診療案内が伝わらないと起きる来院前の不安
診療案内は「どんな人が」「何を」「どこまで」診てもらえるかを決める場所です。ここが曖昧だと、患者さんは予約の前に立ち止まります。結果として、電話が増えたり、当日キャンセルや受診見送りが起きたりします。
不安は「情報不足」より「判断できない」ことで増える
患者さんが困るのは、情報が少ないことだけではありません。情報はあるのに、判断材料の形になっていないことが問題です。
例として多いのは、次のような状態です。
- 症状名が並んでいるが、受診の目安がない
- 初診の流れが書かれているが、持ち物や所要時間がない
- 費用の説明があるが、保険と自費の切り分けが曖昧
- 予約方法はあるが、どれを選べばよいか分からない
この状態だと、患者さんは「自分に合うか」を決められません。決められないまま比較ページへ戻ります。
伝わらない診療案内が招きやすい院内トラブル
診療案内の書き方は、来院後のすれ違いにも影響します。
たとえば次のようなものです。
- 想定外の患者さんが来て、受付で説明が長くなる
- 必要な検査や対応ができず、別の医療機関を案内する
- 自費の相談だと思って来た方が、当日は保険の相談だった
- 予約枠と実際の要望が合わず、待ち時間が伸びる
サイトは集客だけでなく、受診前の期待値をそろえる役割も持ちます。診療案内は、その中心にあります。
まず目指す到達点は「予約前に安心できる状態」
うまく書けた診療案内の基準は、文章の上手さではありません。
患者さんが次の行動を選べることです。具体的には次の三つがそろっている状態です。
- 自分が受診してよい対象だと分かる
- 予約から来院までの流れが想像できる
- 費用や時間の不安が小さくなる
この三つがそろうと、迷いが減り、予約や問い合わせの一歩が出やすくなります。
まず押さえる患者さんの判断材料
診療案内を書くときは、院内の説明順ではなく、患者さんの判断順で並べます。患者さんの頭の中は、だいたい次の流れで動きます。
判断順は「対象か」「いつ行くか」「何を準備するか」
- 自分の症状は診てもらえるか
- どんなときに受診すべきか、様子見でもよいか
- 予約は必要か、当日受付でもよいか
- 初診で何を持っていけばよいか
- どのくらい時間がかかるか
- お金はどの程度を見ておけばよいか
ここが埋まると、患者さんは家族や仕事の都合も含めて予定を立てられます。逆に、ここが埋まらないと、検討が先延ばしになります。
競合比較で見られやすいのは「安心材料」
比較の場面で見られやすいのは、治療の難しい説明よりも安心材料です。たとえば次のような要素です。
- 医師やスタッフの説明姿勢が伝わる一文
- 初診の流れが短くまとまっている
- 予約の方法が迷わない
- 費用の目安がある
- 対応できないケースが書かれている
対応できないケースを出すと不利に見えると思われがちですが、実際は逆です。無理に受け入れる前提の文章より、誠実さが伝わりやすくなります。
SEOは「検索で見つけてもらう工夫」
SEOは、検索で見つけてもらう工夫のことです。診療案内では、症状名や診療科名だけを増やすより、患者さんが知りたい判断材料をそろえる方が、読み続けてもらいやすくなります。結果としてページ全体の評価にもつながりやすくなります。
伝わる診療案内の基本構成
診療案内を一気に書こうとすると、情報が散らかりやすくなります。最初に箱を用意し、そこへ院内の情報を入れていくと迷いが減ります。
基本は「結論 → 理由 → 具体 → 次の行動」
患者さんが読みやすい順番は、次の流れです。
- 結論:この診療で何ができるか
- 理由:なぜそう言えるか、根拠は何か
- 具体:対象症状、検査、治療、流れ
- 次の行動:予約方法、受診の目安、持ち物
この順番で書くと、ページの途中で離脱しにくくなります。
「できること」と「できないこと」を同じ熱量で書く
診療案内で信頼を落としやすいのは、できることだけを並べる書き方です。
次のように書き分けると、誤解が減ります。
- できること:当院で対応できる範囲
- できないこと:設備や体制上、対応が難しい範囲
- 例外:紹介が必要なケース、緊急性が高いケース
書いておくと、来院前のすれ違いが減り、受付や電話の負担も小さくなります。
文章の良し悪しは「受付での説明が減るか」で判断する
