医師紹介には長い経歴と資格の一覧があるのに、現在どの診療を担当し、いつ勤務するのかが分からない。担当表を更新しても、プロフィールには以前の役職が残っている。こうした状態を直すには、文章を短くする前に、情報ごとの確認元をそろえる必要があります。
クリニックの医師紹介は、過去の経歴、確認した資格、現在の院内での役割を分けて整理しましょう。そのうえで、診療案内や担当医表へ進めるようにします。この記事では、院長やWeb担当者が掲載項目と確認担当を決めるための表を示します。医師の能力や個々の資格の広告可否を判定するものではありません。
経歴の一覧と、現在の担当を分けて見せる
医師を紹介する資料には、履歴書、過去の医院サイト、学会向けの略歴、院内の担当表などがあります。いずれも同じ人物の情報ですが、作成時点と用途は異なります。古い略歴にある所属を現在の勤務先として載せたり、以前担当した診療を今も行っているように見せたりしないよう、最初に情報を分けます。
読者が現在の担当を探せる配置を考えると、冒頭には氏名、自院での役職、院内で確認した担当内容を置き、経歴や資格は見出しを分けて続ける方法があります。順番は医院の紹介方針に合わせられますが、長い挨拶文や経歴を読み終えないと担当内容へ到達できない構成は見直す余地があります。
ここでいう担当内容は、本人が過去に学んだ領域や経験した業務のすべてではありません。自院で現在どの案内につなげられるのかを、診療責任者に確認した情報です。資格の名称からWeb担当が診療対象を推測して書き足すのではなく、診療案内の掲載内容と照合して決めましょう。
経歴は、過去の勤務と現在の所属が分かる表記に整えます。年だけで始まりと終わりが曖昧な箇所や、「現在に至る」が残る箇所は、本人へ確認する候補です。医療機関名が変わっている場合も、当時の名称をどう示すかを確認し、制作担当の判断で現在名へ一括置換しないようにします。
複数の医師を一つのページに載せる場合は、同じ見出し構成を基本にすると探しやすくなります。ただし、欄をそろえるために確認できない経歴や資格を補ってはいけません。医師ごとに公開する情報の量が違っていても、現在の担当と詳細案内への入口が分かる構成を優先します。
掲載確認表で、資料と院内の確認者を結び付ける
原稿を集めるときは、「医師紹介の文章をください」と一括で依頼するより、何の事実を確認したいかを項目に分けると進めやすくなります。以下は、複数の医師が診療する架空のクリニックを想定した確認表です。実在の医師の経歴や資格を示す表ではなく、院内で資料を集めるための設計例です。
| 掲載項目 | 確認する資料の例 | 確認内容と担当の例 |
|---|---|---|
| 氏名・自院の役職 | 本人が確認した表記、院内の現行体制 | 氏名の文字と現在の役職を本人・院内責任者が確認 |
| 経歴 | 本人の履歴資料、掲載用に確認した略歴 | 年月・所属・過去と現在の区別を本人が確認 |
| 資格 | 認定内容が分かる資料、認定団体の案内 | 正式名称・認定団体・現在の状態と掲載表現を確認 |
| 担当診療 | 現行の診療案内、院内で承認した担当内容 | 自院で案内する範囲を診療責任者が確認 |
| 勤務・担当日 | 現行の担当医表、変更の院内連絡 | 適用時期と例外の案内先を受付・院内責任者が確認 |
この表は、患者さんにそのまま見せる一覧ではありません。公開原稿を作るための院内用資料です。根拠となる書類そのものをWebに公開する必要がある、という意味でもありません。確認した事実と掲載文を対応させ、必要以上に私的な情報を公開しない形で運用します。
資料が届いたら、受け取った日と、その資料がいつの情報かを分けて記録します。今日送られてきた略歴でも、内容は数年前のままかもしれません。掲載文の横に「本人確認済み」「担当表の反映待ち」など、何の確認が終わったかを残すと、受領しただけの情報を承認済みと取り違えにくくなります。
確認者は、すべて院長一人に集める必要はありません。経歴の年月は本人、担当表は受付や事務、診療内容は医療責任者など、情報を持つ人から確認を集め、最終的な公開承認の担当を決めます。小規模な医院で同じ人が兼ねる場合も、どの確認を行ったかは分けて残しましょう。
