SEO対策を外注する前に考える、判断の軸

2026.02.21

検索からの問い合わせを増やしたい。けれど社内だけでは手が回らない。外注を考え始めた時点で、もう一つ悩みが増えます。何をどこまで頼めばよいのか、見積もりをどう比べればよいのかが分からないまま、話だけが進みがちです。
結論はシンプルで、外注の前に「頼む範囲」と「期待する変化」を言葉にすると判断が早くなります。例外として、サイト自体が古くて情報が足りない場合は、SEO以前にサイトの土台から見直したほうが近道になることがあります。
この記事では、①外注範囲の決め方、②効果が出るまでの見立て、③見積もりの読み方を順に解説します。

SEO対策を外注する前に決める範囲

SEOは、検索で見つけてもらい、比較され、納得して問い合わせに進む流れを整える取り組みです。ここで先に決めたいのは「作業を丸投げするか」ではなく、「どの工程を外に出すか」です。工程が曖昧だと、費用の比較も成果の話もかみ合いません。

外注の範囲は4つに分けると決めやすい

よくある外注範囲を、判断しやすい形にまとめます。

依頼範囲向く状況期待できる変化注意点
現状診断と方針まず何が問題か知りたいやる順番が見える実行は社内が要る
記事作成の支援書く人手が足りない検索入口が増えやすい題材選びが鍵
サイト改善の支援見られても相談が増えない迷いが減りやすい修正担当が必要
一括で運用支援社内に担当が置けない動く量が確保できる意思決定は社内で

この表で決められるのは、「何を成果物として受け取りたいか」です。たとえば最初の段階で欲しいのが“やる順番”なら診断と方針から。人手が足りないなら記事作成。閲覧はあるのに問い合わせが伸びないならサイト改善から入ると噛み合います。

迷いを減らす社内の持ち物は2つだけ

外注をうまく使うには、社内が抱えるものを最小限に絞るのが現実的です。

  • 目的:問い合わせを増やす、採用を増やすなど「最終的に何を増やすか」
  • 判断役:原稿や修正案を「進めてよい」と決める人

これが無いと、外注側は提案しても止まりやすくなります。逆に、この2つがそろうと、作業の大半は外に出しても前に進みます。

検索意図を押さえると、依頼内容が具体化する

検索意図は、検索した人が本当に知りたいことです。たとえば「SEO対策 外注」を調べる人は、作業内容、費用、失敗を避ける方法まで知りたいはずです。自社の商材でも同じで、相手の疑問の順番に合わせてページや記事を作ると、比較で負けにくくなります。

外注の効果が出るまでの流れと期待値

外注を検討する人が一番不安なのは「いつ変わるのか」だと思います。ここは、最初に“段階”で見立てるのが安全です。検索は、直してすぐに結果が出る種類の取り組みばかりではありません。

だいたいの流れは「調べる→直す→積み上げる」

多くの場合、初動は次の順で進みます。

  • 現状把握:どのページが見られ、どこで読み止めてしまうかを見る
  • 改善方針:狙うテーマと優先順位を決める
  • 実行:記事追加やページ改善を積み上げる

最初の1か月で大きく変わるのは「次に何をするかが決まる」ことです。数字の変化は、2か月目以降にじわじわ見え始めるケースが多いです。

早く見えやすい変化と、時間がかかる変化

短期で見えやすいのは、既にアクセスがあるページの改善です。逆に、記事を増やして入口を作るのは、検索エンジン側の信用が積み上がるまで時間がかかります。外注と話すときは、どちらを狙うのかを先に合わせると、期待値のズレが減ります。

費用相場と見積もりの読み方

費用は「何をやるか」で変わります。月額で伴走する形もあれば、診断だけのスポットもあります。金額だけを比べると、安いが何も残らない、高いが実は範囲が広い、といったズレが起きます。

見積もりは“作業名”より“成果物”で読む

見積書でまず見たいのは、次の2つです。
1つ目は、成果物が具体的か。たとえば「改善提案書」「記事テーマ案」「ページ構成案」など、受け取れる形が書かれているかです。
2つ目は、前提条件が明記されているか。社内で原稿を用意するのか、修正作業は誰が行うのかで、費用も納期も変わります。

導線は、読者が次に迷わず進む道筋です。見積もりに「導線の見直し」と書かれている場合、どのページを、どんな順番で、どこへつなぐのかまで示されていると安心です。

費用項目主な作業変動しやすい要因確認したい点
初期診断現状確認と課題抽出対象ページの量診断の範囲
方針設計テーマ選定と優先順位競合の強さ判断材料の提示
記事作成構成と執筆と修正本数と監修の有無修正回数の扱い
ページ改善導線や文章の調整修正の実装担当実装の含有
定例と報告打合せと振り返り頻度と資料の深さ見る数字の定義

