SEO対策を依頼する前に整理すること

2026.02.15

「外注したいけれど、費用の妥当性が分からない」「見積もりの条件が違って比較できない」「何を任せて何を社内で持つか決めきれない」
こうした迷いがあるまま依頼先を探すと、打ち合わせのたびに判断が揺れて、スタートが遅れがちです。

先に整えたいのは、依頼先探しよりも「目的」と「依頼範囲」と「判断材料」です。
ただし、サイトが表示されない、問い合わせフォームが動かないなど緊急の不具合がある場合は、復旧を優先してください。

この記事では、依頼前に整える順番と、見積もり比較で見る場所、あとから困らないための準備を解説します。

SEO対策を依頼する前に押さえる前提

SEOは、検索で探している人に自社のページを見つけてもらい、検討を前に進めるための整え方です。
検索順位だけを追うと、アクセスは増えても問い合わせが増えない、といったズレが起きやすくなります。

目的を言葉にすると、依頼内容がブレにくい

依頼前に決めたいのは「どんな成果がほしいか」です。
BtoBなら、問い合わせ件数だけでなく、相談の質が上がる状態を目標に置くと判断が早くなります。
採用目的なら、応募につながる情報や安心材料が足りているかを判断の基準にしやすいです。

「成果」が曖昧なままだと、依頼先が提案しやすい作業だけが積み上がり、社内では評価が難しくなります。
反対に、目的が一文で言えると、やることの優先順位が自然と決まります。

依頼するときは、作業ではなく流れを買う

SEOは一発で終わる作業ではありません。
ページを増やす、情報を直す、見せ方を整える、といった改善を積み重ねて強くします。

このとき大事なのは、何を作り、何を直し、何を見て判断するかが最初から見えていることです。
「記事を何本作るか」だけで契約すると、途中で方向転換ができず、ムダが出やすくなります。

依頼範囲を決める(外部に任せる部分、社内で持つ部分)

外部が得意なのは、調査や分析にもとづく仮説づくりと、改善の段取りを回すことです。
一方で社内が強いのは、商品や現場の価値を具体的な言葉に落とすことです。
役割分担が曖昧だと、外部は情報不足で提案が薄くなり、社内は何を返せばよいか分からず疲れます。

外部と社内がズレると、会議が増えて前に進まない

たとえば社内が「順位を上げたい」とだけ伝え、外部が「記事を増やそう」と動くとします。
ところが営業側は「問い合わせの質が低い」と感じていて、言いたいことがズレている。
この状態だと、誰も間違っていないのに、決め直しが何度も起きます。

ズレを減らすコツは、作業の担当分けより先に「決める担当」を決めることです。
最終判断が誰か分かるだけで、打ち合わせの回数が減りやすくなります。

依頼範囲の切り分け早見表

ここからは、よくある作業を「外部が向く場面」「社内が向く場面」に分けて並べます。
自社がどこで詰まりやすいかを見ながら、依頼範囲を決めてください。

項目外部が向く場面社内が向く場面判断の目安
現状の棚卸し課題を客観視したい現場の事情が複雑共有できる資料があるか
キーワード選び市場全体を調べたい強みを言葉にできる誰が最終判断するか
記事づくり書く人手が足りない監修の時間を取れる承認の流れを決める
ページ改修優先順位を決めたい更新担当が決まっている触る範囲と期限を決める
効果の確認数値の見方を揃えたい週次月次の場がある何で良しとするか決める
社内合意意見が割れて止まりやすい決裁者が近い目的の言い方を一本化

特に止まりやすいのは「記事づくり」と「ページ改修」です。
記事は、書けるかどうかより、誰が内容の正しさを保証するかで進み方が変わります。
ページ改修は、技術的に触れるかどうか以前に、触ってよい範囲と公開までの手順が決まっているかが影響します。

依頼前に決めておくと楽になる三つ

依頼範囲を決めるときは、次の三つがそろうと話が早いです。

  • 目的:問い合わせを増やす、採用を増やす など
  • 対象:誰のどんな悩みに答えるか
  • 現状:どこで止まっているか(例:比較材料が弱い)

この三つが言葉になると、依頼先からの提案も具体化しやすく、見積もりの条件もそろってきます。

この三つは、完璧に書く必要はありません。
社内で短時間だけ時間を取り、担当者が仮で書き、決裁者が赤を入れる形でも十分です。
言い方がそろうと見積もりの前提が近づき、相見積もりの比較がしやすくなります。

費用相場と見積もり比較の見方(内訳、条件、注意点)

