「SEO対策の見積を取ったら、金額がバラバラで判断できない」。中小企業の担当者からよく聞く悩みです。
しかも社内では「高いのか安いのか」「いつまで続けるのか」で話が止まりやすく、決めきれないまま時間だけが過ぎがちです。
結論から言うと、SEO対策の費用は“何をどこまでやるか”を言葉にできた瞬間に、比較できる形へ変わります。
逆に、同じ言葉で依頼しても中身の前提がズレると、見積は揃いません。
この記事では、費用が変わる理由、料金体系の違い、見積の受け止め方を順番にほどき、相見積もりで迷いにくい判断軸を作ります。
SEOは検索で見つかりやすくする工夫のことです。難しいテクニックよりも、まずは前提を揃えるほうが近道です。
SEO対策の費用がばらつく理由
費用差の正体は「やる量」と「変化の難しさ」
費用の差は、会社ごとの“努力量”の差というより、作業量と難しさの見積もりが違うことで起きます。
作業量は、対象ページの数、直す箇所の多さ、追加で作るページの数で増えます。
難しさは、競合が強い市場かどうか、検索した人の目的が複雑かどうかで変わります。検索意図は、検索した人が何を知りたいかという目的です。
似たサービスが多い業界では、説明を少し足しただけでは差が出にくく、情報を増やすだけでも足りない場面があります。
この場合、構成そのものを作り直したり、社内の強みの出し方を変えたりと、手戻りが起きやすい分だけ作業時間が増えます。
まずは、見積が高いか安いかを悩む前に「対象ページはどこか」を先に決めてください。
トップページとサービスページだけでも、範囲が揃うと比較が一気にやりやすくなります。
同じSEOでも、狙いが違うと見積は変わる
SEOの依頼目的は、大きく分けると「問い合わせを増やしたい」「採用につなげたい」「指名で探されたい」などがあります。
目的が違うと、優先するページも、増やす情報も変わります。
問い合わせが目的なら、サービス内容、選ばれる理由、対応範囲、料金の考え方など“判断材料”の不足が止まりやすい原因になりがちです。
採用が目的なら、仕事内容の具体、社風、育成、評価の考え方など“不安を減らす材料”が欠かせません。
最初に決めたいのは、目標を一言で置くことです。
「問い合わせを増やす」までで十分です。細かい数字は後から詰められます。
依頼先の得意領域で、提案の中身が変わる
同じSEO対策でも、依頼先が得意とする領域で提案が変わります。
サイトの土台を直す提案が中心の会社もあれば、記事を増やす提案が中心の会社もあります。
どちらが正しいかではなく、自社の課題に合うかが焦点です。
現状のサイトで「読んでもらえているのに問い合わせが少ない」なら、文章や案内の流れの見直しが役に立つ場面があります。
逆に「そもそも見られていない」なら、入口になるページの増やし方や、検索される切り口の見直しが先です。
比較に入る前に、今の困りごとを一行で書いておくとブレが減ります。
その一行があるだけで、提案のズレに気づきやすくなります。
費用の内訳と代表的な料金体系
内訳は「調べる」「直す」「増やす」「測る」
費用の中身は、大きく四つに分かれます。
現状を調べる時間、改善案を作る時間、ページや文章を直す時間、新しいページを増やす時間です。加えて、結果を見て次の手を決める時間も入ります。
見積が低い提案では、このどれかが省略されていることが多いです。
逆に高い提案では、作るものが多いか、サイトに反映する作業まで含むか、相談の頻度が高いかのどれかが増えています。
見積を受け取ったら、まず「作業が入っているか、提案だけか」を分けて読んでください。
ここが混ざると、金額の比較ができなくなります。
料金体系ごとの向き不向き
ここからは、よくある料金体系を並べます。違いを先に押さえると判断が早くなります。
| 料金体系 | 含まれやすい作業 | 向く状況 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| スポット | 診断、改善案、優先順位 | まず全体像を知りたい | 反映作業は別途が多い |
| 月額 | 改善と確認の繰り返し | 継続して伸ばしたい | 範囲外追加の条件確認 |
| 成果報酬 | 順位の改善が中心 | 指標を単純にしたい | 条件と対象語の確認 |
| 内製支援 | 社内作業の設計と相談 | 自社で動ける体制がある | 担当の時間が前提 |
表を見て分かる通り、料金体系は「何を成果とみなすか」と「誰が手を動かすか」で性格が変わります。
スポットは、まず道筋を作るのに向きます。月額は、改善と確認を回す前提です。成果報酬は、条件が明確なときに検討しやすい形です。内製支援は、社内で動ける人がいるほど進みます。
