ホームページ運用で必要なSEO対策とは?概要や導入基準などを詳しく解説

2024.07.25

近年、集客やブランディングを目的としてホームページを運用する企業や個人が増えています。その際に欠かせないのが「SEO対策」。しかし一口にSEO対策といっても、具体的にどのような施策を行えばよいのか、どのホームページにも必ず導入すべきものなのか、疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、ホームページ運用におけるSEO対策の概要や必要性、導入基準、具体的な施策をわかりやすく解説します。ぜひ自社サイトの改善にお役立てください。


1. SEO対策とは?

SEO(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」のことを指します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社のホームページをより上位に表示させるために行う各種施策がSEO対策です。


2. ホームページ運用でSEO対策が必要な理由

SEO対策を実施する一番の理由は、検索結果で上位表示されることでアクセス数を増やし、集客力を高めるためです。

実店舗で例えると、検索順位の1位は人通りが多い「好立地」にお店を構えるようなもの。一方、検索結果が下位ほど、人目に触れにくい「立地の悪い場所」に店舗を構えるイメージとなります。

検索順位別のクリック率データ

米国FirstPageSage社が公表している2023年の検索順位別クリック率データは次のとおりです。

検索順位クリック率
1位39.8%
2位18.7%
3位10.2%
4位7.4%
5位5.1%
6位4.5%
7位3.4%
8位2.6%
9位2.4%
10位2.2%

引用:
FirstPageSage - Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2023

ご覧のとおり、順位が下がるほどクリック率が大きく低下します。ホームページの集客力を高めるには、可能な限り上位に表示されることが重要です。そのために必要なのが、SEO対策の継続的な実施になります。


3. SEO対策が必要かどうか判断する基準

ただし、すべてのホームページにSEO対策が必須というわけではありません。
場合によっては他の施策や戦略に注力したほうが効果的なケースもあります。そこで、以下の2つの基準を参考に、SEO対策を行うかどうかを判断しましょう。

  1. リスティング広告との比較
  2. ユーザーの流入経路

3-1. リスティング広告との比較

リスティング広告とは、検索結果ページの上部・下部に表示されるインターネット広告です。検索キーワードに応じてリアルタイムに広告が表示されるため、顕在層へのアプローチがしやすく、即効性があるのがメリット。

一方、SEO対策は成果が出るまでに時間がかかるため、まずはリスティング広告で費用対効果を検証し、効果が見込めるなら継続、見込めないならSEO対策を検討するといった流れが現実的です。

3-2. ユーザーの流入経路

ユーザーがどの経路から流入しているかを把握することも重要です。
もし検索エンジン経由の流入が多いのであれば、SEO対策を行うことで、さらなる集客が期待できます。
逆に、SNSや口コミからの流入が主体で、検索エンジン経由がほぼ無い場合は、SEOに過度なリソースを割かずに、まずはブランド認知度を上げる施策(SNSや広告運用など)を優先するほうが効果的です。


4. 検索エンジンで順位が決まる仕組み

検索エンジンは以下のプロセスを通じてホームページを評価し、検索結果に表示しています。

  1. クローラーによるホームページの巡回(クロール)
  2. ホームページの登録(インデックス)
  3. ホームページの順位付け(ランキング)
  4. ホームページの表示(検索結果)

4-1. ホームページの巡回(クロール)

検索エンジンのクローラーがインターネット上のページを巡回し、情報を収集します。
いくら質の高いホームページやコンテンツでも、クローラーが巡回できなければ検索結果には反映されません。クローラーが巡回しやすい構造を作ることがSEO対策の第一歩です。

Point

  • xmlサイトマップを送信してクローラーの巡回を促進する
  • 内部リンクを適切に配置し、クローラーが全ページを見つけやすくする

4-2. ホームページの登録(インデックス)

クローラーが収集した情報を検索エンジンのデータベース(インデックス)に登録し、図書館の本のように整理・分類していきます。タイトルや画像情報など、コンテンツの要素が正確に読み取られ、検索結果に備えて保管されるイメージです。

4-3. ホームページの順位付け(ランキング)

インデックスされた情報が検索キーワードとの関連性、内容の質、ユーザーへの有益性など、さまざまな要因によって評価され、順位が決定します。
Googleはガイドラインを公表しつつも、ランキングの詳細なアルゴリズムは非公開。定期的にコアアルゴリズムアップデートを行い、検索結果を改善しているため、最新情報を常にチェックしながら施策を継続する必要があります。

4-4. ホームページの表示(検索結果)

最終的に検索結果に表示されるのは、アルゴリズムによって「ユーザーの検索意図をもっとも満たす」と判断されたページです。
近年は検索キーワードによってはGoogleマップや動画、画像などが優先表示される場合もあり、SEO対策としては単にテキストコンテンツを作るだけでなく、ユーザーが求める形式の情報を提供する必要があります。


