料金を出さない方針は、悪い選択ではありません。けれど、数字が見えないせいで「自分たちは対象なのか」「高額にならないか」が判断できず、読まれずに離脱することがあります。離脱は途中でページを閉じることです。
大事なのは、料金そのものより「検討を前に進められる材料」を先に渡すことです。この記事では、料金を伏せたい事情があっても、相談につながる文章の作り方を扱います。
料金を出さないと起きやすい不安と離脱
料金がないページで起きる離脱は、ケチだからではなく不安だから起きます。人は見えないものを避けるので、価格の空白はそのまま不安の空白です。
離脱が増えるときの典型パターン
よく止まるのは、次のような場面です。
- 自社の規模で頼めるか分からない
- 予算感がつかず、社内で話を進められない
- 相談したら営業が強そうで怖い
- 何が含まれるか分からず、比較できない
この時点で読者が欲しいのは、正確な見積もりではありません。「まず相談してよいか」を決めるための、ざっくりした見通しです。
「料金を出したくない」が誤解される理由
料金が書かれていないと、読者は勝手に理由を補います。たとえば「高いから隠しているのかも」「あとで追加されそう」といった想像です。
ここでの対策は、金額を出すか出さないかの二択ではありません。金額を伏せるなら、その代わりに判断材料を置く。これで誤解は減ります。
相談のハードルは「金額」より「面倒さ」
実際には、読者は「相談する行為」も避けがちです。入力が長い、何を書けばよいか分からない、社内で聞かれて答えられない。こうした面倒さが、料金非公開の不安と重なると離脱が増えます。
だからこそ、料金ページには「短い判断材料」と「相談が楽になる情報」をセットで置く方が親切です。
料金を出さない判断が向くケース・向かないケース
料金の出し方は、商品が同じか、毎回変わるかで考えると決めやすいです。
料金を出さない方が合うケース
- 依頼内容で作業量の差が大きい
- 原稿や写真の有無で作業時間が大きく変わる
- 公開後の更新や改善まで含めたい
- まず現状を見てから提案してほしい要素が多い
この場合、固定の金額を出すと、あとで説明が増えます。先に「変わる理由」を書いた方が、相談が進みやすいです。
料金を出した方が合うケース
- 提供物が決まっていて、作業範囲が固い
- 初回だけの作業で完結しやすい
- 競合比較の場に置かれやすいサービス
- 問い合わせ前に社内の承認が必要で、金額が最優先になる
この場合は、料金を伏せることで相談の芽を逃すことがあります。全部を公開しなくても、入口だけでも金額を見せる手はあります。
間を取る出し方
「全部は出せないが、何もないのは怖い」という状態が多いはずです。そんなときは、次のような間を取る出し方が現実的です。
- 最低ラインだけ書く
- レンジで書く
- 代表的な構成を例として示す
- 変動条件を先に書き、概算の出し方を案内する
次の章で、文章の形まで落とし込みます。
目安を伝える書き方:レンジ・含む範囲・例文
料金を伏せたいときでも、読者が欲しい情報は共通しています。「だいたいの幅」「何が入るか」「何で上下するか」です。ここが揃うと、相談への抵抗が下がります。
料金を出さないときの提示パターン
違いだけ先に押さえると、書き方を選びやすいです。
| 提示方法 | 向く状況 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| レンジ表示 | 要件で差が大きい | 80〜150万円など幅 | 含む範囲も併記 |
| 3プラン例 | 型が多い | 小・標準・拡張の例 | 例であると明記 |
| 下限のみ | 最低ラインがある | 50万円から | 上振れ条件を添える |
| 条件別の加算 | 追加が想定できる | ページ追加は○万円 | 単価は目安と添える |
| 相談後に概算 | まず合うか確認 | 質問回答で概算提示 | 回答の流れも書く |
誤解を減らすために、先に「含む範囲」を書く
幅や下限を書いても、含む内容が曖昧だと不信感が残ります。読者は「何ページくらいか」「問い合わせフォームは入るのか」「写真や文章は誰が用意するのか」を気にします。
金額の前に、含む範囲を短く書き、その上で「内容により前後する」と添える。これだけで受け取り方が変わります。
そのまま使える例文
文章は長くなくて構いません。言い切りすぎず、曖昧すぎない温度にします。
例文1:レンジで出す
「制作費は内容により前後します。会社のホームページ制作は、80〜150万円のご相談が多いです。含む範囲は、10ページ前後、問い合わせフォーム、基本的なスマホ対応です。」
例文2:下限だけ出す
「制作費は50万円からです。ページ数や原稿準備の状況で増えるため、まずは現状と目的を伺って概算をお伝えします。」
例文3:加算の考え方を書く
「ページ追加、撮影、原稿作成などで費用が増えることがあります。何が必要かを先に確認し、不要なものは外して見積もりを作ります。」
