医療クリニックの診療案内が伝わる書き方

2026.01.21

診療案内が伝わらないと起きる来院前の不安

診療案内は「どんな人が」「何を」「どこまで」診てもらえるかを決める場所です。ここが曖昧だと、患者さんは予約の前に立ち止まります。結果として、電話が増えたり、当日キャンセルや受診見送りが起きたりします。

不安は「情報不足」より「判断できない」ことで増える

患者さんが困るのは、情報が少ないことだけではありません。情報はあるのに、判断材料の形になっていないことが問題です。
例として多いのは、次のような状態です。

  • 症状名が並んでいるが、受診の目安がない
  • 初診の流れが書かれているが、持ち物や所要時間がない
  • 費用の説明があるが、保険と自費の切り分けが曖昧
  • 予約方法はあるが、どれを選べばよいか分からない

この状態だと、患者さんは「自分に合うか」を決められません。決められないまま比較ページへ戻ります。

伝わらない診療案内が招きやすい院内トラブル

診療案内の書き方は、来院後のすれ違いにも影響します。
たとえば次のようなものです。

  • 想定外の患者さんが来て、受付で説明が長くなる
  • 必要な検査や対応ができず、別の医療機関を案内する
  • 自費の相談だと思って来た方が、当日は保険の相談だった
  • 予約枠と実際の要望が合わず、待ち時間が伸びる

サイトは集客だけでなく、受診前の期待値をそろえる役割も持ちます。診療案内は、その中心にあります。

まず目指す到達点は「予約前に安心できる状態」

うまく書けた診療案内の基準は、文章の上手さではありません。
患者さんが次の行動を選べることです。具体的には次の三つがそろっている状態です。

  • 自分が受診してよい対象だと分かる
  • 予約から来院までの流れが想像できる
  • 費用や時間の不安が小さくなる

この三つがそろうと、迷いが減り、予約や問い合わせの一歩が出やすくなります。

まず押さえる患者さんの判断材料

診療案内を書くときは、院内の説明順ではなく、患者さんの判断順で並べます。患者さんの頭の中は、だいたい次の流れで動きます。

判断順は「対象か」「いつ行くか」「何を準備するか」

  • 自分の症状は診てもらえるか
  • どんなときに受診すべきか、様子見でもよいか
  • 予約は必要か、当日受付でもよいか
  • 初診で何を持っていけばよいか
  • どのくらい時間がかかるか
  • お金はどの程度を見ておけばよいか

ここが埋まると、患者さんは家族や仕事の都合も含めて予定を立てられます。逆に、ここが埋まらないと、検討が先延ばしになります。

競合比較で見られやすいのは「安心材料」

比較の場面で見られやすいのは、治療の難しい説明よりも安心材料です。たとえば次のような要素です。

  • 医師やスタッフの説明姿勢が伝わる一文
  • 初診の流れが短くまとまっている
  • 予約の方法が迷わない
  • 費用の目安がある
  • 対応できないケースが書かれている

対応できないケースを出すと不利に見えると思われがちですが、実際は逆です。無理に受け入れる前提の文章より、誠実さが伝わりやすくなります。

SEOは「検索で見つけてもらう工夫」

SEOは、検索で見つけてもらう工夫のことです。診療案内では、症状名や診療科名だけを増やすより、患者さんが知りたい判断材料をそろえる方が、読み続けてもらいやすくなります。結果としてページ全体の評価にもつながりやすくなります。

伝わる診療案内の基本構成

診療案内を一気に書こうとすると、情報が散らかりやすくなります。最初に箱を用意し、そこへ院内の情報を入れていくと迷いが減ります。

基本は「結論 → 理由 → 具体 → 次の行動」

患者さんが読みやすい順番は、次の流れです。

  • 結論:この診療で何ができるか
  • 理由:なぜそう言えるか、根拠は何か
  • 具体:対象症状、検査、治療、流れ
  • 次の行動:予約方法、受診の目安、持ち物

