個人事業主ってIT導入補助金の対象なの?
審査基準って厳しいのかな…
申請方法が難しそう、必要書類って何が必要?
今回の記事はそんな疑問を抱えている方におすすめの内容となっています。
IT導入補助金の詳細から申請方法、よくある疑問点の回答までをご紹介!
補助金関係でお困りの方の一助になりますと幸いです。
目次
個人事業主はIT導入補助金の対象?
IT導入補助金の補助対象となるのは中小企業と小規模事業者です。
しかし、個人事業主という名称でないことから、個人事業主がIT導入補助金の対象かどうか気になる方は少なくありません。
ここでは次の3項目に分けて、個人事業主がIT導入補助金の対象かどうか解説します。
- 中小企業の定義
- 小規模事業者の定義
- 個人事業主でもIT導入補助金を利用できる
それぞれ詳しくみていきましょう。
中小企業の定義
IT導入補助金の補助対象として定義されている中小企業は次のとおりです。
業種・組織形態 |
資本金(資本金額又は出資総額) | 従業員(常勤) | |
資本金・従業員規模の一方が、右記以下の場合対象(個人事業を含む) | 製造業・建設業・運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 | |
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) | 5,000万人 | 100人 | |
小売業 | 5,000万人 | 50人 | |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤおよびチューブ製造業・工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 | |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 | |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 | |
上記以外の業種 | 3億円 | 300人 | |
その他の法人 | 医療法人・社会福祉法人・学校法人 | - | 300人 |
商工会・都道府県商工会連合会および商工会議所 | - | 100人 | |
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 | |
特別の法律により設立された組合・連合会 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 | |
財団法人(一般・公益)・社団法人(一般・公益) | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
小規模事業者の定義
IT導入補助金の補助対象として定義されている小規模事業者の定義は次のとおりです。
業種・組織形態 | 従業員(常勤) |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 |
個人事業主でもIT導入補助金を利用できる
個人事業主は小規模事業者とみなされているため、小規模事業者の定義に該当していれば、IT導入補助金を利用できます。
ただし、IT導入補助金を利用するためには「日本国内で事業を営んでいる」「従業員の最低賃金が地域別の最低賃金以上である」など、さまざまな要件があります。
小規模事業者の定義に該当していても、他の要件を満たしていない場合はIT導入補助金を利用できません。
そもそもIT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、生産性向上を目的にITツールを導入する際、導入にかかる費用を補助してくれる制度のことです。
IT導入補助金の対象となるのは、IT導入補助金の対象となるのは、事務局の審査を通過して、補助金ホームページに登録・公開されているITツールのみです。
対象外のITツールを導入してしまうと、補助金の対象外となります。
また、IT導入補助金は2017年開始以降、毎年実施されていますが、要件や申請枠は毎年変わります。
そのため、利用する際は補助金の概要をしっかりと理解しておかなければなりません。
IT導入補助金の申請枠
IT導入補助金の申請枠は次のとおりです。
- 通常枠
- セキュリティ対策推進枠
- インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)
- 複数社連携IT導入枠
IT導入補助金2024では、インボイス枠(インボイス対応類型)の小規模事業者に対する補助率が4/5に拡大された他、ECサイトが補助対象から削除されました。
IT導入補助金の補助額・補助率
ここでは、IT導入補助金の補助額・補助率を下記5項目に分けて解説します。
- 通常枠
- セキュリティ対策推進枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- 複数社連携IT導入枠
それぞれ詳しくみていきましょう。
通常枠
補助率 | 補助額 | |
1/2以内 | 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 |
セキュリティ対策推進枠
補助率 | 補助額 |
1/2以内 | 5万円以上100万円以下 |
インボイス枠(インボイス対応類型)
【インボイス制度対応の会計・決済・受発注ソフト】
補助率 | 補助額 |
3/4以内(中小企業)4/5以内(小規模事業者) | 50万円以下 |
2/3以内 | 50万円超~350万円以下 |
【PC・ハードウェアなど】
