SEO対策を会社に頼む前の判断軸

2026.02.17

検索から見つけてもらえず、紹介や広告に頼り切りになっている。アクセスはあるのに問い合わせが増えず、原因がつかめない。こうした場面で「SEOを外注しよう」と考える方が多いです。
SEOは、検索で見つけてもらうための調整です。

結論として、会社選びは「何を成果とし、どこを直すか」を一緒に決められるかで差が出ます。作業の種類だけ比べても、後から追加費用や手戻りが増えやすいからです。
ただし、商品や強みが社内で言葉になっていない場合は、先に伝える内容を整える工程が必要なことがあります。

この記事では次の3つを扱います。
・依頼前に決める前提
・効果の見方と目標の置き方
・見積もりで確認する項目

SEO対策を会社に依頼する前の前提

SEOは「記事を増やす作業」だけではありません。サイトの中で、読者が迷わず判断できる順番を作ることも含まれます。
そのため、依頼前に前提をそろえるだけで、費用と成果のズレが減ります。

「会社に頼む」と決まること、決まらないこと

外注で決まりやすいのは、現状の見える化と優先順位です。どのページを直し、どの記事を増やし、どんな順番で動くかが言語化されると、社内の判断が早くなります。
一方で、外注しても自動で埋まらない領域もあります。

・商品やサービスの中身そのもの
・営業の仕組みや価格の決め方
・検索順位の保証

検索は変動します。順位だけを約束する提案より、原因と次の手を説明できる提案のほうが、長い目で安全です。

まず押さえたい2つの誤解

誤解1:記事を増やせば、すぐ伸びる
記事は増やせますが、受け皿のページが弱いと問い合わせは増えません。読者が「自分に関係ある」と判断する根拠や、相談への導線が薄いと、読んで終わりになりがちです。

誤解2:順位が上がれば、問い合わせも増える
順位は大事な指標ですが、問い合わせと直結しないことがあります。例えば、情報収集だけの検索が多いテーマだと、アクセスは増えても商談が増えにくいです。狙うキーワードを選ぶ段階で、目的に合うかを見ます。

期待できる効果と目標の立て方

効果を見誤る原因は、見る数字がバラバラなことです。まず「問い合わせにつながる流れ」を基準にし、そこから必要な数字を決めます。

成果は順位だけでは判断しない

順位は途中経過の一つです。経営や担当者が見たいのは、最終的に問い合わせや採用につながったかです。
そのため、見る順番は次のようにすると混乱が減ります。

  1. 問い合わせや応募の件数
  2. 問い合わせにつながるページの閲覧数
  3. 検索からの訪問数

上から見て、どこで落ちているかを掴むと、次に直す場所が決まります。

KPIをどう決めるか

KPIは、成果を測るための目標の数字です。設定のコツは、社内で説明しやすい形にすることです。
いきなり難しい指標を増やすより、「目的に近い数字」から置くと運用が続きます。

・目的の数字:問い合わせ数、応募数
・途中の数字:問い合わせページの閲覧数
・入口の数字:検索からの訪問数

この3段で置くと、レポートを見たときに「増えたのに成果が出ない」「減ったのに問い合わせが増えた」といったズレの理由が追いやすくなります。

費用の考え方と見積もりの読み方

SEOの費用は、広告費のようにクリック数で決まるものではありません。人が調べ、直し、文章やページを作る作業量で変わります。
見積もりを比べる前に、何が増減要因かを押さえると判断が早いです。

費用が変わりやすい理由

費用が動く理由は主に3つあります。
1つ目は、現状把握の深さです。どのページが入口で、どこで離脱し、どこが読まれているかを見ないと、改善の順番が作れません。

2つ目は、直す量です。ページの数が多いほど、文章の見直しや構成調整が増えます。
3つ目は、記事やページを新規で作る量です。月に何本書くか、何ページ直すかで工数が変わります。

項目含まれやすい作業増減しやすい理由確認方法
現状把握アクセスと導線の確認調査範囲で工数が変動対象ページ数を聞く
キーワード狙う言葉と優先度決め競合調査の深さで差候補数と根拠を見る
ページ改善見出しと文章の見直し修正ページ数で差修正範囲を明文化
記事制作構成案と原稿作成本数と難易度で差本数と担当を確認
計測と報告月次の振り返りレポート粒度で差次の手まで出るか

