「地域名 業務名」で検索されているのに、相談が増えない。そんな状態は珍しくありません。SEOは、検索で見つけてもらいやすくする工夫です。ただ、見つけてもらえた後に「ここへ相談してよさそう」と判断されなければ、順位が上がっても問い合わせは伸びません。
このコラムでは、地域名と業務名で探している人の頭の中をほどきながら、サービスページとコラムをどう役割分担し、どんな順番で整えると相談につながりやすいかを解説します。やることが多く見えても、順番が決まれば動けます。
地域名×業務名で集客が伸びにくい理由
伸びない原因は「判断材料」の不足
検索した人が欲しいのは「情報」だけでなく「判断材料」です。士業の依頼は失敗したくない買い物に近く、比較の軸がないと動けません。
うまくいかないサイトに多いのは、次のズレです。
- 検索した人の不安より、事務所側の説明が先に出ている
- 「対象かどうか」「料金の目安」「進め方」がすぐ見当たらない
- 地域名は入っているのに、業務の中身が薄くて選べない
たとえば「相続 税理士 地域名」で探す人は、相続に強いかどうかより先に、自分の状況でも受けてもらえるか、初回相談で何を話せばよいかを知りたい場面が多いです。ここが見えないと、別の事務所へ移ります。
まずは上位ページの「安心材料の順番」を見る
検索結果で上位に出てくる事務所のページを3つほど見て、どんな順番で安心材料を出しているかを観察してみてください。同じ順番にそろえるだけでも、相談の迷いが減ります。
まず決めるゴールと問い合わせ導線
ゴールは「相談の入口」を一つに絞る
アクセスを増やすより、相談の入口を整えるほうが先です。士業は検討期間が長く、初回の行動は小さくなりがちだからです。電話やメールの前に、料金や流れ、必要書類を確認してから連絡する人が多くいます。
最初に決めたいのは、問い合わせの「型」です。たとえば次のように、事務所の運用に合わせて絞ります。
- 初回相談の予約を取りたい
- 電話で要件を確認してから面談につなげたい
- まずはメールで状況だけ送ってもらいたい
導線は「迷いが出る場所」に置く
どれを選ぶにしても、導線は迷いが出る場所に置くと自然です。料金の目安を読んだ直後、対応範囲を読んだ直後、流れを読んだ直後。読者の頭の中が「相談してもよいか」に傾いた瞬間に、次の行動が見える状態を作ります。
問い合わせの手前で止まりやすいのは、だいたいこの3つです。
- 自分が対象か分からない
- 何を用意すればよいか分からない
- 連絡したら断りづらい気がする
この3つは、ページ側で先回りできます。対象条件を具体例で示し、用意するものを少なく書き、未確定でも相談できる言い方を入れる。これだけで心理的な壁が下がります。
キーワード設計で外さない考え方
単語ではなく「場面」で捉える
キーワードを単語として集めるより、場面で捉えるほうがズレません。検索意図は、検索した人が本当に知りたいことです。同じ業務名でも、相談したい人と、手順だけ知りたい人では、見るべきページが変わります。
地域名と業務名で伸ばしたいなら、まずは意図別にページを分けます。違いだけ先に押さえると、迷いが減ります。
| 検索意図 | 例のキーワード | 向くページ | 読者の不安 |
|---|---|---|---|
| 今すぐ相談 | 地域名 業務名 事務所 | サービスページ | 対象か、料金、流れ |
| 比較して選ぶ | 地域名 業務名 料金 | サービスページ+補助記事 | 違いと失敗回避 |
| まず手続きを知る | 業務名 流れ 必要書類 | コラム | 何を用意するか |
| 不安を減らす | 業務名 期限 罰則 | コラム | 間に合うか、リスク |
キーワードは「相談現場の言葉」から拾う
この表の使い方は簡単です。「今すぐ相談」「比較して選ぶ」に当たる検索は、サービスページを強くします。反対に、手順や期限の検索はコラムで入口を増やし、読んだ人をサービスページへ案内します。
