見積を取ったら金額差が大きくて、判断が止まることがあります。社内に説明しようとしても、何が違うのか言葉にしづらい場面が多いです。
ホームページ制作の相場は入口の目安で、最終的な判断は見積の中身で決まります。金額の根拠が見えた瞬間に、予算の考え方が一段ラクに変わります。
すでに原稿や写真がそろっていて、作る範囲も決まっている場合は、比較はかなり楽です。
この記事で分かることは次の3つです。
- 相場が一言で決まらない理由
- 依頼先と範囲で変わる費用の目安
- 見積書を見たときの読み方の筋道
ホームページ制作の相場が一言で決まらない理由
ホームページ制作の費用は、作業量と責任範囲、そして求める成果の深さで変わります。見た目が似ていても、裏でやっていることが違うためです。
まず大きいのが作業量です。ページ数だけでなく、原稿の作成や調整、写真の準備、掲載内容の確認など、社内外のやり取りが増えるほど時間がかかります。たとえば会社案内だけのサイトと、製品紹介や採用情報まで充実させたサイトでは、同じ「10ページ前後」に見えても中身の密度が変わります。
次に責任範囲です。デザインとページ作成だけで終わるのか、公開後も更新しやすい形まで整えるのかで変わります。更新担当が変わっても回る状態にするには、仕組みやルール作りが必要になり、その分の工数が見積に乗ります。
そして成果の深さです。名刺代わりに存在していれば十分なのか、問い合わせを増やしたいのかで、必要な準備が違います。後者の場合は「誰が読んで何を不安に思うか」を仮説にして、順番や言葉を組み立てる作業が増えます。
最初にやることは、相場を探す前に「目的」と「作る範囲」を短くメモにすることです。ここが曖昧だと、見積が高いのか安いのか以前に、比較の軸が定まりません。
相場の目安は依頼先と範囲で変わる
相場の話をするとき、依頼先のタイプを分けると見通しが良くなります。同じ金額でも、含まれる範囲や進め方が違うからです。
もう一つの落とし穴は、相見積もりで「前提条件」がそろっていないことです。作る範囲と素材の有無が揃うだけで、金額差の理由が追いやすくなります。
依頼先別の相場レンジ早見表
| 依頼先 | 価格帯目安 | 得意なこと | 向くケース |
|---|---|---|---|
| 自社で作る | 数万円台〜 | スピード重視 | まず形だけ用意 |
| フリーランス | 数十万円台〜 | 小回りと柔軟さ | 要件が固まっている |
| 小規模の制作会社 | 数十〜百万円台 | 進行が安定しやすい | 初めてで伴走が必要 |
| 中堅の制作会社 | 百〜数百万円台 | 設計から運用まで | 問い合わせ導線も整える |
| 代理店など | 数百万円台〜 | 施策全体の調整 | 広告や制作をまとめたい |
この表は大まかな目安です。迷いやすいのは、同じ価格帯でも「含まれる作業」が違うことです。
範囲の違いで金額が動きやすいのは、次のような部分です。
- 原稿づくりを手伝うか(取材、構成、推敲など)
- 写真や動画を撮るか、素材を整えるか
- ページを増やすか、1ページの情報量を増やすか
- 公開後の更新まで見越して仕組みを用意するか
たとえば「原稿は社内で書ける」「写真もそろっている」なら、外注範囲が絞れます。一方で「伝える順番から相談したい」「採用や問い合わせを増やしたい」場合は、設計と原稿の工程が厚くなり、見積も上がりやすいです。
ここでの次の一手は、見積を依頼するときに「やってほしい範囲」と「社内で出せる素材」を先に分けて書くことです。相見積もりでも条件がそろい、金額差の理由が見えやすくなります。
見積書の内訳を読むと不安が減る
見積書は、金額表というより作業の一覧です。項目の言葉が会社ごとに違うので、合計金額だけで比べると判断を誤りやすくなります。
まず見るのは、作業がどの塊に分かれているかです。一般的には「設計」「デザイン」「ページ作成」「公開作業」「進行管理」に分かれます。ここが極端に少ない、または一式でまとめられている場合は、含まれる作業範囲を言葉で確認した方が安心です。
