士業の地域SEO集客を設計する方法

2026.01.25

「地域名 業務名」で検索されているのに、相談が増えない。そんな状態は珍しくありません。SEOは、検索で見つけてもらいやすくする工夫です。ただ、見つけてもらえた後に「ここへ相談してよさそう」と判断されなければ、順位が上がっても問い合わせは伸びません。

このコラムでは、地域名と業務名で探している人の頭の中をほどきながら、サービスページとコラムをどう役割分担し、どんな順番で整えると相談につながりやすいかを解説します。やることが多く見えても、順番が決まれば動けます。

地域名×業務名で集客が伸びにくい理由

伸びない原因は「判断材料」の不足

検索した人が欲しいのは「情報」だけでなく「判断材料」です。士業の依頼は失敗したくない買い物に近く、比較の軸がないと動けません。

うまくいかないサイトに多いのは、次のズレです。

  • 検索した人の不安より、事務所側の説明が先に出ている
  • 「対象かどうか」「料金の目安」「進め方」がすぐ見当たらない
  • 地域名は入っているのに、業務の中身が薄くて選べない

たとえば「相続 税理士 地域名」で探す人は、相続に強いかどうかより先に、自分の状況でも受けてもらえるか、初回相談で何を話せばよいかを知りたい場面が多いです。ここが見えないと、別の事務所へ移ります。

まずは上位ページの「安心材料の順番」を見る

検索結果で上位に出てくる事務所のページを3つほど見て、どんな順番で安心材料を出しているかを観察してみてください。同じ順番にそろえるだけでも、相談の迷いが減ります。

まず決めるゴールと問い合わせ導線

ゴールは「相談の入口」を一つに絞る

アクセスを増やすより、相談の入口を整えるほうが先です。士業は検討期間が長く、初回の行動は小さくなりがちだからです。電話やメールの前に、料金や流れ、必要書類を確認してから連絡する人が多くいます。

最初に決めたいのは、問い合わせの「型」です。たとえば次のように、事務所の運用に合わせて絞ります。

  • 初回相談の予約を取りたい
  • 電話で要件を確認してから面談につなげたい
  • まずはメールで状況だけ送ってもらいたい

導線は「迷いが出る場所」に置く

どれを選ぶにしても、導線は迷いが出る場所に置くと自然です。料金の目安を読んだ直後、対応範囲を読んだ直後、流れを読んだ直後。読者の頭の中が「相談してもよいか」に傾いた瞬間に、次の行動が見える状態を作ります。

問い合わせの手前で止まりやすいのは、だいたいこの3つです。

  • 自分が対象か分からない
  • 何を用意すればよいか分からない
  • 連絡したら断りづらい気がする

この3つは、ページ側で先回りできます。対象条件を具体例で示し、用意するものを少なく書き、未確定でも相談できる言い方を入れる。これだけで心理的な壁が下がります。

キーワード設計で外さない考え方

単語ではなく「場面」で捉える

キーワードを単語として集めるより、場面で捉えるほうがズレません。検索意図は、検索した人が本当に知りたいことです。同じ業務名でも、相談したい人と、手順だけ知りたい人では、見るべきページが変わります。

地域名と業務名で伸ばしたいなら、まずは意図別にページを分けます。違いだけ先に押さえると、迷いが減ります。

検索意図例のキーワード向くページ読者の不安
今すぐ相談地域名 業務名 事務所サービスページ対象か、料金、流れ
比較して選ぶ地域名 業務名 料金サービスページ+補助記事違いと失敗回避
まず手続きを知る業務名 流れ 必要書類コラム何を用意するか
不安を減らす業務名 期限 罰則コラム間に合うか、リスク

キーワードは「相談現場の言葉」から拾う

この表の使い方は簡単です。「今すぐ相談」「比較して選ぶ」に当たる検索は、サービスページを強くします。反対に、手順や期限の検索はコラムで入口を増やし、読んだ人をサービスページへ案内します。

キーワード集めは、難しく考える必要はありません。普段の相談でよく聞かれる言葉を、そのまま拾います。「料金」「期間」「流れ」「必要書類」「対象者」「地域名」。このあたりが揃うと、検索した人の不安に直で届きます。

ページ設計:サービスページとコラムの役割分担

サービスページは判断材料の置き場

サービスページは、読者が比較検討に使う材料を、早い段階でそろえるページです。長文の自己紹介より先に、対象と流れと料金が見えるほうが安心されます。

コラムは不安をほどく説明書

コラムは、手続きの流れ、期限、準備物など「まず調べたい」人を受け止めます。結論を先に書き、次に理由と具体例を置くと読み切られやすくなります。読み終えた人が次に迷うのは「結局、誰に頼めばよいか」なので、サービスページへ自然につながる導線を添えます。

