「うちのWebサイト、最後にリニューアルしたのはいつだっけ?」
「競合の会社のサイトは最近リニューアルされてたなぁ・・・」
「なんだかうちのサイトのデザイン、古いかも?」
「よし、久しぶりにサイトをリニューアルしてみよう!」
その前に。
Web担当者の皆さん、「サイトコンセプト」はお決まりでしょうか。
サイトの大幅なリニューアル、新規立ち上げをする際には、
まずWebサイトの「コンセプト」を決める必要があります。
「サイトコンセプト」って必要なの?
どうやって決めればいいの?
そもそも「コンセプト」って何のことだかよく分かっていない…。
そんな方の為に
「コンセプトとは」
「サイトコンセプトの決め方とは」
詳しく解説していきます。
なぜ「サイトコンセプト」が必要なのか
サイトコンセプトとは、サイトを作るための指標になるものです。
Webサイトはただ存在するだけでは意味がありません。
見てくれる人に言いたいことを伝え、最終的に成果をあげる。
設定された目標を達成して初めてサイトとしての役割を果たしたと言えます。
Webサイトを作成する際、
コンセプトを決めずに思いついたコンテンツをやみくもに増やしていませんか?
コンセプトが設定されていないと、
- Webサイトに関わる担当者達に共通のゴールが見えず、
各々がバラバラな方向性のコンテンツを作ってしまう - 最初に作ろうと思っていたサイトと、別のテイストのサイトが完成してしまった
- サイトは完成したが閲覧数が増えない、購入されない…
↓
- 作り直しが必要になり努力が水の泡…
…なんてことになってしまうかもしれません。
指標となるサイトコンセプトをあらかじめ設定しておけば、
上記のような失敗を防ぎ、効果的なWebサイトを作ることに役立ちます。
「何が必要で何が必要でないか」
その基準が明確になれば、あやふやなサイトになってしまうことを防げるという訳です。
「テーマ」と「コンセプト」と「アイデア」
Webサイトの、コンセプト・テーマ・アイデア。
3つともWeb制作の現場ではよく使われる単語です。
それぞれの違いがはっきり分かりますか?
きちんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。
同じような意味では?と思われるかもしれませんが、実は違いがあります。
もしご存じなければ、この機会にあいまいな部分をクリアにしておきましょう。
テーマとは
”行動や創作などの基調となる考え。主題。”
( goo辞書より )
ここから「主題」という意味も併せて調べてみると、
「扱いたいものの核心となる部分」とのこと。
つまり、何のためのWebサイトを作るのか、ということです。
具体的な例を挙げてみましょう。
- 「オーガニックカフェ」のWebサイト
- 「医療分野に特化したリクルート」サイト
- 「○○会社のコーポレート」サイト
あなたの作ろうとしているサイトの核心となる部分は何でしょう。
テーマはそういった部分から決めることになります。
- この部分に特化している。
- この製品の名前を多くの人に周知したい。
- 企業の業務内容を知ってほしい。
注意点として、テーマは1つに絞ることに気を付けましょう。
コンセプトとは
”概念。観念。”
(goo辞書より)
これだけでは少し分かりにくいですね。
コンセプトとは、「誰に何を伝えたいのか、を表す概念」です。
先ほどのテーマの例のなかから、「オーガニックカフェ」について、
コンセプトの具体例を挙げてみましょう。
- 「健康に気を付けるお客様も安心」して利用してほしい
- 「小さな子供を持つ女性にもカフェタイムを」楽しんでほしい
- 忙しくても「もっと野菜を食生活に」取り入れてほしい
どのような人に、何を伝えれば、
このテーマを必要としている人に利用してもらえるのか。
テーマを理解してもらうには、どういった切り口が有効か。
コンセプトはテーマを考えた後に決めることになります。
アイデアとは
”思い付き。新奇な工夫。着想。”
(goo辞書より)
「着想」という言葉の意味から解釈してみると、
アイデアとは、「現状の問題を解決するために論理的に考え出されたもの」のことです。
- 材料の栄養素を説明するコンテンツを用意して、
健康に良いことをアピールしよう - 店内の席から見える位置に子供用のプレイスペースを用意し、
お母さんもゆっくりできるようにしよう - ふんだんに使用された野菜は
メニューのフレッシュな写真で表現しよう
コンセプトを表現するための問題点はどこか?足りないものは何か?
