アパレルショップで、無地のシャツと無記名のメジャーを置いた採寸用の机

NOTES

アパレル・雑貨・宝飾小売のWebサイト:サイズ比較と採寸方法の商品案内

複数ブランドの衣服を扱う商品ページで、採寸位置・商品実寸・着用条件を対応させ、サイズ記号の違いを比較できるようにする方法。

チップス

複数ブランドの衣服を扱う小売サイトで、どの商品もサイズ欄が「S・M・L」だけになっている。同じMを選べば同じ大きさだと思った人が、着丈や身幅の違いを購入後に知るかもしれません。商品写真が豊富でも、どこを測った数値か、着用写真はどの条件で撮ったかが分からなければ、自分の服と比べる材料になりません。サイト担当者が最初に見直したいのは、サイズ記号の説明を長くすることではなく、測定位置・商品実寸・着用条件を同じ商品へ結びつける表示です。

この記事は、アパレル・雑貨・宝飾小売の経営者、商品担当者、EC・Web担当者が、自社の商品ページを改修するための設計です。シャツを例に、測る位置を示す図、サイズ別の実寸表、着用写真に添える条件をどう並べるかを考えます。以下の表と図は架空の商品の掲載設計例であり、実際のブランドの採寸値や適合を示しません。服のサイズ選びを利用者に代わって決める記事でもありません。自社商品の値と測り方は、商品担当者が現物と資料で確認します。

サイズ記号が同じでも、比較の前提は同じとは限らない

みやあじよのアパレル・雑貨・宝飾小売向けページは、衣服なら採寸と着用例、雑貨なら材質と使用場面、宝飾なら長さやサイズ調整の条件を組み合わせる案内を示しています。本稿はそのうち衣服を中心に、ブランドをまたいで寸法を読むときの画面と資料に範囲を絞ります。商品全般の登録仕様、在庫、価格、配送を網羅する記事ではありません。

ユニクロのサイズ確認案内は、同じS・M・Lの表記でも、デザインやコンセプトによって商品ごとの仕上がり寸法が異なると説明し、商品ページで仕上がり寸法とヌード寸法を確認できることを示しています。無印良品の婦人ウェア案内も、商品サイズと対応サイズを分け、トップスやボトムスの項目ごとに測り方を説明しています。これらは各社の商品に対する公式案内です。自社サイトへその数値や許容差を転用するのではなく、「サイズ記号」「商品を測った値」「身体の目安」の意味を分けて見せる理由を確かめる参考にします。

まず現行ページを一商品ずつ見ます。選択欄のMは販売するサイズ名か、比較用に付けた分類か。表の身幅は服を平置きした左右の幅か、周囲を表す値か。着丈はどこからどこまでか。着用写真に身長と着用サイズはあるか。これらの答えが異なる商品を一つの共通表へ並べると、数字が揃って見えても比較の基準がずれます。仕入れ先の表記を統一する前に、何を測った値かを確認します。

一つのシャツから、測定位置を図にする

商品ページの図には、購入者が自分の手持ちの服と比べやすい位置を選びます。架空のシャツなら、身幅と着丈を中心に、線の始点と終点を図へ入れます。ただし「身幅」「着丈」の意味は販売者の資料によって異なる可能性があります。ユニクロの商品サイズ・ヌード寸法の測り方では、身幅を脇の下の縫い目の左右幅、着丈を服の後ろ中心から裾までとして案内しています。無印良品の案内では、衣服の種類で着丈の測定位置が異なることも示しています。したがって、図の線と自社表の項目名を担当者が照合し、「他社も同じ名称だから同じ位置」と決めつけません。

図の近くには、衣服を置いた状態、単位、表示する値の種類を短く書きます。平置きの「幅」と周囲の寸法を同じ欄で混ぜないことです。身幅を幅で記録しているのに表だけ「胸囲」と書くと、買い手は数値を二倍にして読むべきか判断できません。自社で使う採寸基準を商品担当者が確定し、制作担当者は図の矢印、表の見出し、本文の説明を一致させます。縫製や素材による個体差、測定位置による違いをどのように注記するかも自社資料を見て決めます。

