広告やメールで案内しても、申込みが思ったより増えず不安になることがあります。社内では「集客が足りないのでは」と話が進みがちです。
結論から言うと、申込み率を上げる近道は「どこで迷いが起きているか」を分けて、順番に直すことです。
ただし、セミナー内容そのものが刺さっていない場合は、LPを直す前にテーマや対象者の見直しが欠かせません。
この記事で分かることは、主に次の3つです。
- 申込みが止まりやすい場所と、原因の当たりの付け方
- 申込み率の改善が、集客コストにどう影響するか
- まず見るべき数字と、次の打ち手の決め方
セミナーLPの申込み率が伸びない典型パターン
「集客」ではなく「迷い」で止まっていることが多い
申込みが少ないとき、原因は必ずしも流入の量ではありません。ページに来た人が「自分に関係あるか」「参加すると何が得られるか」を判断できず、読むのをやめてしまうケースがよくあります。
特に法人向けセミナーは、参加が予定調整や社内手続きに関わります。だからこそ、気持ちが乗っていても、判断材料が足りないと先延ばしされます。
まずは「止まっている場所」を切り分ける
改善の第一歩は、どこで止まっているかを分けることです。原因が違えば、直す場所も変わります。下の表は、現場でよく起きる症状を、最初に当たりを付けるための早見表です。
| 症状 | 原因の当たり | まず触る場所 | 確認の例 |
|---|---|---|---|
| 見た直後に戻る人が多い | 誰向けかが一瞬で不明 | 冒頭の見出しと対象者 | 対象者を1文で言えるか |
| 読まれるが申込みに進まない | 得られることが曖昧 | メリットと内容の順番 | 参加後の状態が具体か |
| ボタンは押すが完了しない | 手間か不安で止まる | フォーム項目と説明 | 必須項目が多すぎないか |
| 申込みは来るが質が合わない | 参加条件の線引き不足 | 対象・対象外の案内 | 向かない人への一文があるか |
| 質問が増えて決断が遅れる | 開催情報の不足 | 開催概要とよくある質問 | 日程・料金・場所が明記か |
この切り分けができると、「何を変えるか」がブレにくくなります。次は、改善の効果を数字でイメージしておくと投資判断が早くなります。
ここでの一手は、直近で来た質問を3つだけ書き出し、表のどの行に近いか決めることです。
改善で得られる効果と見込みの考え方
申込み率が上がると、同じ集客でも申込み数が増える
申込み率の改善が効いてくる理由は単純です。今の流入を増やさなくても、申込みが増える余地があるからです。
たとえば、月に1,000人がLPを見て、申込み率が1%なら申込みは10件です。ここから申込み率が2%になると、申込みは20件に増えます。同じ流入でも、申込みが2倍です。集客費が同じなら、1件あたりの集客コストは半分に近づきます。
「集客を増やす前に直す」ほうが早い場面がある
よくあるのは、広告の出稿量を増やす前に、ページ側の詰まりを取ると数字が動きやすいケースです。申込みが増えない原因がページ内にあるのに、流入だけ増やすと、ムダが膨らみやすいからです。
一方で、そもそも流入がほとんどない場合は、告知手段の見直しが先です。この記事は、流入がある前提で「取りこぼし」を減らす話を中心にします。
まずは、直近1か月の「LP訪問数」と「申込み数」をメモし、申込み数を訪問数で割って、今の申込み率を把握してください。
まず確認する数字と目標の決め方(KPI)
KPIは「途中の健康診断」
KPIは、目標に向かう途中で見る数字です。申込み数だけ見ていると、どこで止まっているかが分からず、手当たり次第の修正になりやすいです。
ここでは、難しい計測に踏み込まなくても見られる範囲に絞ります。「流入」「行動」「完了」の3段階で見れば、原因が見えやすくなります。
最低限見る数字と、次の打ち手
CTAは、申込みボタンなど次の行動を促す部分です。LPの中でCTAが押されているのに完了しないなら、フォーム側の問題の可能性が高いです。逆にCTAが押されていないなら、内容の伝え方や安心材料が不足していることが多いです。
| 数字 | 何が分かるか | まず見る目安 | 次にやること |
|---|---|---|---|
| LP訪問数 | 集客の量 | 週ごとの増減を見る | 流入元別に比べる |
| CTAクリック数 | 興味が動いた量 | 前週比で変化を見る | 冒頭とCTA文言を調整 |
| フォーム到達数 | 申込み直前まで来た数 | CTAとの差を見る | 入力前の不安を減らす |
| 申込み完了数 | 成果そのもの | 週・月の推移を見る | 増減の要因をメモする |
| 申込み率 | 取りこぼしの大きさ | 改善前後で比べる | 直す優先順位を決める |
この数字がそろうと、「どこを直すと動きそうか」を説明しやすくなります。社内の合意も取りやすくなり、外注する場合でも依頼内容を具体にできます。