院内で「伝わった」と感じる基準は、ページの滞在時間よりも実務寄りで構いません。
たとえば次の変化が出ると、診療案内が仕事をしている状態です。
- 電話での同じ質問が減る
- 初診の持ち物忘れが減る
- 受付で説明する項目が短くなる
- 予約の取り直しが減る
診療案内に入れる情報チェック表
| 項目 | 読者の不安 | 書く内容 | 配置の目安 |
|---|---|---|---|
| 対象症状 | 自分が対象か | 症状例と対象外も書く | 冒頭近く |
| 受診の目安 | いつ行くか | 様子見と受診の線引き | 対象症状の後 |
| 初診の流れ | 何をするか | 受付から会計まで | 中盤 |
| 持ち物 | 準備が不安 | 保険証、紹介状など | 流れの直後 |
| 費用の目安 | いくらかかるか | 保険と自費の説明 | 後半 |
| 予約方法 | どう予約するか | 選び方と注意点 | 末尾付近 |
診療内容を分かりやすく書く手順
ここからは、院内の情報を集めて文章に落とすときの手順です。文章力より、素材の集め方で決まります。
手順は「院内の説明を分解して、患者向けに並べ替える」
まず院内で説明している内容を、次の三つに分けます。
- 必ず伝えること:初診時に必要な情報
- できれば伝えること:安心につながる補足
- 診療の背景:専門的で長くなりやすい説明
最初は「必ず伝えること」だけでページを成立させます。背景説明は、院内の説明のまま載せると長くなり、途中離脱の原因になりやすいので、後ろへ回します。
症状名を並べるより「受診の目安」を先に置く
患者さんは症状名の一致よりも、受診すべきかどうかで迷います。
そのため、症状の一覧を書く場合でも、先に受診の目安を短く置き、次に症状例を置く方が伝わりやすくなります。
初診の流れは「院内の当たり前」を患者さん向けに翻訳する
初診の流れは、院内では当たり前でも、患者さんには見えません。
ここが見えるだけで「行っても大丈夫そう」が生まれます。
書き方で迷ったら、流れは次の三つに寄せます。
- 何をするか(手順)
- 何を持っていくか(準備)
- どれくらい見ておくか(時間と費用の目安)
難しい説明を増やすより、これを短くそろえる方が、予約前の不安が減りやすいです。
初診の流れ 文章テンプレ
| 場面 | 書くこと | 抜けやすい情報 | 一文例 |
|---|---|---|---|
| 予約 | 予約の要否と方法 | 当日の扱い | 当日希望は電話が早いです |
| 受付 | 受付での確認事項 | 持ち物 | 保険証とお薬手帳をお持ちください |
| 問診 | 問診の進み方 | 所要時間 | 問診に少し時間がかかります |
| 診察 | 診察で確認する内容 | 検査の可能性 | 必要に応じ検査をご案内します |
| 会計 | 会計と次の案内 | 支払い方法 | お支払い方法は院内でご確認ください |
| 再診 | 次回の目安 | 予約の取り方 | 次回予約は受付で承ります |
症状の説明は「対象」「目安」「例外」を先に置く
症状やお悩みを書くときは、名称の羅列で終わらせない方が伝わります。
患者さんが知りたいのは、受診してよいかどうかです。
- 対象:当院で対応している範囲
- 目安:受診のタイミング
- 例外:緊急性が高い、紹介が必要など
例外を書くと、断る印象が出るのではと心配されがちです。実際は、安心材料として働きやすく、来院後のすれ違いも減ります。
保険と自費が混ざる場合は「入口」で迷わせない
保険診療と自費診療が同じページにあると、患者さんは「結局どれの話か」で止まります。
書き分けは、費用の細かさよりも入口の分かりやすさが先です。
- まず保険の範囲を短く書く
- 次に自費の対象と相談の流れを書く
- それぞれで予約方法が違うなら、そこで分ける
同じページ内でも、患者さんは自分の関心の場所だけを拾って読みます。入口さえ分かれれば、細部は後から理解されやすくなります。
仕上げは「院内の説明が減るか」で見直す
文章の完成度は、読み手の反応で決まります。院内側では、次の視点で見直すとズレが見つかりやすいです。
- このページを読んだら、電話で何を聞かれそうか
- 受付で説明している言葉と、書いている言葉が違わないか
- 誤解が起きそうな場所に、注意書きがあるか
見直しで削れるところは削り、足りないところは一文だけ足す。これだけで読みやすさが上がります。
