マネジメントとは

マネジメントを直訳すると「経営」や「管理」などの意味になります。
管理を直訳すると「良い状態であるように気を配り、必要な手段（組織的に）を使ってさばくことになってます。企業におけるマネジメントとは会社を継続成長させること。良い状態であるように気を配り必要な人・物・お金を効率活用し組織の目標やミッション達成を目指すことをいいます。マネジメント力を高めることで組織の目標を達成し組織の成果をあげることが出来ます。

マネジメントの目的

マネジメントの目的は、設定した目標に沿って組織を運営することです。マネジメントは、リーダーシップと混同されやすい面があります。リーダーシップの目的は「方向性を示す」ことであり、それに対してマネジメントの目的は、「設定した目標に沿って組織を運営する」ことです。

マネジメントの種類

①トップマネジメント（最高経営者層）

トップマネジメントとは組織の最高経営者陣、会長、社長、副社長、常務、専務など取締役会のメンバーや、組織の各部門を取り仕切る執行役員などが組織の基本的な方針を決定し経営計画を立てたり、組織の運営方針を決めるなど、経営に関する総合的な意思決定や経営計画、管理を行うことです。

②ミドルマネジメント（中間管理者層）

ミドルマネジメントとは、部門的経営管理を担うトップマネジメントと現場の作業管理者であるローアーマネジメントの中間に位置する存在で、支店長、工場長、本部長、部長、課長、係長、マネージャーなどの管理職です。 経営陣の考えやビジョンを正しく理解し、部下に伝える一方で、部下の育成やマネジメントも行う必要があり、企業の中でも非常に重要な役割を担っていることが多いポジションです。中間管理者には、ローアーマネジメント層を指揮監督し、育てる役割も担います。

③ローアーマネジメント（監督者層）

ローアーマネジメントとは、3つのマネジメントの中で最下層に位置する存在です。該当するのは係長や主任、現場リーダー、チーフなどがそれに当たります。下級管理者層や監督者層とも呼ばれます。ローアーマネジメントは、直接、現場の従業員を管理する立場にあります。現場の業務遂行を指揮・統制し、組織戦略や施策を現場の活動へ反映させながら、上層部が描いたビジョンの実現を目指す役割を担います。

マネジメントに必要なスキル

①意思決定のスキル

マネージャーは仕事をする上で、何かを判断しなければならない場面は多々訪れます。その際、マネジメントにおける「意思決定」を行う場合は、必ずしも賛成の人ばかりとは限りません。より良い決断には、異なる意見が出たり時にその見解が対立したり、さまざまな案が挙げられたりする中で選び抜いた意思決定が求められます。多様な意見や見解、複数の選択肢が出てこないときは、意思決定自体を見送る決断も必要です。またマネージャーには、組織の目標に沿った明確な方針、計画が求められます。判断がブレれば部下に不信感を与え、組織を統率する力も弱まってしまいます。方針や計画をちゃんと理解してもらえるように伝えることも大切です。

②コミュニケーションのスキル

複数人が働く組織で仕事をするため、意思の疎通は不可欠です。。同じ目標に向かって仕事を進めるには、チーム内の目標ををひとつにして束ねる必要があり、その際に必要なのがコミュニケーションスキルです。マネージャーは組織全体の目標を掲げ、そこに向かうための方法を示し、部下に自分の考えを理解してもらわなければなりません。また、コミュニケーションは一方的なものではなく双方向に形成されるものなので、部下の意見に耳を傾け、相手の考えを理解した上で、判断をすることが大切です。色んな人の意見を聞き状況を把握することでしっかり判断ができます。

③管理のスキル

マネジメントには目標決定後に実際にたてた目標に向かってちゃんと進んでいるかを確認して管理することが大切です。定めた方向に向かって進めているか、スピードが遅れてないかなど進捗状況を定期的に確認することで、進捗の遅れや失敗に早めに気づくことができます。部下のタイプにもよるので、見極めながら、部下に応じた進捗管理をしていくことが望ましいです。困ってることがないかなど相談にのり、報告や連絡はきちんと聞くようにしましょう。

④分析のスキル

組織の未来を創造していくには、経験値や勘に頼って対応するのではなく、客観的な視点から検証し、アクションを起こしていかなければなりません。そこで重要になるのが分析のスキルです。組織の目標を達成し、成果を上げるには4大経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報、これまで蓄積されてきた知恵や知識、技術などの資産や資源、リスクの分析および管理などが必要です。部下一人一人のスキルや意欲から、各々がミッションに対してどのくらい力を発揮してくれそうか見極める力も大切です。

