BtoBのSEOでお役立ち記事の内部リンク設計

2026.01.26

お役立ち記事は増えているのに、問い合わせや資料請求が増えない。BtoB企業のWeb担当の方から、こうした相談は多いです。記事が「良い情報」で終わり、読者が次に読むべきページを見失うと、比較の途中で離脱します。

BtoBは企業向けの取引を前提としたビジネスです。SEOは検索で見つけてもらうための工夫です。内部リンクはサイト内のページ同士をつなぐ道しるべです。この記事では、お役立ち記事を“読まれるだけ”で終わらせず、相談につながる流れを作るための設計手順を解説します。

BtoBのお役立ち記事が「読まれるだけ」で止まる理由

読者は「次に何を見れば判断できるか」を探している

BtoBの検討は、社内の合意や稟議が絡みやすく、個人の買い物より時間がかかります。読者は知識だけでなく、自社に当てはめるための判断材料を求めます。記事が結論だけで終わると、次の一手が決まらず止まります。

たとえば背景は理解できても、「自社はどのテーマから着手するか」「社内で何を決めれば進められるか」が残ったままです。ここをつなぐのが内部リンクです。

関連記事が多いほど、読者は止まりやすい

記事が増えるほど、末尾に関連記事を大量に並べる運用になりがちです。リンクが多いと親切に見えますが、読者の立場では選びにくく、結果として何もせず離脱しやすいです。

読者が迷う場面を減らすには、数と順番を決めておく必要があります。

サービス案内が「早すぎる」「遅すぎる」

売り込みに見えそうで、サービスページへのリンクを控える企業もあります。一方で、案内が遅すぎると「結局どう頼めばいいのか」が分からず終わります。読者の比較が一区切りついた所で案内できると、安心材料として受け取られやすいです。

内部リンク設計で最初に決めること

ゴールを一本化する

記事からのゴールが複数だと、リンクの置き方がブレます。まずは「相談」や「問い合わせ」を主ゴールに置き、資料請求は補助として扱うと、文章と導線が揃いやすいです。

主ゴールが決まると、記事が担う役割も決まります。課題を言葉にする記事なのか、比較の仕方を示す記事なのか、相談前の不安を減らす記事なのか。役割がはっきりすると、リンク先も迷いません。

読者の状態を3段階で扱う

内部リンクを考えるときは、読者を一括りにしないほうが進みます。状態は大きく3つです。

  • 入口:課題の全体像を知りたい
  • 比較:判断基準をそろえたい
  • 決断:社内説明や不安を解消したい

入口には背景と用語、比較には選び方、決断には手順と安心材料をつなぐ。こう決めておくと、リンクの方向が揃います。

置くリンクの上限を先に決める

設計で役に立つのは、増やす前に減らす判断です。本文中のリンクは各見出しで1つまで、記事全体で1〜3本に絞る。末尾は「次に読む1本」と「相談につながる1本」のように、役割を分けて置く。枠が決まると、迷いが減ります。

記事群の役割分担を作る

入口記事は課題の言語化を助ける

入口の記事は、専門的な解説を長く書くより、読者が自分の状況を言葉にできることが大切です。「何で困っているか」「何を決めれば前に進むか」が見えれば、次の記事へ進めます。

内部リンクは、入口から比較へ橋をかける役です。入口記事の最後に、判断基準を扱う比較記事を案内できると、読者の迷いが減ります。

比較記事と決断記事で、渡すものを変える

比較記事で渡すのは、結論の押し付けではなく「選ぶための基準」と「よくある失敗」です。基準があると、社内で話が進みやすいです。

決断記事で渡すのは、不安の穴埋めです。費用感、体制、進め方、失敗しやすい場面。ここが整うと、相談の心理ハードルが下がります。

内部リンクの設計手順

手順1:テーマごとに代表記事を決める

似たテーマの記事が複数あると、リンクが散らばり、読者が迷いやすいです。まずはテーマごとに代表として残す記事を1本決めます。ほかの記事は代表記事へ寄せるか、役割を変えて再利用します。

