会計事務所のホームページに「月額顧問」と料金が載っている。依頼を考える会社は、領収書を渡せば帳簿の入力まで任せられると思うかもしれません。ところが事務所が想定しているのは、依頼者が会計ソフトへ入力し、事務所が内容を確認して相談に応じる進め方だった。初回面談で分担が分かるより前に、サイトで頼める範囲と自社で行うことを確かめられるようにしたいところです。
この記事は、税理士・会計事務所の経営者、広報・Web担当者が、記帳代行と自計化支援の案内を同じ比較軸で掲載するための設計例です。事務所の税理士が確認したサービス資料と契約条件を原稿の正本にし、制作担当は見出し、表、料金へのリンク、相談フォームを組み立てます。以下の表と図は架空の事務所の編集台紙であり、実際の税務・会計業務、報酬、契約条件を示しません。記帳方法、会計処理、税務上の判断は扱いません。
業務名の前に、誰が入力するかを示す
「記帳支援」と一語で書くと、資料の受渡しだけを支えるのか、事務所が入力するのか、依頼者の入力結果を確認するのかが見えません。この記事では、説明を整理するために、事務所が確認済みの範囲で帳簿入力を引き受ける案を「記帳代行」、依頼者が入力し事務所が確認や支援をする案を「自計化支援」と呼び分けます。これは編集上の呼び方です。実際の提供内容、税理士業務との関係、契約で含む作業は各事務所の確認によります。
みやあじよの税理士・会計事務所向けホームページ制作は、顧問の仕事を資料の提出、記帳と確認、数字の報告、相談へ分け、事務所と依頼者の担当を示す構成を提案しています。記帳代行を含む場合は、その作業と提出資料を加える考え方です。本稿はその中から、代行と自計化支援を比べるページに絞り、訪問者が自社の作業と相談先を判断できる掲載案を作ります。
日本税理士会連合会は、税理士が税理士業務に付随して会計帳簿の記帳代行等を行うことを案内しています。同連合会の「税理士に相談する」ページは、依頼する範囲と報酬額について契約書を結ぶことを勧めています。Webの比較表は契約書の代わりではありません。事務所が実際に受ける仕事と報酬の条件を確認しないまま、制作側が「顧問料にすべて含む」と書かないための出発点にします。
代行・自計化を同じ項目で比べる
比較表は「事務所がすること」と「依頼者がすること」を横に並べます。片方だけ詳しく、もう片方を「お問い合わせください」で済ませると、何が違うか分かりません。下の例は作業の種類をそろえた編集台紙です。各欄には具体的な契約条件を入れず、事務所の確認担当が自社の資料から何を埋めるかを示しています。
表は左右にスクロールできます。
| 比較する項目 | 記帳代行の案内で確認すること | 自計化支援の案内で確認すること | 正本と確認担当 |
|---|---|---|---|
| 入力の担当 | 事務所が引き受ける入力範囲と前提 | 依頼者が入力する範囲と支援内容 | 契約書・業務責任者 |
| 資料の受渡し | 依頼者が用意する資料、方法、時点 | 入力に使う資料と共有方法 | 現行の受付案内 |
| 内容の確認 | 事務所が確認する範囲と返答方法 | 入力結果を確認する範囲と返答方法 | 担当税理士 |
| 報告・相談 | 数字の報告と面談の扱い | 数字の報告と面談の扱い | 顧問案内・担当税理士 |
| 料金・追加対応 | 含む作業、別途となる条件 | 含む支援、別途となる条件 | 報酬基準・責任者 |

ここで大切なのは、片方を「全部お任せ」、もう片方を「自分で全部」という極端な文にしないことです。記帳代行を依頼する場合でも、依頼者が資料をそろえたり質問に答えたりすることがあるでしょう。一方、自計化支援でも事務所がどの時点で何を確認するかは契約次第です。Webの例文に普遍的な分担を作らず、自社のサービスごとに「含む」「別途」「個別に確認」を埋めます。「個別に確認」は、確認先と相談時に伝える内容を添えて初めて役立ちます。
比較の各行には、仕事の有無だけでなく、その事務所で使う言葉を確かめます。「確認」と書いても、入力済みデータの点検、資料との照合、月次の報告では内容が違います。契約書や案内資料と同じ語を使い、必要なら短い説明を添えます。制作担当が業務の意味を推測して丸印を付ける方式は避け、税理士の確認が必要な欄は空欄で差し戻せる原稿にします。提供しない作業を「相談可」と広く見せるのも避け、実際に受けられる窓口だけを載せます。
専門用語の説明が長くなる場合は、比較表の近くに短い注記を置き、判断に必要な本文を先に読めるようにします。
国税庁の税理士制度の案内でも、会計帳簿の記帳代行は税理士等が行う業務の説明に登場します。ただしそれは、個々の顧問契約に必ず入力作業が含まれるという意味ではありません。サイトでは一般的な職業の説明と自事務所の提供範囲を混ぜないようにします。専門内容の最終確認は所属税理士と事務所の責任者が行い、Web担当者は承認された表現を利用します。
比較表を置くページと料金への道を決める
事務所サイトに「顧問」「記帳代行」「自計化支援」「料金」のページが別々にあるなら、読者がどこから入っても分担を見つけられるようにします。顧問ページには両方の選択肢と違いの要点を置き、詳しい比較表は一つの正本ページへまとめる方法があります。料金ページには、記帳の担当が報酬の前提に関わる場合、その条件と比較表へのリンクを近くに置きます。価格だけを見て入力作業まで含むと受け取られないよう、範囲の説明と切り離しません。
