Shopifyを調べ始めると、似たサービス名や料金プランが次々に出てきます。機能を比べるほど迷いが増え、「自社にはどれが合うのか」が分からなくなりがちです。
先に結論を言うと、比べるべきは機能の多さではなく「運用で何をやりたいか」と「その運用を誰が回すか」です。ここが決まると、候補は自然に絞れます。
逆に、商品数が少なく更新もほとんどない場合は、もっと手軽なサービスのほうが負担が軽いこともあります。背伸びして高機能を選ぶより、続けられる形を優先したほうが結果につながります。
この記事では、Shopifyの向き不向き、費用の増え方、運用体制の考え方、起きやすいトラブルまでを一つの流れでまとめます。読み終えた時点で「自社は何を条件に決めるか」が言葉で説明できる状態を目指します。
Shopify比較で迷う前に決めたい前提
比較を始める前に、まず「ネットショップで何を増やしたいか」を決めます。売上を伸ばすのか、リピートを増やすのか、客単価を上げたいのかで、必要な作業も費用の掛かり方も変わります。
ランキング記事の結論だけを真似すると、公開後に「思っていた運用ができない」「担当が回らない」といったズレが起きやすいです。最初に前提をそろえるほうが、選定も見積もりも早く進みます。
先に決めると迷いが減る4つ
ここは難しい話ではなく、社内で合意を作るための土台です。
- 取り扱い商品と更新頻度(新商品追加、セールの回数)
- 配送と送料の複雑さ(地域別、温度帯、同梱ルール)
- 集客の中心(検索、広告、SNS、モールなど)
- 社内の担当(誰が更新し、誰が判断するか)
この4つが曖昧なままだと、どのサービスも良さそうに見えます。逆に言えば、ここを言語化できれば「必要ない機能」に振り回されません。
「比較」は二段階で考えると早い
最初から一社に決め切ろうとすると疲れます。まずは大枠を決め、次に細部を確認するほうが現実的です。
1つ目は、販売の型です。自社サイト中心で育てたいのか、モール中心で回したいのか、両方を併用したいのか。
2つ目は、運用の型です。更新を内製で回すのか、外注も前提にするのかで、選ぶべき仕組みが変わります。
この段階で「候補を二つ」まで絞れると、比較の手間が大きく減ります。
Shopifyの特徴と向くケース
Shopifyは、ネットショップを作って運用するためのサービスです。デザインテンプレートや追加機能を組み合わせて、運用に合わせて広げやすいのが特長です。
「検索で見つけてもらう導線を強くしたい」と考える方も多いはずです。SEOは、検索で見つけてもらうための工夫です。ブログ記事や特集ページ、商品ページの情報を積み上げていく運用を前提にするなら、更新しやすさは選定軸に入ります。
Shopifyが向きやすいショップの共通点
迷うときは、次の三つに当てはまるかで考えると判断が早くなります。
- 商品点数や企画が増える見込みがある
- 割引やセット販売など販促を回したい
- 後から販売方法を増やす可能性がある
こうした「変化が前提」のショップほど、最初から拡張性を持たせたほうが動きやすくなります。
Shopify以外が合うこともある場面
一方で、商品数が少なく更新も少ない場合は、操作の軽さや費用の分かりやすさが勝つこともあります。必要な作業が少ないのに、設定や管理が複雑だと、運用が止まりやすいからです。
また、モールは集客の初速が出やすい反面、競合比較や手数料の影響を受けます。自社サイトは自由度が高い反面、集客を作る作業が必要です。どちらが良い悪いではなく、社内の運用に合うほうを選ぶのが現実的です。
ここからは、代表的な選択肢を「向くケース」で並べます。違いだけ先に押さえると判断が早くなります。
| 選択肢 | 向くケース | 得意な運用 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Shopify | 成長前提で柔軟に運用したい | 施策追加、ページ改善を回す | 設定次第で費用と手間が増える |
| 国産カート | 国内向けで要件が固まっている | 定番の販売、会員運用 | 独自要件は別途対応が必要 |