見積もりを集めると、金額にかなり差が出ることがあります。ここで焦って安い方へ寄せると、必要な範囲が抜けて後で追加費用になりやすいです。比べる前に、何が含まれているかをそろえて見るのが近道です。

金額が揃わないのは、前提条件が違うから

SEO対策の費用がバラつく理由は、会社ごとに「やる範囲」「触る場所」「作る量」が違うからです。たとえば、調査と方針づくりだけの会社もあれば、記事作成やページ修正まで含める会社もあります。さらに、打ち合わせ回数や連絡の手間も、実は金額に反映されます。

同じ月額に見えても、中身が違えば成果の出方も違います。だからまずは「同じ条件で比較できる状態」を作るのが先です。

見積もりは「作業」より「成果物」で比べる

見積もりの比較で迷うのは、作業名が並んでいても、ゴールまでの道筋が見えないからです。そこで、作業の多さよりも「何が手元に残るか」で比べてください。手元に残るものが明確だと、担当が変わっても引き継ぎやすくなります。

下の表は、相見積もりで条件がズレやすい項目をまとめたものです。

比較項目確認したいことズレやすい例対処の考え方
調査と方針対象ページと優先順提案のみで終わる成果物の形を確認
記事づくり本数と監修の流れ修正回数が別料金承認手順を先に決める
ページ修正誰が手を動かすか提案だけで実装なし実装範囲を明文化
報告と改善見る数値と頻度報告が数字の羅列次の一手まで含める
契約条件期間と解約の扱い長期縛りで動けない見直しの節目を置く
権限とデータ設定作業の担当ID管理が不透明管理者を社内に残す

表の中でも特に確認したいのは「ページ修正を誰がやるか」です。提案だけで終わる契約だと、社内に実装できる人がいない場合に止まります。逆に、外部が触る場合は、どの範囲を、どの手順で公開するのかが決まっていると安心です。

もう一つは「報告の中身」です。数字を並べるだけでは判断が遅れます。増えたページ、読まれているページ、次に直すページがセットで出てくると、社内でも話が進みやすくなります。

効果の考え方(成果指標、期間の目安、社内説明のコツ)

SEOは、検索からの訪問を増やすだけでなく、問い合わせや応募など次の行動につなげるための土台づくりです。BtoBは企業同士の取引を指し、比較検討が長くなりやすいので、判断材料の置き方が成果に直結します。

まず「順位」より「問い合わせまでの流れ」を見る

順位は分かりやすい数字ですが、順位だけでは社内の納得が続きません。見るべきなのは、検索で来た人がどのページを読み、どこで迷い、どこで離れているかです。ここが見えると、直す場所が絞れます。

よくあるズレは、記事で集めた人が、サービスページで決めきれない状態です。比較材料や安心材料が足りないと、アクセスが増えても問い合わせは増えにくくなります。

目的別に、見る数値を決める

成果指標は「目的に合うもの」を少数に絞った方が判断しやすいです。月次で追う数字を決め、毎回同じ見方で確認すると、社内説明もやりやすくなります。

目的見る数値見る頻度補足
問い合わせ増問い合わせ件数月次質のメモも残す
資料請求増請求数と導線月次入口ページも見る
採用応募増応募数と閲覧ページ月次不安材料の追加
商談化を上げる相談内容の傾向月次よく聞かれる点を補強
周知を広げる検索からの閲覧数月次狙うテーマを絞る

判断のタイミングも大事です。数週間で大きく伸びることは多くありません。数か月単位で「伸びたページ」「伸びない理由」「次に直す順番」を見ていくと、空回りが減ります。

また、成果が出たかどうかを判断する前に、途中経過を拾うと不安が減ります。たとえば、検索から入ってくるページが増えた、よく読まれるページが変わった、といった変化です。こうした変化が見えれば、次に直す場所も決めやすくなります。

体制と進め方(担当の決め方、連絡、進行の型)

外部に頼んでも、社内の負担がゼロになるわけではありません。
ただ、社内の役割を先に決めておくと「待ち時間」と「手戻り」が減ります。結果として、少ない工数で前に進みます。

社内で決めておきたい役割は三つ

役割を増やしすぎると、承認が詰まります。まずは三つで十分です。

  • 窓口:連絡を受け取り、社内に流す人
  • 判断:方針や優先順を決める人
  • 監修:内容の正しさを確認する人

この三つが同じ人でも構いません。大事なのは「誰が止めずに決めるか」が見えることです。

進行がうまく回る会社は、最初に運用ルールをそろえる

依頼先が変わっても、運用ルールが決まっていれば混乱しにくいです。
最初の段階でそろえたいのは、次のような内容です。

  • 連絡手段:メール中心か、チャット中心か
  • 確認の周期:週次か、隔週か、月次か
  • 返答の目安:いつまでに返すか
  • 公開の手順:修正から公開までの流れ