マネジメント力を高める方法

ロジカルシンキング（論理的思考）を身につける

ロジカルシンキングとは「論理的思考」と訳されます。ロジカルとは「筋の通った」という意味です。論理的思考とは状況を分析して現実的な解決策を考える行為で、状況を把握し複雑なものを整理してシンプルにして筋の通った解決策をたてる思考法です。ロジカルシンキングを身につけることによって問題解決能力が向上します。広い視野で物事を観察し、本質を見抜く力を身につける、何が起きてるかを正確に分析し、何が大切かを判断し動くことでマネジメントはかなり高まります。

テクニカルスキルを身につける

テクイカルスキルとは与えられた業務を行うために欠かせない知識や技術です。マネジメントする際に、自ら対応しなければならない状態が発生することもあります。ときには部下に見本を見せるシーンもあります。そんな時のためにテクニカルスキルも身につけておくことが望ましいです。

人の意見にしっかりと耳を傾ける

リーダーシップや意思決定力を高めるためには、部下や周囲の人の意見にしっかりと耳を傾けることが大切です。いろいろな人の意見を聞いたうえで、何が正しいかを判断するようにすれば、独断で間違った判断をしてしまうミスを防げます。また、リーダーという肩書きに奢ることなく、新しい知識をインプットしたり、研究したりすることも大切です。知ったかぶりは、信用を失うことにもつながります。わからないことはきちんと調べて、新たな知識として蓄えましょう。

意思決定力を伸ばす

意志決定力を伸ばすには、物事を判断する明確な軸を持つことが大切です。判断基準を自分のなかに設けるという意味で、「ディズニーストラテジー」という考え方がとても参考になります。ディズニーストラテジーとは、ビジネスコンサルタントのロバート・ディルツ氏が、ウォルト・ディズニー氏の成功パターンを分析したテクニックです。具体的には、「ドリーマー／夢想家」、「リアリスト／現実家」、「クリティック／批評家」という3つの視点を自分のなかに持ち、意志決定します。ドリーマーはワクワクしながらアイデアを膨らませる役割、リアリストはアイデアに優先順位をつけて現実的な計画を立てる役割、クリティックは一つひとつのアイデア・計画を批判して問題点を洗い出す役割です。この3つの視点をバランスよく使って理想論や思いつきのアイデアだけに偏ることなく、冷静に判断をくだせるようになるでしょう。

同時にたくさんの仕事をする

マネジメントする際は、自分の仕事をしながら、同時に部下やほかの人の仕事も見なければなりません。複数の作業を同時進行するためには状況を把握し、優先順位をつけ同時進行する能力が必要です。常にその働き方をすることで
その力が身についてきます。

マネジメントに今後求められるもの

部下の指導・育成

部下の指導や育成は、マネジメント業務の大切な項目の一つですが、現状、そこまで手が回らないことも多いでしょう。今後は、会社や自組織の目標を目指すなかで、部下のキャリアや将来も見据えた指導や育成が求められます。部下の育成においては、自主的に物事を考えられるよう、見守りやサポートをする姿勢がとても重要となります。

グローバル化や多様化する働き方への対応

現在でもすでに海外のビジネスパートナーが増えており、グローバル化に対応したマネジメントは必須項目となってきています。また、これから労働人口が減っていく中で、出産や介護などで労働の場にとどまっていられなかった層や元気な高齢者に対しても、柔軟に働けるような環境を用意することがとなっています。このように多様な働き方が広がっていくことは、マネジメントを多面的に広げていく必要があることを示しています。

良い人材の確保

人材確保が出来す人材不足に陥るといくらマネジメント能力が高くても経営計画を達成することは難しくなります。２０１７年の厚労省の調査「人手不足感の高まりについて」によると企業の４５％が常用労働者の不足を感じる結果となっております。労働人口の減少に関しては少子高齢化がそのまま影響している部分が大きいでしょう。より良い人材を確保するためには、離職率を下げることが大切です。その為に労働環境を良くし、教育に力を入れ柔軟な働き方に対応していくことが必要になってきます。

まとめ

今後のマネジメントは、市場のグローバル化や多様な働き方、個人のキャリアを意識した対応が求められていきます。マネジメントの軸となる目的と役割をしっかり理解した上で、時代の流れに沿った要素を加えていくことが大切です。たくさんの情報を仕入れ選択肢を増やしよりよいマネジメントができるように、学び続けましょう。