費用が変わる要因:どこで上下しやすいか
ホームページ制作の金額が幅になるのは、よくあることです。幅が出る理由が分かれば、料金を出さない判断もしやすくなり、相談するときも話が早くなります。
金額は「作業量」と「迷いの量」で動く
見積もりは、ページ数や機能といった作業量だけで決まりません。決めることが多いほど確認が増え、やり直しが出やすくなり、結果として作業時間が増えます。
逆に、最初に目的と優先順位が見えていると、同じページ数でも費用が落ち着きやすいです。
ここでは、特に上下しやすい項目をまとめます。
| 要因 | 増えやすい条件 | 抑える工夫 | 確認の仕方 |
|---|---|---|---|
| ページ数・構成 | 新規が多い/構成未定 | 優先ページから決める | ページ一覧案で共有 |
| 原稿・素材 | 原稿も依頼/素材不足 | 既存資料を集めて渡す | 担当範囲を先に決める |
| 撮影・動画 | 新規撮影/日程が複数 | 既存写真の活用も検討 | 必要カット数を出す |
| デザインの作り込み | 方向が固まらない | 参考サイトを先に共有 | 好みを3つに絞る |
| 機能の追加 | 予約・会員などが必要 | まず問合せ中心で開始 | 使う人と流れを書き出す |
| 確認回数・社内調整 | 関係者が多い/承認が長い | 窓口を一本化する | 修正回数の目安を決める |
「何が増えるか」を先に書くと、料金非公開でも不安が減る
料金を出さない場合でも、「費用が前後する理由」を短く書いておくと、読者は納得しやすくなります。
書き方は難しくありません。たとえば次のように、条件だけを並べます。
- ページ数と構成(新規ページの多さ)
- 原稿や写真の準備状況(こちらで用意するか)
- 撮影や動画の有無
- 予約など追加機能の有無
- 確認や修正の回数(社内の承認体制)
この一段があるだけで、「聞かないと分からない」状態から「聞けば決まる」状態に変わります。
早い段階で決めると、見積もりが安定する3つ
見積もりの幅を小さくするなら、最初に次の3つを決めておくのが近道です。
1つ目は目的です。問い合わせを増やすのか、採用を増やすのかで、必要なページも文章も変わります。
2つ目は優先ページです。全部を一度に作らず、反応が出やすいページから作る方法も選べます。
3つ目は原稿の担当です。社内で用意するのか、外部へ任せるのかが決まると、費用の見通しが立ちます。
料金を出さない代わりに出すべき安心材料
料金がないとき、読者は「頼んだらどう進むのか」を知りたがります。ここが見えると、相談の心理的な負担が下がります。
料金の代わりに示したいのは「進め方」「含むもの」「追加の考え方」
最低限、次の3つが書いてあると安心されやすいです。
- 進め方:相談から公開までの流れ
- 含むもの:基本料金に入る作業範囲
- 追加の考え方:増える条件と、事前に確認する姿勢
大げさな説明は不要です。短い文章で、読者の不安に先回りします。
よくある不安に先回りする一文例
たとえば、次のような一文があるだけで誤解が減ります。
- 「概算は、目的とページ数が分かればお伝えできます」
- 「追加になりやすい項目は、見積もり前に確認します」
- 「社内の承認がある場合は、進め方も合わせて提案します」
料金を載せないこと自体よりも、説明がないことが不安の原因になりがちです。
公開後の対応も一言あると親切
制作の相談では「作ったあと、誰が更新するのか」が気になりやすいです。
更新を社内で行うのか、外部に任せるのかで、最初に選ぶ作り方も変わります。料金を伏せるなら、公開後の選択肢を一文で添えると、相談が途切れにくくなります。
相談につなげる導線設計:問い合わせ前に出す情報
導線は、読者が迷わず問い合わせへ進む道筋です。料金が見えない状態で相談を促すなら、問い合わせフォームの手前で「何を書けばいいか」を示します。入力で迷う時間が減り、気軽に送れます。
未定を許容すると、相談が増えやすい
読者は、全部決まってから連絡しようとして止まります。そこで「未定でも大丈夫」と明記し、分かる範囲で書ける形にします。
| 用意するもの | 分かる範囲でOK例 | なぜ必要 | 代替案 |
|---|---|---|---|
| サイトURL | 現行サイト/まだない | 現状確認が早い | 画面の画像でも |
| 目的 | 問い合わせを増やしたい | 優先順位が決まる | 困りごとだけでも |
| 見てほしい相手 | 法人担当者/求職者 | 文章と導線が変わる | 今の顧客でOK |
| 必要ページの案 | 会社案内/事業/採用 | ページ数の目安になる | 参考サイトURLで |
| 希望時期 | 3か月以内/未定 | 進め方が決まる | 相談して決めたい |
| 予算感 | 100万円前後/未定 | 範囲の相談ができる | 上限だけでも |
フォームに入れると楽になる項目