予約や問い合わせにつなげる導線
診療案内が分かりやすくても、次の行動が迷いやすいと予約は増えません。導線は「迷う時間を減らす設計」です。
予約方法は「主役」を一つ決める
予約の選択肢が多いほど、患者さんは迷います。
まず主役を一つ決め、他は補助に回します。
- 予約を集めたい方法:主役として目立たせる
- 代替の方法:条件つきで案内する
たとえば「急ぎは電話」「余裕がある相談はWeb」など、使い分けの一文を添えるだけで、選びやすくなります。
「どれを選べばよいか」を一文で示す
ボタンやリンクの近くに、選び方の一文があると迷いが減ります。
- 当日受診の相談は電話へ
- 初めての方はWeb予約が早い
- 検査の相談は事前に問い合わせへ
言い切りよりも、状況が浮かぶ表現の方が選ばれやすいです。
診療案内の途中にも「次の行動」を置く
診療案内の末尾だけに予約導線があると、読んでいる途中で熱が冷めます。
患者さんが決めやすい場所は、だいたい次の三つです。
- 対象と目安を読んだ直後
- 初診の流れを読んだ直後
- 費用や注意事項を読んだ直後
ページの途中に導線があっても、押しつけにはなりません。読んだ内容と行動がつながるだけです。
診療案内を整えると出る効果
効果は予約数だけではありません。院内の負担や、患者さんの満足にも返ってきます。
来院前の不安が減り、予約の迷いが小さくなる
診療案内で判断材料がそろうと、比較に戻る回数が減りやすくなります。
「自分は対象か」「何を準備するか」が分かるからです。
電話や受付での説明が短くなる
よくある質問がページ内で解消されると、電話での確認が減りやすくなります。
受付も「同じ説明を何度もする」状態から抜けやすくなり、院内の流れが整います。
ミスマッチが減り、対応の質が上がる
対象外や例外が書かれていると、来院後のすれ違いが減ります。
結果として、必要な方に時間を使いやすくなります。
医療サイト特有のリスクと注意点
医療のサイトは、伝え方を誤ると信頼を落としやすい分野です。診療案内は特に、誠実さがそのまま伝わります。
強い言い切りや誇張より「事実」と「条件」を並べる
患者さんの安心を狙って、強い表現を増やすと逆効果になりやすいです。
書き方の基本は次の形です。
- 事実:実際に提供している内容
- 条件:対象、制限、必要な場合
- 注意:来院前に知っておくこと
これで「期待しすぎ」を防ぎ、納得して予約しやすくなります。
更新されない情報が一番のリスクになりやすい
診療時間、休診、費用、予約方法が古いままだと、患者さんは不安になります。
更新の手間を減らすには、次の考え方が役に立ちます。
- 変わりやすい情報は一か所に寄せる
- 変わりにくい説明は診療案内へ置く
- 変更時に直すページを院内で共有しておく
更新漏れは文章力では防げません。仕組みに寄せる方が安定します。
迷う表現は「院内で説明している言葉」に戻す
文章をきれいに整えようとして、現場の言葉とかけ離れると、かえって誤解が出ます。
迷ったら、院内で普段している説明の言い回しに戻し、短く切り出して載せる。この方が患者さんにも届きやすくなります。
院内で回る体制と進め方
診療案内の改修は、忙しいほど止まりやすい作業です。止まる原因は文章力よりも、決め方が定まっていないことが多いです。先に役割と手順を決めると、途中で詰まりにくくなります。
最初に決めるのは「最終判断」と「下書き」
うまく回る形はシンプルです。
- 下書きは事務側で作る
- 医療内容の確認は院長が見る
- 公開と更新の窓口は事務長かWeb担当が持つ
院長が最初から全文を書く形だと、時間が取れず止まりやすくなります。事務側の下書きに、院長が医学的な正確さと表現の安全性を足す方が進みます。
情報は「受付に集まる」を前提にする
患者さんの不安は、受付や電話に集まります。診療案内の材料として価値が高いのは、院内の理想よりも「実際に聞かれること」です。受付でよく聞かれる質問を集め、文章の見出しに変えるだけでも骨格ができます。
原稿と素材の集め方 役割分担表
| 用意するもの | 担当候補 | 集め方 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| 対象症状と対象外 | 院長・事務 | 説明を箇条書きで出す | 30分 |
| 受診の目安 | 院長 | 様子見と受診の線引き | 20分 |
