建設業のホームページ、施工事例ページの作り方

2026.01.14

施工事例ページを見られているのに、問い合わせが増えない。そんなときは「事例の数」より先に、「見せ方の型」と「迷わせない材料」を整える必要があります。現場の強みはあるのに、伝わり切らずに比較で負けているケースが多いからです。

この記事では、建設会社・工務店が指名相談を増やすために、施工事例ページをどう組み立てるかを順番に解説します。住宅と非住宅、元請と下請でも、考え方は同じです。

施工事例ページで指名相談が増える仕組み

施工事例は「比較の材料」になる

まず結論。施工事例ページは「この会社に頼んでも大丈夫か」を判断する材料です。トップページで雰囲気を見て、次に事例で確かめる。この流れは多くの見込み客に共通します。

理由はシンプルで、建設の発注は失敗が怖いからです。金額も大きく、やり直しが難しい。だから「実際にやった仕事」を見て、次の3つを確認します。

  • 自分の依頼に近い工事をやっているか
  • どんな手順で進め、どこまで任せられるか
  • 仕上がりだけでなく、考え方や配慮があるか

ここが伝わると、価格の比較から一歩抜け出しやすくなります。逆に言うと、事例があっても「写真だけ」「説明が短い」だと、判断できずに別の会社へ流れます。

まずは、事例ページを「作品集」ではなく「検討の資料」として作り直すことです。

いきなり価格よりも「不安を消す」

問い合わせに近い人ほど、最初から価格を聞きたいわけではありません。まずは不安を消したい。たとえば次のような不安です。

  • 工期はどれくらいかかるのか
  • 近隣対応や養生はしてくれるのか
  • 追加費用が出る条件は何か
  • 施工後の保証や不具合対応はどうか

施工事例で、この不安に先回りして触れると「話を聞いてみよう」に変わります。ここで必要なのは、大げさな言葉より、具体の事実です。現場写真、工程の要点、判断の理由。これらが揃うと、信用の土台ができます。

まずは、事例の説明を「施主が知りたい順番」に並べ替えてください。

まず決めるKPIとターゲット

数字を決めないと更新が止まる

先に答えです。施工事例は更新ルールがないと止まります。忙しい現場では「そのうち載せよう」が続いてしまうからです。

そこで最初にKPIを決めます。KPIは、目標に近づいているかを見る数字です。難しくなくて大丈夫です。たとえば次のどれか一つから始められます。

  • 月に公開する事例数
  • 事例ページからの問い合わせ数
  • 事例ページの閲覧数

例として、月に2件公開を目標にすると、逆算して「写真をいつ撮るか」「誰が文章をまとめるか」が決まります。数字があると、現場と事務の動きが揃います。

最初の3か月は、「公開件数」と「問い合わせ」だけを追ってみてください。

住宅・非住宅、元請・下請の見せ分け

迷うなら、ターゲットを一行で言える状態にします。誰に刺さる事例なのかが曖昧だと、説明も写真の選び方もぶれます。

住宅なら「新築」「リフォーム」「外構」などで迷いが出ます。非住宅なら「店舗」「倉庫」「改修」「設備」など目的が違います。元請と下請では、見せるべき範囲も変わります。

  • 住宅寄り: 暮らしの課題と提案の筋道
  • 非住宅寄り: 工期・安全・段取りの確かさ
  • 元請寄り: 相談から引き渡しまでの管理
  • 下請寄り: 担当範囲と品質基準、連携力

この見せ分けは、サイトを分ける必要はありません。事例の「分類」と「書き方」を揃えれば十分です。

まずは、想定する依頼を三つ書き出し、それぞれに近い事例を用意しましょう。

事例に選ぶ案件の基準

問い合わせにつながる事例の条件

先にお伝えすると、全案件を載せなくて構いません。見込み客が判断しやすい事例から優先します。

選ぶ基準は次の3つです。

  • 依頼が多い工事の代表例
  • 会社の強みが出る難所がある
  • 事前の制約と工夫が説明できる

たとえば「狭小地での建て替え」「雨仕舞の難しい改修」「夜間の安全管理」など、同業者には当たり前でも、発注側には価値が高い材料です。

案件の種類掲載メリット事前確認代替の見せ方
代表的な工法・仕様技術力が伝わる写真の権利工程の要点を短く
難条件の施工解決力が伝わる施主の了承図面はぼかして説明
予算重視の案件相場観が出る金額の扱い範囲と前提を明記
下請の仕事実力の証明元請の許可担当範囲を強調
法人案件信頼材料が増える社名の扱い業種だけで紹介