ここが曖昧だと、やり取りだけが増えて、制作や改善に時間が回りません。反対に、運用の型ができると、依頼先の提案が社内で通りやすくなります。

「何を出してくれるか」を毎月そろえると、評価がブレにくい

社内で揉めやすいのは、やったことは分かるのに、次に何をすべきかが決まらない状態です。
月ごとに、次の三つがセットで出る形を目指すと判断が早くなります。

  • 変化:読まれ方や問い合わせの変化
  • 原因:なぜ動いたか、なぜ動かないか
  • 次:直す場所と順番

このセットがあると、社内報告も短くなり、関係者の合意も取りやすくなります。

リスクとトラブルを避けるための確認事項(契約、権限、データ)

SEOの外注で怖いのは、失敗そのものより「何が起きているか分からない状態」が続くことです。
トラブルは、手法の是非よりも、権限や契約の線引きが曖昧なときに起きやすいです。

まず避けたいのは、中身が見えない状態

次のような状態だと、途中で立て直しが難しくなります。

  • 何を触ったかが残らない
  • 作った原稿や資料が手元に残らない
  • 管理画面の権限を握れない

依頼先が悪いという話ではなく、契約の作り方の問題です。最初に「手元に残すもの」を決める方が安心です。

トラブル回避チェック(契約・運用)

ここからは、見積もり段階で確認しやすい項目を表にまとめます。
表の上から埋めるだけでも、想定外の揉めごとが減ります。

確認項目放置すると起きること対策
目的と評価基準社内で評価が割れる見る数値と頻度を決める
依頼範囲と実装担当提案だけで止まる誰が手を動かすか明確化
契約期間と見直し方向転換が遅れる節目と見直し条件を入れる
管理画面の権限引き継ぎができない社内を管理者にしておく
原稿と資料の扱い資産が社内に残らない納品物と権利を明記する
変更履歴と復元戻せず復旧が遅れる作業の記録と復元手順を決める

特に確認したいのは「管理画面の権限」と「原稿と資料の扱い」です。権限が社内にないと、担当交代のたびに作業が止まりやすいです。原稿や資料が残らないと、次の会社に引き継ぐときにやり直しが増えます。

依頼先の選び方(合う相手、合わない相手の見分け)

相見積もりでは、金額と提案内容の両方を見ます。
そのうえで「自社の状況で回るか」という視点を入れると、失敗が減ります。

合う依頼先の特徴

次のような説明ができる依頼先は、社内でも理解されやすいです。

  • 何をどの順で進めるかが見える
  • 触る範囲と触らない範囲がはっきりしている
  • レポートが「次にやること」までつながっている
  • こちらの情報が足りない点を、言い換えて埋めてくれる

提案が立派でも、運用に落ちないと続きません。話し方が難しすぎないかも、実務では大事です。

合いにくいサイン

次のサインが見えたら、慎重に考えた方が安心です。

  • 目標が検索順位だけで終わっている
  • 具体の成果物がなく、作業名だけが並ぶ
  • 何を触るかの説明が曖昧
  • 途中で方向転換できる余地がない

依頼先選びで迷ったら、金額の高い安いより「条件がそろっているか」に立ち返ると判断がつきやすいです。

相談前に用意すると話が早い情報(最低限の準備)

相談や相見積もりをスムーズにするには、資料を完璧にそろえる必要はありません。
分かる範囲で、前提を共有できるだけで提案の精度が上がります。

まず用意したい情報

  • 対象サイトのアドレス、対象ページ
  • 目的(問い合わせ、採用など)
  • 直近で困っていること(例:相談が来ない)
  • これまでやったこと(例:記事を増やした)
  • 社内の制約(例:更新は月一回まで)
  • 競合として意識している会社やサイト

この情報があると、依頼先の提案が「一般論」から「自社に合う話」に近づきます。

まとめ

SEO対策を依頼するときは、先に依頼先を決めるより、目的と依頼範囲と評価の軸をそろえる方が前に進みます。
見積もりは金額だけで比べず、成果物と運用の型が揃っているかを見てください。

社内では、窓口と判断と監修の役割を決めておくと、確認待ちが減りやすいです。
契約面では、権限と納品物が手元に残るかを先に確認しておくと安心です。

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