次に、原稿や画像に関する項目です。ここが見積に入っていない場合、社内で全部用意する前提のことがあります。用意できるなら問題ありませんが、止まりやすいのもこの部分です。自社の体制と照らして「誰が、いつまでに、何を出すか」まで想像できるかが判断材料として使えます。
最後に、公開後の扱いです。更新の方法、引き継ぎ資料、軽微な修正の範囲などが書かれているかで、あとからの手間が変わります。このあと、抜けやすい項目の見つけ方と、費用が動きやすい要件の考え方を掘り下げます。
抜け漏れしやすい項目だけ先に確認する
見積の比較で迷う原因は、合計金額よりも「含まれている前提」が揃っていないことです。
まずは抜けやすい所だけ、チェック表で確認します。見積書のどこに該当するか、印をつけながら読むと差が見えます。
| 項目 | 含まれやすい作業 | 抜けやすいもの | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 設計 | ページ構成、導線設計 | 画面のたたき台 | 提案の範囲 |
| デザイン | トップと下層の見た目 | スマホ側の調整 | 対象ページ数 |
| 原稿・素材 | 原稿の修正、画像調整 | 取材、写真準備 | 誰が用意するか |
| フォーム | 問い合わせ設置 | 自動返信、迷惑対策 | 通知方法と宛先 |
| 公開・引き継ぎ | 公開作業、初期設定 | 操作説明、軽微修正 | 公開後の対応範囲 |
特に「一式」でまとまっている見積は、悪いわけではありません。
ただ、後から揉めやすいのも一式の見積です。成果物と作業範囲を言葉で揃えるだけで、追加費用の不安が減ります。
制作会社へ確認するときは、言い方を短くすると通りやすいです。
例としては次のような形です。
- 「設計は、ページ構成の提案まで含みますか」
- 「原稿は、どこまで手伝いますか」
- 「公開後の軽い修正は、範囲がありますか」
費用が動きやすい要件と削る順番
予算を決めるときに難しいのは、削った結果として成果が遠のくことです。
削るなら、目的に直結しない部分から順に触ると、判断がしやすくなります。
大きく費用が動く要件は、だいたい決まっています。
下の表は「なぜ金額が変わるのか」と「調整の方向」を並べたものです。
| 要件 | 費用が動く理由 | 調整の選択肢 | 判断の目安 |
|---|---|---|---|
| ページ数 | 作成と確認が増える | 優先ページから作る | 営業上必要な順 |
| 原稿支援 | 取材と推敲に時間 | 骨子まで外注する | 社内で書ける量 |
| 写真 | 撮影と加工が発生 | 既存素材で始める | 信頼に直結するか |
| デザイン | 作り込みの工数差 | 共通部品を増やす | 差別化が必要か |
| 更新しやすさ | 手順と仕組みを整備 | 運用ルールを先に作る | 担当が複数か |
削りやすいのは「ページ数」や「作り込み」です。ここは調整が効きます。
一方で、削りすぎると後で効いてくるのが「更新しやすさ」と「引き継ぎ」です。公開後に更新が止まると、結局は作り直しに近い負担が出ます。
予算が厳しいときは、次の考え方が役に立ちます。
- まず、問い合わせや採用に直結するページを先に固める
- 次に、ページを増やすより、1ページの中身を良くする
- 最後に、余力が出たら追加ページを作る
この順にすると、少ない範囲でも「使えるサイト」になりやすいです。
効果の考え方とKPIの置き方
ホームページは作った瞬間に成果が出るものではなく、会社の説明を“決められる形”に整える道具です。
だから効果は「見られた数」だけで判断しない方が、社内の納得が取りやすくなります。
KPIは、目標までの途中経過を測る数字です。
いきなり細かく決める必要はなく、最初は目的に近いものを少数に絞ります。
BtoBのコーポレートサイトなら、KPIは次のような形が現実的です。
- 問い合わせの件数
- フォームまで到達した回数
- 電話をかけた回数や、資料請求の件数
大事なのは、制作会社が作る範囲と、KPIで追う範囲を揃えることです。