この順番で書くと、ページの途中で離脱しにくくなります。

「できること」と「できないこと」を同じ熱量で書く

診療案内で信頼を落としやすいのは、できることだけを並べる書き方です。
次のように書き分けると、誤解が減ります。

  • できること:当院で対応できる範囲
  • できないこと:設備や体制上、対応が難しい範囲
  • 例外:紹介が必要なケース、緊急性が高いケース

書いておくと、来院前のすれ違いが減り、受付や電話の負担も小さくなります。

文章の良し悪しは「受付での説明が減るか」で判断する

院内で「伝わった」と感じる基準は、ページの滞在時間よりも実務寄りで構いません。
たとえば次の変化が出ると、診療案内が仕事をしている状態です。

  • 電話での同じ質問が減る
  • 初診の持ち物忘れが減る
  • 受付で説明する項目が短くなる
  • 予約の取り直しが減る

診療案内に入れる情報チェック表

項目読者の不安書く内容配置の目安
対象症状自分が対象か症状例と対象外も書く冒頭近く
受診の目安いつ行くか様子見と受診の線引き対象症状の後
初診の流れ何をするか受付から会計まで中盤
持ち物準備が不安保険証、紹介状など流れの直後
費用の目安いくらかかるか保険と自費の説明後半
予約方法どう予約するか選び方と注意点末尾付近

診療内容を分かりやすく書く手順

ここからは、院内の情報を集めて文章に落とすときの手順です。文章力より、素材の集め方で決まります。

手順は「院内の説明を分解して、患者向けに並べ替える」

まず院内で説明している内容を、次の三つに分けます。

  • 必ず伝えること:初診時に必要な情報
  • できれば伝えること:安心につながる補足
  • 診療の背景:専門的で長くなりやすい説明

最初は「必ず伝えること」だけでページを成立させます。背景説明は、院内の説明のまま載せると長くなり、途中離脱の原因になりやすいので、後ろへ回します。

症状名を並べるより「受診の目安」を先に置く

患者さんは症状名の一致よりも、受診すべきかどうかで迷います。
そのため、症状の一覧を書く場合でも、先に受診の目安を短く置き、次に症状例を置く方が伝わりやすくなります。

初診の流れは「院内の当たり前」を患者さん向けに翻訳する

初診の流れは、院内では当たり前でも、患者さんには見えません。
ここが見えるだけで「行っても大丈夫そう」が生まれます。

書き方で迷ったら、流れは次の三つに寄せます。

  • 何をするか(手順)
  • 何を持っていくか(準備)
  • どれくらい見ておくか(時間と費用の目安)

難しい説明を増やすより、これを短くそろえる方が、予約前の不安が減りやすいです。

初診の流れ 文章テンプレ

場面書くこと抜けやすい情報一文例
予約予約の要否と方法当日の扱い当日希望は電話が早いです
受付受付での確認事項持ち物保険証とお薬手帳をお持ちください
問診問診の進み方所要時間問診に少し時間がかかります
診察診察で確認する内容検査の可能性必要に応じ検査をご案内します
会計会計と次の案内支払い方法お支払い方法は院内でご確認ください
再診次回の目安予約の取り方次回予約は受付で承ります