表の「確認したい点」が曖昧なままだと、あとから追加費用になりやすいです。特に、記事の修正回数、サイトの実装担当、毎月どこまで見るかは、先に合意しておくと揉めにくくなります。逆に言うと、ここが書かれていない見積もりは、比較が難しいので注意が必要です。

外注先の選び方(比較の軸)

外注先を探し始めると、候補が一気に増えます。比較サイトの評価や提案資料を見ても、どれも良さそうに見えて決めにくいはずです。
ここで迷いを減らすには、「自社はいま何が詰まっているか」を先に決めます。記事が足りないのか、ページはあるのに問い合わせまで進まないのか、社内の判断が止まっているのか。この見立てができると、外注先の向き不向きがはっきりします。

比べる軸は「できること」より「責任を持つ範囲」

提案内容で見落としやすいのが、誰がどこまで責任を持つかです。たとえば「改善案は出すが、実装は別」「記事は作るが、テーマ設計は社内」など、前提が違うと費用の見え方も変わります。
比較は、次の4つに分けると揃えやすいです。

  • 目的の理解:問い合わせを増やすために、何を優先する提案か
  • 実行範囲:記事、ページ改善、運用のどこまで手を動かすか
  • 説明の分かりやすさ:専門用語に頼らず、判断材料が出るか
  • 連携のしやすさ:窓口、連絡頻度、修正フローが現実的か

この4つが揃うと、「安いが動かない」「高いが範囲が広い」といったズレを避けやすくなります。

外注先タイプは“得意な詰まり”が違う

違いだけ先に押さえると選びやすくなります。

タイプ向くケース得意な領域注意点
SEOコンサル何をすべきか不明課題特定と優先順位実装は別体制が要る
制作会社サイト改善も必要ページ改修と導線調整運用の量は要確認
編集・ライターチーム記事が足りない構成と執筆と更新設計が弱いと散る
総合支援の会社社内が回らない運用の型づくり担当者の質に差

この表で大事なのは、「どれが上か」ではなく「いまの詰まりに合うか」です。
たとえば、方針が曖昧なまま記事だけ増やすと、入口は増えても問い合わせに近づかないことがあります。逆に、サイト改善が必要なのに記事だけ頼むと、読み終えても次に進めない状態が残ります。

提案段階で見たい“中身”は3つ

提案を受けたら、次の3点が具体的かを見ます。ここが具体的だと、契約後の手戻りが減ります。

  • どのページをどう変えるのか(言い回しではなく、対象ページが出る)
  • どんなテーマをいつ作るのか(本数より、狙いと順番が分かる)
  • 何を見て良し悪しを決めるのか(途中経過の見方がある)

「やることの列挙」だけで終わらず、判断の材料が出ている提案は、進めやすい傾向があります。

体制と進め方(社内の役割と進行)

外注がうまく回るかは、スキル以上に「進め方」で決まります。社内側の負担を増やさず、外注の力を引き出すには、役割をシンプルにします。

社内が持つ役割は“窓口”と“判断”に絞る

社内で必要になりやすいのは、作業者ではなく判断役です。具体的には次の3つです。

  • 窓口:連絡を一本化して、返事が遅れないようにする
  • 判断:原稿や改善案を通す、止めるを決める
  • 素材提供:商品情報、事例、よくある質問などの元ネタを渡す

この3つが揃うと、外注側は迷わず動けます。反対に、誰が判断するか曖昧だと、提案が増えるほど止まりやすくなります。

進行は「月次で振り返り、週単位で作る」が現実的

連絡頻度は、多すぎても疲れます。少なすぎるとズレが広がります。多くの中小企業では、次の形が回しやすいです。

  • 月に一度:前月の数字と学びを共有し、今月の優先順位を決める
  • 週単位:記事やページ改善の制作と確認を進める

ここでのコツは、確認が必要なものをまとめて出すことです。細切れに確認が来ると、社内が対応しきれず、結果として遅れます。

実装担当を先に決めると、時間のロスが減る

サイトの修正が必要になったとき、「誰が反映するか」が決まっていないと止まります。
外注側が反映まで行うのか、社内が触るのか、別の制作会社に依頼するのか。この線引きは、見積もりの比較にも直結します。進め方を考える段階で決めておくと、後から慌てずに済みます。

リスクとトラブル回避(契約と運用)

外注のトラブルは、技術よりも「前提のズレ」から起きます。ズレやすいところだけ先に潰すと、安心して進められます。

「成果保証」の言い方は、受け取り方に注意する

検索結果は、競合の動きや検索側の変化も影響します。そのため、順位や件数を約束する提案は、現実と衝突しやすいです。
その代わりに確認したいのは、約束される成果物と進め方です。たとえば、月ごとの作業範囲、記事の本数と品質基準、改善案の提出形式、レポートで見る項目など、こちらは合意しやすく、後から揉めにくい領域です。