5. SEO対策の事前手順

効果的にSEO対策を進めるためには、以下の手順で準備を行うのがおすすめです。

  1. ツールの導入・データの蓄積
  2. 現状の把握

5-1. ツールの導入・データの蓄積

アクセス数や離脱率、検索順位などのデータを収集・分析できるツールは必須です。
代表的なツールとしては、以下の2つがあります。

  • Google Search Console
    検索表示回数やクリック数、平均掲載順位など、検索結果に関するデータがわかります。
  • Google Analytics4(GA4)
    ホームページへのアクセス解析ツール。訪問数や流入経路、滞在時間など、詳細なデータを把握できます。

5-2. 現状の把握

ツールを導入した直後はデータが蓄積されていないため、少なくとも2〜3週間はデータの収集期間が必要です。
十分なデータが集まったら、Google Search ConsoleGA4を使って検索パフォーマンスやアクセス状況を分析しましょう。現在の問題点や優先度が高い施策を洗い出すことが、SEO対策の成功率を高める秘訣です。


6. SEO対策の施策

SEO対策には大きく分けて内部対策外部対策の2種類があります。

  1. 内部対策
    • テクニカルSEO
    • コンテンツSEO
  2. 外部対策
    • 被リンクの獲得
    • サイテーションの増加

7. 内部対策で実施すべき施策

7-1. テクニカルSEO

テクニカルSEOとは、ホームページ内部の技術的な部分を改善して、クローラーが巡回しやすく、かつユーザーが使いやすい環境を整える施策です。大きく以下の3つの領域があります。

  1. インデックス関連の施策
    • タイトルタグやメタディスクリプション、見出しタグの最適化
    • noindexタグの利用
    • URLの正規化
    • 画像のaltタグ設定など
  2. クローラビリティ関連の施策
    • URLをアルファベット表記で簡潔にする
    • 3クリック以内で目的のページに到達できるリンク構造
    • リンク切れ(404エラー)やソフト404の排除
    • xmlサイトマップの送信
    • robots.txtの適切な設定
    • 構造化マークアップの実施
  3. ページエクスペリエンス関連の施策
    • ホームページのSSL化
    • レスポンシブデザインなどによるスマホ対応
    • 適切なカテゴリ分け、ナビゲーション、パンくずリストの設置
    • コアウェブバイタル(LCP・CLS・INP)の改善
      • ページの読み込み速度、レイアウトのズレ、ユーザー操作への応答速度など

7-2. コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、ユーザーが求める情報(検索ニーズ)に応える高品質なコンテンツを制作し、上位表示を狙う施策です。
どれだけテクニカルSEOや外部対策を完璧にしても、肝心のコンテンツの質が低ければ上位表示は見込めません

コンテンツSEOの手順

  1. 分析
    • アクセス解析や競合調査を行い、現状と市場を把握
    • 3C分析で顧客(Customer)・自社(Company)・競合(Competitor)を総合的に分析
  2. キーワードの選定
    • 検索ボリュームや競合状況、ユーザーの検索意図を考慮
    • ビッグキーワード / ミドルキーワード / ロングテールキーワード / スモールキーワードの特徴を理解
  3. 構成案の制作
    • 上位競合を調査しつつ、ユーザーが知りたい情報を過不足なく整理
    • ユーザー視点とSEO視点の両面から構成を設計
  4. 原稿の執筆
    • キーワードを不自然にならない形で盛り込みつつ、わかりやすく丁寧に執筆
    • 具体例やデータを交えながら、専門性・権威性・信頼性を高める
  5. キーワードの検索順位計測
    • 公開後、一定期間継続して検索順位やアクセス動向をモニタリング
  6. 記事のリライト
    • ユーザーのニーズ変化や情報の陳腐化に対応
    • 新しい情報を追加し、コンテンツの質を常に高い水準で維持

8. 外部対策で実施すべき施策

8-1. 被リンクの獲得

被リンク(他サイトからのリンク)は、検索エンジンからの評価を高める重要な要素です。ただし、不自然な形で被リンクを得ようとするとペナルティのリスクがあります。
関連性が高く、有益なコンテンツを公開して「自然に」リンクされることが理想です。

8-2. サイテーションの増加

サイテーションとは、SNSなどで自社ホームページが参照・言及されること。直接リンクが貼られなくても、SNS上で認知されること自体がサイト評価にも関わり、ブランディング強化にもつながります
インフルエンサーマーケティングやSNS拡散企画などを積極的に取り入れることで、サイテーションが増えやすくなります。


9. ホームページ制作時に押さえおくべきSEO対策の8つのポイント

初期段階で取り入れておくと、後々の運用がスムーズになるポイントは以下の8点です。

  1. 高品質なコンテンツを制作する
    • 低品質ページの大量生産は評価を下げるリスクあり
  2. WordPressでホームページを制作する
    • 豊富なテーマやプラグインにより、初心者でも柔軟にSEO対策を実施しやすい
  3. ブログも実装する
    • メイン情報と区別して情報発信できるため、サイト構造がわかりやすくなる
  4. 使いやすさをとにかく意識する
    • ユーザビリティとクローラビリティ両面を改善
    • わかりやすいナビゲーションやサイトマップを設置する
  5. 1ページにつきキーワードは1つにする
    • 何のページかわかりやすく、評価されやすい
  6. タイトルにキーワードを盛り込む
    • ユーザーと検索エンジンの両方にテーマを明示
    • 不自然なキーワード詰め込みは逆効果
  7. 実績を掲載する
    • 権威性が高まることで信頼度UP・購入意欲UPにつながる
  8. SSL化をする
    • 通信の暗号化による安全性向上
    • GoogleがSSL対応サイトを優遇