見積もりの比較は、表の「どこまで含むか」をそろえてから行うとブレません。例えば、記事制作は含むがページ改善は別料金、という形もあります。

見積もりで見落としやすい確認

迷いやすいのは、金額より範囲です。次の項目が書かれていると、社内説明がしやすくなります。

・対象ページの範囲と優先順位の決め方
・原稿作成の有無と、修正回数
・画像や図の用意の担当
・計測と報告の頻度、内容
・やらないことの明記

ここが揃うと、契約後の「聞いていない」が減ります。次の章では、社内体制と進め方を、負担が増えにくい形に落とし込みます。

社内体制と進め方を決めるコツ

外注でつまずきやすいのは、担当が足りないことより「決める人が不在」になることです。窓口と決裁が曖昧だと、確認が止まり、改善のスピードが落ちます。
反対に、窓口が一本化され、判断の線引きが先に決まっていると、打ち合わせが短くても前へ進みます。

まず決めたいのは「窓口」と「決裁」

窓口は、依頼先とのやり取りを集める役です。決裁は、方向性や優先順位を決める役です。
この2つを同じ人が兼ねても問題ありませんが、社内で分かれている場合は、どこまで窓口が決めてよいかを先に言葉にしておくと迷いが減ります。

よく起きるのは、原稿の確認が社内で回り続けて公開が遅れるケースです。修正が長引く原因は、内容の好みより「誰に向けるか」が揃っていないことが多いです。
ここが揃うと、修正の回数が減り、公開が早まります。

次にやることは、社内の役割を紙一枚に落とすことです。難しく考えず、以下の表の空欄を埋める形で十分です。

領域社内担当依頼先決めておくこと
目的と優先度決裁者方向づけ案成果と対象範囲
事業理解現場と営業質問整理強みと避けたい表現
原稿確認監修者構成と執筆修正回数と期限
ページ改修管理者改修案と指示公開手順と権限
計測と報告窓口報告と次の手指標と頻度
問合せ対応営業・受付改善提案反応の共有方法

この表が埋まると、「誰が何を返すか」が明確になり、やり取りが流れ作業になりにくくなります。依頼先の提案も、社内の判断に合わせて出しやすくなります。

社内の負担を増やさない運用の作り方

外注すると楽になる一方で、確認作業が増えたように感じることがあります。これは自然な反応です。新しく作る記事やページは、会社の顔になるため、社内で慎重になります。
負担感を抑えるには、確認の手順を固定します。

確認の手順は、次の順で決めると回りやすいです。

  • 誰が最初に読むか
  • どこまで直してよいか
  • いつまでに返すか

この3つが揃うと、原稿の修正が「終わらない作業」から「締切のある仕事」に変わります。次は、依頼後にどんな流れで進み、いつ頃から変化が見え始めるかを押さえます。

依頼後の進行フローと成果が出るまで

依頼後の流れは、だいたい「現状を見る」「直す順番を決める」「作ると直すを回す」の3段です。最初から記事を量産するより、土台の調整を挟んだほうが、問い合わせにつながりやすい形に寄ります。
理由は、入口だけ増やしても、受け皿が弱いと読者が動かないからです。

最初に出てくる成果物は「順位」ではない

開始直後に期待しやすいのは順位の変化ですが、すぐに大きく動かないこともあります。代わりに、次のような成果物が先に出ます。

  • 直すべきページの優先順位
  • 追加すべき内容の方向
  • 問い合わせまでの導線の修正案

これらが出ると、社内の判断が早くなり、改善の手が止まりにくくなります。

月ごとの進み方の目安

実務では、最初の数週間で現状の見える化と改善の順番が決まり、その後に制作や改修が続きます。業種やサイトの状態で前後しますが、次の流れを想像できると不安が減ります。

  • 初月:現状確認と改善の順番づけ
  • 次月:主要ページの見直しと、記事の準備
  • 以降:公開と振り返りを繰り返す

ここで見るべきは、公開本数の多さより「狙ったページが読まれているか」「問い合わせにつながるページへ流れているか」です。
変化が小さく見える時期は、改善の準備が進んでいる段階のことがあります。途中で焦って方針を変えると、学びが積み上がりにくくなります。

次にやることは、月次の報告で「数字」と「次に直す場所」がセットで出るかを確認することです。数字だけの報告だと、社内で次の判断が止まりやすいからです。

リスクとトラブルを減らす契約の見方

契約で見るべきは、金額そのものより「どこまでやるか」と「途中で方針が変わった時の扱い」です。ここが曖昧だと、追加費用や手戻りの話になりやすく、関係がぎくしゃくします。
反対に、範囲と出口が言葉で揃っていると、揉める余地が減ります。

