失敗しないウェブ制作会社の選び方

2026.02.16

見積もりを取ったら金額も提案もバラバラで、どこを比べればいいか分からない。社内でも意見が割れて、決めるほど迷いが増える。こうした状況は珍しくありません。
結論は、目的を先にそろえてから比較軸を決めると、発注判断が一気に進みます。
ただし、ネットショップや採用など目的が強く分かれる場合は、見るべき所が少し変わります。

この記事で分かること

  • 制作会社の比較で迷いが増える理由と、先に決める順番
  • 成果の考え方と、社内で合意しやすいKPIの置き方
  • 見積もりの読み方と、追加費用を減らす確認の仕方

ウェブ制作会社選びで迷いが増える理由

制作会社選びで迷うのは、会社の良し悪し以前に「比較の前提」がそろっていないからです。サイト制作は、見た目だけでなく、原稿、写真、導線、更新の仕組み、公開後の運用まで幅が広い仕事です。前提がずれたまま見積もりを並べると、金額差も提案差も大きく見えてしまいます。

見積もりがバラつくのは、作業範囲が違うから

同じ「コーポレートサイト制作」でも、会社ごとに含める作業が違います。
例えば、A社はデザインとページ作成が中心。B社は原稿の整理や撮影、公開後の改善まで含む。どちらが良いかは、貴社の状況と目的次第です。

よくあるつまずきは、「安い会社を選んだら社内作業が増えた」「高い会社を選んだが何が違うのか説明できない」という形です。ここで必要なのは、金額の大小ではなく、作業の範囲と責任範囲を見える形にすることです。

次にやることは、見積もりの総額を比べる前に「含めたい作業」を言葉にすることです。

社内で目的がそろわないと、比較が始まらない

制作会社に相談する段階で、社内の目的が混ざっていることがあります。
経営側は問い合わせを増やしたい。現場は採用もしたい。広報は会社の信頼を上げたい。どれも正しいのに、優先順位が決まっていないと、提案の評価が割れます。

評価が割れると、見積もり比較も止まります。
「提案が良い」「デザインが好き」「更新が楽そう」など、別々の物差しで話してしまうからです。

次にやることは、目的を一文にし、優先順位を一つだけ決めることです。

最初に決めるのは、成果の形

制作会社に伝えるべき最初の情報は、「このサイトで何が起きたら成功か」です。
例えば「問い合わせの質を上げたい」「初回の問い合わせ数を増やしたい」「採用の応募を増やしたい」などです。

ここが決まると、必要なページや見せ方、載せる情報の順番が変わります。逆に言うと、ここが曖昧なままだと、どの制作会社も提案がぼんやりします。結果として、貴社も選びきれません。

次にやることは、成果の形を一文にして、社内で共有することです。

成果の考え方と効果の測り方

コーポレートサイトは「会社案内」でもありますが、多くの中小企業では営業や採用の入口にもなります。見てもらうだけではなく、次の行動までつなげる設計があると、投資判断がしやすくなります。

ここで一度だけ用語をそろえます。SEOは検索で見つけてもらうための工夫です。KPIは成果を測る目安の数字です。

成果は「次の行動」が起きること

成果の見え方は、会社の状況で変わります。例えば次のような形です。

  • 問い合わせが増える、または内容が具体的になる
  • 採用応募が増える、またはミスマッチが減る
  • 取引先からの信頼確認が早くなり、商談が進みやすくなる

見た目が整っているだけでは、行動は起きにくいです。行動の前には「不安」と「比較」があります。だからこそ、実績・体制・価格の考え方・よくある質問など、判断材料の置き方が成果に直結します。

次にやることは、サイトで起こしたい行動を一つに絞ることです。

KPIは2つに絞ると、社内で決めやすい

KPIを増やすほど、判断が遅くなりやすいです。最初は2つで足ります。
例えば「問い合わせ数」と「採用応募数」を同時に追うと、ページ構成の優先順位がぶれます。まずはメインの目的を一つ決め、KPIもそれに合わせます。

KPIの例は、次のように「現場が集計できる形」にすると運用しやすいです。

  • 問い合わせフォームの送信数
  • 採用の応募数
  • 資料請求の件数

次にやることは、社内で集計できるKPIを二つ以内で書き出すことです。

公開後に直せる前提で作ると、投資が回収しやすい

サイトは公開した瞬間が完成ではありません。公開後に直せる前提で作ると、成果が出やすい形に寄せられます。
例えば、よく見られるページを見て原稿を足す。問い合わせが多い質問を追記する。ページの順番を入れ替える。こうした改善が回ると、制作費が「作って終わり」になりにくいです。

ここで関わるのが更新の仕組みです。CMSは、専門知識がなくてもページや文章を更新できる仕組みです。更新の仕組みが弱いと、小さな修正でも都度依頼が必要になり、スピードが落ちます。