症状の説明は「対象」「目安」「例外」を先に置く

症状やお悩みを書くときは、名称の羅列で終わらせない方が伝わります。
患者さんが知りたいのは、受診してよいかどうかです。

  • 対象:当院で対応している範囲
  • 目安:受診のタイミング
  • 例外:緊急性が高い、紹介が必要など

例外を書くと、断る印象が出るのではと心配されがちです。実際は、安心材料として働きやすく、来院後のすれ違いも減ります。

保険と自費が混ざる場合は「入口」で迷わせない

保険診療と自費診療が同じページにあると、患者さんは「結局どれの話か」で止まります。
書き分けは、費用の細かさよりも入口の分かりやすさが先です。

  • まず保険の範囲を短く書く
  • 次に自費の対象と相談の流れを書く
  • それぞれで予約方法が違うなら、そこで分ける

同じページ内でも、患者さんは自分の関心の場所だけを拾って読みます。入口さえ分かれれば、細部は後から理解されやすくなります。

仕上げは「院内の説明が減るか」で見直す

文章の完成度は、読み手の反応で決まります。院内側では、次の視点で見直すとズレが見つかりやすいです。

  • このページを読んだら、電話で何を聞かれそうか
  • 受付で説明している言葉と、書いている言葉が違わないか
  • 誤解が起きそうな場所に、注意書きがあるか

見直しで削れるところは削り、足りないところは一文だけ足す。これだけで読みやすさが上がります。

予約や問い合わせにつなげる導線

診療案内が分かりやすくても、次の行動が迷いやすいと予約は増えません。導線は「迷う時間を減らす設計」です。

予約方法は「主役」を一つ決める

予約の選択肢が多いほど、患者さんは迷います。
まず主役を一つ決め、他は補助に回します。

  • 予約を集めたい方法:主役として目立たせる
  • 代替の方法:条件つきで案内する

たとえば「急ぎは電話」「余裕がある相談はWeb」など、使い分けの一文を添えるだけで、選びやすくなります。

「どれを選べばよいか」を一文で示す

ボタンやリンクの近くに、選び方の一文があると迷いが減ります。

  • 当日受診の相談は電話へ
  • 初めての方はWeb予約が早い
  • 検査の相談は事前に問い合わせへ

言い切りよりも、状況が浮かぶ表現の方が選ばれやすいです。

診療案内の途中にも「次の行動」を置く

診療案内の末尾だけに予約導線があると、読んでいる途中で熱が冷めます。
患者さんが決めやすい場所は、だいたい次の三つです。

  • 対象と目安を読んだ直後
  • 初診の流れを読んだ直後
  • 費用や注意事項を読んだ直後

ページの途中に導線があっても、押しつけにはなりません。読んだ内容と行動がつながるだけです。

診療案内を整えると出る効果

効果は予約数だけではありません。院内の負担や、患者さんの満足にも返ってきます。

来院前の不安が減り、予約の迷いが小さくなる

診療案内で判断材料がそろうと、比較に戻る回数が減りやすくなります。
「自分は対象か」「何を準備するか」が分かるからです。

電話や受付での説明が短くなる

よくある質問がページ内で解消されると、電話での確認が減りやすくなります。
受付も「同じ説明を何度もする」状態から抜けやすくなり、院内の流れが整います。

ミスマッチが減り、対応の質が上がる

対象外や例外が書かれていると、来院後のすれ違いが減ります。
結果として、必要な方に時間を使いやすくなります。

医療サイト特有のリスクと注意点

医療のサイトは、伝え方を誤ると信頼を落としやすい分野です。診療案内は特に、誠実さがそのまま伝わります。

強い言い切りや誇張より「事実」と「条件」を並べる

患者さんの安心を狙って、強い表現を増やすと逆効果になりやすいです。
書き方の基本は次の形です。

  • 事実:実際に提供している内容
  • 条件:対象、制限、必要な場合
  • 注意:来院前に知っておくこと

これで「期待しすぎ」を防ぎ、納得して予約しやすくなります。

更新されない情報が一番のリスクになりやすい

診療時間、休診、費用、予約方法が古いままだと、患者さんは不安になります。
更新の手間を減らすには、次の考え方が役に立ちます。

  • 変わりやすい情報は一か所に寄せる
  • 変わりにくい説明は診療案内へ置く
  • 変更時に直すページを院内で共有しておく

更新漏れは文章力では防げません。仕組みに寄せる方が安定します。

迷う表現は「院内で説明している言葉」に戻す

文章をきれいに整えようとして、現場の言葉とかけ離れると、かえって誤解が出ます。
迷ったら、院内で普段している説明の言い回しに戻し、短く切り出して載せる。この方が患者さんにも届きやすくなります。

院内で回る体制と進め方

診療案内の改修は、忙しいほど止まりやすい作業です。止まる原因は文章力よりも、決め方が定まっていないことが多いです。先に役割と手順を決めると、途中で詰まりにくくなります。

最初に決めるのは「最終判断」と「下書き」

うまく回る形はシンプルです。

  • 下書きは事務側で作る
  • 医療内容の確認は院長が見る
  • 公開と更新の窓口は事務長かWeb担当が持つ

院長が最初から全文を書く形だと、時間が取れず止まりやすくなります。事務側の下書きに、院長が医学的な正確さと表現の安全性を足す方が進みます。

情報は「受付に集まる」を前提にする

患者さんの不安は、受付や電話に集まります。診療案内の材料として価値が高いのは、院内の理想よりも「実際に聞かれること」です。受付でよく聞かれる質問を集め、文章の見出しに変えるだけでも骨格ができます。

原稿と素材の集め方 役割分担表

用意するもの担当候補集め方目安時間
対象症状と対象外院長・事務説明を箇条書きで出す30分
受診の目安院長様子見と受診の線引き20分
初診の流れ受付当日の手順を順にメモ30分
費用の扱い事務保険と自費を分けて書く30分
写真素材担当者撮る場所と順番を決める60分
よくある質問受付直近の質問を集める20分

