アプリの種類
アプリは様々な種類がありますが、プログラミング言語で開発できるアプリの種類は大きく次の3つに分類されます。
- ハイブリッドアプリ
- スマホアプリ
- ウェブアプリ
ハイブリッドアプリとは、スマホアプリとウェブアプリ両方の特徴を兼ね備えたアプリです。GoogleマップやGmail、Amazonといったブラウザとアプリ両方で使用できるものはハイブリッドアプリといわれています。
スマホアプリとウェブアプリの詳細については後ほど詳しく解説していきます。
スマホアプリとウェブアプリどちらを開発すべき?
どちらを開発すべきなのかは、何を重視するのかによって変わります。例えば、需要を重視するのであれば、スマホアプリを開発すべきです。総務省が発表した「令和4年版 情報通信白書」によれば、2021年のスマホの世帯保有率は88.6%です。
パソコンの世帯保有率は69.8%であるため、スマホ保有率の方が約20%上回っています。アプリを開くだけですぐにサービスを利用できる手軽さもあるため、需要を重視するのであれば、スマホアプリを開発することをおすすめします。
一方、開発のしやすさを重視するのであれば、ウェブアプリを開発すべきです。ウェブアプリはOSの違いを意識せずに開発できる他、ウェブアプリに使用されるプログラミング言語はスマホで使用されるものよりも学びやすいといった特徴があります。
以上の点から、開発のしやすさを求めるのであれば、ウェブアプリの開発をおすすめします。
スマホアプリとは?
スマホアプリとは、スマホやタブレットにアプリをインストールし、端末上のみで起動・使用できるアプリのことです。スマホアプリの中には、インターネットの接続が不要なアプリもあります。
インターネット接続が不要なアプリの場合、オフラインの環境下でも利用可能です。1度端末にインストールしていれば、使用環境を気にせず手軽に利用できるのがスマホアプリの魅力です。
スマホアプリの3つのメリット
スマホアプリのメリットとして次の3つが挙げられます。
- スムーズなコミュニケーションが可能
- 通知でユーザーにアプローチできる
- ウェブより動作が速い
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.スムーズなコミュニケーションが可能
LINEやInstagram、TwitterなどのSNSアプリにはチャット機能が必須ですが、スマホアプリとチャット機能は非常に相性が良いです。
PUSH通知やリアルタイム機能による既読表示、いいねといったリアクション機能を追加すれば、スムーズなやり取りが可能となる他、ユーザー同士のコミュニケーションを活性化させられます。
2.通知でユーザーにアプローチできる
スマホアプリに組み込めるPUSH通知はユーザー同士のコミュニケーションを活性化させるだけでなく、ユーザーへの情報訴求にも寄与できます。例えば、通販アプリの場合、新商品やタイムセールといった情報をPUSU通知で送ることで、ユーザーの行動を促すことが可能です。
ユーザーの4割がPUSH通知をきっかけに行動するともいわれています。スマホアプリであれば、ユーザーに対して効果的にアプローチが行えるでしょう。
3.ウェブより動作が速い
ウェブアプリはページ表示に時間がかかる他、ページ移動するたびに通信が発生するため、通信状況によっては動作が遅い可能性もあります。
しかし、スマホアプリであれば、必要なタイミングに必要なデータを読み込むだけのため、ウェブアプリよりも動作が早いです。また、あらかじめ、データや画像をアプリに埋め込んでおけば、通信をせずにデータを表示できます。
スマホアプリの3つのデメリット
スマホアプリのデメリットとして次の3つが挙げられます。
- 開発の手間がかかる・コストが高い
- ダウンロードする必要がある
- 更新が必要