ここでは、まず5件だけ「掲載前提」で材料を集める案件を決めてください。

掲載できないときの代わりの見せ方

守秘や近隣事情で載せられない案件もあります。その場合でも、価値は伝えられます。

例として、施主名や住所を出さずに「地域」「建物種別」「工事内容」をぼかして紹介する。図面が出せないなら、言葉で工夫の要点を書く。写真が少ないなら、工程の1枚と完成の1枚に絞って説明を厚くする。これだけでも検討材料として使えます。

まずは社内で、「出してよい情報」と「伏せる情報」を一度だけ決めましょう。

事例ページの型:一覧と詳細の作り方

一覧は「探しやすさ」が仕事

最初に押さえるのは、一覧ページで迷わせないことです。ここで探せないと、詳細まで読まれません。

一覧で最低限そろえたいのは、次の4つです。

  • 工事種別(新築、改修、外構など)
  • エリア(市区町村までで十分)
  • 施工の規模感(延床や面積、棟数など)
  • 一言の見どころ(難所や工夫)

写真は、同じ比率で統一すると見比べやすくなります。さらに「住宅」「非住宅」「元請」「下請」など、タグのように分類できると、探す負担が減ります。

最初は、過去の相談が多い順にカテゴリを三つだけ作れば十分です。

詳細は「工事前・中・後」の流れで

詳細ページは、読み手の頭の中の時系列に合わせると理解が早くなります。おすすめは「工事前」「工事中」「工事後」の順番です。

  • 工事前: 相談の背景、課題、条件
  • 工事中: 進め方、判断、現場の配慮
  • 工事後: 仕上がり、数値、施主の反応

たとえば改修なら「なぜその工法にしたか」を一文で書くと、素人でも納得できます。完成写真の前に、課題と制約があるだけで見え方が変わります。

まずは既存の事例を1件選び、この流れに沿って並べ替えてみてください。

1件ページのテンプレを固定すると迷わない

施工事例が「写真だけ」になりやすい理由は、毎回ゼロから書こうとするからです。先に型を決めておけば、現場の情報が集まりやすくなり、書く側も迷いません。

次のように、詳細ページの項目を固定してしまうのが早道です。全部を長く書く必要はなく、短くても「判断できる材料」がそろう形を目指します。 ]

項目何が伝わるか集める素材注意点
工事概要何をした案件か完成写真場所は出し過ぎない
相談の背景困りごとの内容着工前写真個人情報は伏せる
施工内容対応範囲が分かる工程写真どこまでやったか明記
工期段取り感が伝わる日程メモ天候など前提も添える
費用目安予算感がつかめる見積の範囲条件を書いて誤解を防ぐ
工夫・配慮強みが見える現場メモ断定より事実を出す

このテンプレを社内で共有し、案件ごとに埋めるだけにすると、更新が続きやすくなります。

写真と文章の集め方と社内体制

写真は「最低セット」を決めておく

撮影が苦手でも大丈夫です。大事なのは、毎回同じ種類の写真をそろえることです。比較できる材料がたまると、事例全体の信頼感が上がります。

最低限そろえたいのは、次の流れです。

  • 着工前が分かる写真
  • 途中の写真(工程の要点が分かる一枚)
  • 完成が分かる写真
  • 難所や工夫が伝わる写真(あれば強い)

スマホでも構いません。むしろ現場でしか撮れない写真は価値があります。明るさだけ整えて、同じ距離感で撮る。これだけでも見栄えが揃います。

文章は「現場メモを集めて整える」が現実的

現場が長文を書くのは難しいことが多いです。そこで、現場はメモで十分と割り切ります。

例として、次の四つだけメモしてもらうと、事例が書きやすくなります。

  • 依頼のきっかけ(困っていたこと)
  • 制約(予算、工期、立地、近隣など)
  • 決め手になった判断(なぜその方法か)
  • 施主の反応や引き渡し後の声(短くで可)

メモを材料にして、事務やWeb担当がテンプレへ整える。これが一番続きます。

集めるもの担当候補タイミング保管場所
完成写真現場担当引き渡し前後共有フォルダ
着工前写真現場担当着工前共有フォルダ
工程写真現場担当節目ごと共有フォルダ
工期メモ現場担当完了後案件台帳
判断理由メモ現場担当完了後案件台帳
掲載文章の整形事務・Web担当公開前原稿フォルダ