| 初診の流れ | 受付 | 当日の手順を順にメモ | 30分 |
| 費用の扱い | 事務 | 保険と自費を分けて書く | 30分 |
| 写真素材 | 担当者 | 撮る場所と順番を決める | 60分 |
| よくある質問 | 受付 | 直近の質問を集める | 20分 |
公開前チェックは「誤解の芽」を摘む
医療の文章は、読まれ方に幅が出ます。公開前は次の視点で短く確認すると、来院後のすれ違いが減ります。
- 対象外や例外が抜けていないか
- 費用や時間の見込みが極端に曖昧ではないか
- 予約の選び方が一文で書かれているか
- 更新が必要な情報が散らばっていないか
更新が必要な情報は、一か所に寄せる方が現実的です。情報が増えるほど、更新漏れが起きやすくなるためです。
費用の目安と外注の考え方
費用は「何をどこまで直すか」で変わります。診療案内は文章の修正だけで終わることもあれば、ページの並びや導線まで触る必要が出ることもあります。
どこまでやるかは「今の困りごと」で決める
迷う場面が多いのは、やりたいことが混ざっているときです。優先が決まると、見積もりも比較しやすくなります。
- 情報は足りているが、読みにくい
まず文章の整理と見出しの付け替えから始める - 情報自体が足りず、電話が増えている
対象、目安、初診の流れ、費用の順に穴埋めする - ページはあるのに予約につながらない
予約の選び方とボタン配置を見直す
外注するなら「成果物」を具体的に見る
依頼先を比べるときは、見た目の提案だけで判断しない方が安全です。診療案内は、原稿と情報の扱いが中心だからです。見積もりの中で、次が含まれているかを確認するとズレが減ります。
- 何ページを対象にするか
- 原稿は誰が書き、誰が確認するか
- 医療内容のチェック体制があるか
- 写真が必要なら、撮影や選定を含むか
- 公開後に直す範囲と回数がどうなるか
院内で用意すると進みやすい素材
外注でも院内でも、材料が揃うほど作業は前に進みます。準備は完璧でなくて構いません。まずはこれだけで十分です。
- 診療メニューの一覧
- よく聞かれる質問
- 初診の流れを院内で説明している内容
- 予約方法の使い分け
- 保険と自費が混ざる箇所の整理メモ
成果の見方とKPIの置き方
診療案内は、作って終わりだともったいないです。院内の状況や患者さんの反応に合わせて直すほど、予約前の不安が減りやすくなります。
KPIは「途中の手応え」を見る数値
KPIは、最終目標に近づいているかを見分ける途中の数値です。最終目標が予約や問い合わせなら、途中で見たい数値も決めておくと改善が止まりにくくなります。
見る数値は「行動の一歩手前」から選ぶ
診療案内で見やすい指標は、患者さんの迷いが減ったかどうかが分かるものです。
- 診療案内ページの閲覧数
- 予約ボタンのクリック数
- 電話ボタンのタップ数
- 問い合わせの送信数
閲覧数だけが増えても、予約が増えないことがあります。行動の数値も一緒に見ると、原因の切り分けがしやすくなります。
数字だけでなく「受付の変化」も拾う
クリニックの場合、受付や電話の変化がいちばん早いサインです。週に一度、次のようなメモを残すだけでも改善の材料になります。
- 同じ質問が何件あったか
- どこで説明が長引いたか
- 持ち物の不足があったか
このメモは、診療案内の追記場所を教えてくれます。ページ改善のネタを院内から拾える形です。
まとめ
診療案内が伝わる書き方は、文章を飾ることではありません。患者さんの判断材料を、迷いにくい順番で並べることです。
- 対象、受診の目安、初診の流れを先に置く
- できることと、できないことを同じ温度で書く
- 予約方法は主役を一つ決め、選び方を一文で添える
- 体制は「下書き」「医師確認」「更新窓口」を分ける
- 成果は予約だけでなく、途中の数値と受付の変化で見る
診療案内を直したいと思っても、院内で意見が分かれたり、忙しさで後回しになったりします。必要な情報を集める順番が見えると、やるべきことが小さく切れて進みやすくなります。
相談いただくと、診療案内の構成づくりから原稿のたたき台作成、予約までの流れの見直し、更新しやすい形への整えまでをまとめて進められます。
現状を見ながら、患者さんが止まる場所と不足情報を洗い出し、優先順で直します。株式会社みやあじよまでご相談ください。