補助対象 | 補助率 | 補助額 |
PC・タブレット | 1/2以内 | 10万円以下 |
レジ・券売機など |
インボイス枠(電子取引類型)
補助対象 | 補助率 | 補助額 |
中小企業・小規模事業者など | 2/3以内 | ~350万円以下 |
その他の事業者など | 1/2以内 |
複数社連携IT導入枠
【基盤導入経費】
補助対象経費 | 補助率 | 補助額 | ||
ソフトウェア | 3/4以内もしくは4/5以内 | 50万円以下×グループ構成員数 | 3,000万円以下 | |
2/3以内 | 50万円超~350万円以下×グループ構成員数 | |||
ハードウェア | PC・タブレットなど | 1/2以内 | 10万円×グループ構成員数 | |
レジ・券売機など | 20万円×グループ構成員数 |
【消費者動向等分析経費・その他経費】
補助対象経費 | 補助率 | 補助額 | |
消費者動向等分析経費2/3以内 | 50万円以下×グループ構成員数 | 3,000万円以下 | |
その他経費 | 2/3以内 | 200万円以下 |
IT導入補助金の申請に必要な書類
IT導入補助金の申請に必要な書類は個人事業主と法人で異なります。
ここでは次の2項目に分けて必要な書類を解説します。
- 個人事業主
- 法人
それぞれ詳しくみていきましょう。
個人事業主
個人事業主がIT導入補助金を利用する際に必要な書類は次の3つです。
書類名 | 概要 |
運転免許証・運転経歴証明書・住民票のいずれか1つ | 運転免許証は申請登録日が有効期限内であること・裏面に記載がある場合は裏面も提出住民票は登録申請日から3ヶ月以内に発行されたもの |
所得税の納税証明書(その1またはその2) | 直近のものであること税務署の窓口で発行されたものであること電子納税証明書は交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマットのみ有効 |
前年度の確定申告書 | 税務署にて受領されたことが確認できるもののみ有効 |
法人
法人がIT導入補助金を利用する際に必要な書類は次の2つです。
書類名 | 概要 |
履歴事項全部証明書(商業・法人登記簿謄本) | 登録申請日から3ヶ月以内に発行されたもの |
法人税の納税証明書(その1またはその2) | 直近のものである税務署にて発行されたもの電子納税証明書は交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマットのみ有効 |
IT導入補助金の申請手順
IT補助金の申請手順は次の8ステップです。
- 制度内容の把握
- IT導入支援事業者・導入するITツールの選定
- アカウントをはじめとする各種準備
- 交付の申請
- 交付決定通知・補助対象となる事業の実施
- 事業実績の報告
- 補助金額の確定・交付
- 事業実施効果報告
それぞれ詳しく解説します。
1.制度内容の把握
IT導入補助金は、さまざまな申請枠があり、申請枠によって費用や補助額、補助率などが異なります。
IT導入補助金を利用するにあたっては、公募要領や申請手引きなどを読み、制度の内容を正しく把握しなければなりません。
2.IT導入支援事業者・導入するITツールの選定
IT導入補助金の導入にあたっては、申請のサポートなどをしてくれるIT導入支援事業者が必要です。
そのため、導入するITツールだけでなく、IT導入支援事業者も選定する必要があります。
3.アカウントをはじめとする各種準備
IT導入補助金の申請に向けて各種準備をしていきます。
実施すべき準備は次の2つです。
- gBizIDプライムのアカウント取得
- SECURITY ACTION・みらデジ経営チェックの実施
gBizIDプライムはアカウントID発行までに2週間程度かかるため、早めに発行申請しておく必要があります。
4.交付の申請
IT導入支援事業者と相談しながら、導入するITツールの決定、事業計画を作成し、申請手続きを実施します。
申請にあたってはIT導入支援事業者より「申請マイページ」の招待メールを受領し、申請マイページを開設しなければなりません。
マイページを開設したら、gBizIDでページにログインし必要情報を入力、IT導入事業者が入力内容を確認した後、SMS認証で本人確認を実施し申請すれば交付申請は完了です。
5.交付決定通知・補助対象となる事業の実施
申請後、交付決定が通知されたら、ITツールの導入など補助対象となる事業を実施します。
事業完了後に報告書の提出が必要になるため、請求書などの書類は大切に保管しておかなければなりません。
また、ITツールの契約や購入は必ず交付が決定されてから実施するようにしましょう。
6.事業実績の報告
補助金額の確定・交付に向けて、事業実績報告を実施するステップです。
書類添付、補助金受取口座といった必要情報を入力し、事務局に事業実績を報告します。
7.補助金額の確定・交付
事業実績報告をもとに、事務局が確定審査を実施し、補助金額を確定します。
補助金が確定したら、事業実績報告で登録した受取口座に補助金が交付される仕組みです。
8.事業実施効果報告
補助金が交付したら終了というわけではありません。
申請マイページを介して、事業実施で得られた効果を報告する必要があります。
ITツールを継続的に活用していることを証明する書類や、売上・原価といった生産性向上にかかわる数値目標に関する情報インボイス制度への対応状況を提出してください。
IT導入補助金 個人事業主でよくある質問
「IT導入補助金 個人事業主」でよくある質問は次の4つです。
- IT導入補助金を申請する際のポイントを教えてください
- 同時に複数枠への申請は可能?