キーワード集めは、難しく考える必要はありません。普段の相談でよく聞かれる言葉を、そのまま拾います。「料金」「期間」「流れ」「必要書類」「対象者」「地域名」。このあたりが揃うと、検索した人の不安に直で届きます。
ページ設計:サービスページとコラムの役割分担
サービスページは判断材料の置き場
サービスページは、読者が比較検討に使う材料を、早い段階でそろえるページです。長文の自己紹介より先に、対象と流れと料金が見えるほうが安心されます。
コラムは不安をほどく説明書
コラムは、手続きの流れ、期限、準備物など「まず調べたい」人を受け止めます。結論を先に書き、次に理由と具体例を置くと読み切られやすくなります。読み終えた人が次に迷うのは「結局、誰に頼めばよいか」なので、サービスページへ自然につながる導線を添えます。
| ページ | 主な役割 | 必須要素 | 注意 |
|---|---|---|---|
| サービスページ | 相談前の判断材料 | 対象者・料金・流れ | 薄いと比較で負ける |
| コラム | 入口と不安の解消 | 手順・期限・よくある質問 | 結論を先に書く |
| 事務所紹介 | 信頼の裏付け | 体制・実績・考え方 | 自慢話で終えない |
| お問い合わせ | 行動の後押し | 連絡手段・入力項目 | 入力が重いと離脱 |
ここまで整うと、やみくもに記事を増やす状態から抜け出せます。次は、どこまでを自社で行い、どこから外に任せると負担が増えにくいかを、費用の話と一緒に整理します。
費用と投資判断:内製と外注の考え方
「記事を何本書くか」だけで費用を決めると、途中でズレやすくなります。地域名×業務名の集客は、原稿量よりも「判断材料をそろえる作業」に時間が掛かるためです。
費用が増えやすいのは「決める作業」
たとえば外注でも、事務所側が決めるべきことは残ります。対応できる範囲、料金の出し方、どこまで踏み込んで書くか。ここが曖昧なままだと、原稿の差し戻しが増え、結局高く付きやすくなります。
迷う場合は、作業を次の3つに分けて考えると見通しが立ちます。
- 設計:狙う検索、ページの役割、伝える順番を決める
- 制作:サービスページ改修、コラム作成、写真や図の準備
- 運用:公開後の見直し、追加改善、更新を回す
この3つが見積もりに入っているかを確認すると、依頼先の比較もしやすくなります。
内製と外注は「人手の出せる場所」で決める
全部を外に任せるより、得意な部分だけ任せたほうが進むケースもあります。士業は専門性が高く、相談現場の言葉を拾えるのは内部の強みだからです。
| やり方 | 費用感 | 向く体制 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 内製中心 | 小さめ | 書ける担当がいる | 更新が止まると失速 |
| 設計だけ外注 | 中くらい | 判断は内部でできる | 原稿品質は担当に依存 |
| 原稿まで外注 | 大きめ | 監修の時間が取れる | 差し戻しが増えると負担 |
| 改修も外注 | 大きい | 代表が意思決定できる | 目的が曖昧だと迷走 |
ここで大事なのは、費用を下げることより「止まらない形」を作ることです。たとえば原稿を外注する場合でも、監修が後回しになれば公開が止まります。逆に、設計だけ外に任せて、原稿は短くても継続できるなら、結果として相談は増えやすくなります。
依頼先に任せるなら、成果物を先に言葉にする
「順位を上げてほしい」だけだと、話がすれ違います。約束すべきは順位より、作業内容と成果物です。依頼前に、次の項目が見積もりと提案に入っているかを見てください。
- 誰に向けたページか(地域名×業務名の想定)
- 直すページの範囲(サービスページ、トップ、問い合わせ)
- 新規で作るもの(コラム本数、よくある質問の追加など)
- 原稿の作り方(ヒアリングの有無、監修の回数)
