Last Updated on 4月 9, 2026 by myajo
WordPressでホームページを作ると聞くと、安く作れそうに見えるかもしれません。実際、ソフト自体は無料で使えます。ただ、企業サイトの見積で差が出やすいのは、その土台よりも「何を載せるかを決める時間」「誰でも更新しやすい形にする手間」「公開後に困らないようにする準備」です。
ここで迷いやすいのは、同じWordPressでも見積の前提が会社ごとに違うことです。ページ数が同じでも、原稿や写真を支給する前提か、取材から頼むかで金額は大きく動きます。だから、安いか高いかを先に決めるより、何が含まれているかを先に見たほうが比べやすいです。
WordPressのホームページ作成料金はなぜ差が出るのか
安い見積と高い見積は、前提が違うことが多い
WordPressの企業サイトで差が出る一番の理由は、見た目よりも作り方の違いです。既成のひな型を使って5ページ前後を短期間で作る見積と、構成から考えてサービス説明や実績紹介を作り込み、複数回のすり合わせを行う見積では、同じ「ホームページ作成」でも中身はかなり違います。公開されている料金ガイドでも、簡易的なサイトは数十万円までに収まる例がある一方、コーポレートサイト全体の制作は30万円台から数百万円まで幅があります。
社内では「ページ数が少ないから安いはず」と見られがちです。けれど、企業向けサービスのサイトは、説明の順番を決めるところで工数が増えやすい分野です。どの事業を先に見せるか、初めて来た人に何を先に伝えるか、問い合わせ前にどこまで安心材料を置くか。この詰め方しだいで、ページ数が少なくても見積は上がります。
金額差を生むのは、見えにくい準備の量
見積で差がつきやすいのは、画面に見える部分だけではありません。原稿のたたき台を作る、写真の不足を補う、更新しやすい入力欄に分ける、公開後の操作説明を入れる。こうした準備が入ると、社内の負担は軽くなる半面、費用は上がります。
反対に、安い見積が合わないとは限りません。掲載内容がすでに決まり、写真や原稿も揃っていて、公開後の更新も社内で回せるなら、依頼範囲を絞ったほうが合う場面もあります。ここで見たいのは価格の上下ではなく、自社が外に頼みたい範囲と、その切り分けが見積に書かれているかどうかです。
費用の内訳を先に知ると見積で迷いにくい
WordPress本体の費用と、制作にかかる費用は分けて考える
WordPress本体は無料で使えるソフトです。ただ、自社で使うにはサーバーとドメインが必要です。有料テーマを使う場合や独自の機能を入れる場合は、別の費用も出ます。日本語の解説では、有料テーマは1.5万〜3万円前後、共有サーバーは月額1,000〜2,000円前後、.jpや.co.jp系ドメインの維持は年3,000〜5,000円前後が目安として示されています。
ただし、中小企業のコーポレートサイトで予算差が大きくなるのは、この土台の費用より制作側の工数です。特に差が出やすいのは、原稿づくり、個別デザインの範囲、問い合わせ導線です。導線は、読み手が必要な情報を追って相談まで進みやすくする流れです。この部分が曖昧なまま見積を比べると、同じ金額でも使いやすさに差が出ます。
追加費用が出やすい場所を先に見ておく
見積を見るときは、合計金額より「何が別料金になりやすいか」を先に押さえるほうが安心です。下の表は、相談の場で差が出やすい項目をまとめたものです。
| 費用項目 | 見積に入りやすい | 別料金になりやすい | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 企画・構成 | ページ一覧、基本構成 | 競合確認、取材設計 | 何回まで相談できるか |
| デザイン | トップ、主要下層 | 全ページ個別作成 | 下層ページの扱い |
| 実装 | WordPress設定、フォーム | 独自機能、外部連携 | 機能の範囲 |
| 素材準備 | 支給原稿、支給写真の反映 | 原稿作成、撮影、図解 | 誰が用意するか |