最後に、上の5つを同じ表に並べ、今週の数字だけ入れてみてください
申込みが増えるLPの構成と伝える順番
申込み率が伸びるLPは、読む人が迷う順に答えが置いてあります。見た目より先に、情報の並びを整えるだけで数字が動くこともあります。
冒頭で迷いを減らす二段構え
ページを開いてすぐの数秒で、読者は「自分向けか」を判断します。ここで迷うと本文まで届きません。
最初に置きたいのは、次の二段構えです。
- 誰に向けたセミナーか(役割や状況)
- 参加すると持ち帰れるもの(判断や次の一手)
ここが一文で伝わると、読み進める人が増えます。
内容は「到達点」から語る
セミナー内容の羅列から始めると、読者は自分に関係あるか判断できません。先に到達点を置くと、読み手は安心して読み進められます。
たとえば「営業とマーケの連携が噛み合わない」人に向けるなら、「社内で同じ説明を繰り返さない状態を作る」のように参加後の状態を最初に示します。その上で、なぜ今その話が必要か、当日のテーマは何かを続けると筋が通ります。
開催概要は散らさず、1か所に集める
申込み直前に迷う人が多いのは、開催情報が散っているときです。日程や参加方法、費用が本文の途中に点在すると、読み返す手間が増えます。
最低限、次は同じまとまりで置くと親切です。
- 日時、所要時間
- 参加方法(オンラインか会場か)
- 参加費、支払い方法
- 定員、締切
- 録画や資料の有無
まずはLPの冒頭200字を読み、対象者と持ち帰れるものが一文で言えるか確認してください。
不安を減らす信頼材料の入れ方
法人向けは、申込みの直前で不安が顔を出しやすいです。信頼材料を先回りで置くと、申込みボタンの前で立ち止まりにくくなります。
信頼材料は「誰が」「何を」「どう進むか」
信頼材料は、大きく3つに分かれます。
- 誰が主催し、誰が話すのか
- 何を扱い、どこまで答えるのか
- 申込み後から当日まで、どう進むのか
講師紹介は経歴より「今回との関係」
講師紹介に経歴が並んでも、読者は判断しづらいです。知りたいのは「今回の悩みに答えられる理由」です。
書き方は3行で足ります。
- どんな領域を扱ってきたか
- どんな相手を支援してきたか
- 今回のテーマとどうつながるか
事例が出せないときの代わり
守秘義務などで事例を出せない場合は、期待のズレを減らす情報が代わりとして使えます。
- 当日の話の範囲と、扱わない範囲
- よくある質問と、答えるレベル感
- 参加後にやることの例(社内の動き方)
講師紹介の3行と、参加対象を「役割」と「状況」で1行ずつ作り、LPの中段に置いてください。
フォームで離脱を減らす改善
申込みボタンが押されているのに完了が少ないなら、フォームで止まっています。入力の手間か、個人情報の不安が原因になりやすいです。
必須項目は「今しか取れない情報」だけ
入力項目を増やすほど、完了率は下がりやすいです。初回で必須に向くのは、連絡と運営に必要な情報です。
課題や予算感などは、任意に回すか、申込み後のメールで聞くほうが自然です。
スマホで詰まる場所を消す
入力欄が小さい、必須と任意が分かりにくい、エラーがどこか分からない。こうした小さなストレスで離脱します。
ラベルは入力欄の上に置き、入力例を短く添え、エラーはその場で分かる表示にします。
送信後の案内で安心を作る
完了画面と自動返信メールで、次を明確にします。
- 申込みを受け付けたこと
- 当日の参加方法と案内のタイミング
- 問い合わせ先
必須項目の数を数え、今この時点で必要な理由を一言で言えない項目は、任意へ回す候補にしてください。
費用の目安と投資判断の考え方
LP改善の費用は、直す範囲で変わります。金額だけで比べると、やるべき範囲がズレて「直したのに伸びない」が起きます。
費用が動くのは「原稿」「見せ方」「フォーム」
費用が動く要因は主に次の3つです。
- 原稿をどこまで組み立て直すか
- 画像やレイアウトをどこまで変えるか
- フォームや申込み導線に手を入れるか
回収の判断は「取りこぼし」を出すと早い
月の訪問数と現在の申込み率を押さえ、目標との差を見ます。差に訪問数を掛けると、増えそうな申込み数の目安が出ます。
今月の訪問数と申込み数から、現在の申込み率をメモしておいてください。
体制と進め方:社内で決めること
改善が止まりやすいのは「誰が決めるか」が曖昧なときです。関係者が増えるほど、原稿と確認が往復しやすくなります。
先に決めるのは「決裁」「締切」「担当」
最低限、次は先に決めると進みます。
- 決裁者(最終判断する人)
- レビュー期限(いつまでに決めるか)
- 一次案を作る担当(原稿をまとめる人)
全員で同時に作るより、一次案を作ってから直すほうが手戻りが減ります。
改善は効果が出やすい順に着手する
何から直すか迷うときは、効果が出やすい順に触るとブレが減ります。