次にやることは、公開後に誰が何を更新したいかをメモにすることです。

費用の考え方と見積もりの読み方

費用で迷うときは、まず「どこにお金がかかりやすいか」を知ると見通しが立ちます。見積もりは合計金額よりも、前提と作業範囲を揃えることが先です。

費用を動かしやすい要素は、だいたい決まっている

金額差が生まれやすいのは、次のような部分です。

  • ページ数とページの種類
  • 原稿を作る範囲と、誰が用意するか
  • 写真撮影や素材の用意
  • デザインの作り込み度合い
  • 更新の仕組みの作り方
  • 公開までの希望時期と、急ぎ対応の有無

同じページ数でも、内容が重いページが多いと工数が増えます。逆に、ページ数が多くてもテンプレートで整理できる場合は抑えられます。ここを見ないと、相見積もりで金額差だけが目立ちます。

次にやることは、ページ数だけでなく「原稿と写真を誰が用意するか」も決めることです。

見積もり内訳は「追加になりやすい所」を先に見る

見積もりの読み方は、合計から入るより、追加になりやすい所から見た方が安全です。特に、原稿や撮影、修正回数、公開後の保守は、会社によって扱いが違いがちです。

迷いやすい所だけ、チェック表にしました。制作会社に聞くための言葉として使えます。

項目含まれやすい作業追加になりやすい例確認の一言
企画・構成ページ案と導線の設計ページ追加、構成の作り直し成果の定義は何ですか
デザイントップと下層のデザイン修正回数増、追加テンプレ修正の回数はどこまで
原稿既存文章の整理と整文新規作成、取材、監修対応原稿は誰が用意しますか
写真既存写真の調整撮影、素材購入、加工の追加撮影は含まれますか
更新機能CMSで編集できる仕組み特殊入力、権限、検索機能更新できる範囲はどこ
公開後保守、軽微修正、相談対応改修作業、環境更新の対応保守の範囲と窓口は

この表で確認できるのは、「合計が同じでも中身が違う」という点です。前提をそろえてから見積もりを比べると、社内でも説明しやすくなります。

次にやることは、候補の制作会社へ「原稿・写真・修正回数・保守」の扱いだけ先にそろえて聞くことです。

提案内容の比較軸:見た目以外で差が出る所

結論から言うと、提案は「デザインの好み」だけで比べると決めきれません。成果につながりやすい提案は、見た目より先に“筋道”が通っています。

迷いやすい所だけ、比較の基準を5つに絞ります。

  • 目的から逆算して、ページ構成が組まれているか
  • 伝える順番と、判断材料の出し方が考えられているか
  • 原稿や写真など、必要な素材の集め方が現実的か
  • 公開後に直す前提があり、更新の負担が想像できるか
  • 説明が分かりやすく、すり合わせが丁寧か

目的から逆算したページ構成になっているか

良い提案は「どのページで何を伝え、どこで行動してもらうか」が見えます。
逆に、ページを増やす提案だけだと、情報が散らばって成果が遠のくことがあります。

たとえばBtoBの場合、検討する人は社内で説明する材料を探しがちです。料金や事例だけでなく、進め方や体制、よくある質問などの安心材料が並ぶと、問い合わせまで進みやすくなります。

次にやることは、提案の中に「必要なページの理由」が書かれているかを見ることです。

伝える順番と判断材料が用意されているか

同じ内容でも、順番で伝わり方が変わります。
初めての人が知りたいのは、強みの前に「自分の状況に合うか」「失敗しないか」です。

提案を見るときは、次が含まれているかを確認します。

  • 読者の不安に先回りして答える構成
  • 他社比較の判断材料が置かれている
  • 行動につながる導線が自然

次にやることは、「読者が迷う所を想像できているか」を一言で説明してもらうことです。

素材集めの現実性があるか

制作は、原稿と写真が止まると進みません。ここを軽く見ている提案は、後半で手戻りが増えがちです。
社内が忙しい会社ほど、素材集めの負担が読める提案かどうかが差になります。

たとえば、原稿を誰が書くのか、既存パンフや提案書をどう使うのか、撮影が必要か。ここが見えると、社内の段取りが組めます。

次にやることは、「原稿と写真の役割分担」を見積もりより先にそろえることです。

公開後の直し方まで想像できるか

公開後に直す前提がある提案は、長く成果が出やすい形に寄ります。
CMSは、専門知識がなくてもページを更新しやすくする仕組みです。更新できる範囲が明確だと、運用の負担が減ります。

次にやることは、「公開後に誰が何を更新したいか」を社内でメモにすることです。

説明の分かりやすさと相性も比較の材料

結局、制作はコミュニケーションの仕事です。話が噛み合わないと、修正が増えます。
提案の良し悪しだけでなく、質問への答え方や、こちらの状況を理解する姿勢も見ておくと安心です。