フォームの項目は多いほど離脱します。逆に、項目が少なすぎると、返信のやり取りが増えて双方が疲れます。
上の表くらいの情報があると、概算と進め方の提案まで進みやすいです。
入力例を示すなら、短い文章で十分です。
目的:問い合わせを増やしたい
困りごと:料金の書き方が決めきれない
時期:未定(相談して決めたい)
見積もり比較で迷わない見方:同条件にそろえるコツ
見積もりを比べるときに一番困るのは、金額の差そのものではなく「前提が違う」ことです。
同じホームページ制作でも、含まれる作業が違えば金額は変わります。まずは条件をそろえてから比べると、社内の判断も早くなります。
まず見るのは「何が含まれているか」
合計金額より先に、内訳と作業範囲を見ます。デザイン、原稿、写真、公開後のサポートなど、どこまでが料金に入るのかで判断が分かれます。
| 確認項目 | 見たい場所 | 見落とし例 | 質問例 |
|---|---|---|---|
| 作業範囲 | 内訳・注記 | 原稿や撮影が別料金 | どこまで含まれますか |
| ページ数 | ページ一覧 | 想定外は追加費用 | 想定ページ数は何ですか |
| 原稿・写真 | 支給条件 | 用意の前提が違う | 原稿はどちらが担当ですか |
| 修正回数 | 修正条件 | 回数超で追加費用 | 修正は何回までですか |
| 公開後のサポート | 対応範囲 | 公開後が別契約 | 更新の相談はできますか |
| 別途費用 | 別途一覧 | 月額費が抜ける | 毎月の費用はありますか |
この表の質問をそのまま使うと、同じ条件にそろえやすくなります。最初から完璧にそろえなくても、差が出る場所だけ見えていれば十分です。
安さの裏に「抜け」がないかを見る
安い見積もりが悪いわけではありません。ただ、抜けている作業を後から足すと、結果として高くつくことがあります。
たとえば原稿や写真、ページ追加、修正回数、公開後のサポートが別になっているケースです。比較するときは「何が別なのか」を先に言語化すると、話が早く進みます。
トラブルを避ける注意点:表現・運用・社内ルール
料金を出さない場合に起きやすいトラブルは、金額よりも「受け取り方のズレ」です。文章と運用の両方で、ズレが起きにくい形にしておきます。
表現は「前提」と「例外」を短く添える
レンジや下限を出す場合でも、前提が書かれていないと誤解されます。
前提は短く、例外も短くが基本です。
- 前提:10ページ前後、問い合わせフォーム込み
- 例外:原稿作成や撮影は別途になることがあります
目安の数字は、対応範囲と合うものにします。安く見せるためだけの数字にすると、後で説明が増えます。
料金ページは更新できる体制にしておく
価格や提供範囲を見直したのにページが古いままだと、信頼を落としやすいです。
料金を出さない方針でも、目安の文章、含む範囲、相談前に知りたい情報は更新対象です。更新の担当と確認手順を決めておくと安心です。
断りたい相談は、先に線を引く
相談の質を上げたいなら、対象外を早めに伝えるのも一つの方法です。
たとえば「最安だけを優先したい」「短納期だけを優先したい」など、合わない条件があるなら、やんわり書いておくと双方の手間が減ります。
成果の見方:問い合わせの質と数字のチェック
料金を出さないページは、作って終わりではなく、反応を見て微調整する方が成果につながりやすいです。見るべきはアクセス数よりも、相談の中身です。
問い合わせの「数」と「質」を分けて見る
問い合わせが増えても、内容が合わなければ現場が疲れます。次の2つは分けて見ます。
- 数:問い合わせ件数、相談の回数
- 質:予算感が合うか、目的が書かれているか
質を見るのは難しそうに感じますが、メールの最初の一文だけでも判断できます。予算や目的が書かれている相談が増えたら、ページの書き方が合っています。
相談が増えないときは「入り口」を疑う
相談が増えない場合、料金の有無より、入口の案内が足りないことが多いです。
目安の出し方、含む範囲、変動条件、問い合わせで書く項目。この4つを見直すと改善が進みます。
ミスマッチが多いときは「目安の出し方」を調整する
反対に、ミスマッチが多いなら、目安の幅が広すぎるか、前提が書けていない可能性があります。
レンジの根拠になる条件を一つ足す、下限だけでなく代表例を出すなど、情報を少し増やすと相談の質が上がりやすいです。
まとめ
料金を出したくないときでも、読者が決めるための材料があれば相談は増やせます。
金額を伏せるなら、目安の出し方、含む範囲、費用が動く条件をセットで書き、問い合わせ前に何を書けばよいかまで示します。
見積もり比較では、合計金額だけを見ず、作業範囲と前提をそろえて比べることが大切です。
公開後は問い合わせの数だけでなく、相談の中身まで見て、表現を少しずつ調整すると成果につながりやすくなります。
株式会社みやあじよでは、料金を載せるかどうかの判断から、料金ページの文章案、見積もり比較の軸づくり、必要ページの優先順位までまとめてご相談いただけます。