架空のシャツで身幅と着丈の測定位置を示し、商品実寸表と着用条件を別に確認する商品ページの図
架空のシャツの商品ページに置く採寸図の構成例です。実寸値と測定位置は販売する商品の現物と資料で確かめます。

図を全商品へ使い回す前に、襟、袖、裾、タック、伸縮などによって同じ測り方でよいか確認します。トップスとパンツでは必要な項目が違い、雑貨や宝飾には別の図が必要です。一枚の汎用図に無理に全寸法を重ねるより、品目別の図を用意し、商品ページから該当するものだけを呼び出す方が読みやすくなります。図はスマートフォンでも線と項目が読める大きさにし、文字情報は表と本文にも残します。

商品実寸と着用条件を別の行に置く

商品実寸は商品そのものの値です。着用条件は、写真の人が何をどう着ているかの説明です。二つを混ぜて「モデル身長が近いからMで合う」と断定すると、体形、好み、重ね着、生地やデザインによる違いを隠してしまいます。着用写真は形をイメージする手がかりにし、商品実寸は比較できる数値として示します。サイズ表のそばに着用者の身長、着用サイズ、写真で重ね着しているかなど、自社が確認できる条件を添えます。

次の表は、架空のシャツの商品ページを改修するときの掲載欄の設計表です。値を作り込んだ見本ではありません。実際の表へ入力する数値は現物と商品資料から確定します。サイズが複数ある場合、各サイズについて同じ測定位置・単位で埋め、測っていない欄を近い商品の数字で補いません。

商品ページの欄 公開する内容の例 元にする確認資料 比較前の確認
販売サイズ 商品に付くサイズ名と選択肢 商品台帳、仕入れ先の表記、販売設定 同じ記号でも商品別に寸法を確認
採寸図 身幅・着丈の始点と終点、置いた状態 現物、採寸手順、担当者の確認 図の線と表の項目名が一致するか
商品実寸表 サイズ別の測定値と単位 現物の測定記録、仕様資料 幅と周囲、cmとmmを混同しないか
着用写真 着用サイズ、身長など確認済みの条件 撮影記録、掲載許可 写真と販売商品の型・色・仕様が同じか
補足と次の行動 個体差の説明、比較方法、店舗相談の入口 商品担当者の説明、販売条件 適合の保証や一律の交換条件にしないか

「比較前の確認」は、購入者への注意書きを増やすだけの列ではありません。商品担当者と制作担当者が、各欄の数字や写真を公開できるか確かめる作業です。確認済みの商品から順に掲載し、未測定の商品は空欄の意味が分かるように扱います。「全商品共通のサイズ表」とだけ表示し、商品別の値が未確認であることを隠さないようにします。

ブランドをまたぐ一覧では、比較できるものを選ぶ

複数ブランドを扱う場合、商品一覧にすべての寸法を詰め込む必要はありません。まず商品詳細で測定位置と実寸を読めるようにし、一覧には比較の入口を置きます。たとえば、同じ種類のシャツを比べるときに「着丈・身幅の表を見る」というリンクを各カードから開けるようにします。ブランドAとBの数値を横並びにする機能を作るなら、二つの表が同じ測定位置、単位、値の種類を使っているかを先に確認します。比較できない項目には注記を置くか、機械的な横並びの対象から外します。

「M」をサイト内の検索・絞り込みで共通化しても、Mの実寸まで共通とはなりません。みやあじよのEC商品登録データの記事は、サイズなどの選択値と商品固有の数値を区別し、登録する項目・単位・確認者を決める話です。本稿は登録仕様を繰り返さず、その情報が商品詳細と比較画面でどのように見えるかを扱います。販売サイズ名を検索に使う場合も、詳細画面にはその商品の採寸表への案内を残します。

サイズ比較表を設計するときは、左右の列だけを見て決めず、下の説明まで読んでから行動できるようにします。スマートフォンで表が横に長いなら、横スクロールできることを示し、最初の列に商品名やサイズ名が分かるようにします。図を画像だけで載せると読み上げや拡大で意味が失われるため、図の下に「身幅はここ、着丈はここ」と同じ情報を文字でも置きます。仕組みが複雑になる前に、少数の商品で実際の販売画面とカートのサイズ選択を通して確認します。