| 公開後支援 | 公開作業、軽微修正 | 保守、更新代行、操作説明 | 月額の内訳 |
この表で見たいのは、どれが入っていて、どれが後から足されるかです。特に原稿、写真、図解、更新代行は、見積の外に置かれやすい項目です。ここが曖昧なまま発注すると、最初は安く見えても、公開前後で費用が増えやすくなります。
料金帯別にできることと向くケース
まずは料金帯の幅をざっくりつかむ
公開されている料金ガイドを見比べると、コーポレートサイトは小規模で30万〜80万円、中規模で80万〜200万円前後、要件が増えると300万円以上という並びが多く見られます。その一方で、簡易なひな型中心の制作や依頼範囲を絞った外注では、10万円台から始まる例もあります。ここでは発注判断に使いやすいよう、4つに分けて見ます。
| 料金帯 | できること | 向く会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 10万〜30万円台 | 既成ひな型で小規模公開 | 素材が揃う会社 | 設計は薄くなりやすい |
| 30万〜80万円 | 基本ページを一通り整備 | 初めて外注する会社 | 原稿支援は別なことが多い |
| 80万〜200万円 | 伝え方まで踏み込んで設計 | 問い合わせを増やしたい会社 | 撮影や取材は確認が必要 |
| 200万円以上 | 複数部門調整や独自要件 | 営業や採用も担う会社 | 要件固めに時間がかかる |
10万〜30万円台が向くのは、会社案内を早く出したい場面です。掲載情報がすでに揃っていて、ページ数も少なく、見た目の個性より公開の早さを優先するなら、この価格帯でも目的に合うことがあります。ただ、初めて見る人にサービスの違いまでしっかり伝えたい場合は、少し物足りなさが出やすいです。
30万〜80万円あたりは、中小企業のコーポレートサイトで最初の検討ラインに入りやすい価格帯です。会社情報、事業紹介、お知らせ、お問い合わせなど、基本ページを一通り作るには現実的です。反面、原稿整理や撮影、競合を見ながらの構成づくりまで求めると、この枠を超えやすくなります。
80万〜200万円の帯に入ると、見た目を整えるより、どう伝えるかの設計に時間を使いやすくなります。企業向けサービスの違いを分かりやすく伝えたい、問い合わせ前の不安を減らしたい、公開後も社内で更新しやすくしたい。こうした目的がある会社は、この価格帯が合うことが多いです。
200万円を超えると、複数部門の調整、取材や撮影、独自機能、公開後の運用体制づくりまで視野に入ります。ここまで来ると、単にホームページを作るというより、営業や採用でも使う土台を作る案件に近づきます。高いかどうかは金額だけで決まりません。どこまでをサイトの役割に含めるかで見方が変わります。
効果から逆算して予算を決める考え方
相場から入るより、サイトに持たせたい役割から決める
予算は、相場表だけを見て決めるより、サイトにどこまで仕事を持たせたいかから考えるほうがぶれにくいです。会社案内として最低限の情報を載せるだけなら、必要なページは絞れます。反対に、初めての人が事業内容を理解し、安心して問い合わせまで進める役割を持たせるなら、説明の厚みや導線づくりに手間がかかります。
ここで見たいのは、ページ数より役割です。たとえば、営業担当が毎回口頭で説明している内容をサイトで先回りして伝えたいなら、サービス紹介、事例、よくある質問、会社の考え方など、判断材料を置くページが必要です。採用にも使いたいなら、仕事内容や働く環境の伝え方も別で考える必要があります。
KPIは成果を見るための数字です。コーポレートサイトでは、単純なアクセス数より、問い合わせ件数、相談の質、採用応募、資料請求など、自社の目的に近い数字のほうが判断しやすいです。BtoBでは件数が多くなくても、話が早い相談が増えるだけで意味が大きい場面があります。
増やしたい成果だけでなく、減らしたい手間も見る