範囲は「作業名」ではなく「成果物」で確認する

例えば「記事作成」とだけ書かれていると、構成案は含むのか、取材はあるのか、修正は何回かが分かりません。
成果物の形で確認すると、見積もり比較も社内説明も楽になります。

確認したい内容は、次のようなものです。

  • 何を納品とするか(例:原稿、改善案、レポート)
  • 修正は何回までか
  • 対象ページの範囲はどこか

短い一文でよいので、契約書や提案書に残っているかを見ます。

約束の仕方で分かるリスク

「検索順位の上昇」だけを約束の中心に置く提案は、判断が難しくなります。検索は外部要因で変動するため、説明と対応の筋が見えるかが大切です。
また、他サイトからの紹介リンクをお金で集めるなど、検索の仕組みをだますような話が出た場合は注意が必要です。短期の変化が出ても、後から崩れることがあります。

途中でやめたくなった時の取り決め

実務では、担当者の異動や優先度の変化が起きます。その時に動きやすいよう、解約条件や引き継ぎの扱いが書かれているかを見ます。
ここが見えていると、社内で稟議を通しやすくなり、スタートも切りやすくなります。

次の章では、依頼先を選ぶ際に「見れば分かる材料」をチェック表に落とし、比較しやすい形にします。

SEO対策会社の選び方チェックリスト

会社選びで差が出るのは、提案の見た目より「何を見て、どこから直すか」が言葉になっているかです。ここが曖昧だと、契約後にやることが膨らみやすく、費用も時間も読みづらくなります。
比較の軸を先に持つと、金額だけで迷い続ける状態から抜けやすくなります。

初回の提案で見たいのは「診断」と「順番」

良い提案は、今のサイトを見たうえで「まずここを直す理由」が出てきます。いきなり記事本数の話だけが続く提案は、受け皿の改善が後回しになりやすいです。
読者は、記事を読んだ後に比較し、迷い、判断します。その順番に合わせてサイトを整える視点があるかを見ます。

記事制作の品質は「サンプル」と「編集の手順」で分かる

記事の出来は、読みやすさだけでなく、判断材料が揃っているかで決まります。実績として出せる範囲のサンプルがあり、作り方が説明できる会社は、再現性が高いことが多いです。
反対に、言い回しの上手さだけを押す提案は、問い合わせに結びつく根拠が薄いことがあります。

報告は「数字」と「次に直す場所」がセットか

数字の羅列だけでは、社内の判断が止まります。どの数字がどう変わり、次にどこを直すかがセットで出る運用だと、改善が続きやすいです。
見たいのは、結果の説明と次の一手がつながっているかです。

見る項目良いサイン注意サイン確認の仕方
目的の言語化成果と対象を具体化順位の話に偏る目的の数字を聞く
優先順位の根拠直す順番と理由があるやることが羅列最初の一か月を聞く
記事の作り方構成と監修の流れが明確量だけの提案サンプルと手順を見る
ページ改善改修範囲が言葉で残る範囲が曖昧対象ページ数を確認
報告と運用次に直す場所まで出る数字だけで終わる月次の出力物を確認
契約の扱い範囲と終了条件が明確縛りが強いだけ解約と引継ぎを確認

この表を使うと、候補を「説明が通る会社」と「言葉がふわっとした会社」に分けやすくなります。まずは同じ条件で話を聞き、提案の違いがどこに出るかを見比べると判断が早まります。

相談前に準備したい情報と資料

相談の質を上げるコツは、完璧な資料を用意することではなく、判断に必要な最低限を揃えることです。これがあると、提案が具体化し、見積もりの比較もしやすくなります。

用意するものは、メモで足ります。

  • サイトのURLと、直したいページ候補
  • 主力のサービスと、増やしたい問い合わせの種類
  • 問い合わせの現状(多い経路、少ない経路)
  • 競合として意識している会社やサイト
  • 社内の体制(窓口、確認者、決裁者)
  • 公開や修正の制約(社内ルール、繁忙期など)
  • これまでの取り組み(記事追加、改修、広告など)

ここまで揃うと、提案が「一般論」から「自社に合わせた順番」へ変わります。結果として、契約後の手戻りが減りやすくなります。

まとめ

SEOを会社に依頼する判断は、作業の多さより「何を成果とし、どこから直すか」を一緒に決められるかで決まりやすいです。順位だけを追うと迷いが増えますが、問い合わせまでの流れで見ると、直す場所が見えてきます。
費用は作業量で変わるため、見積もりは金額より範囲と成果物をそろえて比べると納得しやすくなります。社内体制は、窓口と決裁を決め、確認の手順を固定すると回り始めます。

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