はじめに—「何から相談するか」で結果が変わる
「ネットショップを作りたい。でも、何から相談すればいいか分からない」。この段階で手が止まるのは自然です。やることは多いのに、どれが先かが見えにくいからです。
結論から言うと、最初に相談したいのは「作り方」より「進め方」です。デザインやカート選びに入る前に、目的と運用の前提をそろえると、見積もりの読み違いや手戻りが減りやすくなります。
この記事では、相談をスムーズに進めるために、次の順番で考え方をまとめます。
・現状の前提をそろえる
・社内で回る体制を作る
・費用、リスク、成果の見方を決める
ECはネットで商品を売る仕組みのことです。担当が一人でも、社内の関係者が多くても、押さえる順番は大きく変わりません。
現状整理のやり方—目的・商品・運用の棚卸し
目的を一文で言える状態にする
ネットショップは「公開したら終わり」ではなく、運用しながら育てる仕事です。だから最初に決めるのは、サイトで達成したいことです。言い方は一文で足ります。
例としては、次のような方向があります。
・新規の購入を増やしたい
・既存のお客様に追加購入してほしい
・店舗で扱いきれない商品を売り切りたい
・卸中心から直販も増やしたい
ここが曖昧なままだと、ページに載せる情報や優先する機能が定まらず、後から作り直しになりがちです。
商品の前提をそろえる
次に、売る商品の事情をそろえます。難しい言葉は不要で、「数」と「バリエーション」と「更新頻度」を書き出すだけで十分です。
たとえば、次のような違いがコストと運用を左右します。
・商品点数が多いか少ないか
・色やサイズなど選択肢が多いか
・季節で入れ替わるか、定番中心か
・受注生産か、在庫販売か
商品が固まると、撮影や説明文の作業量が見えてきます。相談も「どこまでをいつまでに用意するか」が話しやすくなります。
運用の前提を先に決める
もう一つ、早い段階で決めたいのが運用です。運用は「誰が、いつ、どこまで対応するか」を言葉にする作業です。ここが決まると、必要な機能が自然に絞れます。
迷いやすい点だけ、確認項目にします。
・在庫の数はどこで管理するか
・発送は毎日か、曜日を決めるか
・同梱物やギフト対応はするか
・返品や交換の条件をどうするか
・問い合わせの返信目安は何日か
全部決め切れなくても構いません。未定の項目が分かるだけでも、外注先は「後で決めればよい所」と「先に決めないと止まる所」を切り分けやすくなります。
体制と進め方—役割分担・スケジュール・外注の線引き
「作る」より先に「回す」を想像する
ネットショップ制作で詰まりやすいのは、制作中ではなく公開前後です。商品登録が間に合わない、写真がそろわない、受注の処理が回らない。こうした遅れが重なると、公開日がずれ、気持ちも折れやすくなります。
先に「誰が何を持つか」を決めると、現実的なスケジュールが組めます。下の表は、最低限の役割分担の例です。
| 作業 | 担当 | 頻度(週次/日次) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 商品登録 | 事務/EC担当 | 週次 | 新商品追加、説明文更新 |
| 撮影・画像 | 店長/外部 | 随時 | 主力商品から順に用意 |
| 受注対応 | 事務 | 日次 | 自動返信と手動確認を分ける |
| 出荷作業 | 倉庫/担当者 | 日次 | 締め時間と休業日を決める |
| 問い合わせ | 事務/店長 | 日次 | 回答テンプレを用意 |
| 更新・改善 | EC担当 | 週次 | 売れ筋と離脱箇所を確認 |
ここまで埋まると、「今の人手で回る範囲」と「外部に頼む範囲」が見えてきます。結果として、相談の場で話すべきことが減り、判断が早くなります。
外注の線引きは「判断」と「作業」を分ける
外注がうまくいかないパターンは、作業だけを依頼して、判断が社内に残ったまま進まないことです。たとえば、商品説明の言い回し、送料の条件、返品の扱いなどです。これらは社内の合意が要ります。
一方で、判断が固まれば外注しやすい作業もあります。撮影、登録の代行、デザイン、公開までの設定などです。相談では「社内で決める項目」と「外注できる項目」を最初に分けておくと、見積もりの比較もやりやすくなります。
相談の場では、公開したい時期、最初に並べる商品点数、発送の締め時間を聞かれることが多いです。ここが分かると、作業の山が見え、現実的な段取りに落とせます。
次は、費用をどう見立てるかを確認します。初期費用と月額費の内訳が見えると、社内の説明もしやすくなります。
費用の考え方—初期・月額・回収の見立て
費用で迷うのは、初期の支払いと、毎月かかるお金が混ざりやすいからです。最初に「一度きり」と「毎月」を分けておくと、社内で説明しやすくなり、見積もり比較もしやすくなります。
初期費用は、公開できる状態にするための作業にかかるものです。デザインや設定だけでなく、写真や商品説明の準備も含まれます。月額費は、使い続けるための固定費や、売れた分だけ発生する手数料が中心です。
| 項目 | 初期費用 | 月額費 | メモ |
|---|---|---|---|
| デザイン・構築 | 制作費 | なし | 改修は別途 |
| カート本体 | 初期設定 | 利用料 | 機能で変動 |
| 決済まわり | 審査・設定 | 手数料 | 手段で差 |
| 写真・原稿 | 撮影・作成 | 追加時 | 点数で増える |
| ドメイン等 | 初期設定 | 更新料 | 期限管理が必要 |
| 運用・保守 | なし | 保守費 | 代行は別枠 |