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.開発の手間がかかる・コストが高い
スマホアプリはiOSやAndroidなど、各OSの規格に沿って開発せねばならず、OSに合わせて開発環境やプログラミング言語を使い分けることが多いです。そのため、開発しづらいといったデメリットがあります。
また、スマホアプリはウェブアプリと比べて制作コストがかかります。iPhoneとAndroid両方のアプリを開発しようとすると制作コストは高額になりがちなため、開発予算はある程度余裕を持っておかなければなりません。
2.ダウンロードする必要がある
スマホアプリの最大のデメリットは、ユーザーにダウンロードしてもらわなければならないことです。しかし、アプリをアプリストアで公開しただけではダウンロードされません。
そのため、アプリストア検索最適化などを行い、ユーザーにダウンロードしてもらうためのマーケティングを実施していかなければなりません。
3.更新が必要
アプリ内のコンテンツが変わっていない場合、ユーザーは飽きてしまうため、アプリの形骸化やアンインストールにつながってしまいます。ユーザーに興味を持ってもらいアプリを開いてもらうためには、頻繁にアプリのコンテンツを更新していく必要があります。
そのため、継続的にコンテンツを規格・更新するための体制を整備しておかなければなりません。
スマホアプリ開発の流れ
スマホアプリ開発の流れは次のとおりです。
- 目的・ターゲット・競合状況を踏まえて企画を立案する
- 開発を外部に依頼する場合は開発会社選びと見積もりの依頼・検討を行う
- アプリの要件を定義する
- アプリの基本設計を行う
- アプリを開発する
- 正しく動作するかテストを行う
- アプリストアに公開申請を行い審査が通ればアプリストアで公開される
- アプリの保守・運用を行う(必要に応じて機能追加などのアップデートも実施)
上記の流れを踏まえたうえで、スマホアプリを開発するかどうか検討する必要があります。
スマホアプリ開発に必須のプログラミング言語
スマホアプリ開発に必須のプログラミング言語は次の3つです。
- Kotlin
- Java
- Swift
KotlinはAndroidアプリに使用されているプログラミング言語です。Javaと互換性があり、Javaよりも完結にコードが書ける他、UberやLINEなどのアプリに使用されているといった特徴があります。
2011年頃に発表されたプログラミング言語で、2017年にAndroid公式の開発言語に使用された事で、知名度が上がりました。
日本での需要はまだ高くないですが、徐々に注目度が高まっています。
JavaもAndroidアプリ開発に使用されているプログラミング言語です。オブジェクト指向がしっかりとしており、動作速度が早く、堅牢度が高いことから、修得を目指す方が多いといわれています。
Javaはウェブアプリ開発も可能な他、動作スピードが早いことから大規模なアプリを開発する際に適しています。
SwiftはiOSアプリに使用されるプログラミング言語で、2014年にApple社が発表しました。
また、2015年には全世界にSwiftのコードが公開されたことで、誰でも自由に改良できるようになっており、Swiftは様々な可能性があるといわれています。
スマホアプリ開発の費用相場
スマホアプリ開発の費用相場はアプリのタイプ別に次のとおりです。
- シンプルなアプリ:550万~830万円程度
- 標準なアプリ:830万~2,090万円程度
- 複雑なアプリ:4,100万円以上
また、レストランアプリやデリバリーアプリ、マッチングアプリなど、アプリには様々な種類があり、アプリの種類や実装する機能などによって費用は大きく変動します。そのため、アプリ開発をする際は相見積もりを取り、費用項目なども確認しながら、しっかりと比較・検討することが大切です。
ウェブ開発とは?