「誰が」「いつ」「どこへ置くか」まで決めておくと、属人化が減ります。

信頼を落とす表現と掲載リスクの避け方

掲載許可は「最初に取る」がトラブルを減らす

施工事例で揉めやすいのは、写真や情報の出し方です。あとから消す対応は手間も信用も失いがちです。

おすすめは、契約時や着工前に「掲載してよい範囲」を一度だけ確認することです。確認する項目は難しくありません。

  • 外観写真の掲載は可能か
  • 室内写真の掲載は可能か
  • 住所や地名の出し方(市区町村までなど)
  • 施主名や会社名を出すか出さないか
  • 図面や間取りの扱い

許可が取りにくい場合は、匿名化して紹介する形に寄せます。情報が少なくても、工夫の説明があれば価値は出ます。

断定より「条件と事実」で安心材料にする

見込み客が嫌がるのは、根拠のない言い切りです。たとえば、誰でも同じ結果が出るように見える表現は避けたほうが安全です。

代わりに、次のように書くと誤解を減らせます。

  • 何が前提だったか(建物の状態、立地、工期条件)
  • 何をしたか(工程の要点、選んだ材料)
  • 何が変わったか(数値や状態の変化、運用のしやすさ)

費用を出す場合も同じです。「この金額でできます」ではなく、「この範囲ならこのくらい」を示すほうが、問い合わせにつながりやすくなります。

SEOで探されるための導線設計

事例のページ名は「検索される言葉」に寄せる

施工事例は、検索から見つかる入り口にもなります。ここでやることは難しくありません。

事例のページ名と見出しに、次の要素を自然に入れるだけで十分です。

  • 工事の種類(例:外壁塗装、店舗改修など)
  • エリア(例:〇〇市など)
  • 建物の種別(例:戸建て、工場など)

「施工事例 No.12」のような名前は避け、内容が分かる名前に変えます。見込み客も探しやすくなり、営業が案内しやすくなります。

事例から問い合わせへ迷わず進める形にする

事例ページを読んだ人は、次に確認したいことがだいたい決まっています。

  • 自分の依頼もできるのか
  • どんな流れで進むのか
  • どこに相談すればよいのか

そこで、事例ページの最後に「対応できる工事」と「相談の入口」を置きます。長い説明は不要です。短くても、次の一歩が見えるだけで離脱が減ります。

また、サービス紹介のページから、関連する施工事例へつながるようにしておくと、サイト全体が読みやすくなります。

公開後の改善と更新ルール

更新が止まらない最小ルールを作る

事例は作って終わりではありません。更新が止まると、せっかく整えた型が活かされません。

最初は、小さなルールで十分です。

  • 毎月〇日に「今月の公開案件」を決める
  • 公開前にチェックする項目を固定する
  • 写真とメモは完了時に必ず保管する

会議を増やす必要はありません。カレンダーに入れて、淡々と回すだけで変わります。

反応が良い事例を増やすと成果が伸びやすい

問い合わせにつながった案件には共通点があります。たとえば、依頼の背景が具体的、制約が分かりやすい、判断の理由が書いてある。こうした事例は、同じ悩みの人に刺さりやすいです。

公開後にやることはシンプルです。

  • 相談が多い工事に近い事例を増やす
  • 反応の良い事例の書き方を他にも広げる
  • 古い事例も、写真追加と文章補足で育てる

新規に作るだけでなく、育てる視点を持つと、事例ページは営業の武器になっていきます。

制作費用の考え方と投資判断

何に費用がかかるかを分解する

施工事例ページの費用は、見た目の作業だけで決まりません。実際は「材料を集める」「伝わる順番に並べる」「迷わず問い合わせへ進める」まで含めて考えると判断が早くなります。

主に費用が動くのは、次の4つです。

  • 構成づくり(一覧と詳細の型、分類)
  • 文章づくり(現場メモの整理、言い回しの調整)
  • 写真まわり(撮影、選定、明るさ調整)
  • 公開後の運用(更新しやすい仕組みとルール)

自社で用意できる材料が多いほど、外の手間は減ります。逆に、写真やメモが散らばっていると、作業は膨らみやすくなります。

小さく始めるなら「事例の型」と「導線」を優先する

全部を一気に変えなくても、成果に近い順に手を入れられます。最初は、次の2つだけでも相談の質が変わります。

  • 事例の型を固定する(項目テンプレを決める)
  • 事例の最後に相談の入口を置く(次の一歩を見せる)