この段階で決めたいのは、どの体系が合うかより先に「誰が直すのか」です。
社内が動けないのに内製前提の見積を選ぶと、進行が止まりやすくなります。
安い提案が悪いわけではなく、前提が合うかを見る
見積が低い提案でも、状況に合えば十分に価値があります。
直すべき場所が明確で、社内で更新できるなら、外部は設計と助言に絞ったほうが合理的です。
反対に、安いのに「やることが多い」見積は注意が必要です。
月の作業量、打ち合わせ頻度、成果報告の内容が曖昧だと、途中で追加費用が出たり、期待とズレたりします。
最後に、見積の中で“毎月やる作業”を一行ずつ抜き出してみてください。
その一覧が具体なら、金額が妥当か判断しやすくなります。
見積書で見るべき項目
見積書は金額よりも先に「どこまでやるか」が読めるかで価値が決まります。ここが曖昧なままだと、途中で追加費用が出たり、社内の期待とズレたりしやすくなります。
前回の表で触れた内製は、社内で作業を進めることです。社内で動ける範囲が広いほど外部費用は抑えやすい一方で、担当者の時間は必要です。
作業範囲は「やること」と「やらないこと」で揃える
SEOの見積では「調査」「提案」「反映」が混ざりやすいので、切り分けて読みます。たとえば改善案が丁寧でも、サイトへ反映する担当が決まっていないと止まりがちです。
見積の中で見たいのは、次の二つが同じ熱量で書かれているかです。
やることだけが並び、やらないことが書かれていない提案は、後から解釈違いが起きやすくなります。
成果物は「何が手元に残るか」で見る
SEOは作業の途中経過が見えにくいので、納品物の形を先に揃えると安心につながります。資料、改善案、原稿案、作業ログなど、名前は何でも構いません。手元に残る形があるかが大事です。
逆に「実施」「対応」といった言葉だけで終わっている見積は、社内に説明しにくくなります。稟議や承認が必要な会社ほど、成果物の項目があると説明しやすいです。
進め方は「窓口」と「反映方法」を固定する
SEOは、誰が更新し、誰が判断するかでスピードが変わります。外部が直せるのか、社内が直すのか、または分担するのかを先に決めます。
特に確認したいのは、反映に必要な権限と手順です。権限がなくて進められない、更新方法が分からず待ちが発生する、といった停滞が起きやすいからです。
報告は「何を見るか」を先に決める
検索で見つかった回数、クリック数、流入後の動きなど、見る数字は複数あります。何を見て判断するかを決めておくと、成果が出るまでの期間でも不安が増えにくくなります。
順位だけを追うと、上がったのに問い合わせが増えない、逆に問い合わせは増えたのに不安になる、といったズレが起きます。目的に沿って見る数字を決めるほうが納得しやすいです。
契約条件は「途中でやめる場面」を想像して読む
契約期間、更新の条件、解約時の扱い、追加費用が出る条件は、最初に押さえておくと揉めにくくなります。特に相見積もりでは、金額差よりも条件差のほうが後から効いてきます。
迷いやすい項目だけ、チェック表にまとめます。
| 項目 | 目的 | 見落とし例 | 確認のコツ |
|---|---|---|---|
| 作業範囲 | 比較条件を揃える | 調査だけで改修が別 | 対象ページと作業を列挙 |
| 反映担当 | 進行の停滞を防ぐ | 更新は自社だが体制なし | 権限と手順を先に決める |
| 月の作業量 | 進む速さの目安 | 回数制限で進まない | 時間や本数で明記する |
| 報告内容 | 判断材料をそろえる | 順位だけで判断が迷う | 見る数字と頻度を決める |
| 契約条件 | 追加や解約の揉め防止 | 違約金や自動更新で困る | 期間と追加条件を読む |
この表が埋まると、見積の金額差を説明できる状態が作れます。埋まらない部分がある見積は、先に条件を書き起こしてもらうほうが話が早くなります。
相見積もりで比較する判断軸
相見積もりは「総額の安さ」だけで決めると、途中で手戻りが出やすくなります。迷いを減らすには、成果に近い順で比較軸を並べ、同じ軸で各社の提案を見ます。
比較軸は「目的に近い順」で置く
まず見るのは、問い合わせや採用など、目的につながるページがどこかです。対象ページが違えば、作業量も成果の出方も変わるため、金額の比較が成立しません。
次に、最初の一か月で何をするかを見ます。初動が具体的だと、提案の解像度と経験の差が出やすいです。
比較軸は「社内の負担」も含める
外部に任せる範囲が広いほど社内負担は減りますが、その分コストは上がりやすいです。逆に社内で動く前提なら費用は下がりやすいものの、担当者の稼働が必要です。
