技術紹介ページが問い合わせに直結する理由
結論として、技術紹介ページは「この会社に相談してよいか」を相手が判断する場所です。ここで不安が消えると、見積や図面相談まで進みやすくなります。
製造業の取引は、いきなり発注よりも「対応できるかの確認」から始まります。相手は社内で説明する必要があるため、材料や精度、設備、検査の体制など、判断材料を短時間で集めています。技術紹介ページがその材料を用意できると、電話やメールの前に一次選定を通過します。
よくある失敗は、技術の自慢だけが並び、相手が知りたい条件が見当たらない状態です。加工事例の写真があっても、材質やサイズ、数量感、納期の目安が分からないと、比較が止まります。結果として「よく分からないので別の会社へ」と流れます。
次にやることはシンプルです。相手が比較のために探す項目を先に埋め、こちらの強みはその後に根拠付きで語ります。順番を入れ替えるだけで、読み手の納得は大きく変わります。
読み手を決める(経営・工場・購買の見え方)
技術紹介ページは、読む人が一人ではありません。社長や役員が見る場合もあれば、相手先の技術担当、購買担当が読む場合もあります。全員に向けて一度に書くと、結局だれにも刺さりません。
まず決めたいのは「問い合わせの直前に読む人」です。製造の現場に近い人ほど、仕様の条件が合うかを見ます。購買に近い人ほど、取引の進めやすさと安心材料を見ます。経営に近い人ほど、継続して任せられるか、品質と体制の安定を見ます。
例として、相手先の技術担当が読む想定なら、工程の範囲や得意条件、設備と検査の具体が優先です。購買が主なら、対応ロット、納期、見積までの流れ、図面やデータの扱いが優先です。経営が主なら、品質方針や改善の姿勢、認証の有無、供給の安定が優先です。
次にやることは、主役を一人に決めて、残りは「不安を消す補足」に回すことです。主役が迷わない順番で並べ、補足は短く入れます。これでページ全体の筋が通ります。
技術を伝える基本構成(見出し設計)
技術紹介ページは、文章のうまさより「答えがすぐ見つかる構造」で差がつきます。読み手は熟読ではなく、条件に合うかを拾い読みします。最初に結論、そのあとに根拠、最後に相談導線の順にすると迷いが減ります。
最初に置くべきは「何ができるか」と「どこまでできないか」です。できないことまで書くと機会損失に見えますが、実務では逆です。線引きが明確な会社は、相談の往復が減り、信頼されます。
次に「対応範囲」を置きます。材質、寸法、精度の目安、ロット、納期の目安などです。ここは細かい数字を並べるより、幅を示して相談の入り口を作る方が進みやすい場面もあります。最後に、設備や検査、品質の取り組みなど、根拠を並べます。根拠があると、強みは主張ではなく事実として受け取られます。
迷いが出やすいのは「何を書けば足りるか」です。下の表の項目を埋めると、最低限の比較材料がそろいます。
| 情報項目 | 書く内容例 | 取材先 | 補足 |
|---|---|---|---|
| できる加工 | 工程名と得意条件 | 現場リーダー | 難易度の目安も |
| 対応範囲 | 材質・寸法・精度 | 技術担当 | 数字は範囲で |
| 設備 | 主要設備と台数 | 設備担当 | 型式は必要分 |
| 検査 | 検査項目と体制 | 品質担当 | 記録の扱いも |
| 実績 | 業界や用途の傾向 | 営業 | 社名は出さない |
| 相談導線 | 見積・図面相談の流れ | 営業 | 必要情報を明記 |
次にやることは、上から順に「空欄をつぶす」ことです。完成度を一気に上げようとせず、まず比較の土台を作ります。土台ができたら、得意分野や工夫を足しても話がぶれません。
何を書くかを集める方法
技術紹介ページが止まる原因は、材料が集まらないことです。現場は忙しく、営業は言語化が追いつかない。ここを解くには、集め方の型が必要です。
一つ目は「よく聞かれること」を起点にします。営業が普段答えている内容は、そのまま比較材料です。材質、精度、納期、データ形式、検査表、試作の可否など、問い合わせの前に相手が気にする順番で並べます。
二つ目は「仕事の流れ」を短く書き出します。相談から見積、加工、検査、出荷までの流れを見える化すると、強みが自然に出ます。例えば、初回の確認が丁寧、工程内検査が細かい、梱包の工夫がある。社内では普通でも、相手には安心材料です。
三つ目は「写真を先に集める」方法です。設備、加工中、検査、完成品の写真がそろうと、文章が書きやすくなります。撮影時にメモとして、材質、サイズ感、精度の狙い、苦労した点だけ残します。文章は後から整えられます。
次にやることは、現場と営業で30分の打ち合わせを一度だけ確保し、表の空欄を埋める材料を出すことです。完璧な原稿を作る会議ではなく、事実を集める時間にします。
信頼を増やす根拠の出し方(数値・規格・検査)
技術紹介で損をしやすいのは、「高品質」「高精度」「短納期」のような言葉だけが先に出るケースです。読み手は社内で説明しにくく、相談の前で手が止まりがちです。助けになるのは、主張ではなく根拠を並べる書き方です。