追加費用が出やすいのは「修正回数」と「対象範囲」

後から金額が増えやすいのは、次の場面です。

  • 修正が何度でも可能だと誤解していた
  • 対象ページが想定より多かった
  • 実装を含むと思っていたが、提案だけだった

これらは、最初に言葉で揃えておくだけで回避しやすくなります。契約書より前に、メールや議事メモでも構いません。前提が残る形にしておくと、社内説明もしやすくなります。

引き継ぎとデータの扱いは、最初に取り決める

運用が進むと、原稿、画像、改善案などの資産が溜まります。途中で担当が変わっても困らないように、納品物の形式や保管場所、アカウントの管理方法を決めておくと安心です。
「終わると何が手元に残るか」が明確な外注は、長い目で見ても損をしにくいです。

成果・KPIの決め方(問い合わせにつなげる)

外注を始めると、検索順位ばかりが話題になりがちです。順位は分かりやすい一方で、問い合わせにつながる動きが良くなっているかは別の話です。そこで最初に「見る数字の順番」を決めると、社内の会話が前に進みます。

KPIは「途中で迷わないための目印」

KPIは、最終目的に近づいているかを確かめる途中の目印です。問い合わせの増減だけを毎月眺めるより、途中の動きも一緒に追うほうが原因に当たりを付けやすくなります。

「3段」で持つと、原因が切り分けやすい

数字は多すぎると読めません。次の3段に分けて、各段で1〜2個に絞ると現実的です。

  • 最終の数字:問い合わせ数、応募数など
  • 途中の数字:サービスページの閲覧数、記事からの遷移数など
  • 入口の数字:検索からの訪問数、読まれている記事数など

入口が増えているのに問い合わせが増えない場合は、ページの説明や次の導き方が詰まっていることが多いです。逆に途中の数字が良いのに最終が伸びない場合は、問い合わせのハードルや内容のミスマッチが疑われます。

月次の報告は「4つ」がそろうとブレにくい

報告が数字の読み上げだけだと、次に何をするかが決まりません。次の4つがセットだと、打ち合わせが短くても前に進みます。

  • 今月やったこと(作業の一覧)
  • 数字の変化(前月と比べた差)
  • 変化の理由(仮説でよい)
  • 来月の優先順位(やる順番)

外注先を選ぶときは、ここまで含めて運用を組み立ててくれるかを見ると安心です。

目的別の指標例(最初のたたき台)

目的追う数字見るタイミング補足
問い合わせ増問い合わせ数月次内容の傾向もメモ
見込み客を増やす資料請求数月次記事からの流れも確認
比較で選ばれたいサービス頁の閲覧数週次入口記事の変化と見る
採用を増やす応募数月次求人頁の閲覧も見る

最初は、この表から自社に近い行を選ぶだけで構いません。運用しながら「見ても動けない数字」は外し、「動ける数字」に寄せていくほうが長続きします。

依頼前にそろえる情報と社内チェック

外注で手戻りが起きやすいのは、依頼内容が曖昧なまま走り出したときです。準備は完璧でなくて大丈夫ですが、最低限の材料があると見積もり比較もしやすくなります。

依頼前にそろえると話が早い情報

  • 対象サイトURL、できれば主要ページの一覧
  • 主力の商品・サービスと、優先したい順番
  • よくある質問、断られやすい理由、誤解されやすい点
  • 競合として意識している会社名(数社で十分)
  • 問い合わせの窓口(フォーム、電話など)と現状の課題感
  • 社内の体制(窓口、判断役、サイト修正の担当)

ここまであると、外注先は「どこから触ると近道か」を具体的に提案しやすくなります。

社内チェックは「判断が止まる所」だけつぶす

社内で止まりやすいのは、次の3つです。

  • 目的が一文で言えない
  • 依頼範囲が曖昧で、見積もりが比べられない
  • サイト修正を誰が反映するか決まっていない

サイトの修正を実際に反映する作業を、実装と呼ぶことがあります。ここが未決定だと、良い改善案が出ても止まりやすいので、役割だけ先に決めておくと安心です。

まとめ

SEO対策の外注は、作業を外に出すこと自体が目的ではありません。何をどこまで頼むかを先に決め、効果が出るまでの見立てを共有し、見積もりの中身を成果物で比べると判断が早くなります。
運用が始まった後は、最終の数字だけで一喜一憂せず、途中の目印も持つと次の打ち手が選びやすくなります。依頼前に最低限の情報と社内の役割をそろえておけば、余計な往復が減り、改善のスピードが上がります。

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