公開前チェックは「誤解の芽」を摘む

医療の文章は、読まれ方に幅が出ます。公開前は次の視点で短く確認すると、来院後のすれ違いが減ります。

  • 対象外や例外が抜けていないか
  • 費用や時間の見込みが極端に曖昧ではないか
  • 予約の選び方が一文で書かれているか
  • 更新が必要な情報が散らばっていないか

更新が必要な情報は、一か所に寄せる方が現実的です。情報が増えるほど、更新漏れが起きやすくなるためです。

費用の目安と外注の考え方

費用は「何をどこまで直すか」で変わります。診療案内は文章の修正だけで終わることもあれば、ページの並びや導線まで触る必要が出ることもあります。

どこまでやるかは「今の困りごと」で決める

迷う場面が多いのは、やりたいことが混ざっているときです。優先が決まると、見積もりも比較しやすくなります。

  • 情報は足りているが、読みにくい
    まず文章の整理と見出しの付け替えから始める
  • 情報自体が足りず、電話が増えている
    対象、目安、初診の流れ、費用の順に穴埋めする
  • ページはあるのに予約につながらない
    予約の選び方とボタン配置を見直す

外注するなら「成果物」を具体的に見る

依頼先を比べるときは、見た目の提案だけで判断しない方が安全です。診療案内は、原稿と情報の扱いが中心だからです。見積もりの中で、次が含まれているかを確認するとズレが減ります。

  • 何ページを対象にするか
  • 原稿は誰が書き、誰が確認するか
  • 医療内容のチェック体制があるか
  • 写真が必要なら、撮影や選定を含むか
  • 公開後に直す範囲と回数がどうなるか

院内で用意すると進みやすい素材

外注でも院内でも、材料が揃うほど作業は前に進みます。準備は完璧でなくて構いません。まずはこれだけで十分です。

  • 診療メニューの一覧
  • よく聞かれる質問
  • 初診の流れを院内で説明している内容
  • 予約方法の使い分け
  • 保険と自費が混ざる箇所の整理メモ

成果の見方とKPIの置き方

診療案内は、作って終わりだともったいないです。院内の状況や患者さんの反応に合わせて直すほど、予約前の不安が減りやすくなります。

KPIは「途中の手応え」を見る数値

KPIは、最終目標に近づいているかを見分ける途中の数値です。最終目標が予約や問い合わせなら、途中で見たい数値も決めておくと改善が止まりにくくなります。

見る数値は「行動の一歩手前」から選ぶ

診療案内で見やすい指標は、患者さんの迷いが減ったかどうかが分かるものです。

  • 診療案内ページの閲覧数
  • 予約ボタンのクリック数
  • 電話ボタンのタップ数
  • 問い合わせの送信数

閲覧数だけが増えても、予約が増えないことがあります。行動の数値も一緒に見ると、原因の切り分けがしやすくなります。

数字だけでなく「受付の変化」も拾う

クリニックの場合、受付や電話の変化がいちばん早いサインです。週に一度、次のようなメモを残すだけでも改善の材料になります。

  • 同じ質問が何件あったか
  • どこで説明が長引いたか
  • 持ち物の不足があったか

このメモは、診療案内の追記場所を教えてくれます。ページ改善のネタを院内から拾える形です。

まとめ

診療案内が伝わる書き方は、文章を飾ることではありません。患者さんの判断材料を、迷いにくい順番で並べることです。

  • 対象、受診の目安、初診の流れを先に置く
  • できることと、できないことを同じ温度で書く
  • 予約方法は主役を一つ決め、選び方を一文で添える
  • 体制は「下書き」「医師確認」「更新窓口」を分ける
  • 成果は予約だけでなく、途中の数値と受付の変化で見る

診療案内を直したいと思っても、院内で意見が分かれたり、忙しさで後回しになったりします。必要な情報を集める順番が見えると、やるべきことが小さく切れて進みやすくなります。

相談いただくと、診療案内の構成づくりから原稿のたたき台作成、予約までの流れの見直し、更新しやすい形への整えまでをまとめて進められます。

現状を見ながら、患者さんが止まる場所と不足情報を洗い出し、優先順で直します。株式会社みやあじよまでご相談ください。

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