根拠は大きく3種類に分けると迷いが減ります。ひとつは数字で示せる範囲、もうひとつは検査や管理の手順、最後は規格や基準に沿った運用です。数字は「最大値を断言」よりも「目安としての範囲」と「条件」をセットにすると現場感が出ます。
例えば、材質とサイズ、精度の目安、ロット感、納期の目安を短く書きます。あわせて、検査の方法や記録の出し方も添えると安心材料が増えます。検査成績書は、検査結果をまとめた書類のことです。
下の表は、社内の言い方を“比較される言葉”に直す例です。
| 社内の言い方 | 読み手に伝わる言い方 | 根拠の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 高精度加工が得意 | ±0.01mmの実績あり | 測定記録・検査表 | 材質で範囲が変わる |
| 短納期で対応 | 最短3日も要相談 | 工程と設備の稼働 | 繁忙期は例外もある |
| 多品種小ロット | 1個から試作に対応 | 治具と段取りの工夫 | 量産は条件が別 |
| 品質に自信 | 工程内と最終検査を実施 | 成績書の発行が可能 | 有償など条件を明記 |
| 難加工材もOK | ステンレス等の実績 | 工具と条件の管理 | 材質名は代表例だけ |
| 相談から柔軟に | 図面相談から見積まで | 必要情報の一覧を掲載 | 秘密保持の流れも書く |
書き方で意識したいのは、「数字」と「条件」を近くに置くことです。例えば「精度は材質と形状で変動」の一文があるだけで、誠実さが伝わります。逆に、根拠がない断言はクレームや手戻りの火種を作ります。
今日やるなら、強みを3つ選び、それぞれに根拠を1行だけ足してください。完璧な文章より、判断できる材料が先です。
見せ方の工夫(写真・図・導線)
内容が良くても、見つけにくいと読まれません。製造業の技術紹介は、文章だけで伝え切るより、写真と図で“分かる”状態を作る方が早い場面が多いです。
写真は完成品だけでなく、加工中、治具、検査の様子も入れると説得力が増えます。さらに、写真の下に一言の説明を添えると、読み手の理解が進みます。例として「材質」「サイズ感」「狙った精度」「工夫した点」を短く書きます。
図は難しく作る必要はありません。工程の流れ、対応範囲のイメージ、検査の流れを箱と矢印で示すだけでも、会話の前提がそろいます。
導線は、読んだ人が次に迷わず動ける道筋です。ページの上部と下部に「図面相談」「見積の相談」など、目的が分かる入口を置きます。あわせて「相談時にあると早い情報」を3〜5個で示すと、問い合わせの往復が減ります。
まず手を付けるのは、写真を8枚決めて、各写真の説明文を1行で書くことです。見せる材料がそろうと、文章も自然に整います。
よくあるリスクとトラブル(誇大表現・機密・更新)
技術紹介ページで避けたいのは、良かれと思った表現が信頼を下げることです。特に「業界最高」「必ず対応」などの断言は、相手の期待値を上げ過ぎてトラブルに直結します。断言の代わりに、実績の範囲と条件を添えてください。
機密面では、取引先名、図面の細部、製品番号、社内帳票の写り込みに注意します。写真は背景まで見られます。ホワイトボードや検査票が写ると、思わぬ情報が漏れる場合があります。
更新の問題も大きいです。古い設備、対応外になった材質、変更した検査方法が残ると、問い合わせ対応で混乱が出ます。ページの末尾に更新日を入れ、半年に一度は内容を見直す習慣を持つと事故が減ります。
ここでの一手は、公開前チェックを1枚作り、誇大表現と機密の確認を一回で終わらせる運用にすることです。
作成体制と進め方(担当・レビュー・更新ルール)
技術紹介ページが途中で止まる原因は、担当の境界が曖昧なことです。現場は事実を持っていますが文章を仕上げる時間が取りにくく、営業は伝え方を知っていますが細部の確認が必要です。役割を分けると進行が安定します。
最低限そろえたい役割は4つです。ページ全体の責任者、技術情報の確認者、営業面の確認者、品質や機密の確認者です。責任者が「どこまで書くか」「いつ公開か」を決め、確認者は事実と表現の安全を見ます。
レビューは回数を決めると揉めにくくなります。例えば、初稿で事実の誤りだけを直し、次で表現と抜けを直す、と分けます。コメントが散らばると収拾がつかないので、窓口を一人に寄せると負担が減ります。
更新ルールも先に決めます。新設備の導入、対応材質の追加、検査の変更、代表的な実績の追加があったときは、ページも更新します。月に一度、5分だけ見直すだけでも古さを防げます。
最初の行動は、ページ責任者を一人決め、初回の更新日をカレンダーに入れることです。
費用と投資判断(内製と外注の考え方)
技術紹介ページの費用は、ページの枚数よりも「集める素材の量」と「確認の重さ」で決まりやすいです。見た目を整える作業より、事実を集めて、間違いなく書き切る作業のほうが時間を使います。
費用が動きやすいところは主に4つあります。取材の回数、写真や図の準備、技術内容の確認、公開前の機密チェックです。特に「いま手元に何があるか」で差が出ます。設備一覧や検査の説明、代表写真がすでにそろっている会社は早く進みます。