- 個人事業主として開業したタイミングでIT導入補助金は利用できますか?
- デバイス購入・ホームページ作成は補助対象となりますか?
それぞれ詳しく解説します。
1.IT導入補助金を申請する際のポイントを教えてください
個人事業主がIT導入補助金を申請する際のポイントは次の3つです。
- 法人・個人では申請に必要な種類が異なることを理解しておく
- IT導入補助金は公募が複数回あり申請期間が決まっている
- 補助対象を理解しておく
IT導入補助金の採択率を低下させないためにも、上記ポイントをしっかりと押さえておく必要があります。
2.同時に複数枠への申請は可能?
IT導入補助金は同時に複数枠への申請が可能です。
ただし、複数枠への申請が可能となるのは、それぞれ異なる事業で重複していないことが条件です。
そのため、関連ビジネスで複数枠での申請はできません。
よくわからないという場合は、IT導入支援事業者に相談してみるとよいでしょう。
3.個人事業主として開業したタイミングでIT導入補助金は利用できますか?
個人事業主として開業したタイミングでIT導入補助金の利用はできません。
IT導入補助金の申請に際しては、事業実態を確認できることが条件の1つとなるため、ビジネスとして決算・確定申告を実施した実績が必要です。
したがって、個人事業主として開業したタイミングでは、決算・確定申告の実施した実績がないため、IT導入補助金を利用できません。
4.デバイス購入・ホームページ作成は補助対象となりますか?
会計システムと一緒にパソコンを導入し、そのパソコンで会計システムを利用するのであれば、デバイスもIT導入金の補助対象となります。
デバイス購入を単独で申請した場合は補助対象とならないため、デバイス購入でIT導入補助金を利用するのであれば、ITツールの導入も検討しなければなりません。
また、ホームページやECサイトはIT導入補助金の補助対象外となります。
IT導入補助金 個人事業主 まとめ
個人事業主は小規模事業者に該当するため、補助対象の定義を満たしていれば、個人事業主であってもIT導入補助金の利用が可能です。
ただし、IT導入補助金は決算・確定申告の実績が必要であるため、開業したタイミングでは補助金の利用ができません。
また、申請枠によって補助対象や補助率、補助額が決まっています。
個人事業主は法人と比べると気軽に相談できる相手がいないため、1人ですべて対応しなければならない可能性が高く、概要を理解しておかないと補助の対象ではなかったという事態になりかねません。
このような事態を避けるためには、信頼できるIT導入支援事業者を選び、適宜相談しながら申請を進めていくことが大切です。
「売上あげる、お手伝い」をコンセプトに、サイト制作やコンテンツマーケティングのサポートなどをしているみやあじよもIT導入支援事業者として、IT導入補助金のサポートをしております。
IT導入支援事業者を探している、補助金を利用したいけど細かいことが分からないという方は、みやあじよにご相談ください。