- 公開後の見直し(どの数字で振り返るか)
- 著作権や修正権限(納品後に自社で直せるか)
この条件がそろうと、見積もりの高い安いよりも「自社に合うか」を判断しやすくなります。
体制と進め方:月次運用を回すコツ
SEOは一度整えたら終わりではなく、相談の流れに合わせて微調整が続きます。継続の壁は「書けない」より「決められない」に出やすいので、体制は役割の分担から始めます。
続く体制は、3つの役割を決める
人数が少なくても構いません。次の役割を、誰が担うかを決めるだけで更新が回りやすくなります。
- 決める人:優先順位、対応範囲、料金表現の許容を決める
- 作る人:構成を作り、原稿をまとめ、公開まで進める
- 確かめる人:事実や言い回しを確認し、公開可否を出す
代表が全部抱えると止まりやすい一方、代表が一切見ないと方向がブレます。「決める」と「確かめる」だけ代表が持ち、作業は担当へ寄せると現実的です。
月次の進め方は「小さく固定」で回す
ここからは、実務で回しやすい順に並べます。
- テーマを決める:相談で多い質問を1つ選ぶ
- 骨子を作る:結論、理由、例、次の行動を見出しで置く
- 原稿を作る:難しい言葉を減らし、必要な用語だけ説明する
- 公開する:サービスページへの案内を入れ、迷いを減らす
- 振り返る:来た検索と読まれたページを見て、直す場所を決める
この流れを固定すると、毎回ゼロから考える負担が減ります。月に1本でも、相談に近いテーマから積み上げるほうが成果に結びつきます。
ネタは「相談の現場」に落ちている
新しいテーマが思い付かない場合、次の3つを見返すと材料が出ます。
- 初回相談でよく出る不安(対象か、期間、費用)
- 相談前にメールで聞かれること(準備物、手続きの流れ)
- 断られる理由(忙しい、他所と迷う、急ぎではない)
これらは、そのまま検索される言葉に近いことが多く、読者にも刺さりやすい題材です。
効果の見方:成果指標と計測の基本
SEOの成果は段階的に出ます。早い段階で変わるものと、後から付いてくるものを分けて見ると、社内の焦りが減ります。
早い変化と遅い変化を分ける
早めに動くのは、検索での露出やクリックです。問い合わせは、その後に付いてきます。だから最初から問い合わせ数だけを見ていると、改善の手掛かりを見落とします。
見る数字は「相談への距離」で並べる
迷う場合は、次の順で数字を見ます。上ほど入口、下ほど成果に近い指標です。
| 見たい数字 | 意味 | 目安 | 次の打ち手 |
|---|---|---|---|
| 表示回数 | 検索で見られた量 | 増減で流れを見る | 狙うテーマを調整 |
| クリック数 | サイトへ来た量 | 伸びない所を探す | タイトルを見直す |
| 閲覧ページ | 読まれている内容 | 偏りを確認する | サービス説明を補強 |
| 問い合わせ到達 | フォーム付近の行動 | 減る所が壁 | 導線と入力項目を調整 |
| 問い合わせ数 | 相談の入口の数 | 月ごとに比較 | 強いページへ集約 |
たとえば表示回数は増えたのにクリックが増えないなら、検索結果での見え方が弱い可能性があります。逆にアクセスはあるのに問い合わせが動かないなら、サービスページの判断材料や問い合わせ導線の不足が疑えます。
「何かが伸びない」と感じたとき、どの段階で止まっているかを見つけると、次に直す場所が決まります。ここが分かれば、やることを増やさずに改善できます。
リスクとトラブル:やりがちな失敗と回避策
地域名×業務名の集客は、やること自体はシンプルです。ただ、順番を間違えると「検索では見られるのに相談が増えない」状態に陥ります。ここでは、士業サイトで起きやすい失敗と、直しやすい順の回避策をまとめます。
| 失敗 | 起きること | 回避策 | 直す場所 |
|---|---|---|---|
