「今回の手入れ」、年間管理のページから来た人には「継続管理の新規相談」が選ばれている状態です。自動で設定するだけで隠さず、本人が確認して変更できるようにします。
検索からフォームへ直接来る人もいます。その場合は、どれかを勝手に決めず、目的を選べる入口をフォーム内にも用意します。ページを経由した人と直接来た人の両方が、何について相談しているか分かる構成が必要です。
氏名、連絡方法、相談する地域などの共通項目に続き、目的に応じた確認を置きます。単発なら気になる場所や作業、継続管理なら管理したい対象、庭づくりなら現在の庭の有無や変えたい使い方、といった分け方です。樹種や正確な寸法が分からない人にも、初回相談に必要な範囲で答えられるようにします。
途中で「単発」から「庭づくり」へ選び直したときの動きも決めます。不要になった項目を必須のまま残すと、利用者は関係のない回答を入れなければ送信できません。入力済みの文章を消す必要がある場合は、消えることを知らせるなど、再入力の負担を確かめます。
送信前の確認画面には、区分と相談内容を一緒に表示します。受付側に届く内容にも同じ区分を残し、担当者が本文から推測し直す状態を避けます。画面では「年間管理」を選べるのに、届くメールでは「お問い合わせ」としか分からないなら、その受信部分も改修対象です。
写真の添付は、相談内容の補足として位置付けます。撮ってほしい範囲や添付できない場合の連絡方法を、自社の受付に合わせて示してください。写真の有無だけで施工可否や正式な費用が確定するような説明にはせず、何を確認してから回答するかを案内します。
電話での受付も、ページと同じ区分で記録できるかを確かめます。フォームだけ目的を細かく分けても、電話の相談がすべて一つにまとまると、どの入口が分かりにくいのか比較できません。電話番号の近くには、その窓口で受ける相談を簡潔に示し、担当者が最初に確認する目的とそろえておきます。

複数の希望と「まだ分からない」を受け付ける
庭を改修する前に、まず伸びた枝を整えたい人もいます。三択を一つだけ選ばせ、ほかの希望を書けない構成では、相談内容が入口に合わせて削られてしまいます。
そのような場合は、主な相談を選び、ほかの希望を補足できるようにします。「庭づくりの相談」を主目的として、補足欄へ「工事前の手入れも相談したい」と書ければ、受付側は両方を含めて確認できます。複数選択にする場合も、最初に何を進めたいかを伝えられるか検討します。
依頼の種類を決められない人向けには、「内容を相談して決めたい」という選択肢を用意する方法があります。これを選ぶと何も入力できなくなるのではなく、今困っていることや希望を文章で送れるようにします。受付担当が聞き取る経路として扱い、どれかの工事へ自動的に振り分けません。
すでに年間管理を契約している人の連絡も区別します。新規相談のフォームで契約前の説明を最初から求めると、日程や管理内容の連絡が営業相談に混ざります。専用窓口があるなら分かる場所へ案内し、同じ窓口で受けるなら契約中の連絡だと識別できるようにします。
この区別は、フォームを何個も増やすことと同じではありません。受付側が必要な違いを判断でき、利用者が説明をやり直さずに済むなら、共通の窓口でも設計できます。独立させる範囲は、実際の担当と連絡方法から決めます。
受付状況が変わったとき、案内を同時に直す
年間管理の新規受付を止める場合、「年間管理は受付終了」とだけ書くと、契約中の人が連絡してよいか迷うことがあります。新規相談の停止と、既存契約への対応を分けて案内してください。単発の手入れや庭づくりを引き続き受けるなら、その状況も入口ごとに示します。
更新する場所はトップページだけではありません。サービス詳細、施工事例からの相談ボタン、フォームの選択肢、送信完了画面、自動返信まで確認します。受付を止めた区分が古い事例のリンクから選べてしまう状態も、見直す対象です。
返事の時期や再開予定は、自社で確定した内容だけを載せます。未定なのに具体的な日を補ったり、返信の約束を制作側で決めたりしません。誰が受付状況を確認し、誰が表示を変更するかも、公開前に決めておきます。
再開時には、停止の告知を消すだけでなく、選択肢や相談ボタンが戻っているかも確認します。変更箇所をページ名とともに残しておけば、次に受付状況が変わった際も同じ場所を点検できます。

架空の相談で、最後まで通して確かめる
公開前には、入口の見た目だけでなく、相談が届くところまで試します。「今回だけ手入れ」「継続管理を初めて相談」「庭の改修と事前の手入れ」「まだ種類を決められない」という例を用意し、どの区分と文章で受信するかを確かめます。実際のお客様の情報を使う必要はありません。
途中で区分を変える場合、フォームへ直接入る場合、受付停止中のページから進む場合も確認します。スマートフォンでは、選択した内容、補足説明、入力エラーが離れて見えないかも見ます。担当者に操作してもらい、届いた内容だけで次の確認に進めるかを聞くと、画面と受付のずれが見つかります。
改善後は、相談件数だけでなく、目的を聞き直した相談がどの入口から来たかを記録すると見直しに役立ちます。比較する場合は、対象期間と相談全体の件数、聞き直しに含める範囲をそろえます。件数が少ない時期の変化を、そのままサイト改修の効果とは決めつけません。
まずは混同が起きている一つの経路について、入口、説明、入力、受信内容を並べて確認してください。名称だけを変えるのか、個別の説明を足すのか、選択の引き継ぎまで直すのかが見えてきます。その範囲を決めてからほかのサービスへ広げると、受付の実態に合うサイトをつくりやすくなります。
庭の仕事と、相談の入口がつながるホームページへ
みやあじよでは、外構・造園会社の仕事の範囲を伺い、目的別のサービス案内、事例、相談窓口の見せ分けを制作します。単発の手入れと庭づくりが混ざるなど、いま受付で起きている場面から、ページと相談経路の見直しをご相談いただけます。
参考資料
- ダスキン|樹木の年間お手入れサービス:サービス内容と剪定の別見積を分けた案内。
- スペースガーデニング|植栽年間管理:年間プランの作業とオプションを分けた案内。
資料確認:2026年9月16日。表・図・相談例は架空の設計例です。作業範囲、受付条件、契約内容、担当者の対応は、自社の責任者が確認した内容を掲載してください。