予算の考え方は、売上や問い合わせだけではありません。社内の説明負担を減らしたい、更新のたびに外部へ細かく頼まなくて済むようにしたい、担当が変わっても運用が止まらない形にしたい。こうした目的も、発注範囲を決める材料になります。
この見方をすると、安いか高いかだけで判断しにくくなります。たとえば初期費用が少し上がっても、公開後の更新が社内で回しやすい作りなら、あとで困りにくいです。反対に、見た目だけ先に整えても、原稿の足し引きがしにくい作りだと、更新のたびに手が止まります。
最初に決めたいのは、公開後に何を変えたいかです。お知らせだけを更新できれば足りるのか。事例やサービス紹介も自社で触りたいのか。ここが見えると、必要な作り方が定まり、予算の見方も変わります。
見積比較で見落としやすいリスク
金額を比べる前に、前提をそろえる
見積比較でつまずきやすいのは、金額より前提の違いです。ページ数が同じでも、原稿作成を含むのか、写真の補正まで入るのか、修正は何回までかで中身は変わります。まずは同じ土俵に乗っているかを見るほうが、判断ミスを減らせます。
下の表は、見積を見る順番をまとめたものです。先にここをそろえると、安い高いの話がしやすくなります。
| 比較軸 | 見る場所 | 良い状態 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ページ構成 | ページ一覧 | 必要ページが明記 | 主要下層が曖昧 |
| 原稿と写真 | 備考欄 | 支給と作成の区分あり | 用意する人が不明 |
| 修正回数 | 条件欄 | 回数と範囲が書かれる | 想定外で追加費用 |
| 公開後対応 | 保守欄 | 更新や軽微修正が明記 | 公開後が別契約 |
| 所有と引継ぎ | 納品条件 | 管理情報の扱いが明記 | 担当者依存になりやすい |
この表の中で見落としやすいのは、修正回数と公開後対応です。制作中は「少し直すだけ」と思っていても、社内確認が入ると修正は増えやすいです。公開後も、文言修正や画像差し替えがどこまで含まれるかで、実際の負担は変わります。
「公開できる」と「使い続けられる」は別で考える
もう一つ見落としやすいのは、公開した後の使いやすさです。見た目が整っていても、更新箇所が分かりにくい、担当者しか触れない、少し変えるだけで外注が必要になる。こうなると、最初の見積が低くても、あとで動きにくくなります。
特に中小企業では、Web担当が専任でないことが多いです。そのため、運用のしやすさは制作時点で見ておきたい条件です。管理画面の入力項目が分かりやすいか、更新ルールを共有できるか、引き継ぎしやすいか。このあたりが書かれていない見積は、質問して確認したほうが判断しやすくなります。
社内体制と依頼範囲で費用は変わる
誰が原稿を持ち、誰が決めるかで工数が変わる
費用差を生みやすいのは、制作会社の作業量だけではありません。社内で誰が原稿をまとめるか、誰が最終判断をするかでも進み方は変わります。担当が決まっていないと、確認に時間がかかり、修正も増えやすいです。
下の表は、社内体制ごとの頼み方の違いをまとめたものです。
| 社内体制 | 外注範囲 | 社内で持つ役割 | 費用への影響 |
|---|---|---|---|
| 兼任担当が1人 | 構成から公開まで広く依頼 | 確認と社内調整 | 上がりやすい |
| 広報が原稿を持てる | 設計と制作を依頼 | 原稿整理と写真手配 | 抑えやすい |
| 営業も協力できる | 取材含めて依頼 | 事例共有と内容確認 | 伝わり方に反映しやすい |
| 更新担当が決まる | 公開後支援を限定 | お知らせ更新 | 月額を抑えやすい |
社内で原稿や写真をある程度用意できるなら、費用は抑えやすいです。反対に、何を載せるかの整理から外に頼みたい場合は、費用は上がります。ただ、この上がり方が悪いわけではありません。社内で人手が足りないのに無理に持ち帰ると、公開まで長引くことがあるからです。
外に頼む範囲は、広いほどよいわけではない
