SEO対策を継続するなら、毎月の確認で「今月は何を直すか、何を観察するか」を決めます。順位やアクセスを並べるだけでなく、集計条件と計測の変化を確認し、検索、サイト内の行動、実際の相談を分けて読むことが出発点です。
見る数字はサイトの目的によって変わります。「必ず4項目で十分」「2か月下がったら外注」と一律には決められません。この記事では、問い合わせを受ける企業サイトを例に、毎月の点検を具体的な改善と担当者の作業へつなげる方法を紹介します。

数字を見る前に、比較条件と変更日を確認する
最初に、集計期間、対象ページ、検索や流入の種類、成果として数える行動を確認します。前回と条件が違うと、施策の影響と集計方法の影響を区別できません。
月ごとの報告では、日数や休日の違いも意識します。28日ずつの比較は曜日の偏りを減らす一つの方法ですが、季節性や祝日、営業日数までは同じになりません。繁忙期がある事業では、利用できる前年の同時期や、より長い推移も合わせて読みます。
次の変更があれば、日付を記録してください。
- 本文、タイトル、内部リンク、フォーム、URLを変更した日。
- GA4のタグやキーイベント、同意設定、除外条件を変更した日。
- 営業日、提供範囲、料金、広告、受付体制が変わった日。
計測できていない期間を「成果ゼロ」として比較しません。取得できないデータは未確認とし、確認する担当者を決めます。直近の暫定値を含む場合も、確定した数字と区別して残します。
検索、サイト内行動、実際の相談を別々に読む
毎月の基本記録は、次のように取得元と意味を分けます。細かな数値を増やす前に、同じ項目を同じ定義で確認できる状態を整えてください。
| 確認する場所 | 見る内容 |
|---|---|
| Search Console | 対象ページの表示回数、クリック、CTR、平均掲載順位と、表示されたクエリ |
| GA4の流入記録 | 自然検索から始まったセッションと、重要ページの動き。全流入や新規ユーザーの記録と混ぜない |
| GA4の行動記録 | 相談ボタン、フォーム遷移、送信成功など、定義して計測した行動 |
| 問い合わせ台帳 | 実際に受信した相談、対応条件に合う相談、商談や受注の状況 |
Googleの検索パフォーマンスの説明では、クリック数はGoogle検索の結果からクリックされた回数です。GA4のトラフィック獲得レポートは、セッションに関連するアクセス元を確認する仕組みです。クリック、セッション、ユーザーは同じ単位ではありません。
異なるツールの数字を並べただけでは、同じ人が検索から問い合わせまで進んだとは確認できません。 自然検索のセッションを見る場合は、セッションのデフォルトチャネルグループでOrganic Searchを選ぶなど、どの条件で集計したかを記録します。Googleだけを見るのか、自然検索全体を見るのかも固定してください。
GA4のキーイベントは、重要だと指定した行動の記録です。相談ボタンのクリックを成果にしているサイトと、送信成功を成果にしているサイトでは意味が違います。受信や受注は業務記録で別に確認します。件数の漏れや重複が疑われる場合は、GA4のキーイベント設計と照合方法を参照してください。
変化の大きいページを選び、検索語と本文を照合する
サイト全体の増減を確認した後は、事業上重要なページや、変化の大きいページを選びます。読みものの記事が伸びても、依頼の条件を示すサービスページが弱くなっている場合があります。
Search Consoleでは、検索タイプと期間をそろえ、ページ、クエリ、国、デバイスを分けて確認します。会社名での検索と、サービスを探す検索も、分けられる範囲で見ます。平均掲載順位は、すべての検索で固定された順位ではありません。検索語の構成が変われば、全体の平均も変わります。
| 観察した変化 | 次に確かめること |
|---|---|
| 表示もクリックも減少 | どのページ・検索語で減ったか。季節性、公開状態、技術的な問題、変更履歴を確認する |
| 表示は保たれ、クリックが減少 | 同じ検索語と端末でCTRや順位を確認。実際の検索結果と、本文が答える内容を読む |
| 検索のクリックは増加、相談は横ばい | 調べものの流入か、依頼先探しの流入か。条件説明、相談経路、受信記録を確認する |
| GA4の成果だけ急変 | イベント定義やタグ、フォームの変更、重複・漏れを先に点検する |
これは原因を確定する表ではありません。たとえばクリック減少には、検索需要や結果の見え方の変化も関わります。Googleの検索トラフィック減少の調査ガイドも、複数の原因と、ページ・クエリ・期間ごとの確認を案内しています。
架空例:クリックが増えても、相談内容まで確認する
企業向けの弁当配達会社が、前の28日間と次の28日間を比べたとします。以下はすべて説明用の仮の数字で、実在企業の実績ではありません。各記録では前後の集計条件をそろえています。
- Google検索のクリックは、120回から150回へ増加。
- GA4の自然検索セッションは、80から92へ増加。
- 業務台帳にある実受信の見積相談は、5件から4件。
- そのうち対応条件に合う相談は、3件から2件。

