ホームページ制作 相場と見積の読み方

2025.12.03

見積を取ったら金額差が大きくて、判断が止まることがあります。社内に説明しようとしても、何が違うのか言葉にしづらい場面が多いです。
ホームページ制作の相場は入口の目安で、最終的な判断は見積の中身で決まります。金額の根拠が見えた瞬間に、予算の考え方が一段ラクに変わります。
すでに原稿や写真がそろっていて、作る範囲も決まっている場合は、比較はかなり楽です。

この記事で分かることは次の3つです。

  • 相場が一言で決まらない理由
  • 依頼先と範囲で変わる費用の目安
  • 見積書を見たときの読み方の筋道

ホームページ制作の相場が一言で決まらない理由

ホームページ制作の費用は、作業量と責任範囲、そして求める成果の深さで変わります。見た目が似ていても、裏でやっていることが違うためです。

まず大きいのが作業量です。ページ数だけでなく、原稿の作成や調整、写真の準備、掲載内容の確認など、社内外のやり取りが増えるほど時間がかかります。たとえば会社案内だけのサイトと、製品紹介や採用情報まで充実させたサイトでは、同じ「10ページ前後」に見えても中身の密度が変わります。

次に責任範囲です。デザインとページ作成だけで終わるのか、公開後も更新しやすい形まで整えるのかで変わります。更新担当が変わっても回る状態にするには、仕組みやルール作りが必要になり、その分の工数が見積に乗ります。

そして成果の深さです。名刺代わりに存在していれば十分なのか、問い合わせを増やしたいのかで、必要な準備が違います。後者の場合は「誰が読んで何を不安に思うか」を仮説にして、順番や言葉を組み立てる作業が増えます。

最初にやることは、相場を探す前に「目的」と「作る範囲」を短くメモにすることです。ここが曖昧だと、見積が高いのか安いのか以前に、比較の軸が定まりません。

相場の目安は依頼先と範囲で変わる

相場の話をするとき、依頼先のタイプを分けると見通しが良くなります。同じ金額でも、含まれる範囲や進め方が違うからです。
もう一つの落とし穴は、相見積もりで「前提条件」がそろっていないことです。作る範囲と素材の有無が揃うだけで、金額差の理由が追いやすくなります。

依頼先別の相場レンジ早見表

依頼先価格帯目安得意なこと向くケース
自社で作る数万円台〜スピード重視まず形だけ用意
フリーランス数十万円台〜小回りと柔軟さ要件が固まっている
小規模の制作会社数十〜百万円台進行が安定しやすい初めてで伴走が必要
中堅の制作会社百〜数百万円台設計から運用まで問い合わせ導線も整える
代理店など数百万円台〜施策全体の調整広告や制作をまとめたい

この表は大まかな目安です。迷いやすいのは、同じ価格帯でも「含まれる作業」が違うことです。

範囲の違いで金額が動きやすいのは、次のような部分です。

  • 原稿づくりを手伝うか(取材、構成、推敲など)
  • 写真や動画を撮るか、素材を整えるか
  • ページを増やすか、1ページの情報量を増やすか
  • 公開後の更新まで見越して仕組みを用意するか

たとえば「原稿は社内で書ける」「写真もそろっている」なら、外注範囲が絞れます。一方で「伝える順番から相談したい」「採用や問い合わせを増やしたい」場合は、設計と原稿の工程が厚くなり、見積も上がりやすいです。

ここでの次の一手は、見積を依頼するときに「やってほしい範囲」と「社内で出せる素材」を先に分けて書くことです。相見積もりでも条件がそろい、金額差の理由が見えやすくなります。

見積書の内訳を読むと不安が減る

見積書は、金額表というより作業の一覧です。項目の言葉が会社ごとに違うので、合計金額だけで比べると判断を誤りやすくなります。

まず見るのは、作業がどの塊に分かれているかです。一般的には「設計」「デザイン」「ページ作成」「公開作業」「進行管理」に分かれます。ここが極端に少ない、または一式でまとめられている場合は、含まれる作業範囲を言葉で確認した方が安心です。