ウェブアプリとは、インターネットといったネットワークから利用できるアプリケーションソフトウェアのことです。ウェブアプリはウェブサーバー上で起動して、Googleなどのウェブブラウザで使用します。
そのため、食べログやGoogleマップなど、インターネット上で動作するアプリであれば、すべてウェブアプリに該当します。ウェブアプリはアプリをインストールする必要がありません。
そのため、インターネットからすぐに利用できます。
ウェブの3つのメリット
ウェブのメリットとして次の3つが挙げられます。
- 多くのユーザー獲得が可能
- ダウンロードが不要
- コストを抑えられる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.多くのユーザー獲得が可能
ウェブアプリはSEO対策を実施することで、Googleなどの検索エンジンから多くのユーザー獲得を見込めます。
ターゲット層を明確にしたうえで、ロングテールキーワードによるSEO対策をすれば、ピンポイントで集客できます。
2.ダウンロードが不要
ウェブアプリはURLをクリックすれば、すぐにアクセスすることが可能です。頻繁に使用するアプリの場合、ブックマークに保存しておけば、すぐにアクセスできるため、手間がかかりません。
そのため、即座にサービスを提供できます。
3.コストを抑えられる
ウェブアプリはOSに依存しないため、1つのプログラムでパソコン・スマホといったすべての端末に対応しています。スマホアプリのように、iPhone・Androidを使い分けて両OSに対応したアプリを開発する必要も、アプリストア公開のためにアプリを審査する必要がありません。
そのため、開発・アップデート・審査にかかるあらゆるコストを抑えられます。
ウェブのデメリット
ウェブアプリのデメリットは、スマホアプリなどと違って、PUSH通知を送れない点です。ウェブアプリでユーザーに情報訴求する場合、メルマガによる通知となりますが、メルマガの平均開封率は15~25%程度とあまり高くありません。
また、メルマガによる通知はアクセスまでのプロセスが多くなるため、コミュニケーションが取りづらくなります。需要やコミュニケーションの取りづらさを考えれば、スマホアプリやハイブリッドアプリの開発を検討した方がよいかもしれません。
ウェブ開発の流れ
ウェブアプリ開発の流れは次のとおりです。
- 目的・ターゲット・競合状況を踏まえて企画を立案する
- 開発を外部に依頼する場合は開発会社選びと見積もりの依頼・検討を行う
- アプリの要件を定義する
- アプリの基本設計を行う
- アプリを開発する
- 各種テストを行う
- ウェブアプリをリリースする
- アプリの保守・運用を行う(必要に応じて機能追加などのアップデートも実施)
アプリ開発の流れはスマホアプリとほぼ同じです。ただ、ウェブアプリはアプリストアの審査がないため、各種テストをクリアできれば、すぐにリリースできるといった利点があります。
ウェブアプリ開発に必須のプログラミング言語
ウェブアプリ開発に必須のプログラミング言語は次の3つです。
- HTML
- CSS
- JavaScript
HTMLはウェブページを作成するための、マークアップ言語です。ただし、HTMLはデザインのひな形は作成できますが、細かいデザインは作成できません。
そこで活用されるのが、CSSです。CSSはウェブページのデザインを作成できる言語であるため、HTMLとCSSはセットで使用されます。
JavaScriptは、ウェブアプリなどに動きをつけることです。アプリ展開時のポップアップ表示やボタンに動きをつけるなど、JavaScriptの使用頻度は少なくありません。
ウェブアプリ開発の費用相場
ウェブアプリ開発の費用相場は次のとおりです。
- オリジナルデザイン:20万~100万円以上
- テンプレートデザイン:3万~10万円以上
- ECサイト制作:50万円以上
- WordPress設置依頼:3万円~
- 独自CMSなどの開発依頼:100万円以上
ウェブアプリの場合、使用するデザインや実装する機能によって費用が変動します。また、サービス内容によって、掲示板・Q&AサービスやECサイト、口コミサイト、SNSなど様々な種類があり、開発内容によっては1,000万円以上することも珍しくありません。
したがって、どのようなサービス目的で、どのような機能が必要なのか、ウェブアプリ開発前にしっかりと定義しておく必要があります。
スマホアプリ&ウェブ開発のまとめ
スマホアプリやウェブアプリというように、アプリには様々な種類があります。どの種類も、メリット・デメリットが存在するため、どちらか片方が良いというわけではありません。
そのため、需要を重視してスマホアプリ、開発のしやすさを重視してウェブアプリというように開発する際は、何を重視するのか明確にすることが大切です。ただ、近年は利用者の使用環境によって使い分けることができるという観点から、スマホアプリとウェブアプリ両方の特徴を備えたハイブリッドアプリが主流となってきています。
時代の移り変わりによってアプリの役割も変化しているため、開発する際はユーザーへの訴求力や機会損失を防ぐといった視点も持つことが大切です。