修正が戻った際は、変わった箇所を示して再確認します。例えば経歴の年だけが直されたのか、現在の所属や役職も変わったのかによって、反映先が違います。「最新版」というファイル名だけに頼らず、医師ごとに採用する原稿と確認日を特定できる状態にします。

資格の取得事実と、掲載する表現を分けて確認する
資格の資料を確認できたことと、そのままの表現でWebに掲載できることは、別の確認です。資格名の一覧を受け取ったら、認定団体、正式名称、現在の認定状況を確かめ、掲載候補の文章を作ります。古いページに載っているという理由だけで、現在の状態や掲載表現まで確認済みにしないようにします。
厚生労働省の医療広告等ガイドラインは、医療従事者の略歴と専門性に関する認定を分けて扱い、認定団体の明記などを示しています。第6版の事例解説書にも、団体名や資格名が欠けた表示の例があります。文字数を減らすためにWeb担当が名称の一部を省略すると、確認した意味が変わる可能性があります。医療広告等ガイドライン 第6版事例解説書
スマートフォンで長い資格名が収まらない場合は、先に改行や文字の配置を調整します。省略形を大きく置いて正式名称を小さな注記へ追いやる方法では、読者が主に目にする表現が変わってしまいます。資格を画像内に入れる場合も、本文と同じ確認済み表記が保たれているかを確認してください。
所属学会、専門性の資格、学位、院内の役職を一つの「資格」欄にまとめると、それぞれの意味が曖昧になります。本人や医療責任者に区分を確認し、見出しを分けて掲載する案を検討します。学会名が記載された資料から、制作担当が認定資格の保有を推測してはいけません。
確認表には、取得事実の確認と、公開する文面の確認を別に残します。例えば、資料は届いているものの掲載方法を検討中の項目なら、原稿上でもその状態が分かるようにします。期限がある認定については、次に状態を確かめる時期を院内で決め、過去の認定を現在の資格のように残さない運用につなげます。
個々の資格の扱いや掲載条件は、認定団体や広告の内容などに応じた確認が必要です。本記事の表を埋めたことで適法性まで確定するわけではありません。公開前には院内責任者が厚生労働省の現行資料と照合し、判断が必要な事項は所管自治体の窓口等へ確認する流れを用意します。制作側は、確認対象の掲載文と画面を具体的に提示する役割を担います。
医師紹介から、現行の診療案内と担当医表へつなぐ
人物の紹介を読んだ後に「自院では何を担当するのか」「担当日はどこで確認するのか」が分かるようにします。医師紹介の中へ診療案内全体を複製するより、短い担当内容と、対応する診療案内へのリンクを置く方法があります。リンク名は「詳しくはこちら」だけでなく、移動先の内容が分かる言葉にします。
のぞみクリニックの医師紹介ページには、適用年月を付けた担当医表と、担当医が変更になる場合の注記があり、その後に医師の経歴などが掲載されています。人物の説明と現在の予定を同じ流れで探せる配置の参考になります。ここでは掲載構成を参照しており、同院の個別の資格や診療内容を別の医院へ転用するものではありません。のぞみクリニックの医師紹介
担当日の情報を複数箇所に表示する場合は、どの表を更新元にするかを決めます。紹介ページには毎週の曜日だけを書き、別の担当表には隔週の条件があるといった違いが生じないようにします。紹介文で曜日を繰り返さず、現行の担当表へ案内する構成も選べます。
非常勤の医師を紹介するときも、紹介が載っていることで常時勤務するように受け取られない案内が必要です。勤務形態や担当日時の示し方を院内で確認し、臨時変更の案内と合わせて読める位置に置きます。ガイドラインでも非常勤の表示に関する取扱いが示されているため、写真の大きさや掲載順だけで現在の勤務状況を伝えようとしないことが大切です。
予約へのボタンは、実際の受付方法とそろえます。医師ごとの予約を受け付けていない医院で、紹介の下に「この医師を予約する」と置くと、医師を指定できるように見えます。「診療の予約方法を確認する」など、移動先でできることに合う文言を選び、受付担当にも遷移先を確認してもらいます。