ここを曖昧にしたまま契約すると「思ったより社内が忙しい」「反映が進まず成果が遅れる」といったズレが起きます。
比較軸は「追加費用と引き継ぎ」で締める
最後に、範囲外作業が出たときの扱いと、途中終了時に何が残るかを確認します。引き継ぎが不明確だと、やめた後に学びが残らず、次の依頼先でも同じ説明を繰り返しがちです。
比較の際に使いやすいよう、質問の形にして並べます。社内の稟議や上司説明にも使えます。
| 比較軸 | 質問例 | 良い回答の特徴 | 注意サイン |
|---|---|---|---|
| ゴール | 何を増やす前提か | 目的までの道筋がある | 順位の話だけに寄る |
| 優先順位 | 初月は何から触るか | 対象と理由が具体 | やることが多すぎる |
| 役割分担 | 原稿や更新は誰が担当か | 社内負担が明確 | あとで調整とだけ言う |
| 追加費用 | 範囲外は何が追加か | 条件と単価が書かれる | 都度見てからの一点張り |
| 引き継ぎ | 途中終了時に何が残るか | 資料やデータの渡し方が明確 | 引き継ぎの話がない |
比較軸が揃うと、安さの理由と高い理由が見えてきます。最後は、提案の良し悪しよりも「自社で回せる形か」を基準にすると判断がぶれにくくなります。
期待できる効果と成果指標の置き方
SEO対策は、検索からの入口を増やし、必要な人に見つけてもらう状態を作る取り組みです。広告のように出稿した瞬間に増えるものではなく、サイトの情報を整えたり増やしたりして、時間をかけて積み上げます。
期待できる変化は、大きく三つです。
1つ目は、社名で探す検索以外からの訪問が増えることです。「困りごと」や「検討中の言葉」で探す人に届きやすくなります。
2つ目は、検討途中で離脱していた人が、判断できるようになることです。サービス内容が悪いのではなく、比較材料や安心材料が足りずに決められないケースは少なくありません。
3つ目は、営業や紹介に頼り切らない集客の柱が育つことです。短期で一気に伸ばすより、安定して取り続ける形を目指すほうが、社内の納得も作りやすいです。
その一方で、SEO対策だけで何でも解決するわけではありません。商品やサービスの強みが伝わっていない、価格の出し方で迷わせている、問い合わせ後の対応が追いついていない、といった課題があると伸びが鈍く見えます。費用の検討では「サイトのどこが詰まっているか」を同時に見ておくと判断が早くなります。
成果指標は、ゴールと途中経過を分けるとブレが減ります。
ゴールは「問い合わせ数」など、事業の目的に直結する数字です。途中経過は「必要なページが見られているか」「検討が進んでいるか」を確かめる数字です。
KPIは、ゴールに向かって進んでいるか確認するための途中の目印です。たとえば問い合わせがゴールなら、次のように置くと現実的です。
- サービスページへの訪問が増えている
- 問い合わせページまで到達する人が増えている
- よく読まれるページの内容が、見込み客の不安に沿っている
指標は多いほど良いわけではありません。社内で説明しやすい数に絞り、毎月同じ形で見られるようにすると、改善の会話が続きます。
成果が出るまでの期間感と進め方
SEO対策は、手を入れた翌日に結果が出る種類の仕事ではありません。検索側がページの内容を理解し直し、評価が安定するまでに時間がかかるためです。だからこそ、途中で見る景色を決めておくと不安が増えにくくなります。
進め方は、次の三段階にすると整理しやすいです。
最初は、直す場所を特定して整える段階です。対象ページの棚卸しをして、情報の不足や重複、導線の迷いどころを見つけます。この段階は、費用の高い安いより「直す順番が作れているか」で価値が決まります。
次は、勝ち筋のあるページを増やす段階です。既存ページを強くするだけでは足りない場合、検討中の人が調べる切り口のページを追加します。増やすと言っても量産ではなく、問い合わせにつながるテーマから順に作るのが現実的です。
最後は、伸びたページを基準に磨く段階です。伸びた理由を言葉で説明できるようにして、似た構造のページへ横展開します。ここまで来ると、対策が属人化しにくくなります。
期間感はサイトの状態や競合の強さで変わりますが、目安としては「兆しが見えるまで」と「成果として安定するまで」を分けて考えると落ち着きます。兆しは、対象ページの訪問や表示機会が増えることです。成果は、問い合わせや商談が増えることです。
途中で迷いが出る場面では、次の順に確認すると判断が早くなります。
- 対象ページの内容は、比較材料と安心材料が揃っている
- 直す作業が実際に進んでいる
- 見る指標が目的に合っている