ページ主な役割必須要素注意
サービスページ相談前の判断材料対象者・料金・流れ薄いと比較で負ける
コラム入口と不安の解消手順・期限・よくある質問結論を先に書く
事務所紹介信頼の裏付け体制・実績・考え方自慢話で終えない
お問い合わせ行動の後押し連絡手段・入力項目入力が重いと離脱

ここまで整うと、やみくもに記事を増やす状態から抜け出せます。次は、どこまでを自社で行い、どこから外に任せると負担が増えにくいかを、費用の話と一緒に整理します。

費用と投資判断:内製と外注の考え方

「記事を何本書くか」だけで費用を決めると、途中でズレやすくなります。地域名×業務名の集客は、原稿量よりも「判断材料をそろえる作業」に時間が掛かるためです。

費用が増えやすいのは「決める作業」

たとえば外注でも、事務所側が決めるべきことは残ります。対応できる範囲、料金の出し方、どこまで踏み込んで書くか。ここが曖昧なままだと、原稿の差し戻しが増え、結局高く付きやすくなります。

迷う場合は、作業を次の3つに分けて考えると見通しが立ちます。

  • 設計:狙う検索、ページの役割、伝える順番を決める
  • 制作:サービスページ改修、コラム作成、写真や図の準備
  • 運用:公開後の見直し、追加改善、更新を回す

この3つが見積もりに入っているかを確認すると、依頼先の比較もしやすくなります。

内製と外注は「人手の出せる場所」で決める

全部を外に任せるより、得意な部分だけ任せたほうが進むケースもあります。士業は専門性が高く、相談現場の言葉を拾えるのは内部の強みだからです。

やり方費用感向く体制注意
内製中心小さめ書ける担当がいる更新が止まると失速
設計だけ外注中くらい判断は内部でできる原稿品質は担当に依存
原稿まで外注大きめ監修の時間が取れる差し戻しが増えると負担
改修も外注大きい代表が意思決定できる目的が曖昧だと迷走

ここで大事なのは、費用を下げることより「止まらない形」を作ることです。たとえば原稿を外注する場合でも、監修が後回しになれば公開が止まります。逆に、設計だけ外に任せて、原稿は短くても継続できるなら、結果として相談は増えやすくなります。

依頼先に任せるなら、成果物を先に言葉にする

「順位を上げてほしい」だけだと、話がすれ違います。約束すべきは順位より、作業内容と成果物です。依頼前に、次の項目が見積もりと提案に入っているかを見てください。

  • 誰に向けたページか(地域名×業務名の想定)
  • 直すページの範囲(サービスページ、トップ、問い合わせ)
  • 新規で作るもの(コラム本数、よくある質問の追加など)
  • 原稿の作り方(ヒアリングの有無、監修の回数)
  • 公開後の見直し(どの数字で振り返るか)
  • 著作権や修正権限(納品後に自社で直せるか)

この条件がそろうと、見積もりの高い安いよりも「自社に合うか」を判断しやすくなります。

体制と進め方:月次運用を回すコツ

SEOは一度整えたら終わりではなく、相談の流れに合わせて微調整が続きます。継続の壁は「書けない」より「決められない」に出やすいので、体制は役割の分担から始めます。

続く体制は、3つの役割を決める

人数が少なくても構いません。次の役割を、誰が担うかを決めるだけで更新が回りやすくなります。

  • 決める人:優先順位、対応範囲、料金表現の許容を決める
  • 作る人:構成を作り、原稿をまとめ、公開まで進める
  • 確かめる人:事実や言い回しを確認し、公開可否を出す

代表が全部抱えると止まりやすい一方、代表が一切見ないと方向がブレます。「決める」と「確かめる」だけ代表が持ち、作業は担当へ寄せると現実的です。

月次の進め方は「小さく固定」で回す

ここからは、実務で回しやすい順に並べます。

  • テーマを決める:相談で多い質問を1つ選ぶ
  • 骨子を作る:結論、理由、例、次の行動を見出しで置く
  • 原稿を作る:難しい言葉を減らし、必要な用語だけ説明する
  • 公開する:サービスページへの案内を入れ、迷いを減らす
  • 振り返る:来た検索と読まれたページを見て、直す場所を決める

この流れを固定すると、毎回ゼロから考える負担が減ります。月に1本でも、相談に近いテーマから積み上げるほうが成果に結びつきます。

ネタは「相談の現場」に落ちている

新しいテーマが思い付かない場合、次の3つを見返すと材料が出ます。

  • 初回相談でよく出る不安(対象か、期間、費用)
  • 相談前にメールで聞かれること(準備物、手続きの流れ)
  • 断られる理由(忙しい、他所と迷う、急ぎではない)

