中小企業のコーポレートサイト料金表の作り方

2026.01.12

「料金はいくらですか」と聞かれるたび、答え方に迷う方は多いはずです。
一方で、何も出さないままだと、相談する側も不安が消えず、問い合わせの手前で止まりがちです。

結論として、料金表は「金額の宣言」ではなく「見積の前提を共有するページ」として作ると、比較検討が進みます。
ただし、案件ごとの幅が大きい場合は、断定せず条件つきの書き方に寄せます。

この記事で分かることは次の3つです。
1つ目は、料金表を出す狙いの決め方です。
2つ目は、料金表ページに入れるべき要素です。
3つ目は、相場に振り回されない費用の見せ方です。

料金表を作る目的を決める

料金表は「問い合わせの質」を上げる道具

料金表を出す一番の狙いは、値引き交渉を減らすことではありません。
相談前の不安を減らし、「この会社に相談したい」という気持ちを後押しすることです。

例えば、同じ「サイト制作」でも、会社案内だけ欲しい人と、採用を増やしたい人では、必要な内容が変わります。
目的が違うのに金額だけを並べると、安さだけで比べられやすくなります。

料金表は、金額と一緒に「どんなゴールのための費用か」を伝えるページにすると、話が前へ進みます。

目的別に、載せる粒度が変わる

料金表ページを作る前に、まず社内で次の線引きをします。

  • 料金表を見た人に、何を決めてほしいか(問い合わせするか、相談予約するか、資料請求するか)
  • 相談時に、何を持って来てほしいか(現状のサイト、やりたいこと、社内の決裁の形)
  • どこまでを「標準」で受けるか(文章作成、写真撮影、更新の仕組みなど)

ここが固まると、価格の見せ方も、説明の順番も決めやすくなります。

料金表がないと起きやすいすれ違い

料金表がない状態は、相手に「いくらか全く分からない」というストレスを与えます。
結果として、次のようなことが起きがちです。

  • とりあえず相見積もりだけ増える
  • 予算が合わず、最初の打ち合わせで終わる
  • 「何が含まれるのか」が曖昧なまま話が進む

料金表の役割は、こうしたすれ違いを最初に減らすことです。

料金表ページの基本構成

まず「結論」と「条件」をセットで出す

料金表ページは、読む人が短時間で判断したい場所です。
最初に出すべきは、金額の見せ方の結論と、その条件です。

例としては、次のような並びが読みやすいです。

  • 価格の出し方(3つのプラン、価格帯、最低価格など)
  • 含まれる範囲(ページ数、原稿作成、写真、問い合わせフォームなど)
  • 増減する条件(ページ追加、撮影の有無、多言語、システム連携など)
  • 進め方の概要(期間の目安、打ち合わせ回数の目安)
  • よくある質問(追加費用、修正回数、公開後の運用)

この順番だと、金額を見た瞬間の不安を、すぐに言葉で回収できます。

「含まれる範囲」は、制作物ベースで書く

専門用語を増やすより、成果物として何が納品されるかで書いた方が伝わります。
例えば「トップページ」「会社概要」「サービス紹介」「採用情報」「問い合わせ」など、ページ単位で示すと誤解が減ります。

また、文章や写真がどちら持ちかも、ここで触れておくと親切です。
料金表を見て問い合わせする人ほど、準備物が分からず困っています。

料金表ページはSEOの入口にもなる

SEOは、検索で見つけてもらうための工夫です。
「コーポレートサイト 料金」「ホームページ 制作費」などで調べる人は、比較検討の真っ最中です。

料金表ページがあると、検索から来た人が「次に何を聞けばいいか」まで理解しやすくなります。
その結果、問い合わせの内容も具体的になり、打ち合わせの密度が上がります。

費用の見せ方と相場の考え方

相場は「金額」より「条件の幅」で決まる

相場を調べると、数十万円から数百万円まで幅があり、余計に迷います。
この差は、主に次の条件で生まれます。

  • 目的の違い(会社案内中心か、集客や採用も狙うか)
  • 作る量の違い(ページ数、原稿、写真、図解)
  • 仕組みの違い(更新の担当範囲、フォームの数、連携の有無)
  • 進め方の違い(要件整理の濃さ、打ち合わせ回数)