手順2:各見出しの「次の疑問」を一行で書く

内部リンクは、見た目の都合ではなく会話の流れで決まります。各見出しの直後に、読者が次に持つ疑問を一行で書き出します。次の疑問に答えるページがあるなら、そこへリンクします。

手順3:本文中のリンクは「次の一手」だけに絞る

本文内に複数のリンクを置くと、読みながら脱線しやすいです。本文中は、今の話を理解した直後に読むと助かるページだけを選びます。迷う場合は、読者の3段階に合わせて比較記事か決断記事へ送ります。

手順4:記事末尾は「次に読む」と「相談」で役割を分ける

記事末尾は、読み終えて次に動ける場所です。末尾のリンクは役割を分けると分かりやすいです。ひとつは次に読むべき記事、もうひとつは相談につながる案内です。ここで初めて、サービス導線を自然に強くできます。

手順5:迷いやすい所はチェック表で固める

内部リンクの見直しは感覚だけだとブレます。迷いやすい所をチェック表にしました。上から確認すると、直す順番が決まります。

確認項目OKの目安よくあるズレ直す順番
リンクの目的次の疑問へ1クリック関連記事を機械的に並べる1
リンク先の内容見出しが本文の流れと合うタイトルだけ似て別の話2
リンクの数本文は1〜3本に絞る多すぎて選べなくなる3
サービス案内比較が終わった所で提示冒頭から売り込みに見える4
似た記事の整理代表記事へ寄せて迷子を防ぐ同じ話が分散し探せない5
見直しの頻度月1回、上位記事だけ更新書きっぱなしで古いまま6

ここまで整うと、読者が迷いにくくなり、次に読む記事も選びやすいです。次は、サービス導線を強くするリンクの置き方と、費用や工数の考え方を具体化します。

サービス導線を強くするリンクの置き方

お役立ち記事から問い合わせや資料請求を増やしたい場合、リンクは「増やす」より「迷わせない」ほうが成果につながりやすいです。読者は、いま読んでいる話の続きとして自然につながる道だけを求めています。

サービスに送る前に、読者の不安を一段だけ減らす

BtoBの読者は、いきなり相談したいわけではありません。多くは「相談して失敗しないか」「社内に説明できるか」が気になっています。記事の途中でサービス案内を出すなら、先に判断材料を置き、次の行動が想像できる状態を作ります。

たとえば次のような流れです。課題の全体像を理解する、選び方を知る、失敗例で不安を減らす、そのうえで「うちの場合はどう進めるか」に移る。この順番だと、案内が早すぎて身構えられにくくなります。

リンク先は「役割」で分けるとブレない

リンク先を都度考えると、記事ごとに導線が変わり、全体がまとまりません。リンク先は役割で固定すると運用が安定します。下の表は、よく使うリンク先の種類と置き場所の目安です。

リンク先の種類と役割早見表

リンク先読者の目的置き場所注意点
用語・基礎前提をそろえたい冒頭か最初の見出し本文が飛びにくい量に
比較記事選び方を知りたい結論の直後今の話の続きだけに絞る
手順記事進め方を掴みたい中盤の不安が出る所細部に寄り過ぎない
事例・実績イメージを持ちたい終盤の判断材料見せたい物を決めておく
サービス案内相談の入口が欲しい記事末尾押しつけの文にしない

この表の使い方は単純です。見出しごとに「次の疑問は何か」を一文で置き、その疑問に答えるページがあるときだけリンクします。迷うなら、比較記事か手順記事に寄せると読者が止まりにくいです。

リンク文は「何が分かるか」を先に書く

リンクの文章が「こちら」や「詳しくは」だけだと、クリックする理由が弱くなります。読者は忙しく、読むかどうかを一瞬で決めます。リンクの前に、次のページで分かることを一文で言い切ると伝わりやすいです。

例としては、「自社に合う進め方を決めたいなら、まずは社内で決める順番を確認する」といった書き方です。リンクは文章の続きとして置き、急に別の宣伝が始まった印象を作らないことが大切です。

費用と工数の目安と考え方

内部リンクの見直しは、見た目の改修より軽く見られがちです。ただ実際は、記事の棚卸しと導線の設計が中心なので、作業の中身は「判断」と「文章調整」が多くなります。だから費用は、ページ数よりも意思決定の量で変わりやすいです。