たとえば問い合わせを増やしたいのに、問い合わせページが弱いままだと、どこを直すべきかが曖昧になります。
KPIを置くときは、社内の会話が進むように「判断の材料」をセットで持ちます。
例としては「問い合わせが増えたら、次は営業の対応を増やせるか」までを決めておくと、数字が動いたときに慌てません。
体制と進め方で手戻りが変わる
費用を左右するのは作業量ですが、実は手戻りの多さも同じくらい影響します。
手戻りは、誰が決めるかが曖昧なときに増えます。
社内側で最低限そろえると進みやすい役割は、次の4つです。
- 決裁者:方向性と最終判断を出す
- 連絡窓口:連絡を一つにまとめる
- 原稿担当:情報を集めて言葉にする
- 確認担当:法務や表現、数値の確認を行う
人数が少ない会社でも、役割が一人の中で分かれていれば進みます。
逆に「全員で見て全員で決める」形だと、確認が長引きやすく、結果として費用も予定も膨らみます。
進め方で押さえたいのは、最初に合意する範囲です。
- 目的と、最優先のページ
- 掲載する内容の粒度
- どこまでが制作側、どこからが社内側
ここが揃うと、見積の比較もしやすくなり、依頼後の追加費用も説明しやすくなります。
相見積もりで比べる観点と質問例
相見積もりは、安くしてもらう交渉よりも「条件をそろえて比較できる状態にする作業」です。前提がズレたままだと、金額差の理由が追えず、社内も腹落ちしづらいままです。
まず前提条件をそろえる
比べる前に、次だけは同じにします。
- 作る範囲(ページ数、フォーム有無)
- 原稿と写真を誰が用意するか
- 公開後の対応をどこまで頼むか
- いつ公開したいか、社内確認の回数
この4つがそろうと、金額の差を「作業の差」として読み解きやすくなります。
金額より先に見る項目
同じ合計金額でも、次が違うと満足度が変わります。
- 何が納品物として残るか(デザインデータ、原稿案など)
- 途中の確認回数と修正の考え方
- 誰が担当するか、相談の窓口が一人か
- 公開後に困ったときの連絡先と範囲
ここが見えると、安さよりも「止まりにくさ」で判断が早まります。
質問例
制作会社へ聞くときは、曖昧さが残る所だけ短く聞くのがコツです。
- 「設計は、どこまで提案がありますか」
- 「原稿は、こちらが用意する前提ですか」
- 「写真の準備が難しい場合、どう進めますか」
- 「修正は何回までが想定ですか」
- 「追加の要望が出たとき、費用と納期はどう決めますか」
- 「公開後の軽い修正は、範囲がありますか」
- 「担当は固定ですか。連絡は誰にしますか」
- 「公開後の更新は、社内でもできますか」
このやり取りで「含まれること」と「含まれないこと」が揃い、比較が一気に進みます。
リスクとトラブルを防ぐ契約チェック
契約で揉めやすいのは、成果物のイメージではなく、範囲の線引きです。見積と同じくらい、文章で合意しておくと安心です。
範囲の線引きを文章にする
確認したいのは、次の3つです。
- 何ページ作るか、どのページが対象か
- 修正の範囲と回数の考え方
- 公開作業まで含むか、公開後は別か
「一式」と書かれているときは、上の3つが文で書かれているかを見ます。
追加対応の決め方
途中で要望が増えるのは自然です。揉めないためには「増えたときの決め方」を先に決めます。
- 追加の判断は誰がするか
- 追加費用の見積はいつ出るか
- 納期が動く条件は何か
ここが決まっていると、社内の調整も早まります。
データと引き継ぎ
公開後に困るのは、更新のやり方が分からない状態です。次が含まれるかを見ておくと安心です。
- 更新の手順書や操作説明
- 管理画面に入るための情報の引き継ぎ
- 画像や原稿など素材データの扱い
「担当者が変わっても回るか」を基準にすると判断しやすいです。
※契約書の細かい条文は、必要に応じて社内の担当者や専門家にも確認してください。
公開後にかかる費用と運用の考え方
公開してからの費用は、止めないためのものと、伸ばすためのものに分けて考えると見通しが立ちます。どちらも想定しておくと、社内で説明がしやすいです。
