IT導入補助金2024でECサイトの補助終了!概要やIT導入補助金以外の補助金制度を解説

2024.04.01

IT導入補助金では2024年からECサイトは補助対象外となりました。
今回はIT導入補助金の概要や、IT導入補助金以外で使える補助金を解説、ご紹介します。

 

IT導入補助金は2024年も継続

IT導入補助金とは、日本国内で登記および事業を営んでいる中小企業・小規模事業者の労働生産性向上を目的に、ITツールの導入を支援する補助金のことです。

2017年に開始されて以降、受給要件や申請類型が少しずつ変化しながらも毎年継続され、2024年も継続することが決定しました。

2024年のIT導入補助金の申請類型

2024年のIT導入補助金の申請類型は次の5つです。

  • 通常枠
  • インボイス枠 インボイス対応類型
  • インボイス枠 電子取引類型
  • 複数社連携IT導入枠
  • セキュリティ対策推進枠

それぞれ詳しく解説します。

通常枠

通常枠とは、生産性向上につながるソフトウェア・サービスといったITツールの導入費用の支援を目的としている支援枠です。

通常枠では導入費用だけでなく、保守運用やクラウド利用料(最大2年分)といった導入関連費用も補助の対象となります。

インボイス枠 インボイス対応類型

インボイス枠 インボイス対応類型とは、2023年10月1日より開始されたインボイス制度に特化した支援枠です。

インボイス制度に対応した会計・決済・受発注ソフトをはじめ、パソコン・タブレット・レジ・券売機などのハードウェア導入費用も支援対象となります。

小規模事業者の場合、補助率は最大4/5、補助下限もないため、低価格なITツールの導入も可能です。

インボイス枠 電子取引類型

インボイス枠 電子取引類型とは、取引関係にある発注者が費用を負担してインボイス対応の受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者が無料で利用できる場合に補助してくれる支援枠です。

IT導入補助金の補助対象となるのは原則、中小企業・小規模事業者ですが、電子取引類型の場合は大企業も補助対象となります。

複数社連携IT導入枠

複数社連携IT導入枠とは、10社以上の中小企業・小規模事業者が連携してインボイス制度の対応やキャッシュレス決済を導入する取り組みなどを支援する申請類型です。

地域DXやサプライチェーンでデジタル化を推進する際に適した支援枠となっています。

各種ITツールの他、連携で生じる事務費・専門家費も補助の対象です。

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠とは、サイバーインシデントやサイバー攻撃による供給制約といったリスク低減を目的とした支援枠です。

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公表している「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載のセキュリティサービス利用料が支援対象となります。

IT導入補助金2024の概要

IT導入補助金2024の概要を次の3項目に分けて解説します。

  • 支援枠の改編
  • 補助率の拡大
  • 補助対象となるITツールの改編

支援枠の改編により、IT導入補助金2024では「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」「複数社連携IT導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の4枠となりました。

補助率はインボイス枠 インボイス対応類型において、小規模事業者の補助率が1部、4/5へと拡大しております。

また、補助対象となるITツールの見直しにより、インボイス枠 インボイス対応類型では、インボイス制度に対応していないツールは補助対象外となりました。

IT導入補助金2024よりECサイトは補助の対象外

IT導入補助金2024で大きく変更された点は、ECサイトが対象外となったことです。

ECサイトとは、「Electronic Commerce」の略称で、インターネット上で商品を販売できるサービス・システムとなります。

これまでのIT導入補助金は、ECサイトも補助対象でした。

しかし、IT導入補助金2024よりECサイトは補助対象外となっています。

IT導入補助金以外でECサイト制作の補助を受けられる補助金

IT導入補助金以外でECサイト制作の補助を受けられる補助金は次の3つです。

  • 事業再構築補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

それぞれ詳しく解説します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、中小企業・中堅企業を対象に、業務転換や新規事業などにかかる費用を1部補助してくれる制度です。

実店舗で小売業を実施している業者がECサイトで通信販売をはじめる場合、事業再構築補助金の対象となり、ECサイト構築費用の1部を補助してくれます。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは、インボイス制度の導入や賃上げ、働き方改革などに直面している中小企業・小規模事業者の支援を目的とした補助金です。

生産性向上や試作品の開発などを目的とした設備投資費用の1部を補助してくれます。

応募枠はDXや賃上げ、生産性向上などさまざまで、従業員数などに応じて100万~4,000万円の補助が受けられます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、企業を持続させるために経営の見直しを実施している小規模事業者を対象に、業務効率化や販路開拓にかかった費用の1部を補助する制度です。