まずは上位に来ている記事から直すとムダが減る

全記事を一度に直そうとすると、手が止まります。最初は検索から読まれている記事、問い合わせに近いテーマの記事から着手したほうが、変化を確認しやすいです。読まれていない記事を丁寧に直しても、判断が難しくなります。

直す対象を絞るときは、記事の役割で分けると進みます。入口の記事は比較へ送る、比較の記事は決断に必要な材料へ送る、決断の記事は相談の入口へ送る。役割が決まれば、直す場所も見えます。

「新規で書く」と「つなぎ直す」の優先順位

新しい記事を書くべきか、既存記事のリンクを直すべきかで迷うことがあります。既存記事がある程度読まれているなら、先につなぎ直したほうが成果に近づきます。読者が次へ進めない状態だと、新しい記事を増やしてもサイト内で迷子が増えるからです。

一方で、比較記事や手順記事が足りない場合は、先にそこを補う必要があります。入口の記事だけが増えると、永遠に「分かった」で止まります。記事の役割に空白がないかを確認してから、追加と修正の順番を決めます。

内製と外注は「どこを任せるか」で考える

全部を外に任せるか、全部を社内でやるかの二択だと、負担も品質もブレやすいです。おすすめは、社内で決めるべきことと、作業として任せられることを分けることです。

内製と外注の作業範囲の違い

作業内製の負担外注で頼める範囲注意点
記事の棚卸し現場の知識が必要一覧化と分類の支援社内事情は共有が前提
導線の設計判断が多く疲れやすい案の提示と優先順づけ目的が曖昧だとブレる
文章の調整書き手の時間が必要見出し整理と追記案言い回しは業界確認を
リンク実装手作業で単調になりがち設定とチェック誤リンクは信頼を落とす
見直し運用継続が難しい月次の点検と提案担当不在だと止まる

ここで大事なのは、社内で決めるべき材料を早めに揃えることです。目的、誰のどんな迷いを減らしたいか、営業側がよく受ける質問。これが分かるだけで、設計の手戻りが減ります。

よくあるリスクとトラブル回避

内部リンクは、やり方を間違えると読者が迷いやすくなります。よく起きるつまずきと、避け方をまとめます。

リンクが多すぎて、読む気が途切れる

親切のつもりでリンクを並べると、読者は選べなくなります。本文中は各見出しで一つまで、記事末尾は二つまでなど上限を決めておくと、迷いが減ります。追加したい情報は、リンクではなく本文で一文だけ補うほうが読みやすいです。

リンク先が古く、信頼を落とす

お役立ち記事は残り続けます。だからこそ、リンク先が古いと「この会社は更新していない」と受け取られます。新しい情報が必要な所は、月に一度だけでも見直す対象に入れてください。全部を追わず、読まれている記事だけで十分です。

似た記事が増えて、どれも中途半端になる

同じテーマの記事が増えると、リンク先が分散します。代表として残す記事を決め、他の記事は役割を変えるか、まとめる判断をします。読者が迷う場所が減ると、回遊もしやすくなります。

効果測定とKPIの見方

内部リンクを直したあと、「検索での順位」だけを見て不安になることがあります。ただBtoBは検討期間が長く、問い合わせまでに時間がかかりやすいです。だから最初は「読者が次へ進めたか」を見たほうが、次の改善が決めやすいです。