次に、原稿や画像に関する項目です。ここが見積に入っていない場合、社内で全部用意する前提のことがあります。用意できるなら問題ありませんが、止まりやすいのもこの部分です。自社の体制と照らして「誰が、いつまでに、何を出すか」まで想像できるかが判断材料として使えます。

最後に、公開後の扱いです。更新の方法、引き継ぎ資料、軽微な修正の範囲などが書かれているかで、あとからの手間が変わります。このあと、抜けやすい項目の見つけ方と、費用が動きやすい要件の考え方を掘り下げます。

抜け漏れしやすい項目だけ先に確認する

見積の比較で迷う原因は、合計金額よりも「含まれている前提」が揃っていないことです。
まずは抜けやすい所だけ、チェック表で確認します。見積書のどこに該当するか、印をつけながら読むと差が見えます。

項目含まれやすい作業抜けやすいもの確認したいこと
設計ページ構成、導線設計画面のたたき台提案の範囲
デザイントップと下層の見た目スマホ側の調整対象ページ数
原稿・素材原稿の修正、画像調整取材、写真準備誰が用意するか
フォーム問い合わせ設置自動返信、迷惑対策通知方法と宛先
公開・引き継ぎ公開作業、初期設定操作説明、軽微修正公開後の対応範囲

特に「一式」でまとまっている見積は、悪いわけではありません。
ただ、後から揉めやすいのも一式の見積です。成果物と作業範囲を言葉で揃えるだけで、追加費用の不安が減ります。

制作会社へ確認するときは、言い方を短くすると通りやすいです。
例としては次のような形です。

  • 「設計は、ページ構成の提案まで含みますか」
  • 「原稿は、どこまで手伝いますか」
  • 「公開後の軽い修正は、範囲がありますか」

費用が動きやすい要件と削る順番

予算を決めるときに難しいのは、削った結果として成果が遠のくことです。
削るなら、目的に直結しない部分から順に触ると、判断がしやすくなります。

大きく費用が動く要件は、だいたい決まっています。
下の表は「なぜ金額が変わるのか」と「調整の方向」を並べたものです。

要件費用が動く理由調整の選択肢判断の目安
ページ数作成と確認が増える優先ページから作る営業上必要な順
原稿支援取材と推敲に時間骨子まで外注する社内で書ける量
写真撮影と加工が発生既存素材で始める信頼に直結するか
デザイン作り込みの工数差共通部品を増やす差別化が必要か
更新しやすさ手順と仕組みを整備運用ルールを先に作る担当が複数か

削りやすいのは「ページ数」や「作り込み」です。ここは調整が効きます。
一方で、削りすぎると後で効いてくるのが「更新しやすさ」と「引き継ぎ」です。公開後に更新が止まると、結局は作り直しに近い負担が出ます。

予算が厳しいときは、次の考え方が役に立ちます。

  • まず、問い合わせや採用に直結するページを先に固める
  • 次に、ページを増やすより、1ページの中身を良くする
  • 最後に、余力が出たら追加ページを作る

この順にすると、少ない範囲でも「使えるサイト」になりやすいです。

効果の考え方とKPIの置き方

ホームページは作った瞬間に成果が出るものではなく、会社の説明を“決められる形”に整える道具です。
だから効果は「見られた数」だけで判断しない方が、社内の納得が取りやすくなります。

KPIは、目標までの途中経過を測る数字です。
いきなり細かく決める必要はなく、最初は目的に近いものを少数に絞ります。

BtoBのコーポレートサイトなら、KPIは次のような形が現実的です。

  • 問い合わせの件数
  • フォームまで到達した回数
  • 電話をかけた回数や、資料請求の件数

大事なのは、制作会社が作る範囲と、KPIで追う範囲を揃えることです。
たとえば問い合わせを増やしたいのに、問い合わせページが弱いままだと、どこを直すべきかが曖昧になります。