| サービスが薄い | 比較で選ばれない | 対象・料金・流れを先に | サービスページ |
| コラムだけ増やす | 読まれて終わる | 次の行動を必ず示す | コラム末尾 |
| 地域だけ強調 | 業務の強みが伝わらない | 対応範囲を具体例で | 冒頭と見出し |
| 料金が曖昧 | 相談が先延ばし | 目安と変動条件を添える | 料金セクション |
| 難しい言葉が多い | 途中で離脱 | 一文を短く、例を入れる | 原稿全体 |
| 更新しない | 情報が古く不安が増える | 年一で見直し、日付を書く | 該当ページ |
この表で特に影響が大きいのは、サービスページが薄い状態のままコラムだけ増えるパターンです。入口は増えても、判断材料が足りずに最後で止まります。まずはサービスページを先に整え、その後にコラムで入口を広げる順が安全です。
もう一つ、士業特有で見落としがちなのが表現の扱いです。業務によっては、広告や表現に関するルールが定められている場合があります。最安などの断定的な表現は避け、所属団体のガイドラインに合わせて言い回しを整えると、トラブルを減らせます。
また、税制や手続きは変わることがあります。コラムで制度や期限に触れる場合、公開後に情報が古くならない運用もセットで考えると安心です。直近で変わりやすいテーマは、記事の冒頭で対象時期を示し、更新の手間が見える形にしておくと管理しやすくなります。
実行前チェック:公開前に確認すること
公開前にやるべきことは、凝った改善より「迷わず相談できる状態か」の確認です。依頼者になったつもりでサイトを見て、短時間で判断できるかを確かめます。
最初に見るのは次の3つです。
- 検索結果でクリックしたくなる見え方か
- サービスページで対象と流れがすぐ分かるか
- 問い合わせまで迷わず到達できるか
確認の視点を固定すると、直すべき場所が早く見つかります。
| 確認 | 見る場所 | OKの目安 |
|---|---|---|
| 対象が明確 | サービス冒頭 | 自分が該当か分かる |
| 料金の目安 | 料金セクション | 範囲や例が書いてある |
| 流れが見える | サービス中盤 | 三から五段で理解できる |
| 不安の先回り | よくある質問 | 迷いが減る答えがある |
| 連絡が簡単 | 問い合わせ | 入力が少なく迷わない |
| スマホで押せる | 全ページ | ボタンが押しやすい |
ここまで満たせていれば、細かい文章の修正より先に「相談の入口」が整います。公開後は、表示回数とクリック数が動いているかを見て、伸びているテーマに近い記事から追加します。入口を増やす順番が揃うと、担当者の負担も増えにくくなります。
まとめ
地域名×業務名の集客は、記事を増やすことが目的ではありません。検索している人が安心して判断できる材料をそろえ、迷わず相談できる導線を用意することが目的です。
まずはゴールと問い合わせ導線を決め、サービスページで対象と料金と流れを見える形にします。そのうえで、相談前の不安をほどくコラムを作り、サービスページへつなげます。費用や体制は、止まらない形を優先し、成果は段階ごとに数字で確かめる。これを崩さなければ、地域で探す人からの相談は増えやすくなります。
自社で進める場合、最初は次の順で整えると動きやすくなります。
- 伸ばしたい業務と地域名を一つ決める
- サービスページの判断材料をそろえる
- コラムを一つ作り、導線をつなぐ
- 数字を見て、直す場所を決める
「自社の状況だと、どこから手を付けるか決め切れない」と感じる場合ほど、最初に優先順位が決まると前へ進みます。
やることは見えたのに、社内で順番が決まらず止まってしまう場面はよくあります。株式会社みやあじよでは、目的に合わせて「どこから直すか」を言葉にし、進め方を整える支援をしています。
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