もし対策が進んでいるのに数字が動かない場合は、対象ページがズレているか、評価されにくいテーマに寄っていることが多いです。相見積もりの段階で「最初に触るページ」を具体にしてもらうのは、このズレを減らすためです。
依頼体制の作り方(社内と外部の役割)
費用の話が難しく感じるのは、作業の量だけでなく「誰が何を決めるか」が曖昧になりやすいからです。体制が決まると、見積の妥当性も説明しやすくなります。
最低限そろえたい役割は、四つです。
- 決める人:優先順位と予算を決める
- 現場を知る人:顧客の質問や商談の実態を伝える
- 更新する人:サイトへ反映する担当
- 外部パートナー:調査、設計、改善案の作成
一人が複数を兼ねても構いません。ただ、決める人と更新する人が別のままだと止まりやすいので、承認の流れだけは先に決めておくほうが安心です。
外部に任せる範囲を決めるときは、社内の時間を先に見積もります。原稿の素材を出す、確認して返す、更新する。ここが確保できないなら、外部の反映作業を含むプランを選ぶほうが進みます。
進行の形はシンプルで構いません。
- 月に一度、今月触るページを決める
- 途中は、確認が必要な箇所だけ短くやり取りする
- 月末に、見た数字と次の打ち手をまとめる
会議を増やすより、判断が遅れる原因を減らすほうが成果へ近づきます。
よくあるリスクとトラブル回避(契約・品質)
SEO対策のトラブルは、技術の難しさよりも「期待のズレ」と「範囲のズレ」で起きます。相見積もりの段階で、先に潰せるものが多いです。
よくあるリスクは次の通りです。
1つ目は、作業範囲の追加で費用が膨らむことです。最初に決めた対象ページ以外へ広がると、当然作業は増えます。悪いことではありませんが、追加の条件と単価が曖昧だと揉めやすくなります。
2つ目は、成果の定義がずれて疲弊することです。順位だけ、訪問数だけ、問い合わせだけ。どれも見ますが、目的に合わせて主役を決めないと会話が散らかります。
3つ目は、やることが多すぎて実行が止まることです。提案が豪華でも、社内の承認や更新が追いつかなければ進みません。
契約で見落としやすいのは、途中終了時の扱いです。作った原稿や改善案、集めたデータが手元に残るか。引き継ぎの方法が書かれているか。ここが弱いと、やめた後に学びが残りません。
成果報酬は、決めた結果に到達した分だけ支払う形です。検討するときは、対象の言葉、判定方法、対象外になる条件を細かく確認します。条件が合えば分かりやすい一方で、目的が問い合わせの場合は、順位だけでは評価しきれない場面があります。
見積の段階で不安が残るときは、次の二つを見ます。
- 最初の一か月の作業が具体で、対象ページが明記されている
- やらないことが書かれていて、追加の条件が読める
この二つが揃うと、金額の比較が現実に近づきます。
相談前にそろえる情報と次の一手
相談の質は、資料の量ではなく「判断材料の揃い方」で決まります。未定があっても構いません。分かる範囲で、次だけそろえると話が早いです。
- 対策の目的:問い合わせ、採用など
- 対象ページ:見てもらいたいページのリンク
- よくある質問:商談で実際に聞かれること
- これまでの取り組み:過去に何を試したか
- 体制:更新担当と承認にかかる時間
ここまでそろうと、相見積もりの比較表が埋まりやすくなり、社内の合意も取りやすくなります。
次の一手は「範囲を絞って小さく始める」か「反映まで含めて一気に整える」かの二択に寄りやすいです。社内の時間が取れない場合は後者が向きます。更新できる人がいるなら前者でも進みます。
迷うときは、まず対象ページを三つだけ決め、そこへ集中する形にすると進行が止まりにくいです。
まとめ
SEO対策の費用は、作業範囲と体制で大きく変わります。金額の良し悪しを判断する前に、対象ページと役割分担を揃えると、相見積もりが比較できる状態になります。
見積書では、作業範囲、反映担当、月の作業量、報告内容、契約条件を読み分けると、あとから揉めにくくなります。比較は総額より、ゴール、優先順位、社内負担、追加費用、引き継ぎで並べたほうが判断が早くなります。
成果は、ゴールと途中経過を分けて見ます。KPIのような途中の目印を少数に絞り、毎月同じ形で確認すると改善の会話が続きます。
ここまで読んでも、自社に当てはめた瞬間に止まりやすいテーマです。相談の前に、分かる範囲で次だけメモしておくとやり取りが楽になります。未定は未定のままで構いません。
株式会社みやあじよでは、SEO対策の費用と見積を、目的と体制に合わせて読み解き、進め方と優先順位を一緒に決める支援をしています。何かホームページでお困りごとございましたら、こちらより気軽にご相談ください。