| 改善項目 | 期待効果 | 工数感 | 着手順 |
|---|---|---|---|
| 冒頭の見出しと対象者を明確化 | 離脱が減り読まれやすい | 小 | 1 |
| 参加メリットを具体化 | 申込みの決断が早い | 中 | 2 |
| 開催概要を不足なく整える | 迷いと先延ばしが減る | 小 | 3 |
| 講師など信頼材料を追加 | 不安が減り申込みに進む | 中 | 4 |
| フォーム項目と必須を見直す | 申込み完了が増える | 中〜大 | 5 |
| 送信後の案内を明確にする | 問い合わせと不安が減る | 小 | 6 |
素材が揃わないときの進め方
素材が足りないと、原稿が固まりません。最初は「言い切れること」だけで骨組みを作ります。
- 対象者は誰か
- 参加後にどうなってほしいか
- 当日扱う範囲と扱わない範囲
決裁者とレビュー期限を一つに決め、着手順1と2の原稿だけ先に固めてください。
リスク・トラブルと回避策
申込み率を上げようとして、やり方を間違えると「申込みは増えたが後が大変だった」という状態になりがちです。事前に起きやすい火種をつぶすだけで、改善の手戻りが減ります。
事例が出せないときは「判断材料の型」を増やす
守秘義務や社内ルールで、社名入りの実績を出せないことは珍しくありません。その場合は、事例の代わりに「このセミナーは誰に向くか」「どこまで話すか」を具体にするほうが、申込み前の迷いを減らせます。
出しやすいのは、次のような情報です。
- 対象者の条件(役割と状況)
- 扱う範囲と、扱わない範囲
- 参加後にやることの例(社内での動き方)
一手として、本文に入れている「向かない人への一文」を作ってください。ミスマッチが減り、問い合わせ対応も落ち着きます。
フォーム項目で営業と揉めるときの落とし所
フォーム項目を減らすと、営業側が不安になることがあります。背景は「申込みの質を落としたくない」「後で聞き直すのが怖い」のどちらかです。
落とし所は、必須と任意を分け、必要な情報は段階的に集めることです。
- 必須は、連絡と運営に必要な情報だけに絞る
- 任意で「課題」や「知りたいこと」を置き、質の判断に使う
- 追加で聞きたいことは、申込み後の案内メールで回収する
これなら完了率を下げにくく、営業の不安も抑えられます。
個人情報の不安は「説明の置き場所」で減らせる
入力の手前で止まる人は、手間だけでなく不安も抱えています。とくに法人の担当者は、社内のルールで個人情報の入力に慎重です。
フォームの近くに、次の3点を短く置くだけで安心が増えます。
- 何の目的で使うか
- 第三者に渡さないか
- 問い合わせ先がどこか
プライバシーポリシーは個人情報の扱いを説明したページです。リンクをフォームの近くに置き、迷った瞬間に確認できるようにします。
文言変更でクレームを防ぐ
申込みを増やしたくて、言い切りを強くしすぎると誤解が生まれます。煽り文句よりも、範囲を明記したほうが結果的に申込みが増えることもあります。
注意したいのは次の2つです。
- 参加すれば必ず成果が出る、と受け取れる表現
- 当日扱わないテーマまで期待させる表現
一手として、よくある質問に「このセミナーで扱わないこと」を1つだけ入れてください。期待のズレが減り、問い合わせも減ります。
公開後のトラブルを避ける運用のコツ
改善は一度で終わりません。公開後に「何を変えたか」が残っていないと、社内で判断が割れ、戻り作業が増えます。
やることはシンプルです。
- 変更した箇所と理由を、日付つきで1行メモする
- 申込み数だけでなく、CTAクリック数も一緒に見る
- 2週間は同じ状態で様子を見てから次を直す
この3つが回り出すと、改善が場当たりにならず、申込み率が積み上がります。
まとめ
申込み率を上げる道筋は、派手な作り替えより「迷いが起きる場所」を順番に直すことです。流入を増やす前に取りこぼしを減らすと、集客コストのムダが出にくくなります。
やることは次の流れです。
- 数字で止まりどころを分ける
- 冒頭で対象者と持ち帰れるものを言い切る
- 開催概要と信頼材料で不安を減らす
- フォームの手間と説明で離脱を減らす
今日やるなら、LPの冒頭200字とフォーム必須項目だけを見直してください。ここが整うと、次の改善の判断も早くなります。
相談窓口
ここまで読んでも、自社に当てはめた瞬間に「どこから直すか」で止まりやすいものです。社内の意見が割れやすい場合は、判断材料を先にそろえると話が進みます。
株式会社みやあじよでは、LPの詰まりどころを言葉にし、直す順番とページの直し方を一緒に決める支援をしています。相談後は、次にやることが社内で説明できる状態まで落とし込みます。
申込みを増やしたい、ページは見られているが申込みが少ないなど、何かLPでお困りごとございましたら、どうぞ気軽にこちらよりご相談ください。