だから、相場を一つに決めるより、「自社の案件はどの条件に近いか」を示す方が納得されます。

よく使われる価格表示パターン

金額の出し方には型があります。目的に合わせて選ぶと、価格だけで比べられにくくなります。

表示パターン向くケースメリット注意点
3プラン提示目的が近い案件比較しやすい条件外は別途と書く
価格帯提示案件の幅が広い不安を減らす幅の根拠を添える
最低価格提示入口を広げたい離脱を減らす追加条件を明記
項目別単価部分依頼が多い予算が読める合計例を添える
個別見積のみ高度な要件が多い価値を守る判断材料を増やす

この表は「どれが正解か」を決めるためではなく、説明の型を選ぶために使います。

迷ったら「価格帯提示」が扱いやすい

中小企業のコーポレートサイト制作は、会社ごとの事情が出やすい分野です。
そのため、最初から細かく単価を並べるより、価格帯で安心材料を出し、条件で補う形が合うことが多いです。

価格帯を出すときは、次の2点をセットで書くと誤解が減ります。

  • この価格帯に入る典型例(ページ数や目的を短く)
  • 価格が上振れする条件(撮影、原稿作成、機能追加など)

「その金額で何が手に入るか」が見えると、検討のスピードが上がります。

価格の見せ方は、次の章で完成する

ここまでで費用の出し方の土台は作れました。
ただ、料金表で本当に差が出るのは「どこまで含むか」と「追加費用の扱い」です。

書く内容の線引き:含まれる範囲と追加費用

まず「含む範囲」を言葉で固定する

料金表で一番揉めやすいのは、金額そのものより「そこまでやってくれると思っていた」というズレです。
ズレを減らすには、料金の横に“何が入っているか”を短く書きます。

書き方は難しくありません。次の3つに分けて置くと、読み手は判断しやすくなります。

  • 料金に含むもの(例:ページ作成、問い合わせフォーム、公開作業など)
  • 条件で変わるもの(例:ページ数、文章量、撮影の有無など)
  • 別途になりやすいもの(例:文章作成、写真撮影、追加ページなど)

金額が幅を持つ場合でも、この3つが見えると「相談していいか」の不安が薄れます。

「別途」を悪者にしない書き方

追加費用は隠すほど不信感につながります。
逆に、最初から条件を見せると、相手は社内で説明しやすくなります。

表現は、強い言い切りよりも“条件つきの案内”が向きます。
たとえば「内容により別途」とだけ書くより、「別途になりやすい場面」を一言添える方が親切です。

下の表は、よく起きる追加費用を“先に言葉にしておく”ための一覧です。

項目起きやすい場面事前の書き方
原稿作成掲載内容が未確定作成支援は別途と明記
写真撮影社員や現場写真が必要撮影有無で費用が変わる
ページ追加途中で掲載項目が増える追加単位と流れを記載
フォーム追加問い合わせ種別を増やす種類追加は別途と書く
多言語対応英語ページも必要になった対応範囲を限定して示す
更新機能自社更新が多い運用更新対象を先に決める

料金表に「増える条件」を入れると安心が増える

料金表を見た人が本当に知りたいのは、次のどちらかです。

  • 自社の場合、だいたいどの辺りに入りそうか
  • どんな条件で高くなるのか、逆に抑えられるのか

そこで、価格の近くに「増える条件」を短い箇条書きで置きます。
この一文があるだけで、問い合わせの内容が具体的になり、打ち合わせが速く進みます。

体制と進め方:社内と制作会社の役割

体制が曖昧だと、費用と期間が伸びやすい

制作が止まる場面は、技術の難しさより「確認する人がいない」「素材が出てこない」が多いです。
料金表ページにも、体制と進め方の輪郭を入れておくと、最初の相談が噛み合います。

社内側で最低限決めたいのは次の3つです。

  • 最終判断をする人(方向性と予算の決裁)
  • 情報を出す人(事業内容、サービス詳細、実績など)
  • 確認をまとめる人(修正依頼を一本化する役)