| 手軽系サービス | 小規模で早く始めたい | 最小構成で出品と販売 | 拡張や独自表現に限界が出る |
| モール出店 | 集客を外部に寄せたい | モール内の露出と販促 | 手数料と競合比較が厳しい |
| 自社開発寄り | 特殊な業務や連携が多い | 業務に合わせた作り込み | 開発費と保守負担が重くなる |
表の「国産カート」には、国内向けの機能がそろったカートサービスが入ります。「手軽系サービス」は、初期を軽く始められるサービスを指します。サービス名で迷う前に、まずは自社の運用がどの枠に近いかを確認してください。
この表で大枠が決まったら、次は費用の増え方を見ます。同じ月額でも、追加機能や運用に伴う作業で差が出やすいからです。
費用の考え方:月額・手数料・追加費用
Shopifyの費用は、月額だけを見ると分かりやすく見えます。実際の負担は、決済の手数料、見た目のひな形、追加機能、制作や運用の外注費まで含めた合計で決まります。ここを最初に押さえると、プラン選びや見積もり比較の迷いが減ります。
まず「固定で出る費用」と「増えやすい費用」を分ける
固定で出やすいのは、月額の利用料と、運用で発生する人件費です。増えやすいのは、追加機能や販促を増やしたときの費用です。Shopifyでは、テーマは見た目やレイアウトのひな形で、アプリは機能を追加する部品です。テーマやアプリを増やすほど、費用と管理の手間が増えやすいです。
迷いやすい費用を、見積もりの観点で並べます。表を上から見て、いま自社に必要なものと、売上が立ってから足すものを分けると、決めるべき範囲が見えます。
| 費用項目 | いつ発生 | 変動しやすい要因 | 抑え方 |
|---|---|---|---|
| 初期の制作費 | 公開前 | ページ数、要件の追加 | 範囲を先に決める |
| 月額利用料 | 毎月 | プラン変更 | 必要条件から選ぶ |
| 決済手数料 | 注文ごと | 決済方法、単価 | 主力決済を先に決める |
| テーマ費 | 導入時 | 有料テーマの採用 | 最初は定番で始める |
| アプリ費 | 毎月 | 追加機能の数 | 要件を絞って導入 |
| 運用・保守費 | 毎月 | 更新量、改善の頻度 | 担当と手順を決める |
表で「増えやすい」と出た項目ほど、社内で運用の前提を決めてから導入すると安全です。逆に、月額が安くても追加機能が前提の設計だと、後から合計が膨らみやすいです。
「初期費用を抑える」より「戻りが出ない」ほうが結果が早い
費用を抑えるために削りやすいのは、商品データの整備、送料ルールの確認、原稿の準備です。ここが曖昧だと公開直前に詰まり、公開後も修正が長引きがちです。外注費を抑える目的で社内対応を増やす場合は、担当者の稼働時間を見積もりに含めて考えると判断がぶれません。
次のような作業は「制作費」より「社内工数」に乗りやすいので、先に見える化しておくと安心です。
- 商品名・説明文・カテゴリの統一
- 画像サイズや撮影ルールの統一
- 返品や交換、配送遅延時の案内文
ここまで用意できると、制作会社の作業範囲も決まり、見積もりの差が見えます。
体制の考え方:運用タスクと担当の決め方
ネットショップは、公開して終わりではなく、公開してから回す仕事が中心です。担当が決まっていない状態だと、更新が止まり、施策も増えません。体制は「誰が何をどれくらいの頻度でやるか」を短く決めるだけで、運用の速度が上がります。
運用を止めないための基本設計
最初に決めたいのは、日々の更新を社内で回す前提にするのか、外注を織り込むのかです。ここが曖昧だと、担当者の負担が想定より増え、形だけのサイトになりやすいです。
よく発生するタスクを並べます。担当候補が埋まらない行がある場合は、外注を含めた設計に切り替えるほうが現実的です。
| タスク | 頻度 | 担当候補 | 外注しやすさ |
|---|---|---|---|
| 商品登録・修正 | 週 | ネットショップ担当、店長 | 一部しやすい |
| 在庫・欠品対応 | 毎日 | 在庫担当 | しにくい |
| 受注処理 | 毎日 | 事務、店舗 | しにくい |