そういった思考の中で考え出される、
コンセプトを実現するための解決策、切り口なのです。
サイトコンセプトの決め方
コンセプトとは誰に何を伝えたいのか、を表す概念だと前の項目で解説しました。
Webサイト制作におけるコンセプトも意味は同じです。
サイトコンセプトを決めるということは、
「そのWebサイトは、誰に、何を伝える為に制作するのか」
を決めるということです。
この「誰に」と「何を」を掘り下げて考えていくことでコンセプトを練ることができます。
それぞれにおすすめの方法を紹介します。
「誰に」
そのサイトに訪問してほしい人はどんな人でしょうか。
具体的な人物像で考えてみましょう。
例えば、
「30歳、デスクワークを行う事務職の、美容に興味がある女性」
おすすめのフレームワークとして、「ペルソナ」を作成してみましょう。
ペルソナとは詳細な仮想の顧客像を設定する方法です。
マーケテイング用語として有名ですが、コンセプトを決定する際にも使用できます。
「ペルソナ」について、詳しくはこちらをどうぞ。
「マーケティング初心者必見!ペルソナとは?正しい使い方は?詳しく解説!」
「何を」
そのサイトで、伝えたいことは何か。
お客様に提供できるものは何か。
これを決めるためにまず以下の3つの質問に目を通してみてください。
- 現状、お客様から好評を得ているのはどの点(どの商品)か。
- お客様が不満に思っていること、悩んでいることとは何か。
- 競合他社と比べて優れていること、劣っていることは何か。
例えば、
接客、品質、価格、スピード、立地、デザイン…
質問から導き出されるキーワードを10~20個ほどを目安に書き出してきます。
チームの担当者を集めて、複数人で行うのも良いでしょう。
キーワードが出そろったら、その中から「これぞ」と思うものを3個抜き出します。
最初に多く出した後厳選して絞り込むことになるので、自然と一番伝えたいこと、
一番アピールしたい点が残るはずです。
「誰に」+「何を」=「サイトコンセプト」
「何を」で選んだ3個のキーワードを使って、先述の「誰に」で決めた相手に向かって、
13文字~20文字程度のコンセプトを考えましょう。
京都大学大学院の研究によると、
人間が見てすぐ認識できる文字数というのは9~13文字程度なのだそうです。
20文字というとそれより少し多く、一度目を動かして読む必要がある量ですね。
9文字程度で短く纏めることができれば、認識率や覚えやすさを向上させることができます。
しかし短くすることにこだわって内容が伝わらなければ意味がありません。
「誰に」と「何を」をよく考えて、
2つを分かりやすく組み合わせることで「サイトコンセプト」を作り出しましょう。
コンセプトの変更
一度決めた「サイトコンセプト」は出来る限り変更しないほうが好ましいものです。
サイトコンセプトが決まった後は、
当然中身であるコンテンツを作っていくことになるでしょう。
コンテンツは決められたコンセプトに沿うように作るので、
その結果として統一感があり、対象に伝わりやすいサイトになります。
柱となるコンセプトがコロコロ変わっては意味がありません。
それでは「サイトコンセプト」は、何があっても絶対に変えてはいけないものなのでしょうか?
答えは「NO」です。
時代の流れや事業内容の変更により、
当初設定したコンセプトがマッチしなくなる場合があります。
そのような状況でも頑なにコンセプトを守ろうとする必要はありません。
明らかにコンセプトがマッチしていない、
変更する必要があるとはっきり分かった時は、変更してかまわないのです。
しかし、変更を行う場合は慎重さが必要です。
何度も検討を重ね、再度その時もっともマッチする「誰に」と「何を」を考え直しましょう。
まとめ
- サイトコンセプトとは、Webサイトを作成するための指標、柱となるもの
- 作成するためには「誰に」と「何を」を考える
- 一度決めたサイトコンセプトは簡単に変更してはいけない
- 変更すべき明確な理由があるときは、慎重に検討し、変更する
最適なサイトコンセプトを作るには少なからず時間がかかると思います。
見てくれる人のことを深く考えなければならない。
一番アピールすべき点は何か、話し合わなければならない。
しかし、だからこそサイトコンセプトはすべての指標となり得るのです。
そのサイトの価値そのものを象徴していると言っても過言ではないでしょう。
自信をもって掲げられるサイトコンセプトを目指してみて下さい。