この2つがあると、少ない事例でも検討材料として機能しやすくなります。

作り方別の費用感と向き不向き

費用は会社や範囲で大きく変わるため、ここでは金額ではなく「どの進め方が合うか」で整理します。

進め方費用感社内の手間向いている会社
既存に追記だけ低め中(素材集め)まず形を整えたい
事例ページ再設計中(確認が必要)事例が伝わり切らない
導線まで含め改修中〜高高(決めること多い)問い合わせが伸び悩む
撮影・取材も依頼高め低(任せやすい)人手が足りない

社内の手間を減らしたいときは、撮影や取材まで任せる選択が合います。逆に、社内で動けるなら「再設計だけ外へ」が現実的です。

回収の考え方は「増える相談の質」で見る

施工事例ページは、アクセスを増やすだけの場所ではありません。見込み客が比較しやすくなり、「条件が合う人」からの相談が増えると回収しやすくなります。

判断がつかないときは、次の視点で見てください。

  • 受注単価が高い工事ほど、少ない相談増でも意味が出やすい
  • 営業が事例を送って説明する回数が多いほど、整える価値が上がる
  • 現場の手間が減るなら、それも投資の回収に含めてよい

外注する場合の進め方と依頼チェック

依頼前に用意すると早い情報

外注でつまずく原因は「丸投げ」よりも「材料が揃わない」ことが多いです。最低限、次を用意できると進みます。

  • 相談が多い工事の種類(3つ程度)
  • 掲載したい事例候補(5件程度)
  • 写真の保管場所と撮影ルール
  • 掲載許可の考え方(出せる範囲)

依頼内容は「成果物」で伝える

「いい感じにしてほしい」だと、受け手も判断がぶれます。そこで、欲しい成果物を先に言葉にします。

例として、次のような形です。

  • 一覧ページの分類案と並び順
  • 1件ページのテンプレ(項目と文の型)
  • 既存事例の書き直し範囲(何件、どこまで)
  • 更新の手順書(誰が、いつ、何をするか)

成果物が明確だと、見積の比較もしやすくなります。

失敗しやすい依頼のパターン

よくある落とし穴は次の2つです。

  • デザインだけ先に決めて、写真と文章が後回しになる
  • 公開までは整ったが、更新の担当が決まらず止まる

対策はシンプルで、最初に「公開後まで回る形」を前提にします。たとえば、テンプレを固定し、写真とメモの置き場を決め、確認の流れを短くする。これがあると更新が続きます。

公開後の運用まで含めて確認する

外注時は、公開後の扱いも確認しておくと安心です。

  • 事例を増やすとき、社内だけで更新できるか
  • 写真の著作権や掲載範囲は整理されているか
  • 追加の改修が必要になったときの連絡手段

ここが曖昧だと、更新のたびに止まりやすくなります。

まとめ

施工事例ページは、会社の実力を「比較の材料」に変える場所です。案件の選び方、一覧と詳細の型、写真とメモの集め方がそろうと、見込み客は判断しやすくなります。

公開後も更新が回るように、担当とルールを小さく決めることが欠かせません。その上で、費用は作業量ではなく「どこまで任せたいか」と「誰に届けたいか」で決めると納得しやすくなります。

相談につなげるご案内

施工事例は、現場の強みがそのまま出る反面、見せ方が少しずれるだけで伝わりません。忙しくて更新が止まっている、写真はあるのに文章が追いつかない、営業が毎回説明に時間を取られている。こうした状況は多くの建設会社で起きています。

ご相談いただくと、施工事例の構成案、1件ページのテンプレ、既存事例の書き直し方針、更新が回る運用の形まで、必要なものを一緒に整理できます。社内でやる範囲と外へ出す範囲も切り分けられるため、投資判断がしやすくなります。

よくあるご相談は次の通りです。

  • 事例はあるが、問い合わせが増えない
  • 住宅と非住宅の見せ分けに迷う
  • 更新が止まり、最新実績が出せない

用意すると話が早い情報はこちらです。

  • 現在のサイトURL
  • 事例候補の案件名(社内用で可)
  • 写真の保管場所と撮影状況
  • 相談が多い工事の種類

施工事例ページを「営業が使える資料」に整えたい場合は、株式会社みやあじよまでお気軽にご相談ください。

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