次にやることは、候補2〜3社に同じ条件で質問し、返ってくる説明の分かりやすさを比べることです。

体制と進め方:手戻りを減らす段取り

結論は、制作がスムーズに進む会社ほど「決める人」「決める時期」「確認の回数」が最初から見えています。ここが曖昧だと、途中で迷いが戻りやすくなります。

手戻りが増えるパターン

よくあるのは、次の流れです。
社内で承認が遅れる → 制作側の作業が止まる → 予定が押す → 焦って決める → 後で直したくなる。
このループを避けるには、最初に役割を決めてしまうのが近道です。

進行の役割分担表

項目会社側の担当制作側の担当決める時期
目的とKPI優先順位を決める数字の置き方を提案着手前
ページ構成必要情報の提供構成案と導線を作成初期
原稿準備素材と事実の確認たたき台と整文支援中盤前
デザイン確認社内承認の取りまとめ意図の説明と反映中盤
公開前チェック社名や数値の最終確認表示と動作の確認終盤
公開後の運用更新担当と頻度を決定更新手順の整備公開前

この表が埋まると、「社内で止まる所」が見えます。止まりそうな所が分かれば、先に準備できます。

次にやることは、会社側の窓口を1人に決め、社内の承認ルートを短くすることです。

リスクとトラブルを避ける確認事項

結論は、契約前に“引き渡し”と“公開後”の扱いを言葉にすると、後の不安が大きく減ります。制作中は盛り上がって進むので、気まずい確認ほど後回しにされがちです。

トラブルが起きやすいのは「権利」「アカウント」「範囲」

特に多いのは、次のような行き違いです。

  • ソースや画像などのデータが手元に残らない
  • ドメインやサーバーの管理がブラックボックスになる
  • 保守の範囲が曖昧で、修正が都度見積もりになる

トラブル予防の確認表

確認テーマ見落とし例先に決めること影響
データ引き渡し納品物の範囲が曖昧何を渡すか一覧化将来の改修が難しい
アカウント管理制作側だけが把握誰が管理者か決める復旧に時間がかかる
保守の範囲対応時間や回数が不明月額で何が含まれるか費用が読みにくい
修正の扱い回数や期限が不明修正の回数と締切納期が延びやすい
フォーム運用通知先や保管方法が未決送信先と保管の方針対応漏れや事故の不安
計測の設定公開後に数字が取れない何を測るか先に決める改善が進みにくい

この表は「揉める前に決める」ための道具です。制作会社が悪いという話ではなく、決める項目が多い仕事だからこそ、先に確認する価値があります。

次にやることは、候補の制作会社へ表の6項目を同じ順番で確認し、回答をメモに残すことです。

制作会社のタイプ別:向くケースと選び方

結論は、「どんな会社が良いか」より「自社はいま何で止まっているか」で選ぶと失敗が減ります。制作会社には得意不得意があります。

タイプ別の比較表

タイプ向くケース強み注意点
制作特化作る物が固まっている進行が早く品質が安定要件整理は自社負担
提案重視方向性がぼんやり構成や原稿まで踏み込む初期の時間が増えやすい
開発寄り機能要件が多い複雑な仕組みに強い情報設計は別途になる事も
小規模小回りと速度を重視やり取りが軽い体制が属人化しやすい

この表で決められるのは、候補を絞る方向です。たとえば、原稿が進まない会社が制作特化に頼むと、途中で止まりやすくなります。逆に、要件が固まっているのに提案重視へ頼むと、検討が長引きやすいです。

次にやることは、自社の詰まりどころを一文で書き、タイプを先に絞ることです。

相談前に揃える情報と社内の進め方

結論は、相談前に「一枚メモ」を作るだけで、見積もりと提案の質が上がります。未定があっても問題ありません。大事なのは、比較の前提をそろえることです。

一枚メモに入れる内容

迷いやすい点だけ、順番に並べます。

  • 目的(問い合わせ、採用など)
  • 誰に見てほしいか(業界、役職、検討段階)
  • 取ってほしい行動(相談、資料請求など)
  • 現状の困りごと(更新できない、原稿が古い)
  • 既存サイトや資料(URL、パンフ、提案書)
  • 参考にしたいサイト(方向性の共有用)
  • 希望時期(急ぎか、相談して決めるか)
  • 予算感(幅で良い。未定でも可)

これがそろうと、制作会社は提案の前提を合わせやすくなります。貴社側も「どこが違う提案か」を説明できるようになります。

次にやることは、上の項目をA4一枚にまとめ、相見積もりを取る会社へ同じ内容で渡すことです。

まとめ

ウェブ制作会社の比較で迷うのは、前提がそろわないまま見積もりと提案を並べるからです。先に目的と優先順位を決め、ページ構成、原稿の段取り、公開後の運用まで含めて比べると、発注判断が早くなります。

見た目で選ぶのが悪いわけではありません。ただ、成果につなげたいなら「伝える順番」「判断材料」「進め方」「公開後の直し方」が提案に入っているかまで見ておくと安心です。

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