KPIを置くときは、社内の会話が進むように「判断の材料」をセットで持ちます。
例としては「問い合わせが増えたら、次は営業の対応を増やせるか」までを決めておくと、数字が動いたときに慌てません。

体制と進め方で手戻りが変わる

費用を左右するのは作業量ですが、実は手戻りの多さも同じくらい影響します。
手戻りは、誰が決めるかが曖昧なときに増えます。

社内側で最低限そろえると進みやすい役割は、次の4つです。

  • 決裁者:方向性と最終判断を出す
  • 連絡窓口:連絡を一つにまとめる
  • 原稿担当:情報を集めて言葉にする
  • 確認担当:法務や表現、数値の確認を行う

人数が少ない会社でも、役割が一人の中で分かれていれば進みます。
逆に「全員で見て全員で決める」形だと、確認が長引きやすく、結果として費用も予定も膨らみます。

進め方で押さえたいのは、最初に合意する範囲です。

  • 目的と、最優先のページ
  • 掲載する内容の粒度
  • どこまでが制作側、どこからが社内側

ここが揃うと、見積の比較もしやすくなり、依頼後の追加費用も説明しやすくなります。

相見積もりで比べる観点と質問例

相見積もりは、安くしてもらう交渉よりも「条件をそろえて比較できる状態にする作業」です。前提がズレたままだと、金額差の理由が追えず、社内も腹落ちしづらいままです。

まず前提条件をそろえる

比べる前に、次だけは同じにします。

  • 作る範囲(ページ数、フォーム有無)
  • 原稿と写真を誰が用意するか
  • 公開後の対応をどこまで頼むか
  • いつ公開したいか、社内確認の回数

この4つがそろうと、金額の差を「作業の差」として読み解きやすくなります。

金額より先に見る項目

同じ合計金額でも、次が違うと満足度が変わります。

  • 何が納品物として残るか(デザインデータ、原稿案など)
  • 途中の確認回数と修正の考え方
  • 誰が担当するか、相談の窓口が一人か
  • 公開後に困ったときの連絡先と範囲

ここが見えると、安さよりも「止まりにくさ」で判断が早まります。

質問例

制作会社へ聞くときは、曖昧さが残る所だけ短く聞くのがコツです。

  • 「設計は、どこまで提案がありますか」
  • 「原稿は、こちらが用意する前提ですか」
  • 「写真の準備が難しい場合、どう進めますか」
  • 「修正は何回までが想定ですか」
  • 「追加の要望が出たとき、費用と納期はどう決めますか」
  • 「公開後の軽い修正は、範囲がありますか」
  • 「担当は固定ですか。連絡は誰にしますか」
  • 「公開後の更新は、社内でもできますか」

このやり取りで「含まれること」と「含まれないこと」が揃い、比較が一気に進みます。

リスクとトラブルを防ぐ契約チェック

契約で揉めやすいのは、成果物のイメージではなく、範囲の線引きです。見積と同じくらい、文章で合意しておくと安心です。

範囲の線引きを文章にする

確認したいのは、次の3つです。

  • 何ページ作るか、どのページが対象か
  • 修正の範囲と回数の考え方
  • 公開作業まで含むか、公開後は別か

「一式」と書かれているときは、上の3つが文で書かれているかを見ます。

追加対応の決め方

途中で要望が増えるのは自然です。揉めないためには「増えたときの決め方」を先に決めます。

  • 追加の判断は誰がするか
  • 追加費用の見積はいつ出るか
  • 納期が動く条件は何か

ここが決まっていると、社内の調整も早まります。

データと引き継ぎ

公開後に困るのは、更新のやり方が分からない状態です。次が含まれるかを見ておくと安心です。

  • 更新の手順書や操作説明
  • 管理画面に入るための情報の引き継ぎ
  • 画像や原稿など素材データの扱い

「担当者が変わっても回るか」を基準にすると判断しやすいです。

※契約書の細かい条文は、必要に応じて社内の担当者や専門家にも確認してください。

公開後にかかる費用と運用の考え方

公開してからの費用は、止めないためのものと、伸ばすためのものに分けて考えると見通しが立ちます。どちらも想定しておくと、社内で説明がしやすいです。

公開後の費用を二つに分ける

止めないための費用は、サイトを置き続けるための支払いと、軽い調整のための費用です。
伸ばすための費用は、ページを増やす、内容を作り足す、導線を直すといった改善の費用です。