公開後の費用を二つに分ける
止めないための費用は、サイトを置き続けるための支払いと、軽い調整のための費用です。
伸ばすための費用は、ページを増やす、内容を作り足す、導線を直すといった改善の費用です。
ここを混ぜると「毎月いくら必要か」が曖昧なまま残ります。
公開後にかかる運用費の考え方
| 項目 | やること | 費用の出方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ドメイン | サイトの住所を維持 | 年払いが多い | 名義を社内で管理 |
| サーバー | サイトの置き場所 | 月額か年額 | 容量と保守範囲 |
| 軽い修正 | 文言、画像差し替え | 回数制か都度 | 対応範囲を決める |
| 更新代行 | ニュース等の更新 | 月額か都度 | 社内確認の流れ |
| 改善 | ページ追加や改修 | 都度見積 | 優先順位を決める |
ドメインはWeb上の住所のようなものです。サーバーはサイトを置く場所です。どちらも名義と支払い先がどこかで、引き継ぎのしやすさが変わります。
公開後は、毎月の固定費を最小限にしつつ、必要なときに改善へ投資できる形が現実的です。最初から大きな運用費を前提にせず、回る形から始めた方が継続しやすいです。
相談前に用意しておく情報
相談に入る前に全部そろっていなくても進みます。ただ、最初に共有できると手戻りが減る情報があります。
社内でメモしておくと早いこと
- 目的(問い合わせ、採用など)
- 誰に見てほしいか(業種、役職、地域など)
- 今の困りごと(例:原稿がまとまらない)
- 作りたいページの候補(会社概要、事業、採用など)
- 参考にしたいサイトがあればリンク
この5つがあると、見積の前提がそろいやすいです。
未定でも困らないもの
- 予算は目安でも良い
- 公開時期は幅があって良い
- 原稿の完成度は途中でも良い
未定を無理に決めるより、「何が未定か」を言葉にした方が判断が進みます。
よくある質問
補足:BtoBは企業同士の取引を指します。
Q. 相場より安い見積は避けた方がいいですか
A. 安いこと自体は問題ではありません。範囲が絞られているのか、社内で用意する前提が多いのかを確認すると納得しやすいです。
Q. 原稿は社内で書くべきですか
A. 社内で書ける場合は費用を抑えやすいです。一方で止まりやすい所なので、骨子だけ外部に頼む形もあります。
Q. 写真撮影は必要ですか
A. 業種によります。初めての人が不安になりやすい商材ほど、現場や人の写真が安心材料になりやすいです。
Q. 公開後の更新はどう考えればいいですか
A. 社内で更新できる範囲と、外部に頼む範囲を分けると回りやすいです。更新が止まりそうなら、最初に手順を整えるのが近道です。
Q. 制作期間はどのくらい見ておけばいいですか
A. ページ数と原稿の準備で変わります。原稿や素材がそろっているほど短くなり、準備から始める場合は長めに見積もると安心です。
まとめ
ホームページ制作の相場は、最初の目安です。判断をラクにする鍵は、金額ではなく「何を作り、どこまで頼むか」を言葉でそろえることです。
見積を比べるときは、条件をそろえ、抜け漏れしやすい所だけ確認します。予算が厳しいときは、成果に近いページから作ると、無理なく前に進みます。
公開後の費用も含めて考えると、作って終わりが起きにくいです。次の一手としては、目的と作る範囲をメモにして、同じ条件で見積を取り直すところから始めてください。
このあと相談するときは、分かる範囲で次を共有できると話が早いです。未定は未定で構いません。
・目的(売上/問い合わせ/採用など)
・ターゲット(誰に見てほしいか)
・参考にしているサイト(あれば)
・現状の困りごと(原稿がまとまらない、導線が弱い など)
内容は分かったのに、自社に当てはめた瞬間に止まりやすいテーマです。株式会社みやあじよが、状況を言葉にしながら、次に決める順番を一緒に整えます。
何かホームページ制作でお困りごとございましたら、こちらより気軽にご相談ください。