着用写真は、見せる形と販売する仕様を照合する

着用例には、購入前に形や丈を考える役割があります。しかし、写真に写る人の身長だけでは商品の実寸を置き換えられません。写真ごとに着用サイズ、撮影した商品の型、丈の調整、重ね着や靴など見え方に関わる条件を、掲載できる範囲で記録します。撮影に使った試作品と販売品で仕様が変わった場合は、写真をそのまま流用してよいか商品担当者が確認します。説明用の写真を、全ての着用者に同じ見え方になる保証として扱わないことです。

前、後ろ、横の写真を増やすかは、商品と問い合わせ内容に合わせます。たとえば丈の質問が多いなら、全体の前後と裾位置が見える写真に重点を置きます。形の違いを伝えるための接写と、素材感を伝える接写は目的が違うので、同じサムネイルに混ぜず写真説明へ役割を添えます。モデルの個人情報や撮影条件をどこまで出せるかも事業者の許可を確認します。着用条件は多いほどよいのではなく、購入者が写真と実寸を結びつけるために必要な項目から選びます。

アパレルショップで、成人スタッフが無地のシャツを平置きし採寸位置を確認する手元

衣服以外は、同じテンプレートへ押し込まない

小売サイトには、衣服だけでなくバッグ、器、アクセサリーなども並びます。衣服の身幅・着丈という項目を全商品へ作ると、関係のない空欄が目立ちます。バッグなら本体の幅・高さ・奥行き、持ち手を含むか、収納例に何を使ったか。器なら外寸と容量、置いたときの大きさ。宝飾なら長さ、幅、調整の範囲など、自社商品を選ぶために必要な項目を商品担当者が決めます。ここでも「何を測ったか」と「使用・着用写真の条件」を分ける考え方は共通です。

サイズ調整、名入れ、返品・交換は、商品ページの寸法と関係していても別の条件です。たとえば指輪のサイズ調整可否を、号数の表だけから推測させず、対象商品、手続、費用、期間を事業者が確定した範囲で案内します。衣服でも、サイズ違いの交換条件を採寸図の小さな注記に隠さず、購入ガイドの該当箇所へつなぎます。Web担当者は商品の適合、加工可否、交換可否を決めず、担当者が確定した条件が選択画面から読めるようにします。

改修依頼は、実商品の資料と画面を一緒に渡す

制作会社へ渡すものは、汎用的なサイズ表の希望だけでは足りません。改修する商品を数点選び、現行の商品ページ、現物または仕様資料、採寸手順、撮影記録、購入時によく受ける質問を並べます。商品ごとに「選択欄の記号」「図の測定位置」「実寸値」「着用写真の条件」「更新担当」を記録すると、原稿で直せること、画像が必要なこと、商品データや画面の変更が必要なことを分けられます。表の数値を制作担当者が推測して埋めることはありません。

公開前には、図、表、写真、サイズ選択欄が同じ商品を指しているか確認します。色違いやサイズ違いで写真を切り替える場合は、その写真に付く着用サイズの表示も連動するか確かめます。商品改訂や再入荷で仕様が変わったときに、古い実寸表が残らないよう更新先を決めます。比較対象を増やすのは、測定基準が揃った商品からです。少数商品の実機確認で表の読みやすさを確かめてから、対象を広げます。

サイズ案内の目的は、全員に合う一着をサイトが断定することではありません。買い手がサイズ記号の先にある実寸を読み、写真の条件を理解し、自分の手持ちの品と比べられるようにすることです。まず現在もっとも質問が集まる一品を選び、測定位置と商品実寸の対応から直してみてください。その一品が、他の商品ページに何をそろえるかを決める基準になります。

サイズ表を、比べて選べる商品案内へ

商品資料と現在の販売画面を並べ、測定位置、実寸、着用条件が同じ商品に結びついているか確かめてみましょう。みやあじよは店頭での説明と商品資料をもとに、品目ごとの採寸図、サイズ表、着用写真、比較と購入への導線を整理します。アパレル・雑貨・宝飾小売向けホームページ制作を見る

参考にした公開情報

本文の図と表はWeb掲載を考えるための架空例です。対象店舗の商品実寸、採寸基準、着用写真、返品条件、販売実績は確認していません。