| 送料・配送設定 | 月 | 物流担当 | しやすい |
| バナー・特集更新 | 週 | Web担当 | しやすい |
| 問い合わせ対応 | 毎日 | 問い合わせ担当 | 一部しやすい |
社内で持つべきなのは、価格、商品構成、顧客対応の方針など、事業の判断が必要なところです。外注に任せやすいのは、ページ制作、画像作成、設定変更など、手順が決まっている作業です。役割を切り分けると、担当者が変わっても運用を回しやすい形にできます。
成果と効果の見方:KPIと改善の進め方
KPIを置く目的は、売上が動く前に「どこで止まっているか」を見つけることです。数字が多すぎると判断が遅くなり、少なすぎると原因が見えません。まずは三つに絞るほうが改善が回ります。
目的ごとに「見る順番」を固定する
売上を増やしたい場合でも、最初に見るべき数字は一つではありません。入口が足りないのか、商品ページの説得材料が足りないのか、購入手続きで止まっているのかで、打つ手が変わります。
よく使われる三つのセットは次の通りです。
- 訪問数(見に来た人数)
- 購入率(買ってくれた割合)
- 客単価(1回の購入金額)
この三つがそろうと、売上が伸びない理由を切り分けやすいです。たとえば訪問数が少なければ集客の強化、購入率が低ければ商品情報や送料表示の見直し、客単価が低ければセット提案や関連商品の見せ方を検討します。
改善は「一度に一つ」だけ変える
やりたいことが増えるほど、同時に直したくなりがちです。けれど、複数を同時に変えると、何が効いたのかが追いにくいです。小さく変えて、数字の動きを見て、次に進む流れを作ると社内でも合意が取りやすいです。
改善の題材は、アクセスが多いページから選ぶのが基本です。最初から全部を直そうとせず、上位の商品ページやカテゴリページを数本に絞り、説明の順番や写真、送料の見せ方を整えるほうが成果につながりやすいです。
目的別にKPIを置く例
迷いやすいのは、目的が増えすぎて「直す場所」が散ることです。まずは今期の優先を一つ決め、数字もそれに合わせます。数字が動かなかったときに、次の一手が選びやすくなるからです。
| 目的 | 見る数字 | まずやる見直し | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 新規購入を増やす | 訪問数、購入率 | 商品説明と送料表示 | 入口別に原因が変わる |
| リピートを増やす | 再購入数 | 同梱物、案内メール | 配送体験が影響しやすい |
| 客単価を上げる | 客単価 | セット提案、関連表示 | 押し売り感に注意 |
| 返品を減らす | 返品理由 | サイズ感、注意書き | 商品写真の影響が大きい |
| 問い合わせを減らす | 問い合わせ件数 | 配送日、返金の案内 | 書き方で印象が変わる |
表のどれか一行を選び、毎週同じ曜日に数字を見ます。動きが弱いときは、ページを直す前に「どこから来た人が止まっているか」を切り分けると、やることが絞れます。
リスクとトラブル:起きやすい詰まりどころ
ネットショップのトラブルは、機能不足より「決まっていないルール」から起きることが多いです。公開後に慌てないために、先に決めておくと安心な場面をまとめます。
乗り換えで詰まりやすい場面
既存のショップから移す場合は、商品情報だけでなく、運用の前提も一緒に移ります。ここが抜けると、公開直後に問い合わせが増えやすいです。
- 色やサイズなど選択肢の表現が変わる
- 送料や同梱ルールが再現しにくい
- 旧サイトで検索されていたページが消える
特に検索で見つけてもらっていたページは、同じ情報を新しいサイトにも用意し、古いページから迷わずたどり着ける状態にしておくと安心です。
送料・配送・返品の書き方で揉めやすい
送料や配送日は、買う直前に確認されます。表示が分かりにくいと、購入をやめる人が増えます。
社内で決めておきたいのは、次の三つです。
- 送料無料の条件(ある場合)
- 配送日数の目安と遅延時の案内
- 返品・交換の条件と手順