KPIは、目標に近づいているかを確かめる目印の数字です。問い合わせや資料請求の手前で止まっていないかも含めて見ます。

最初に見る数字は3つだけ

見たい数字を増やすと、結局どこを直すべきかが曖昧になりやすいです。最初は次の3つに絞ると十分です。

  • お役立ち記事から、次のページへ移った回数
  • サービスに近いページが見られた回数
  • 問い合わせや資料請求の件数

この3つが並ぶと、「記事は読まれているが次へ進めていない」のか、「次へ進んでいるが決め手が足りない」のかが見えてきます。

見直し場所を決めるガイド表

数字を眺めるだけだと、手を付ける場所が決まりません。迷いが出やすい場面だけ、見直しの当たりを付ける表にしました。

KPIでの見直しガイド

見る数字起きがちな原因見直す場所次の一手
内部リンクのクリック数リンク文が弱いリンク前後の一文分かることを先に書く
比較記事の閲覧数入口から送れていない入口記事の中盤比較へのリンクを足す
決断系記事の閲覧数迷いが残ったまま記事末尾の案内次に読む1本へ絞る
サービスページ閲覧数判断材料が足りない決断系記事の本文手順と注意点を追記
問い合わせ件数期待と内容がズレるサービスページ冒頭対象と価値を先に書き直す

表の上から確認すると、直すべき場所の見当が付きやすいです。数字が悪い所を責めるのではなく、「読者が迷った場所」を見つける道具として使ってください。

比較は前後4週間で見る

日によって閲覧数は揺れます。内部リンクの見直しは、変更前と変更後を同じ長さで比べると判断しやすいです。まずは前後4週間で見て、動きがあった記事だけ深掘りすると、ムダが減ります。

運用体制と更新ルールの作り方

内部リンクは一度整えても、記事が増えると崩れます。そこで、運用のルールを小さく決めておくと安心です。完璧を狙うより、止まらない仕組みを優先してください。

月1回の見直しは「上位記事だけ」で足りる

全記事を見直そうとすると続きません。まずは検索から読まれている上位の記事だけを対象にします。目安は10本前後で十分です。

確認することも絞ります。

  • 末尾の「次に読む」が今も最適か
  • リンク先の情報が古くないか
  • 案内の文章が読者の疑問に合うか

この3つだけでも、読者の迷いは減りやすいです。

新しい記事を出したら「戻り道」も作る

新規記事は、公開した直後がいちばん見つけにくいです。新しい記事へ送るリンクを、入口の記事や代表記事にも追加します。これで「入口から新記事へ」「新記事から決断へ」の道がつながります。

担当を2つに分けると続きやすい

担当が一人だと、異動や繁忙期で止まりやすいです。最低でも「書く人」と「最終チェックをする人」を分けると、継続しやすくなります。

最終チェックは、文章の上手さより「読者が次に何を見れば迷わないか」を見ます。ここが揃うと、記事ごとの導線が安定します。

相談や依頼の前に用意すると早い情報

内部リンクの設計は、画面を見ながら考えると進みます。準備がゼロでも始められますが、分かる範囲で材料がそろうと判断が早くなります。

まず集めたい材料

ここでは、社内で集めやすい物だけに絞ります。

  • お役立ち記事の一覧と、主なテーマ
  • サービス案内に近いページの一覧
  • 営業がよく受ける質問と反論
  • 直近で増やしたい成果の優先順位

この4つがあると、どの記事が比較を担い、どの記事が決断を支えるべきかが見えます。

似た記事は「1本に寄せる」判断も入れる

材料を見ていると、似た記事が見つかることがあります。その場合は、代表記事を決めて情報を寄せたほうが、読者は迷いにくいです。内部リンクだけ直しても、似た話が散らばっていると、次に読み進めにくくなります。

まとめ

BtoBのお役立ち記事は、情報量だけでは問い合わせにつながりにくいです。読者が比較と決断に進めるように、内部リンクで「次に読むべき道」を作ることが欠かせません。

最初は、記事群の役割分担と、本文中のリンク数の上限を決めるところから始めてください。次に、記事末尾で「次に読む」と「相談」の役割を分けると、導線が安定します。

直したあとは、KPIで「読者が次へ進めたか」を見ます。月1回、上位記事だけを見直す運用にすると、更新が止まりにくいです。

相談のご案内

情報はあるのに問い合わせが増えないとき、原因は文章量ではなく「順番」と「判断材料」の置き方にあることが多いです。自社の状況に当てはめたときに迷うなら、状況整理から相談できます。

株式会社みやあじよが、読者が迷わない構成と原稿のたたき台づくりから一緒に整理します。まずは現状を共有いただくだけでも構いません。

もし、何かお困りごとございましたらこちらより気軽にお問い合わせください。

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