「いくらかかるか」より先に、「毎月いくらまでなら続けられるか」を決めると判断が早くなります。月の固定費に、人件費や広告費が上乗せされる会社も多いからです。
回収の見立ては、売上ではなく粗利ベースで考えるとブレにくいです。毎月の固定費を、1注文あたりの粗利で割ると、最低限ほしい注文件数の目安が出ます。ここに「繁忙期は何件まで出荷できるか」を重ねると、無理のない計画を立てやすくなります。
見積もりを比べるときは、金額だけでなく範囲の違いを確認します。特に差が出やすいのは、商品登録の支援、写真や文章の作成、公開後の修正対応です。ここが曖昧だと、公開直前に社内の作業が増えやすくなります。
リスクとルール—安全面とトラブル時の一次対応
ネットショップのトラブルは、技術より運用で起きることが多いです。欠品、配送遅れ、問い合わせの行き違い。これらが重なると、売上より先に信用が落ちます。だから公開前に、起きやすい事象だけでも「最初に誰が何をするか」を決めておくと安心です。
| 事象 | まずやること | 社内/外部連絡先 | 再発防止メモ |
|---|---|---|---|
| 決済エラー | 注文状況を確認 | 決済会社/担当 | 案内文を見直す |
| 欠品 | 連絡し代替提案 | 在庫担当/店長 | 在庫更新の頻度 |
| 配送遅延 | 追跡と状況共有 | 配送会社/倉庫 | 納期表記を調整 |
| 破損・誤配送 | 謝罪し交換手配 | 倉庫/配送会社 | 梱包手順を統一 |
| 二重注文 | 確認し返金対応 | 事務/決済会社 | 確認画面を見直す |
| 不正の疑い | 出荷を保留 | 店長/決済会社 | 高額条件を決める |
一次対応が決まると、担当者が迷いにくくなり、返信のスピードもそろいます。あわせて、返品・交換の条件、送料、納期の書き方も先に固めると、購入前の不安が減ります。
安全面では、購入者情報の扱い方が抜けやすいです。共有する範囲、保管場所、異動時の引き継ぎ方法まで決めておくと、事故を防ぎやすくなります。
効果を出す設計—KPIの置き方と優先施策
公開後に伸びる会社は、数字の見方をシンプルにしています。KPIは目標の数字のことで、少ないほど現場で追いやすいです。最初は、次の3つだけでも回ります。
- 注文件数(売れた回数)
- 平均注文額(1回の購入単価)
- CVR(購入に至る割合)
注文件数が伸びないとき、いきなり集客を増やすより、商品ページと購入までの流れを点検した方が早い場合があります。たとえば、送料が最後まで分からない、納期が曖昧、返品条件が見つからない。こうした不安があると、カートに入れても離脱しやすくなります。
次に取り組む順番の例は、次の通りです。
- 主力商品のページを先に作り込む
- 購入までの入力や迷いを減らす
- そのうえで集客を広げる(SEOやSNS、広告など)
土台ができてから集客を増やすと、同じアクセスでも成果が出やすくなります。逆に土台が薄いままだと、広告費だけが増えやすいので注意が必要です。
カート選びとページ設計—迷いを減らす判断軸
カート選びは「できること」より「回せること」で選ぶと失敗しにくいです。機能が多くても、更新が止まると売り場が古くなります。担当の人が毎日触る画面が分かりやすいか、サポートの窓口が明確かが大事です。
比較するときは、次の軸が判断しやすいです。
- 欲しい決済手段がそろうか
- 送料や配送ルールを細かく決められるか
- 受注一覧が見やすく、出荷まで回るか
- クーポンやセールが運用しやすいか
- 将来の拡張に無理がないか
ページ設計では、商品ページに「判断材料」を集めます。購入を迷う理由は、商品そのものより不安の方が多いからです。主力商品は特に、次の情報があると安心につながります。
- 送料と納期(いつ届くか)
- 返品・交換の条件
- サイズや仕様の詳細
- 利用シーンの写真
- よくある質問
- 問い合わせ先
この情報がそろうと、問い合わせ対応も減りやすくなります。結果として、運用の負担が軽くなり、更新に時間を回せます。
相談で解決できること—進め方と期待できる成果
「ネットショップを作りたい」と思っても、社内で決めることが多く、途中で止まりやすいです。相談で一番役に立つのは、迷っている点を「先に決める項目」と「後で決めても動ける項目」に分けることです。
相談では、たとえば次のようなことを短い時間で詰められます。
- 目的と主力商品を言葉にする
- 運用の地図を作り、担当と頻度を決める
- 費用の内訳を分け、見積もりの比べ方を作る
- 起きやすいトラブルの一次対応を決める
- カートや構成の候補を出し、選ぶ基準をそろえる
ここまで決まると、制作の話を具体化しやすくなります。社内の判断もそろいやすく、準備の抜け漏れが減ります。
まとめ
ネットショップの相談は、見た目や機能の話から入ると遠回りになりがちです。目的、商品、運用の前提をそろえ、体制を先に決めると、作るべきものが絞れます。
費用は「一度きり」と「毎月」に分けると判断が早くなります。リスクは、難しい対策より、欠品や配送などの一次対応を決めておく方が効いてきます。成果は、少ないKPIを追い、主力商品のページと購入導線から手を入れると前に進みます。
制作を始める前に、社内で決める項目と、外に頼む範囲を切り分けられると、公開までが一気に近づきます。
株式会社みやあじよでは、目的から逆算してネットショップ全体を設計し、デザイン・制作、公開後の改善までまとめて対応します。ホームページに関して何かお困りごとございましたら、こちらお問い合わせフォームより気軽にご相談ください。