10. SEO対策でやってはいけない4つの施策

次に、絶対にやめておきたいNG行為をまとめました。

  1. キーワードを無闇に詰め込む
    • タイトルや本文、見出しにキーワードを大量に配置するのはペナルティのリスク大
  2. 成果につながらないキーワードでの上位表示
    • 検索数が多くてもコンバージョンにつながらないキーワードでは意味がない
  3. 被リンクの収集・購入をする
    • リンク集登録や自作自演リンクは検索エンジンに見抜かれやすく、ペナルティ対象
  4. 大量に相互リンクする
    • 現在では効果なし。むしろ評価を下げる可能性が高い

11. SEO対策の6つのメリット

  1. ブランディングにつなげられる
    • 上位表示により認知度が向上し、専門性や信頼性をアピールできる
  2. 様々な顧客層にアプローチできる
    • 検索キーワードを変えることで、顕在顧客・潜在顧客・高購買意欲層など幅広く集客
  3. 集客力を向上させられる
    • 正しい施策を行えば、アクセス数・滞在時間・コンバージョン率の向上が期待できる
  4. コンテンツを資産にできる
    • 作り込んだコンテンツは長期的に集客し、広告停止でゼロになるリスクが少ない
  5. 継続的に集客できる
    • アルゴリズムの変化に合わせて更新していけば、安定的に集客できる
  6. 費用対効果が高い
    • 広告と比較すると、長期的に見てコストを抑えながら集客できる

12. SEO対策の5つのデメリット

  1. 中長期的に取り組む必要がある
    • 即効性がないため、短期的に成果を狙う場合は不向き
  2. 必ず成果が出るわけではない
    • 強力な競合がいる場合や戦略が誤っている場合、上位表示は難しい
  3. 上位表示されないと集客力が向上しない
    • 10位以内に入らないと大きなアクセス増は見込みにくい
  4. コンテンツ制作費用がかかる
    • 社内リソースか外注費用のいずれかは必須。継続的な更新にもコストが発生
  5. アルゴリズムアップデートによる影響がある
    • 定期的な対策の見直しが必要で、場合によっては大幅な順位変動のリスクあり

13. 「ホームページ SEO対策」でよくある質問

Q1. SEO対策費用はどれくらいかかりますか?

A. 自社の状況や施策内容によって大きく変わります。

  • 外注(コンサル、コンテンツ制作を依頼)する場合
    • 中小企業レベルで年間100万円前後を目安とすることが多い
  • 自社で内製化する場合
    • レンタルサーバー・SSL証明書・ドメイン費用など、年間1万〜5万円程度で運用可能
    • ただし、人件費やノウハウの蓄積も考慮する必要あり

Q2. よくある質問と回答(FAQ)は設置したほうがよいですか?

A. FAQの設置は、ユーザーの疑問解消に役立つうえに、検索キーワードを拾える可能性があるため、有効な施策です。
ユーザー目線で考えると信頼性UPにつながり、検索エンジンからもコンテンツの充実度が高いと評価されることがあります。

Q3. SEO対策で意識すべき「E-E-A-T」とは?

A. Googleが重視している4つの観点です。

  1. Experience(経験)
  2. Expertise(専門性)
  3. Authoritativeness(権威性)
  4. Trustworthiness(信頼性)

特に医療や健康、金融など“人々の人生やお金に大きく関わるジャンル”では、これらをより強く意識したコンテンツづくりが求められます。

Q4. 「YMYL」とはなんですか?

A. Your Money or Your Lifeの略で、「お金や命に関わるジャンル」のコンテンツを指します。医療・健康・金融などが代表例です。
YMYLに該当するジャンルは品質に厳しい基準が求められるため、より一層E-E-A-Tを意識して情報の正確性や信頼性を高める必要があります。


14. ホームページ SEO対策 まとめ

ホームページ運用においてSEO対策は、検索結果で上位表示を狙い集客を拡大するうえで極めて重要です。
しかし、すべてのホームページに一律で必要とは限らず、リスティング広告やSNS運用など別施策との比較や、ユーザーの流入経路を踏まえて優先度を見極めることが大切。

  • SEO対策は内部対策外部対策の両輪で進める
  • テクニカルSEOコンテンツSEOをバランスよく実施する
  • 自然な被リンクサイテーションの獲得を目指す
  • 継続的な改善・アップデートを怠らない

もし「自社サイトに合ったSEO戦略がわからない」「内部対策を進めたいがリソースが不足している」という場合は、プロの力を借りることを検討しましょう。


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弊社「みやあじよ」は、アクセス解析をはじめとするホームページのSEO対策支援や、ECサイト・コーポレートサイトなど各種サイト制作を行っています。
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