人数が少ない会社ほど、兼務で大丈夫です。
ただ、役割が分かれていることが大切です。

見積が早くなる「事前にそろえる情報」

見積の精度を上げるには、専門的な資料より「判断に必要な材料」がそろっていることが効きます。
下の表を埋めるだけでも、見積の往復が減りやすくなります。

用意する情報社内の担当渡す形
現状サイトのアドレス担当メモで共有
目的と優先順位経営者+担当1枚メモでOK
掲載したい資料各部署ファイルやリンク
参考にしたいサイト担当3件ほど共有
公開希望時期経営者希望日と理由を添える
予算の目安経営者上限と範囲を書く

進め方は「何を決めるか」を先に見せる

制作の流れを細かく書く必要はありません。
代わりに、各段階で“何を決めるか”を一言で置くと、初めての人でも迷いません。

  • 最初に決めること:目的と優先順位
  • 次に決めること:載せる内容と順番
  • その次に決めること:見せ方の方向性
  • 最後に決めること:公開後の運用のしかた

この並びがあると、料金表を見た人が「何を準備すれば相談できるか」を想像できます。

リスクとトラブルを減らす注意点

一番のリスクは「想像で補われる」こと

料金表を出すと、誤解されないか不安を感じる方もいます。
実際に起きやすいのは、値段そのものより「書かれていない部分」を相手が想像で補ってしまうことです。

よくあるのは次の3つです。

  • この金額なら、文章も写真も全部やってくれるはず
  • この金額なら、何回でも修正できるはず
  • この金額なら、あとから要望を足しても同じ金額のはず

対策はシンプルで、含む範囲と条件を先に言葉にしておくことです。
前の章で触れた「含むもの」「条件で変わるもの」「別途になりやすいもの」が、そのまま守りとして使えます。

「金額だけが独り歩き」しない配置にする

料金表ページで避けたいのは、金額だけ見て離脱されることです。
そのために、金額の近くに次の2つを置きます。

  • 何のためのサイトか(問い合わせを増やす、採用を強くするなど)
  • 何が手に入るか(作るページ、含まれる作業の範囲)

金額の上に小さく置くのが難しければ、直後に短い説明を入れるだけでも変わります。
「いくらか」より先に「何の費用か」が伝わると、比較の軸が整います。

追加費用は「条件」と「例」で伝える

追加費用は、隠すほど揉めやすくなります。
一方で、細かく書きすぎると読みづらくなります。

ここで使いやすいのは、条件と例をセットにする書き方です。

  • 条件:写真が必要な場合
  • 例:スタッフ写真、現場写真、商品写真など
  • 補足:社内で用意できる場合は不要

この形なら、相手は自分ごとに置き換えられます。
社内で相談するときも、「何が決まっていないか」が見えやすくなります。

競合に見られる不安への向き合い方

「料金を出すと真似されるのでは」と心配されることもあります。
ただ、同業の競合が本当に欲しいのは、金額より中身と進め方です。

だから、出すのは価格帯や代表例にとどめ、社内の作業単価や原価まで書く必要はありません。
代わりに、含まれる範囲と増減条件を丁寧に書くと、検討中の相手にとって価値が出ます。

断る条件は、角が立たない言い方にする

対応できないことも、料金表で先に触れた方が親切です。
ただし、強い否定は避け、条件を示して道を残すと印象が良くなります。

例としては、次のような言い回しが使えます。

  • まずは現状を見てから提案します
  • 目的によっては別の進め方が合います
  • 内容を伺ったうえで、最適な範囲を決めます

「できない」より「どうすれば進められるか」に寄せると、相談の場も前向きに進みます。

効果とKPI:問い合わせと採用につなげる

料金表は、問い合わせの数より「前進度」を変える

料金表を公開すると、問い合わせ件数が急に増えるとは限りません。
ただし、相談の内容が具体的になり、比較検討が一段進んだ状態で来てもらえることは増えやすいです。

ここで使う指標がKPIです。KPIは、目標に近づいているかを見る途中の数値です。

まず追いかけたいKPIはこの4つ

難しい計測は不要です。まずは次の4つを見て、改善の方向を決めます。

  • 料金表ページを見た人の数
  • 料金表ページを見たあとに問い合わせした件数
  • 初回相談の時点で、目的と希望が整理されている割合
  • 予算が合わずに終わる相談が減っているか