外注範囲は広ければ安心に見えますが、自社に合うかどうかで見たほうが実務に合います。すでに資料が揃っている会社なら、構成と制作を中心に頼んだほうが早いです。事業説明がまだ固まっていない会社なら、取材や原稿づくりまで含めたほうが、手戻りを減らしやすいです。
相談前の段階では、担当窓口を1人決め、確認の流れを大まかに決めておくだけでも進みやすくなります。誰が意見を出し、誰が最後に決めるかが見えると、見積のぶれも小さくなります。
発注前にそろえたい情報と進め方
相談前に言葉にしておきたいこと
発注前の段階で、細かな仕様まで決まっている必要はありません。けれど、いくつか見えているだけで見積の読みやすさはかなり変わります。
まず見えていたいのは、サイトに持たせたい役割です。会社案内を整えたいのか、問い合わせを増やしたいのか、採用にも使いたいのか。この違いで、必要なページも作り方も変わります。
次に、載せたい内容の優先順です。事業紹介を中心にするのか、実績や事例も載せたいのか、よくある質問まで入れたいのか。全部を最初から入れようとすると、費用も検討時間も膨らみやすいです。最初は「公開時に必要な情報」と「あとから足してよい情報」を分けて考えると進めやすいです。
もう一つ大きいのが、素材の有無です。会社案内、サービス資料、写真、ロゴ、過去の原稿。こうした素材があるかどうかで、制作側の工数はかなり変わります。そろっていない場合も問題はありませんが、どこまで社内で出せそうかは早めに見ておくほうが話が早いです。
最後に、社内の確認役です。複数人が関わる案件ほど、誰が意見を集めて、誰が最終判断をするかが見えているほうが、修正の往復を抑えやすいです。見積の差は制作会社だけで生まれるものではなく、社内の進め方でも開きます。
見積依頼は同じ条件で出すと比べやすい
複数社に相談するなら、なるべく同じ条件を渡したほうが比べやすいです。最低限そろえたいのは、想定ページ、公開したい時期、社内で出せる素材、公開後に自社で更新したい範囲です。これだけでも前提がそろいやすく、金額差の理由が見えやすくなります。
ここで無理に完璧な要件書を作る必要はありません。たとえば「トップページ、会社情報、事業紹介、お知らせ、お問い合わせは必要」「原稿は一部しかない」「写真は撮り直しの可能性がある」「公開後はお知らせだけ自社で更新したい」。この程度でも、相談の土台としては十分です。
予算も、細かく決め切れていなくて大丈夫です。上限や目安があるなら、その幅を伝えたほうが提案のずれは小さくなります。反対に、予算を伏せたまま広く見積を集めると、含まれる作業の前提がずれて比較しづらくなることがあります。
まとめ
費用の見方が変わると、見積の読み方も変わる
WordPressのホームページ作成料金は、ソフトそのものの価格で決まるものではありません。何を載せるか、どこまで外に頼むか、公開後に誰が更新するかで変わります。見積の金額差は、見た目の違いより、準備と運用の前提の違いから生まれることが多いです。
そのため、相場だけで判断するより、「このサイトに何の役割を持たせたいか」「社内で持てる作業はどこまでか」「後から増えそうな費用はどこか」を見たほうが、発注後のずれを抑えやすいです。安い見積と高い見積のどちらがよいかではなく、自社の目的に合っているかで見ることが大切です。
迷う段階から相談すると、判断しやすくなる
ここまで読んで、まだ自社がどの料金帯に近いか迷うのは自然なことです。見積が2社で大きく違う、作り直しと改善のどちらが合うか決め切れない、原稿や写真が十分にそろっていない。こうした相談は珍しくありません。株式会社みやあじよでは、費用だけでなく、サイトの役割、必要なページ、公開後の運用まで含めて見直し、比較しやすい形で相談できます。話が早くなる材料は、今のサイトURL、検討中の見積、載せたい内容のメモ、社内で更新したい範囲です。まだ全部そろっていなくても構いません。発注前の判断材料を増やしたい段階からお問い合わせいただけます。