文章は短く、結論を先に出すと伝わりやすいです。細かな例外は別ページにまとめ、主要ページは読み切れる長さにすると運用もしやすくなります。
追加機能を増やしすぎると運用が重くなる
便利そうなアプリを足すほど、毎月の費用と管理が増えます。更新のたびに確認項目が増えると、担当者が慎重になり、改善の速度が落ちます。
足す前に「何を解決したいか」と「代わりに減らせる作業」を一つずつ決めると、増やしすぎを防げます。
公開前に確認しておくと安心なこと
ここからは、見落としが出やすいところだけを確認項目にします。
- スマホで購入まで通るか
- 送料が想定どおりに出るか
- 注文後の自動メールが届くか
- 返品・交換の案内が見つかるか
- 問い合わせの動線が分かるか
- 欠品時の表示が誤解を生まないか
上から順に埋めると、公開後の問い合わせや手戻りが減りやすいです。次は、外注を使う場合の見積もりの見方へ進みます。
外注の判断:依頼範囲と見積もりの見方
外注でこじれやすいのは、「どこまでが制作で、どこからが運用か」が曖昧なまま進むことです。見積もりの金額差は、作業量の差だけでなく、含まれる範囲の差でも起きます。
依頼範囲は3つに分けるとズレが減る
見積もりを比べるときは、作業を次の三つに分けて考えると分かりやすいです。
- 設計:必要なページと、購入までの流れ
- 構築:デザイン反映と各種設定
- 運用支援:更新手順と改善の回し方
この三つのうち、どれが含まれているかが分かるだけで、金額の妥当性を判断しやすくなります。
見積もりで差が出やすい項目
同じ「ネットショップ制作」でも、次の項目は差が出やすいです。自社が必要な範囲だけを明確にすると、比較がしやすくなります。
- 商品点数と画像加工の範囲
- 送料ルールの複雑さ
- 特集ページの作り込みの有無
- 追加機能の導入と設定
- 公開前のテストの範囲
- 公開後のサポート期間
見積もりが安く見える場合でも、追加機能の費用や運用支援が別扱いのことがあります。月々に掛かるものと、作るときだけのものを分けて見てください。
社内で用意すると話が早い情報
外注の相談で手が止まりやすいのは、原稿や商品情報が固まっていないときです。完璧でなくても、次があると議論が前に進みます。
- 売りたい商品と優先順位
- 商品説明で伝えたいこと
- 送料と返品のルール
- 更新担当と更新頻度の想定
導入までの進め方:失敗しにくい段取り
ネットショップ制作は、作り始めてから要件が増えると、費用も日程も膨らみやすいです。手戻りを抑えるために、着手前の段取りを先に固めます。
公開までの流れを先にそろえる
ここからは、手戻りが出にくい順に並べます。
- 目的と優先するKPIを決める
- 商品情報と運用ルールをそろえる
- 必要なページを決め、原稿を用意する
- デザインと設定を行い、公開前に確認する
- 公開後の更新手順を決め、改善を回す
この順で進めると、公開直前の詰まりが減りやすいです。逆順で進めると、見た目はできているのに中身がそろわず、結局やり直しになりがちです。
公開後の最初の一か月が勝負どころ
公開直後は、ページを作り足すより、迷いを減らす直し方のほうが結果につながりやすいです。問い合わせや返品理由を拾い、商品ページに反映すると、購入率が上がりやすいです。
更新が続くか不安な場合は、最初から完璧を狙わず「毎週ここだけ直す」という枠を作ると回り始めます。
まとめ
Shopify比較で迷うときは、機能の多さより、運用でやりたいことと担当体制で選ぶほうが早いです。費用は月額だけでなく、追加機能や運用の手間まで含めた合計で考えると、後からのズレが減ります。
公開後に伸びるショップほど、数字の見方と改善の順番が決まっています。KPIを一つに絞り、直す場所を散らさないだけでも、判断が軽くなります。
株式会社みやあじよでは、ネットショップの目的と運用体制を確認しながら、「どこまで作るか」「何から直すか」を一緒に決めます。必要に応じて、制作から公開後の改善までまとめて進められますので、何かECサイトのシステムでお困りごとございましたら、どうぞこちらお問い合わせフォームよりご相談ください。