これらは、そのまま検索される言葉に近いことが多く、読者にも刺さりやすい題材です。

効果の見方:成果指標と計測の基本

SEOの成果は段階的に出ます。早い段階で変わるものと、後から付いてくるものを分けて見ると、社内の焦りが減ります。

早い変化と遅い変化を分ける

早めに動くのは、検索での露出やクリックです。問い合わせは、その後に付いてきます。だから最初から問い合わせ数だけを見ていると、改善の手掛かりを見落とします。

見る数字は「相談への距離」で並べる

迷う場合は、次の順で数字を見ます。上ほど入口、下ほど成果に近い指標です。

見たい数字意味目安次の打ち手
表示回数検索で見られた量増減で流れを見る狙うテーマを調整
クリック数サイトへ来た量伸びない所を探すタイトルを見直す
閲覧ページ読まれている内容偏りを確認するサービス説明を補強
問い合わせ到達フォーム付近の行動減る所が壁導線と入力項目を調整
問い合わせ数相談の入口の数月ごとに比較強いページへ集約

たとえば表示回数は増えたのにクリックが増えないなら、検索結果での見え方が弱い可能性があります。逆にアクセスはあるのに問い合わせが動かないなら、サービスページの判断材料や問い合わせ導線の不足が疑えます。

「何かが伸びない」と感じたとき、どの段階で止まっているかを見つけると、次に直す場所が決まります。ここが分かれば、やることを増やさずに改善できます。

リスクとトラブル:やりがちな失敗と回避策

地域名×業務名の集客は、やること自体はシンプルです。ただ、順番を間違えると「検索では見られるのに相談が増えない」状態に陥ります。ここでは、士業サイトで起きやすい失敗と、直しやすい順の回避策をまとめます。

失敗起きること回避策直す場所
サービスが薄い比較で選ばれない対象・料金・流れを先にサービスページ
コラムだけ増やす読まれて終わる次の行動を必ず示すコラム末尾
地域だけ強調業務の強みが伝わらない対応範囲を具体例で冒頭と見出し
料金が曖昧相談が先延ばし目安と変動条件を添える料金セクション
難しい言葉が多い途中で離脱一文を短く、例を入れる原稿全体
更新しない情報が古く不安が増える年一で見直し、日付を書く該当ページ

この表で特に影響が大きいのは、サービスページが薄い状態のままコラムだけ増えるパターンです。入口は増えても、判断材料が足りずに最後で止まります。まずはサービスページを先に整え、その後にコラムで入口を広げる順が安全です。

もう一つ、士業特有で見落としがちなのが表現の扱いです。業務によっては、広告や表現に関するルールが定められている場合があります。最安などの断定的な表現は避け、所属団体のガイドラインに合わせて言い回しを整えると、トラブルを減らせます。

また、税制や手続きは変わることがあります。コラムで制度や期限に触れる場合、公開後に情報が古くならない運用もセットで考えると安心です。直近で変わりやすいテーマは、記事の冒頭で対象時期を示し、更新の手間が見える形にしておくと管理しやすくなります。

実行前チェック:公開前に確認すること

公開前にやるべきことは、凝った改善より「迷わず相談できる状態か」の確認です。依頼者になったつもりでサイトを見て、短時間で判断できるかを確かめます。

最初に見るのは次の3つです。

  • 検索結果でクリックしたくなる見え方か
  • サービスページで対象と流れがすぐ分かるか
  • 問い合わせまで迷わず到達できるか

確認の視点を固定すると、直すべき場所が早く見つかります。

確認見る場所OKの目安
対象が明確サービス冒頭自分が該当か分かる
料金の目安料金セクション範囲や例が書いてある
流れが見えるサービス中盤三から五段で理解できる
不安の先回りよくある質問迷いが減る答えがある
連絡が簡単問い合わせ入力が少なく迷わない
スマホで押せる全ページボタンが押しやすい

ここまで満たせていれば、細かい文章の修正より先に「相談の入口」が整います。公開後は、表示回数とクリック数が動いているかを見て、伸びているテーマに近い記事から追加します。入口を増やす順番が揃うと、担当者の負担も増えにくくなります。

まとめ

地域名×業務名の集客は、記事を増やすことが目的ではありません。検索している人が安心して判断できる材料をそろえ、迷わず相談できる導線を用意することが目的です。

まずはゴールと問い合わせ導線を決め、サービスページで対象と料金と流れを見える形にします。そのうえで、相談前の不安をほどくコラムを作り、サービスページへつなげます。費用や体制は、止まらない形を優先し、成果は段階ごとに数字で確かめる。これを崩さなければ、地域で探す人からの相談は増えやすくなります。

自社で進める場合、最初は次の順で整えると動きやすくなります。

  • 伸ばしたい業務と地域名を一つ決める
  • サービスページの判断材料をそろえる
  • コラムを一つ作り、導線をつなぐ
  • 数字を見て、直す場所を決める

「自社の状況だと、どこから手を付けるか決め切れない」と感じる場合ほど、最初に優先順位が決まると前へ進みます。

やることは見えたのに、社内で順番が決まらず止まってしまう場面はよくあります。株式会社みやあじよでは、目的に合わせて「どこから直すか」を言葉にし、進め方を整える支援をしています。
お問い合わせはこちらから気軽にご連絡ください。

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