ECサイトにおいては、サイトの開発や構築、更新、改修、運用、リニューアルなどが補助対象となります。

【種類別】ECサイトの制作費用相場

ECサイトの制作費用相場を次の5種類に分けて解説します。

  • クラウドEC・ASP
  • オープンソース
  • モール
  • パッケージ
  • フルスクラッチ

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.クラウドEC・ASP

クラウドEC・ASPとは、サービスの利用料や決済手数料を支払えば運用できるECサイトです。

料金さえ支払えば、ECサイトの根幹となるシステムを提供してくれるため、サーバーを契約・運用したり、各種ソフトを用意したりする必要がありません。

カスタマイズ性は低いですが、ブラウザ上でECサイトを簡単に構築できるため、費用を抑えて小規模なECサイトを所持したい場合に適しています。

クラウドEC・ASPでECサイトを開発した場合、制作費用相場は無料~100万円程度です。

2.オープンソース

オープンソースとは、誰でも無償で利用できるシステムで構築したECサイトです。

ECサイト構築に必要なソースコードが無償公開されていることから、Webサイト制作の基本スキルがあれば、システムやデザインを自由に変更できます。

オープンソースでECサイトを開発した場合、制作費用相場は100万~500万円程度です。

3.モール

モールとは、Amazonや楽天市場といったECプラットフォームを活用したECサイトです。

プラットフォーム内にオンライン店舗を構えられるため、他のECサイトと違って、サイトを構築する必要がありません。

集客力も高いことから、事業規模が小さく集客力が低い初心者でもEC運営しやすいといったメリットがあります。

一方、ページの表示形式が画一化されているため、カスタマイズ性や独自性は他のECサイトと比べてありません。

モールでECサイト構築した場合の費用相場は、10万円以下です。

初期費用はほとんどかかりませんが、テナント料やロイヤリティが発生します。

4.パッケージ

パッケージとは、ECサイトの構築や運用に必要な基本機能をパッケージ化して販売しているショッピングシステムを利用したECサイトです。

フルスクラッチと比較すると多少の制限があるものの、カスタマイズ性は高いため、オリジナル性を意識しながら中規模~大規模のECサイトを構築した場合におすすめです。

パッケージでECサイトを開発した場合、制作費用相場は500万円前後となり、規模や実装する機能、カスタマイズ度合いに応じて費用はさらに高くなります。

また、定期的な保守点検・メンテナンスが必要であるため、運用費として月10万円程度かかります。

5.フルスクラッチ

フルスクラッチとは、すべてオリジナルで構築するECサイトのことです。

カスタマイズ性および、デザインに制約がないため、競合他社と差別化を図った完全オリジナルのECサイトを構築したい場合におすすめです。

フルスクラッチでECサイトを開発した場合、制作費用相場は数千万円単位となります。

ECサイトの規模や実装する機能などによっては、制作費用が数億円単位となる場合もあります。

IT導入補助金 ECサイトでよくある質問

「IT導入補助金 ECサイト」でよくある質問は次の4つです。

  • ECサイトでIT導入補助金を受けられるのはいつまでですか?
  • IT導入補助金は自社だけで申請できますか?
  • IT導入補助金の申請手順とは?
  • IT導入補助金の注意点とは?

それぞれ詳しく解説します。

1.ECサイトでIT導入補助金を受けられるのはいつまでですか?

ECサイトでIT導入補助金を受けられるのは、IT導入補助金2023までです。

2024年1月29日をもってIT導入補助金2023の最終受付は終了しているため、今からIT導入補助金を利用する場合、ECサイトは補助の対象となりません。

そのため、ECサイトで補助金を利用するのであれば、別の補助金を利用する必要があります。

2.IT導入補助金は自社だけで申請できますか?

IT導入補助金を利用するためには、IT導入支援事業者の申請サポートを受ける必要があるため、自社単独で申請することはできません。

IT導入支援事業者とは、生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者のパートナーとして、ITツールの説明・導入などのサポートから、IT導入補助金の申請・手続きをサポートする事業者のことです。

3.IT導入補助金の申請手順とは?

IT導入補助金の申請手順は次のとおりです。

  1. 自社の課題を洗い出す・IT導入補助金の理解
  2. IT導入支援事業者・ITツールの選定
  3. gBizIDプライムのアカウント取得・SECURITY ACTIONとみらデジの実施
  4. 交付の申請
  5. ITツールの発注・契約・支払い
  6. 事業実績の報告
  7. 補助金の交付手続き
  8. 実施効果の報告

IT導入補助金の申請を実施する際は、IT導入支援事業者のサポートを受けながらとはいえ、さまざまなポイントを押さえておかなければなりません。

特に注意しなければならないのが、gBizIDプライムのアカウント取得です。

gBizIDプライムのアカウントは、IDが発行されるまでに2週間を要します。

そのため、スムーズに申請するためには、早めに申請手続きを実施し、余裕を持ってアカウント取得しておかなければなりません。

また、ITツールの契約や購入は補助金が採択され、交付が決定してから実施する必要があります。

4.IT導入補助金の注意点とは?

IT導入補助金を利用する際の注意点は次の6つです。

  • IT導入補助金を申請したからといって必ず補助が受けられるわけではない
  • IT導入補助金の理解を深めておく
  • 応募期間が決まっている
  • IT導入補助金の補助対象となっているITツールを導入する必要がある
  • 事前準備を徹底する
  • 補助金は後払いのため、ITツールの購入費を全額用意しておく必要がある

ITツール導入にかかる費用負担を軽減できるIT導入補助金ですが、補助金は後払いとなるため、まずは自費で全額支払う必要があります。

そのため、補助を受けられるとはいえ、ITツール導入費用は全額確保しておかなければなりません。

また、IT導入補助金の応募期間は決まっているため、申請スケジュールを把握しながら、応募締め切りに間に合うように進めていく必要があります。

IT導入補助金 ECサイト まとめ

IT導入補助金は2017年に開始されて以降、受給要件や申請類型が少しずつ変化しながらも毎年継続して実施されてきました。

2024年もIT導入補助金は実施されますが、支援枠が大きく変更された他、これまで補助対象となっていたECサイト制作が補助対象外となっています。

IT導入補助金2023までの情報だけではECサイトが補助対象外になったことを把握できないリスクも高いです。

そのため、当記事の情報やIT導入支援事業者のアドバイスを受けながら、慎重にIT導入補助金の利用を検討していくことが大切です。

「売上あげる、お手伝い」をコンセプトに、サイト制作やコンテンツマーケティングのサポートなどをしているみやあじよもIT導入支援事業者として、IT導入補助金のサポートをしております。

IT導入支援事業者を探している、補助金を利用したいけど細かいことが分からないという方は、みやあじよにご相談ください。

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