写真と挨拶文でも、確認した事実の意味を変えない
人物写真を使う場合は、氏名との組み合わせ、掲載する範囲、使用する写真を本人と確認します。複数の医師が並ぶ一覧では、写真だけが差し替わり氏名が以前のまま残ることも確認対象になります。スマートフォンで縦に並んだ際にも、どの写真とプロフィールが対応するかを確かめましょう。
生成した人物を実在の医師の顔写真の代わりに使うことは避けます。写真の用意がない段階なら、氏名と確認済み情報を通常の文字で掲載する構成を検討できます。装飾用のイメージと人物紹介の写真は役割が違うため、誰を示す画像なのかが曖昧にならない配置にします。
挨拶文では、本人が診療で大切にしていることを聞き、確認した内容を文章にします。制作側が読みやすさを求めて、経歴にない経験や効果を期待させる説明を足さないようにします。本人の言葉を整えた後も、取材メモではなく、実際に掲載する文章で意味が変わっていないかを確認します。
一覧用の短い紹介文も、詳細ページとは別に点検が必要です。長文では条件を説明していても、抜粋で条件が消えると、違う意味になることがあります。プロフィールの冒頭文、検索向けの説明文、写真の説明など、読者が単独で目にする文章をまとめて確認しましょう。
読みやすい表示にする際は、氏名、役職、見出し、経歴の年月、リンクを通常の文字で扱うと、修正箇所を追いやすくなります。資格一覧を一枚の画像へ埋め込むと、名称の修正時に画像の作り直しも必要です。デザインを決める段階で、院内の誰がどこまで更新するかも制作担当へ伝えておきます。

異動や担当変更の際に、関連する表示を一緒に直す
医師紹介の更新は、経歴が一行増えたときだけではありません。役職の変更、資格の更新、勤務形態の変更、担当診療の変更、退職などによって見直す箇所が生まれます。どの情報が変わったら誰がWeb担当へ連絡するかを、院内の確認表に添えておきましょう。
変更連絡では、対象の医師、変更する事実、反映する日、確認済みの文面をそろえます。将来の就任予定を今の役職として先に出したり、担当開始前から通常の担当表に混ぜたりしないよう、予定と現行の状態を分けます。開始日を伴う案内は、日付が過ぎた後にどの表示へ変えるかまで決めておきます。
変更箇所はプロフィールだけでなく、トップページの紹介、診療ページの担当者欄、担当医表、予約案内にも及ぶ場合があります。医師ごとに掲載先を控えておくと、同じ氏名を手掛かりに見直せます。退職時も、単に紹介を消すだけでなく、現在の診療体制や問い合わせ先へ矛盾なくつながるかを確認します。
反映後は、確認した原稿と実際の画面を照合します。正式名称が改行の都合で欠けていないか、担当表へのリンクが古いページへ向かっていないか、短い紹介文だけが前の役職になっていないかを見ます。院内で確認済みという記録があっても、その版が画面に反映されたかは別に確かめます。
医師紹介を整える第一歩は、情報を増やすことより、経歴・資格・現在の担当について確認先を明らかにすることです。一人分の掲載確認表を作り、プロフィールと診療案内、担当医表を照合してみてください。確認した事実を、必要な案内へ進める順序で掲載することが、更新を続けられる医師紹介につながります。
クリニックの医師紹介を見直したい方へ
経歴・資格・担当診療の原稿整理や、担当医表・診療案内へのリンクを自院サイトに合わせて整えたい場合は、みやあじよへご相談ください。院内で確認する情報と制作側が整える範囲を分け、公開後の更新も含めてページ構成を検討します。
参考にした公開情報
- 厚生労働省「医療広告等ガイドライン」令和8年3月30日最終改正・冊子21〜22頁
- 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」第6版・35、37頁
- のぞみクリニック「医師紹介」
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
2026年9月17日確認。資料の該当箇所と公開ページの構成を参照しています。個別の資格・医療表現の掲載可否は、院内責任者が現行資料と対象の表示を照合して確認してください。