この数字だけで、SEOの成功とも失敗とも決められません。受信した4件の内容を営業担当者と確認すると、2件は配達対象外の地域からの相談でした。さらにサービスページを読むと、配達範囲の案内が相談ボタンより後にあり、確認しにくい状態だったとします。
そこで今月は、社内で確認した配達範囲と、範囲外の場合の確認方法を、検討する人が見つけやすい位置に掲載します。次回は、そのページの検索の動きに加え、対象外の相談と条件に合う相談の件数・内容を確認します。
対象外の相談がどの流入から来たか確認できなければ、「SEOが原因」とは記録しません。3件から2件という少ない相談の上下だけで、改善効果を結論づけることも避けます。数字、問い合わせ内容、本文で確認した事実を合わせて、改善の仮説を作る例です。

直す、観察を続ける、調査を依頼するを選ぶ
フォームが送れない、重要ページが開かない、誤った料金や提供範囲を掲載しているなど、利用者への不具合が確認できた場合は修正を優先します。月次の報告日まで待つ必要はありません。修正後は、関係する表示や送信・受信を確認します。
一方、小幅の順位変動や少数の相談の上下だけで、説明内容が適切なページを大きく変える必要はありません。変更したばかりでデータが少ない場合は、観察を続ける理由、次の確認日、判断する条件を残します。「様子を見る」で止めず、何が分かれば次に進むかを決めてください。
複数の重要ページが急に落ちた、登録状態や計測の異常を説明できない、修正方法が分からない場合は、記録を添えて技術・分析の担当者へ調査を依頼します。「何か月下がったか」だけで相談を決めず、影響範囲と不明点で判断します。
月次メモは、担当と次回確認まで残す
確認の最後に、目的、比較条件、観察した事実、まだ分からない原因、今月の対応、担当者、次回の確認を一枚にまとめます。実行できる作業に絞り、他の施策を同時に重ねた場合は変更履歴を残します。
架空例なら、「配達範囲が分かりにくいことを本文で確認。運営担当が範囲を確定し、Web担当が掲載位置を修正。公開後にスマートフォン表示を確認し、次の月次点検で相談内容を照合」と書けます。これは作業計画であり、問い合わせ増加の約束ではありません。
費用の継続判断には、数字に加えて、合意した調査・制作・実装が実施されたかと、次の判断に必要な材料がそろったかを見ます。経営層への報告にまとめる場合は、Web施策の経営報告レポートの作り方で、判断を求める事項まで整理できます。
まだSEOの対象ページや相談の目的が決まっていない場合は、中小企業のSEO対策を始める手順から整理してください。継続中の数字と改善の関係を確認したい場合は、みやあじよのSEO対策・改善支援で、調査から公開後確認までの対応範囲をご覧いただけます。