比較ページの上から、まず「誰が入力するか」、次に「双方が用意するもの」、続いて「確認と報告」、その後で「料金の前提」と「相談先」を並べると、読み手の疑問に沿った順番になります。長い専門用語の一覧から始めるより、依頼後の分担が先に見えます。図では資料の受渡しから報告までの流れを短く示し、詳しい条件は同じページの表で確認できるようにします。図だけでは費用や例外が伝わらないため、本文とリンクを組み合わせます。
料金を具体的に載せられない場合も、何によって見積もりが変わるかを事務所が確認した範囲で示します。業務量、資料の状態、利用ソフト、訪問や面談、過去分の整理などが自社の見積条件であるなら、その項目を挙げます。ただし、ここに並べたものを全事務所共通の料金条件とはしません。実際に使わない項目は掲載せず、表示する項目の説明を税理士と報酬の責任者が承認します。料金表、業務ページ、相談時の説明が違えば一緒に直します。
対応する会計ソフトを示す場合も、単にロゴを並べるだけでは、自計化で依頼者が入力できるのか、事務所側の確認に使えるだけなのか分かりません。ソフト名と、どの支援でどう使うかを分けます。利用者の権限設定、データ連携、別システムからの移行など、契約前に個別確認が必要なことは相談先へ案内します。特定ソフトの設定手順や会計処理の説明をこの比較ページへ持ち込まず、事務所が用意する案内へつなぎます。

相談フォームは「今の進め方」を聞く
比較表を読んだ人の状況は一つではありません。これから初めて記帳を任せたい人、社内で入力しているが確認方法を相談したい人、現在の事務所から切り替えたい人がいます。相談フォームでは、氏名と連絡先のほか、どの支援に関心があるか、現在は誰が入力しているか、相談したい範囲を、必要な分だけ尋ねます。「代行を希望」を選んだからといって、その時点で受任や料金を確定した表示にはしません。
選択肢には「まだ決めていない」「両方を比べたい」を用意するか検討します。サイトを読む前には違いが分からなかった人に、どちらかを必須で選ばせると、担当者が誤った前提で返答するかもしれません。自由記述欄に帳簿や税務資料を何でも添付させる前に、初回相談で必要な情報を事務所が決めます。機密性のある資料の受渡しは、事務所が確認した方法へ別に案内します。Web制作側が税務上の評価をフォームの選択だけで自動判定しません。
送信後の画面と返信メールには「記帳支援についての相談を受け付けた」と記し、相談内容を確認して返答することを伝えます。業務の開始や契約の成立と読める文言は避けます。代行型と自計化支援型で担当窓口が違うなら、通知先を分けるか、選択した相談内容が担当者に分かるようにします。利用者に表示する返答目安や必要な準備は、事務所が実際に守れる運用で確認します。
税理士の確認とWeb制作の確認を分ける
公開前に、現行の契約書、報酬基準、顧問案内、業務手順、相談でよく聞かれる質問を事務所から集めます。税理士は対応業務と説明の正確さを確認し、報酬の責任者は含む作業と追加費用の条件を確認します。Web担当者は、承認された内容が同じ比較軸で並び、料金とフォームにつながり、スマートフォンでも読めるかを確認します。確認欄に名前と日付を残し、後から文言を変えるときに誰へ戻すか決めます。
新規相談者向けの表示と、既存顧問先の契約内容も混同しないようにします。サイトの新しい案内が、過去に結んだ契約を自動的に変更するわけではありません。料金改定や提供範囲の変更がある場合、Webの公開日と各契約への適用時点を税理士・責任者が確認します。既存顧問先に必要な連絡を、一般向けページの更新だけで済ませないことです。Webでは現在相談できる条件を示し、個別の契約に関する質問は適切な担当窓口へ案内します。
受入確認では、二人の閲覧者を想定します。「入力を任せたい」と思っている人と、「自社入力を続けたい」と思っている人です。トップや検索から顧問ページへ入り、比較表、料金の前提、相談フォーム、送信後の案内を順にたどります。どちらにも必要な資料、事務所が担う範囲、相談できることが見えるか確かめます。表が小画面で読みにくければ、列を左右へ動かせる表示と、表の要点を本文でも説明する方法を用意します。
公開後に業務の範囲や料金条件が変わったら、比較表だけでなく顧問ページ、料金、フォームの選択肢、返信文面を一緒に直します。問い合わせで「顧問料に入力が入ると思った」という声が続くなら、料金の近くや最初の見出しで分担が読めるかを点検します。問い合わせの数だけで改善効果を決めず、相談時にどこを誤解したかを記録します。成果率や費用削減を実測していないなら、記事や事務所サイトに書きません。
近くにある税理士事務所のサイト記事は、相続相談と法人顧問の入口を分ける内容です。本稿は法人向け顧問の中でも、記帳入力を依頼するか自社で行うかを比べるページに限定します。みやあじよの税理士・会計事務所向けホームページ制作へ相談する際は、確認済みの業務範囲、報酬の条件、現在の顧問ページとフォームを共有すると、比較表から相談先まで改修範囲を決めやすくなります。
記帳の分担が伝わる業務ページへ
税理士・会計事務所向けホームページ制作では、事務所が確認した記帳代行と自計化支援の範囲を、比較表、料金、相談の入口へ整理できます。実際の契約条件と現行サイトをもとに、掲載する内容と確認方法をご相談ください。