特に3つ目は、担当者の体感でも構いません。
「話が早い問い合わせが増えたか」を月に一度振り返るだけでも、判断材料として使えます。

採用にもつながる見せ方

採用目的の人も、会社の姿勢を見ています。
料金表ページは、価格の透明性だけでなく、仕事の進め方や責任範囲を示せる場所です。

たとえば、次のような情報があると安心につながります。

  • どんな流れで進むか
  • 誰が何を用意するか
  • 公開後にどこまで面倒を見るか

こうした情報は、顧客にも採用候補者にも、誠実さとして伝わります。

公開後の更新と運用の進め方

更新しない料金表は、むしろ不安を増やす

料金表ページは作って終わりではありません。
内容が古いままだと「今は違うのでは」と疑われやすくなります。

更新のきっかけは、次のような変化です。

  • サービス内容が増えた、減った
  • よくある依頼が変わった
  • 追加費用が出やすい項目が増えた
  • 作業の進め方が変わった

半年に一度など、決まった間隔で見直すだけでも十分です。
頻度よりも、放置しない仕組みが欠かせません。

更新担当を一人決めて、判断を止めない

更新が止まる理由は「誰が直すのか分からない」が多いです。
そこで、更新の担当を一人決めます。

担当が決まると、次の動きができます。

  • 変更点を集める
  • 文章を短く整える
  • 公開前に最終確認を回す

技術的な作業は、必要なときだけ外に頼めます。
担当の役割は、情報を止めないことです。

迷ったら「よくある相談」を更新する

料金表の本文を頻繁に変えるのは大変です。
迷ったら、よくある質問や相談例を更新します。

相談が増えているテーマは、今まさに相手が悩んでいることです。
そこに答えがあるだけで、問い合わせの前の不安が減ります。

まとめ

料金表は、金額を並べるページではなく、見積の前提を共有するページです。
目的、含まれる範囲、増減条件、進め方までがそろうと、比較検討が前へ進みます。

まずは、価格の出し方を決め、含む範囲と条件を短い言葉で固定します。
次に、社内の役割と準備物を整え、追加費用の起きやすい場面を先に示します。

最後に、公開後も見直し、古い情報を残さないようにします。
この流れができると、無理な相見積もりに巻き込まれにくくなり、相談の質も整います。

相談したい方へ

「料金表を出したいが、どこまで書くべきか決められない」
「価格帯は書けそうだが、含む範囲の言い方で迷う」
こうした悩みは、社内だけで抱えるほど長引きがちです。

制作相談では、次のような整理が進みます。

  • 目的に合う料金表の形を選ぶ
  • 含む範囲と増減条件を、誤解が少ない文章に整える
  • 見積に必要な材料をそろえ、打ち合わせを短縮する

よくある相談は、次のようなものです。

  • 料金表を出しても安売りに見えない構成にしたい
  • 追加費用の説明で揉めたくない
  • 問い合わせや採用につながる内容にしたい

事前に用意できると話が早いのは、現状サイトのアドレス、目的と優先順位、参考にしたいサイト、公開希望時期、予算の目安です。
手元にそろっていなくても構いません。分かる範囲で十分です。

コーポレートサイト制作の情報設計やコンテンツ作りまで含めて相談したい場合は、株式会社みやあじよへお問い合わせください。

週に1回、ちょっと役立つ
WEB系メルマガをお届けします。

当社では企業のWEB・EC担当者の方に向けてウェブ制作やデザイン、SEOやマーケティングに関する最新情報を週1回配信しています。
ぜひインターネットビジネスの業務改善や課題解消にお役立てください!

〈配信内容〉
・ウェブサイトのアクセス数をアップするための対策情報
・ウェブ業界の最新情報
・ウェブサイト制作に活用できる補助金情報
・ウェブを活用した採用活動に役立つ情報

カテゴリー

アーカイブ

サービス