ここを混ぜると「毎月いくら必要か」が曖昧なまま残ります。

公開後にかかる運用費の考え方

項目やること費用の出方注意点
ドメインサイトの住所を維持年払いが多い名義を社内で管理
サーバーサイトの置き場所月額か年額容量と保守範囲
軽い修正文言、画像差し替え回数制か都度対応範囲を決める
更新代行ニュース等の更新月額か都度社内確認の流れ
改善ページ追加や改修都度見積優先順位を決める

ドメインはWeb上の住所のようなものです。サーバーはサイトを置く場所です。どちらも名義と支払い先がどこかで、引き継ぎのしやすさが変わります。

公開後は、毎月の固定費を最小限にしつつ、必要なときに改善へ投資できる形が現実的です。最初から大きな運用費を前提にせず、回る形から始めた方が継続しやすいです。

相談前に用意しておく情報

相談に入る前に全部そろっていなくても進みます。ただ、最初に共有できると手戻りが減る情報があります。

社内でメモしておくと早いこと

  • 目的(問い合わせ、採用など)
  • 誰に見てほしいか(業種、役職、地域など)
  • 今の困りごと(例:原稿がまとまらない)
  • 作りたいページの候補(会社概要、事業、採用など)
  • 参考にしたいサイトがあればリンク

この5つがあると、見積の前提がそろいやすいです。

未定でも困らないもの

  • 予算は目安でも良い
  • 公開時期は幅があって良い
  • 原稿の完成度は途中でも良い

未定を無理に決めるより、「何が未定か」を言葉にした方が判断が進みます。

よくある質問

補足:BtoBは企業同士の取引を指します。

Q. 相場より安い見積は避けた方がいいですか

A. 安いこと自体は問題ではありません。範囲が絞られているのか、社内で用意する前提が多いのかを確認すると納得しやすいです。

Q. 原稿は社内で書くべきですか

A. 社内で書ける場合は費用を抑えやすいです。一方で止まりやすい所なので、骨子だけ外部に頼む形もあります。

Q. 写真撮影は必要ですか

A. 業種によります。初めての人が不安になりやすい商材ほど、現場や人の写真が安心材料になりやすいです。

Q. 公開後の更新はどう考えればいいですか

A. 社内で更新できる範囲と、外部に頼む範囲を分けると回りやすいです。更新が止まりそうなら、最初に手順を整えるのが近道です。

Q. 制作期間はどのくらい見ておけばいいですか

A. ページ数と原稿の準備で変わります。原稿や素材がそろっているほど短くなり、準備から始める場合は長めに見積もると安心です。

まとめ

ホームページ制作の相場は、最初の目安です。判断をラクにする鍵は、金額ではなく「何を作り、どこまで頼むか」を言葉でそろえることです。

見積を比べるときは、条件をそろえ、抜け漏れしやすい所だけ確認します。予算が厳しいときは、成果に近いページから作ると、無理なく前に進みます。

公開後の費用も含めて考えると、作って終わりが起きにくいです。次の一手としては、目的と作る範囲をメモにして、同じ条件で見積を取り直すところから始めてください。

このあと相談するときは、分かる範囲で次を共有できると話が早いです。未定は未定で構いません。
・目的(売上/問い合わせ/採用など)
・ターゲット(誰に見てほしいか)
・参考にしているサイト(あれば)
・現状の困りごと(原稿がまとまらない、導線が弱い など)

内容は分かったのに、自社に当てはめた瞬間に止まりやすいテーマです。株式会社みやあじよが、状況を言葉にしながら、次に決める順番を一緒に整えます。

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