投資判断は、金額の大小より「相談の質が上がるか」で見ると迷いが減ります。技術紹介ページが整うと、問い合わせの時点で条件がそろい、往復が減ります。結果として、見積の精度が上がり、受注までの速度も上がりやすくなります。
内製か外注かは、全部を二択にしない方が進みます。事実の提供は社内、構成と原稿だけ外注、写真だけ外注など、分けるほど負担が読みやすくなります。下の表は判断の目安です。
| 進め方 | 費用の傾向 | 社内の負担 | 向くケース |
|---|---|---|---|
| 完全内製 | 低めになりやすい | 高い | 書ける担当がいる |
| 構成と原稿を外注 | 中 | 中 | 事実はあるが書けない |
| 取材と原稿を外注 | 中から高 | 低から中 | 忙しくて進まない |
| 写真や図も外注 | 高め | 低い | 初見の説得力が必要 |
| 全体外注、更新は内製 | 高め | 中 | 公開後は自社で回す |
次にやることは、技術紹介ページで扱う技術を一つに絞り、必要な素材を紙に書き出すことです。足りないものが見えると、内製と外注の境界が決まります。
SEOで見つけてもらう設計(検索語と内部リンク)
SEOは、検索で見つけてもらうためにページを整える考え方です。技術紹介ページでは、社名で探してもらうより「加工名や材質、課題」で探してもらう場面が多くなります。
検索されやすいのは、工程名だけではありません。「材質が○○で困っている」「小ロットで試したい」「検査まで任せたい」など、目的の言葉が一緒に入ります。技術紹介ページは、その言葉に対して最初の数秒で答えを返せる形が向きます。
やり方は難しくありません。技術や工程ごとにページを分け、タイトルと見出しで「何ができるか」を先に書きます。そのうえで、対応範囲や検査体制など、判断材料をそろえます。ページの最後に「関連する技術」や「設備」「事例」へつなぐリンクを置くと、回遊が増えます。内部リンクは、サイト内の別ページへつなぐリンクのことです。
注意したいのは、技術の呼び方が会社ごとに違う点です。同じ工程でも、別の言い方で探されます。ページ内に、現場で使う呼び方と一般的な呼び方を両方入れておくと見つけられやすくなります。
次にやることは、営業が受ける相談を思い出し、「工程名」「材質」「要望」を組み合わせた検索語を20個書き出すことです。その言葉が、ページの見出しと本文に自然に入るよう並べ替えます。
成果の見方とKPI(問い合わせを増やす改善)
KPIは、最終目標に向かって進んでいるかを確かめる途中の数字です。技術紹介ページの最終目標は問い合わせですが、途中の数字を見ると、どこで止まっているかが分かります。
まず見るべきは「見つけられているか」「読まれているか」「相談まで進んでいるか」の3段階です。見つけられていないなら検索語とページ名の問題。読まれていないなら冒頭の答えや構成の問題。相談まで進まないなら導線や安心材料の問題です。
改善は、やみくもに文章を増やすより、詰まりを一か所ずつ解消する方が早いです。下の表を使うと、原因と次の一手が決まりやすくなります。
次にやることは、月に一度だけ数字を見て、技術紹介ページを一か所だけ直す運用にすることです。小さな改善でも積み重なると、相談の量と質が変わります。
| 見る数字 | 分かること | よくある原因 | 次にやること |
|---|---|---|---|
| 閲覧数 | 見つけられているか | 検索語が合わない | タイトルを見直す |
| 読まれた時間 | 内容が刺さっているか | 冒頭に答えがない | 対応範囲を上へ |
| ボタンの押された回数 | 興味の強さ | 入口が分かりにくい | 相談内容を明記 |
| 送信数 | 問い合わせ量 | 入力が面倒 | 必須項目を絞る |
| 問い合わせの質 | 受注に近いか | 条件が書かれていない | 線引きを明記する |
まとめ
技術紹介ページは、技術の説明ページではなく「相談してよい根拠」をそろえるページです。読む人を決め、対応範囲と根拠を先に置くと、比較の場で選ばれやすくなります。機密と更新のルールまで決めておくと、公開後のトラブルも減らせます。
最後に、技術紹介ページは一気に完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは代表技術ひとつのページを作り、相談が増える形に整え、横展開すると無理がありません。
相談のご案内
技術は強いのに、ページだと伝わらず、価格だけで比べられてしまう。そんな状態は多くの工場で起きています。相談いただくと、技術の強みを「比較されても伝わる情報」に直し、ページの構成案と原稿のたたき台までまとめられます。
よくある相談は、何を最初の技術として載せるか、どこまで公開してよいか、営業と現場の確認をどう回すかの3つです。準備すると早い情報は、対象技術の一覧、対応範囲のメモ、設備や検査の写真、現在のホームページのアドレスです。
制作から内容整理までまとめて進めたい場合は、株式会社みやあじよへご相談ください。状況を聞いたうえで、いまの体制でも回る進め方を一緒に決めます。